【感想・ネタバレ】手のひらの楽園(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

父のことは知らない。物心つく前に死んだらしい。長崎県の離島・松乃島で母子家庭に育った友麻は、本土にある私立夕陽ノ丘高校エステ科に進学するため島を離れた。その数日後、母は失踪した。帰省の折に予期せぬ出会いから母の秘密を知り、足下がぐらりと揺れる友麻。だが厳しい現実を突きつけられても友麻は自分を信じ友人に支えられ歩んでいく。繊細な十代の姿を描き出す、感涙の青春小説。(解説・栗田有起)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

なんだこれは。
宮木あや子だけど、A面でもB面でもない、新境地!?
A面にしては、優美な官能が足りないし、B面にしては現実感が足らなすぎる。
現代の話だし、B面の派生系みたいな感じだと思うが、長崎の五島列島の風景とエステ科のある高校での寮生活というのが自分とはあまりにもかけ離れた世界なので、現実感がなさすぎる。
そして、宮木あや子なのに一切エロがない、これはどうしたことか!?

がしかし、爽やかな、でも大人の階段を登っていく少女の青春小説としてはとても良かった。
子供は、周りの大人が今まで思っていたほど完璧ではなかった、と気づいたときが大人になる時だと思っている。
友麻のように複雑な家庭環境だったりすると、それに気づくきっかけが人より多いかもしれない。

作中で彼女は恋をするが、それはもう、恋というよりは愛ではないか。
キリスト教で言う、エロスではなくアガペーの愛。
確実に初恋ではあると思うが、初恋にしてアガペーの境地に至ってしまうのはすごい。

続編が読みたい。
もっと大人になった友麻が、エステティシャンとしてバリバリ働く友麻が、エロスな恋をするA面バリバリで続きが読みたい。
変態は出てこなくていいけど。
相手は、享ではなく、もっと現実感のある誰かがよい。

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2023年10月27日

Posted by ブクログ

高校2年生の女の子の1年間を描いたもの。
家族のことや友人関係、将来のこと、また彼女にとってかなり衝撃的な事実が明らかになったりする。
だが、決してその出来事をドラマティックに描くことなく、あくまでもそれに対峙する少女の心境に主眼がおかれ進んでいく。そこがとても良かった。
きらきらが描かれなくても、結果的に「青春」を読んだ感じはしっかりと残っている。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

それぞれ色んな悩みを抱えている主人公や友人だちが、お互いに支え、時には傷つけ合いながらも成長していく姿が懐かしく、高校時代に戻りたいと思った。

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2022年07月18日

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