【感想・ネタバレ】あまいゆびさきのレビュー

あらすじ

団地の隅のシロツメクサの野原で幼い少女たちは出会った。親が過保護すぎる純粋な真淳(まじゅん)と、親にネグレクトされる大人びた照乃(あきの)。正反対の環境で育った二人はたちまち惹かれあう。照乃が真淳に教えた秘密の遊びは二人の絆を強めたが、まもなく遊びが親に発覚して二人は引き離され……すれ違いと邂逅を繰り返し、傷つけ合いながらも互いの全てを求め合う少女たち。複雑で純粋な恋心と大人になるまでの軌跡を描く傑作恋愛小説。

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Posted by ブクログ

正反対の歪んだ環境で育った二人の少女が互いに惹かれていく百合だが、百合独特の、この甘ったるい感じが好き。
二人にとって互いは何にも代えがたいものなのはわかった。
マイノリティーキャラが異様に多いと思ったが、それは作中の環境のせいなのか、はたまた実際にはそれくらいいるのを自分たちが知らないor気付いていないだけなのか。
周りに流されっぱなしだった二人が最後には自分の道を切り開けてよかったと思う。
確かに体が女だからって男しか愛してはいけないなんてよく考えればおかしいような気もするし。
しかし最後で急にマイノリティーの問題を解決しなきゃ!みたいな目的意識みたいなのがでてきて重くなったのが小説としては萎えた。
それにしてもユリカがすごい。彼女(でいいのだろうか?)は影のヒロインだと思う。
最後の部分で一作書いてほしかった。

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2017年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こういう耽美な百合大好物。傷ついた少女たちが幼い頃に惹かれ合っていけない遊びをしていてそれがずっと忘れられず、お互いが高校生になって再会するまで想い続けていたのも、アメリカ行ってからも遠距離で夢を追いながら想い合ってたのも純愛すぎます。ふたりの未来に幸あれ。
絶望的な展開も続いたけどハッピーエンドに向かってよかった。毒親はやばかったけど、周囲にいい人間がいたのが救い。奥井とユリカいいキャラしてて好き。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

あらすじを読んだ時、光のところにいてねみたいな話かなあと読み出したら全然違うけどめちゃくちゃ面白くてすぐ読み終わってしまった…笑
同性愛とか、家族問題とか色々な事に触れてる作品。後味はとても良き。タイトル回収してるう…そして奥井。最高すぎる。
奥井が本当にいいキャラすぎて、奥井と絡むとみんなおもしろくなるからホントみんな奥井目当てに読んで欲しい笑
もしこの作品気になってて読むの迷ってる人いて、たまたまわたしの感想に巡り会えた人がいたら読んで損無いから、奥井のために読んで欲しい。そのくらいいいキャラだった笑

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2025年04月29日

購入済み

中々…

付かず離れずな繊細な恋愛を感じられるとても良い作品だと感じました。主人公たちにまつわる出来事に自分までドキドキしました。最後の怒涛の展開にちょっとした疑問を感じましたが、感動できる作品です。。

#切ない #感動する #ドロドロ

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2024年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

百合小説だという前知識で読みました。
序盤、中盤は少女たちの過酷な環境が描写されていてとても辛かったのですが、最後の最後に関わった仲間たちが協力して、まじゅんとあきのをくっつけたシーンはアツかった。
終わり方も最高でした。

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2023年11月21日

Posted by ブクログ

少女達の一途な思いは大人に汚されていく
ずっと2人だけの世界で
誰にも邪魔をされずに

2人でチョコレートを分けあう

どうしてこんな気持ちいいことを大人は秘密にするの?

どうして一緒に居てはいけないの?

