【感想・ネタバレ】ガラシャのレビュー

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明智光秀の娘のお話

宮木あや子さんの文章はどれも本当に美しい。
歴史としてざっくり知ってる程度の本能寺の変という出来事の裏に隠れた様々な人の苦悩を感じ、
とても切なくなった。 

歴史とは人が一瞬一瞬積み上げてきたもので
堅く羅列してしまうと事象だけを飲み込んでしまう。
少なくとも私は年号と場所と関わった人、というある種記号のような覚え方しかしてこなかった。
その瞬間に多くの苦しみ戸惑い怒り悲鳴があったことなどつるんと覆い隠されてしまう。

もう会えないかも知れないという思いで
夫を戦地に送り出す

我が子の未来に戦と死と絶望しか感じられない

本当に愛した人とは決して結ばれる事は出来ない

細川ガラシャだけでなく
きっとかつての日本ではこんな事態が
珍しい事ではなかったのだ。

沢山の苦しみや悲しみを繋いで
生き延びてきた人々の上に
私は立っているのだという事を
今一度考えるきっかけになった。

「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」

ガラシャの辞世の句は
彼女の人生、思いを理解してより
心に染み入るものだった。

歴史に重きを置いてレビューを書いていましたが
珠玉の恋愛小説と表することも出来ます。

そこはぜひ読んで噛み締めて頂ければな、と。

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2020年09月07日

Posted by ブクログ

哀しいぐらいの一方通行のお話し。
人を思うことの切なさが、感じられる。
狂うぐらい、人のことを思えるってすごい。
光秀の印象がだいぶ変わった。

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2013年12月02日

Posted by ブクログ

明智光秀の娘で細川忠興に嫁いだ細川ガラシャの一代記。
明智光秀、玉子(洗礼名ガラシャ)、玉子の侍女である糸、そして忠興の父・幽斎の目線で順に物語が綴られていく。

戦国時代に関しては予備知識がほとんどないので、あまり歴史小説という意識なく読んだ。
著者の他の作品に比べると、ぐいぐい引き込まれる感じが少し弱いかなと思うけど、充分読み応えある。
特に、「マリア」の章に入ってから物語が加速度的に展開し、目が離せなくなった。

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2017年01月08日

Posted by ブクログ

登録数800冊目。

私、時代小説を読むのは好きなのですが
歴史に疎く名前を聞いても何をした人なのか
どの時代に生きた人なのかほぼわからず。
登場人物の数が多いと頭がこんがらがるので
今回の小説はスポットにあたる人数が少なかったので読みやすかったです。

明智光秀、織田信長などの有名どころな人たちの話なのも有難かったです。


史実をもとにしたフィクションなのだろうけれど、
終わり方は大満足。
読み終わった後にガラシャと忠興の夫婦仲は良かったと書かれていたが、本当のところはどうだったのだろう。

明智光秀には都市伝説もたくさんあるし、歴史ってやはり面白いなぁ。

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2015年10月01日

Posted by ブクログ

激しい歴史の渦に巻き込まれ、遠い時代にタイムスリップした心があまりの切なさと苦さで痛いです。

運命に翻弄されながらも強く優しく生きたガラシャの気高さに圧倒させられます。
ガラシャに限らず、この時代に生きた人たちは生死が近く、制限が多く、幸せがとても刹那的に見えてそれだけでも苦しいくらい。心の方位磁石を持たないと正気で生き抜くことができない時代ですよね、きっと。

主君殺しという大罪を負った罪人の娘ながら一人生きながらえている罪、
産声すらあげさせることなく冷たい赤子を生んだ絶望感、
いっそ死んでしまえば、いっそ狂ってしまえたらと思いながら日々を送るガラシャの気持ちに寄り添うとこちらまで引きずり込まれてしまいそうに。

そんな暗闇の中に一筋の光となった恋や信仰、それすらも厳しい制限の中にあるんですよね。
史実ではガラシャが亡くなったのは38歳のときのことだといいます。その短い一生の中にどれほど絶望を味わったんでしょうね。
本書の最後の章は、この本の中で唯一の救いでした。

一目会ったときからガラシャを支えると決め慕い続けた次女 "糸"の存在感も大きいです。
真っ直ぐにガラシャしか見えてなかった彼女が大人になるにつれて柔らかくなっていくのも、なんだか愛おしい。
それからやっぱり印象に残っているのはガラシャの夫、忠興。強い想いはプラスに働く分にはいいけど、マイナスに働くと危ない、といういい例ですよね。
そんな彼も母のいない喪失感を抱えながら生きてきたんですものね。

心の平安を保つのはなんて難しいんでしょうね。
気持ちの拠り所があれば、人は狂わずにいられるんでしょうかね。
本書には書かれていませんが、ガラシャの辞世の句が ちりぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ" だと知り、また胸を打たれました。

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2015年05月31日

Posted by ブクログ

明智光秀の娘である細川ガラシャの話。ガラシャの心の移り変わりや、それぞれの人物の心理描写、関係がとてもリアルだ。
2014/2/5

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2014年02月08日

Posted by ブクログ

☆4.0
明智光秀の娘 玉子=細川ガラシャの史実を絡めたフィクション。
とても面白く読み進められた。
光秀や幽斎の苦悩、忠興の幼稚さ。
名だたる戦国武将とはいえ、ただの人なのだと思わされた。
糸や玉子が無事に天主様の元へたどり着けたことを願う。

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2014年02月06日

Posted by ブクログ

明智光秀の娘・玉子を題材とした小説。光秀・玉子・マリア(糸)・幽斎の章から成り立ち、それぞれの視点から玉子の生涯が語られてる。

校閲ガールを読んでから宮木作品が気になって手に取ってみた。

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2017年05月28日

Posted by ブクログ

宮木あや子が歴史物って、どうなんだろう?と思っていたけれど、ちゃんと歴史小説になってました。とはいえ創作部分もあり、やはり恋愛小説らしい心情も描かれていたり。
複数人の視点から描かれているのは、良かった。
読み終わって、時代も人物も何もかもが、とにかく悲しいな。。。と強く感じた。

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2014年06月21日

Posted by ブクログ

201405/史実と創作の絶妙さがよかった。他のこの時代物だと、ガラシャは端役であっても強烈な印象を残すことが多いんだけど、この作品ではガラシャよりも糸など取り巻く人々のほうがインパクトあって、でもそれによってかえってガラシャの抑圧や儚さが強調されて伝わった。

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2014年05月18日

Posted by ブクログ

ガラシャについてはもちろんのこと、幽斎についての従来のイメージが変わった。また、ガラシャが幽閉されていた所が、どのようなところか(どのように自然に囲まれていたのか)見てみたい気がする。

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2013年10月07日

Posted by ブクログ

忠興のワガママ子供っぷりがすさまじい…

人の心が壊れていく様子は、悲しくて苦しい。
でも、最後は一応みんな救われるのかな。

光秀の描き方は、私の好みでした。

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2013年10月04日

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