宮木あや子のレビュー一覧

  • 太陽の庭

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    「雨の塔」の姉妹作であり、「白蝶花」とも関連する本作。久々に人物図を整理しながら読んだ。
    めちゃ面白い。特に表題の章は、宮木あや子のサスペンスもの、ミステリーものが是非とも読みたくなる。
    他四章は宮木あや子らしい儚さと艶っぽさがあって、これもまた良し。
    そして、なんでも知ればいいってわけではなく、世の中には知らなくていいこともあるんだなと思わせてくれた小説。

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    2025年11月16日
  • 白蝶花

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    「花宵道中」を想起させるような、時代の流れとその中で見える女性の生き様が本当に美しい。
    男は好かんけど、作中の男女の間には確かな愛情があって、それは当人にとって尊いものであるのだと思う。
    男にとって女とは。女にとって男とは。壮大なテーマに取り組まれている。

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    2025年11月02日
  • 花宵道中

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    指切りの始まりは遊郭、なんて話が有名ですよね。
    自分の指を切ってまで誰かに捧げたい愛があるのだろうか、と平凡な自分は思っていましたが花宵道中を読んでそりゃあ指切りが生まれたって可笑しくないよなと感じてしまいました。
    遊郭の艶やかさと切なさ、美しさに闇深さ、こういった耽美な世界が今もまだ現代で遊郭を舞台にした作品が作られている理由のひとつなんだろうと思います。
    朝霧姉さんが好きすぎて1本目からしんどかったですが、最後まで読めて良かった。最高の小説です。

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    2025年10月02日
  • 花宵道中

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    大人なテーマでした。当時の女性たちの美しさ、儚さ、残酷さなどがひしひしと伝わってくる文章でした。とても面白かったです。

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    2025年08月25日
  • 百合小説コレクション wiz

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    スマホよ、鳴るな。大人しくしていろ

    どうして彼女が嘘を愛していたのか、その理由はわかる気がした。


    百合という同性恋愛小説という文化に最近触れてこんなにも面白いのかと思うようになった。

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    2025年04月30日
  • 白蝶花

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    戦前から戦後にかけての女性に焦点を当てた物語
    艶やかな描写もあるけれどそちらはメインではなく、戦争の混乱と女という性の運命を、連続する4作で表現されています
    1番文章量が多い「乙女椿」がまさに戦時中から終戦の混乱期のお話で、読み応えがありおもしろかった

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    2025年04月22日
  • 花宵道中

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    ここには「地獄」と言われた吉原の女郎たちのドラマが詰まっていた。
    しかも、これでもかというほど残虐な設定が次々と明らかになる。性描写もあるが、吉原では必然のこと。むしろ男に抱かれることを細かに描くことで、女たちの、運命の残酷さをさらに際立たせている。たとえ相手が惚れた男でも、むしろその方が悲劇でさえある。
    今年の大河ドラマでもかなり吉原の現実が突きつけられていたが、実際はもっと厳しいことがよくわかる。小説の設定として、さらに残酷な仕立てになっているが、それを省いても、売られてきた女たちの運命は決して明るくない。

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    2025年11月03日
  • 花宵道中

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    江戸の遊郭を舞台にさまざまな(悲)恋を描いた作品

    現代を舞台にしたら絶対描けないような
    胸が締め付けられる心情が
    思いの外淡々と描かれている

    艶やかというか儚いというか
    初の作家さんだったけれど、他の作品ももっと読んでみたいな

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    2025年03月16日
  • 雨の塔

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    ネタバレ

    200ページ余なのにとてつもなく濃度が高かったです。そして静か。太平とは異なる静謐な文章と物語。だからこそ心の乱れが際立っているんだと感じました。
    4人の少女はそれぞれ望む形で治るべき、治るべき結着を迎えたのだろうと思います。
    手元に置きたい1冊です。
    矢咲と小津が、ともに歩む未来を見たかった。

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    2025年02月09日
  • 雨の塔

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    ネタバレ

    「作り物の空は、日の光を降らしてはくれないんだよ、小津。」

    なんて、愛しいんだろう。

    ねえ幕の下ろし方まで完璧なんて、そんなのは狡いよ。

    作中に出てくる人物たちはみんな、どこか傷付いて痛々しい。

    分類としては少女小説になるのかな。
    私はこれを百合小説とは呼びたくないな、と思う。

    愛しい、かなしい。と、そればかり思いながら読んだ。

    三島が当然の様に要求する事を我儘だと思う人もいるだろうし、小津の斜に構えた思想が苦手な人もいるだろうな。偶像を押し付ける津岡の事も、優し過ぎる矢咲の事も、誰かは無責任だと言うのかも知れない。

    行き場のない苦しみを抱えて、何も自分で決められず生きるしかない

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    2024年12月29日
  • 婚外恋愛に似たもの

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    面白かった。女性35歳5人が推し活で繋がっていく。
    最初は歪んでるなぁって思いながら読んでた。
    隣の芝は青く見えるって言うけど、やっぱり容姿や経済、立場といった格差と呼ばれるものが彼女達にも存在していて。。
    後半、どんどん彼女達が突き抜けていくのが面白い。友情とはまた違った形で繋がっていく5人がいいなぁと思った。