複雑で純粋な2人の物語

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2022年11月30日

Posted by ブクログ

宮木あや子が2013年に発表した長編小説の文庫版。もとはYuri‐Hime Novelから出版されてた官能的なシーン有の百合小説です。それぞれ家庭に問題を抱えている真淳と照乃の2人の少女がすれ違いと再会を繰り返しながら互いの気持ちを確認し成長する物語です。中盤までは家庭や心情の描写が素晴らしく、真淳と一緒に楽しくなったり悲しくなったりします。終盤はテンポアップし、ちょっとしたアクションがあったり、ライトノベルっぽい展開になりますが、こういう作品でハッピーエンドを迎えるのは珍しいと思います。

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

面白かったです。真淳と照乃の幼少時代は読んでいて辛かったですが、一度離れても再会できて、それからの展開にすごく引き込まれました。愛した人が同性だっただけで、2人の関係は純愛なのだと思います。奥井もユリカも良かったです。ユリカ、かっこいい。真淳が照乃を空港から攫っていくところが好きでした。ハッピーエンドなのも良かったです。幸せな読後感です。とてもいい百合でした。

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2017年04月15日

Posted by ブクログ

宮木あや子さんは『官能と少女』から。恋愛小説としてはわりと露骨な性描写が特徴で、後ろめたくもくすぐったい感じになります。本作はいわゆる百合的な展開が主となっていて、同じく宮木さんの『ヴィオレッタの尖骨』とともに気になっていた一冊です。しかしまぁ、「あまいゆびさき」…このタイトルは甘美で、それでいて厳かな儀式を想起させますよね。

さて、冒頭主人公ふたりの幼少期(保育園児あるいは幼稚園児)から、チョコを口移ししたり触りっこをしたり結婚ごっこをしたりと、まあ見せつけてくれます…。「さすがここまでしないだろう!」とツッコミたくもなりますが、幼いふたりにとっては「楽園」を訪うがことき夢のじかん、読み進めていく上で鮮明にふたりの絆を象徴していく風景なので、導入としては納得させられるものがあります。このくらいがよい。正直この序盤の序盤こそ一番印象深かったような気がします。

そこからの展開は良くも悪くも真っ直ぐな恋愛物語です。すれ違いがあり、ベッドシーンがあり、ハッピーエンドで締めくくられます。ここまで真っ直ぐだとは…。もうちょっと背徳的というか、照乃ちゃんのためになら罪をも犯す(チョコをあげるために万引きをする)みたいな展開が続くと思っていただけに、私が思っていたような展開になることはありませんでした。二人とも真っ直ぐでとてもいい子でした(笑)。登場人物も、やけに悪人っぽく書かれた大人たちを除けば、みんな芯のあるいい人たちです。

ですから、本作は立派な成長譚あるいは青春小説としても読めるのではないでしょうか。特に後半のドラマチックな展開から緩やかに着地していくラストは良い余韻にひたれます。

まとめると、想像していたような薄暗さはあまりなかったものの、「ほんとうに」人を思う気持ちが美事に結晶した綺麗な一作でした。(因みに、私は映画なら『小さな悪の華』っぽい少女の交流が好きです。)

「大丈夫、ぜんぶ、ふたりで始めよう。何もなくてもきっと、一緒にいれば平気だから。これから怖いこともあるかもしれないけど、ふたりでいればきっと怖くないから」
こんなに小さな手なのに。こんなに小さな身体なのに。大きな黒い瞳から発せられる希望に似た光は、私たちの未来だけを映す。(本書より)

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2022年09月16日

購入済み

独特の世界

同じ著者の「校閲ガール」とはまるっきり作風が違う。この著者の作品一覧をみるとこちらの作風の方が多い。
繊細で微妙な語り口はそれなりに良いが、私の好みには合わなかった。

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2019年11月23日

Posted by ブクログ

幼い頃に出会った真淳と照乃、離れても忘れることができず、女性同士なのに、それはまさに運命の恋だった。境遇の違いや、すれ違う気持ちなど、これが異性との恋愛だったらベタな青春恋愛ものだけど、同性ということ、性的マイノリティの人や引きこもりのオカマが出てくるあたりが面白い。同性に惹かれる葛藤や、スクールカーストなど、もう少し深い方が好みだけど、ライトな分読みやすいとも言える。ただ、全体的にラノベっぽいのに宮木さんらしい艶っぽい表現があったりして、バランスの悪さを感じた。レーベル的にも女性同士の行為の描写なんて珍しいんじゃないかな?主人公2人より奥井が一番好きかも。

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2016年10月31日

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