宮木あや子のレビュー一覧
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ネタバレなんだこれは。
宮木あや子だけど、A面でもB面でもない、新境地!?
A面にしては、優美な官能が足りないし、B面にしては現実感が足らなすぎる。
現代の話だし、B面の派生系みたいな感じだと思うが、長崎の五島列島の風景とエステ科のある高校での寮生活というのが自分とはあまりにもかけ離れた世界なので、現実感がなさすぎる。
そして、宮木あや子なのに一切エロがない、これはどうしたことか!?
がしかし、爽やかな、でも大人の階段を登っていく少女の青春小説としてはとても良かった。
子供は、周りの大人が今まで思っていたほど完璧ではなかった、と気づいたときが大人になる時だと思っている。
友麻のように複雑な家庭環境だ -
Posted by ブクログ
ごめんなさい、ほんとにおもしろいけど、R指定をつけてください。笑
とりあえず25歳以上の女性じゃないと響かないかもしれない。
まだキラキラした将来を夢見ている若い処女がこれを読んだら、大人に失望するかもしれない。けど実際こんなもんだと思うのよ。
女子の下ネタはエグいって言うけど、そうそうこの感じ。男子が見たらショックを受けるかもしれない。女子は仲のいい女子との間では色んなこと話すのよ。
笑えて元気が出る。私は私のまま。とりあえず前に進めば大丈夫。そう思わせてくれる作品。
落ち込んだり失恋したときに読もう。ほんとに仲よしの友だちにだけは薦められる!(下ネタ多すぎて公には薦められない) -
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さてさてさんのレビューを見て早速読みました。
さてさてさんはエログロが苦手のようですが
自分は大好物なんで、期待度マックスで読み始めました。
その期待を裏切らない、いや想像を超える
えげつないエログロ作品で大興奮でした。
私、語彙力がないもので、解説から引用して
「こんなにもいびつで、勝手で、醜いものが、
こんなにも清々しく、爆発的なエネルギーを
放って生きている。
面白くってたまらなかった。
思わずにやにやしたあとに我に返り、
ここから連なる物語とはなんだろう、いったい
どこへ連れて行かれるのだろう…」
という感じで、どんどん物語に、少女に引き込まれていきました。
ここまで壮絶な人生を -
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『親に売られたとき、泣き喚く雛代の横で菊代は、去ってゆく両親の背中を見ながら、一生涯人なぞ信じるもんかと決めた』。
2011年3月11日の後、この国で何が起こったかを覚えているでしょうか?東日本大震災により、交通網は大打撃を受け、”計画停電”というまさかの事態により、私たちの豊かだった生活は足元から大きく揺らぎました。そんな中で私が一番覚えているのは、スーパーに行った時のことです。普段当たり前に見てきたはずのモノに満ち溢れた棚に商品がないという現実。あらゆるモノが売られ、あらゆるモノが買える、そんな豊かだった私たちの生活が一瞬にして突き崩されました。私たちの当たり前の日常というものは、実はと -
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しゃれた構成のアンソロジー
煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。 -
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もう何周したかわからない程読んでます。雨の季節になると開きたくなる世界。閉じてて潔癖で痛々しくて儚くて、大好き。雨の降る、美しい小説でした。
心のなかに、さくらしかいなかった矢咲、母親しかいなかった小津、お互いしかいなかった三島と都岡、4人の関係が交差していき、仲良くなったり嫉妬したり壊れたり愛したり。
逃げてきたり捨てられたりした彼女たちには、いつかはなくて今しかないから、余計に閉じていって相手しか見えなくなるのかも。
小津は一足先に世界から消えたけど、矢咲と三島と都岡は岬の学園を出てどう生きていくのかな。特に三島…後ろ盾が無い人は三島だけだから、1番強くならないといけないのが彼女な気がしま -
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強くてしなやかで脆い