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    2024年10月20日
  • CAボーイ

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    お仕事あり友情ありの最高エンタメだった。
    しかも驚異的に読みやすかった。一人称のノリが軽い地の文は、文章が上手くないと読んでてしんどいのだけど。

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    2024年09月28日
  • 官能と少女

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    短編ということもあり、一つ一つが浅くならないか不安だったが、思っていた以上に綺麗に纏まっていてそれぞれに満足出来る作品に感じました。
    官能表現も丁寧なので、読んでいて楽しかったです。
    作品全体として百合作品が多い印象があったので百合が苦手な方はは向かないかもしれなません。私はこの作品でしっかりとした百合が含まれる小説を初めて読んだのですが初心者にはおすすめかなと思いました。心情表現もしっかりされていますしね。

    激しく気ないぬるい官能表現で百合が好き、隙間時間を利用したいから短編が良いなという人にはおすすめできると思います。

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    2024年08月25日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    「略奪愛」をテーマに紡いだ、書き下ろし恋愛小説集。彩瀬まる/窪美澄/千早茜/花房観音/宮木あや子、好きな作家しかおらん…。好きな作家しかおらんと思ったら好きな話しか収録されていない…。どれも好きで読んでてぐわああっとした感情でいっぱいになった。略奪愛というテーマで薄暗いようなイメージがあるかもしれないけど、でもどの話もピュアでまっすぐでだからこそ「略奪」って可能なのかもしれない。てらいなく自分に素直になれるからこそ手元に愛を引き寄せることができるんだなあとそのエネルギーに溺れそうになった。どの話も読み応えがあって幸せな読書体験だった

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    2024年06月17日
  • 婚外恋愛に似たもの

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    それぞれ全く違う立場の女性たちがアイドルでつながるのが面白い。
    確かに、同じアイドルを好きじゃなかったら会えなかったと思う人っているなあ。
    全然身分は違うけど、隅谷さんに一番共感する。
    やっぱり、自立している女性はいいね。
    離婚したら、ジャバの人生も結構楽しそう。
    桜井さん、3番目の女というよりは自分が自分を3番目に置いちゃってるんだろうなあ。
    幸せになってほしい。
    アイドルオタクというよりは、いろんな女性の物語という感じでしたが、
    楽しく読めました。

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    2024年04月15日
  • 春狂い

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    桜が咲く前にこれを読んで、「ああ、今年も白いな」と安心するのがここ数年のルーティーン。
    やり切れなさが春に似合う。

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    2024年03月28日
  • 花宵道中

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    読もうと思った背景はさておいて、
    初めて堪能した花魁、吉原、花街の世界観。
    華やかで儚くもありとても悲しい。
    出てくるワードも調べながら読み進め、勉強になりました。

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    2024年03月22日
  • CAボーイ

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    あー、好きだなぁ、この感じ。
    ストーリーもよかったし、どの登場人物もそれぞれ個性的で、そう遠くなく、絶対再読したいなぁと思った。
    テンポもいいし、ちょっと毒のある文体も爽快でいい。

    意識してなかったけど、しばらく女性主人公の話ばかり読んでたので、男性のお仕事小説はちょっと新鮮だったな。
    治真の大学からの親友たち五人の関係も心地良い。
    仕事仲間として登場する女性たちの凛々しさも気持ち良い。

    その後が気になる要素もいくつかあるんですけど、続編はあるのかしら…??

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    2024年02月18日
  • 雨の塔

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    ネタバレ


    資産家の娘達がこの世の果ての塔に閉じ込められる、って設定だけでわくわくしてたけれど、実際は女の子の弱くて繊細で美しい描写がもりだくさんのお話で、胸がいっぱいになる。
    ずっと側にいてほしい、どこにも行かないでほしい、って気持ち。捨てられた彼女達がそれを切に願う所が皮肉のようで苦しくなる。

    香りが特徴的な小説。
    シャンプーの桃の香り、煙草の香り、焼き上がったマフィンの香り、インスタントコーヒーの香り。香りが印象づいているのは魅力的。

    ずっと小津はいつか海に帰るのだろうと思ってはいたけれど、凄く苦しい。矢咲は、帰ったらまた顔を合わせて話そうね、と未来を語れたけれど、そう考えられなかった小津のこ

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    2024年01月30日
  • CAボーイ

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    2023年の読み納めはこちら。久しぶりの宮木作品、待ってました。
    やっぱり好きだわ~。

    パイロットの夢を諦めて一流ホテルに勤めていた治真は、中途採用で航空会社NALへCAとして入社。かつて彼の父はNALのパイロットであったが薬物使用の疑いでその職を奪われた。父を信じている治真はなぜそんな嘘がまかり通ったのか、自分の夢も燻り続けながらも新たな道で訓練が始まる。

    大学同期とのやり取りや、先輩CA・保安検査員との日常会話など相変わらず宮木節を感じる会話のテンポが好き。珍しくちょっとした謎も散りばめながら、最後はやっぱりすっきり終わるお仕事小説+ちょっとラブあり。
    あっという間に読み終わって楽しい

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    2023年12月29日