この作品、本当に堪能しました。
まさかのラストはやり手サンと弥吉じぃちゃんのお話。
やり手サンも最初は遊女だったのね。
信じて、信じすぎて。
先輩遊女の言うことが回り回ってる様子も、何やらストンと落ちました。
途中、懐かしの面々の顔もチラリとみえて、ちょっと嬉しかったです。
強くてしなやかで脆い、素敵なストーリーでした。
原作も読んでみようと思います。 -
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こういう終わりもあるのね
私の好きな八津、三津のお話。
後半は緑なんだろうけど、やっぱり三津の話な気がします。
今までにない終わり方で、これからも続いていく希望を感じられました。
どうしようもない現実と向かいあって、諦めることも多かったけど、小さな幸せを見つけたようでちょっびり嬉しい巻でした。
八津、三津の年相応の普通のやりとりが大好きです。綺麗事だけではなかったけれど、やっぱり普通の女の子に戻れるふたりのこれまでも大事な時間だったなぁと感じずにはいられません。 -
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霧里さんと半次郎
霧里さんから見た話と半次郎さんから見た話が交差して、2人のお話に幕がおりました。
茜ちゃんには伝えない優しさの中に複雑な思いと強さが滲み出てましたね。
ただ彼女の最期に、妄想でもいい、幻でも良い、あの場面があったことに救われました。
八津ちゃんのお話も始まり、どんな展開になるのか楽しみです。
髪結のおじいちゃん、好きだったなぁ。 -
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切ない
今回は半次郎さんのこれまでのお話。
まだお姉さんと再会する前のお話でした。
最悪の状況から頑張ってきた半次郎さんにも乗り越えてきたものがあって、、、切なかったなぁ。
まだまだ続くけど、ちょっと1巻から読み直してみようと思います。 -
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泣ける
茜の話に泣けました。
上を見ればキリがない。
上ばかりを見ていた茜が、一人前になっていく様子は、暖かかった。その優しさに涙。
打掛?お布団、おまんじゅう。
茜もかっこいい遊女になってくんだろうね。
そして後半は半次郎さんの若い頃!
繋がってて嬉しいな。 -
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吉原らしい
この時代独特の花魁さんの話が好きで購入。
手が届きそうで届かないもどかしさと切なさが感じられました。
ヒロインがその都度変わるようなので、いろんな話を楽しめそうです。 -
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ネタバレ2009年の初読以来。
はじめて読んだ宮木作品が本作で、わたしにとって、シリアス宮木さんと言えば雨の塔。
もう少女とは言えない10代終盤から20代前半くらいの大人女子、の、一部というか半数というか……が、強烈に憧れるだろう少女趣味な小道具群、
特に甘いものに没頭出来ない自分を感じて
すっかり大人になってしまった……とちょっとしょんぼりしたのはまあ前半(?)くらい。
大すきな作品だと記憶していたけれど、記録を辿ったら意外と三つ星で、だから今回、もしかしたら初読時よりも多くのものをがっちりとキャッチ出来たような気までする。
表層にやられない分、芯まで手を突っ込んだ感じ。というか昔は表層だけに耽 -
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ラプンツェルの塔
雨の塔を見上げた矢咲は
その小さな窓から
救いの髪が降りてくるのを願った。
窓から見下ろした小津は
垂らす事の出来ない
うなじで切り揃えられた髪の毛で
あがっておいでとただ願うのみ。
妄想を最大に働かせると
もうここで彼女達の命運は決まっていたように思える。
小津はもう限界だった。
母に捨てられた時。
鳴く事を知らない鳥は
骸となって鳥籠に横たわった。
父に捨てられた時。
鳴けない鳥は悲しみと共に
籠の底に切り捨てられ動かなくなった。
そして
矢咲を失う時。
鳴く事を知ってしまった鳥はもう
鳥籠には帰れない。
海を選んだのは
海流に乗って潮風に運ばれて
母のそばに矢咲のそばにい