夕木春央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「方舟」、「十戒」でお馴染みの夕木春央氏のデビュー作。舞台は第一次世界大戦が絡む大正時代で、あるとき屋敷の庭に屍体が発見される。殺された人間の背景を辿ると「絞首商会」という秘密結社と深く関係しており、この死は誰のどういった目的でなされたのか。
個人の犯行か、組織の犯行か。
探偵役として抜擢されたのは、犯行現場の屋敷に過去泥棒として犯行を行った者なのはなぜか。
容疑者として疑われている者たちは、警察よりも先に真相を追おうとしているのはなぜか。
様々な謎が、たびたび発生するが、最終的に緻密に回収されていく。本格ミステリー好きは、好みの一冊かもしれない。
犯行動機を知ったとき、ん?と疑問に感じたが、大正という時代であれば、おかしくないのかもしれないな、と現代とのギャップが少し面白く感じられた。
ただ、大正時代ということで、表現がやや硬くて難解な部分も多々あり、人によっては読みづらさが勝ると思われる。文庫本として600ページ近くあるがミステリーとして長く感じて少しだれた部分もある。軽めに読みたい人には合わないかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじをみて面白そうだと思ったし、実際ストーリーは複雑に絡み合っているものではあったんだけど、どうも入り込めなかった感はある。
終盤まではあまり盛り上がるポイントがないというか平坦なように感じてしまった。
連続殺人事件が起きてはいるのだけど……
あと私が勝手に『サロメ』の内容とリンクしてる部分が多いのかな?と想像してしまっていたけど、そこまででもなかったなぁと。
登場人物の見た目やおおまかな筋は『サロメ』からとっている部分が多いけど、登場人物の内面がリンクしてるとかいうことはあまりなかったように思う。
ラスト100ページほどは先が気になり一気に読めたし、犯人の最後の仕掛けも大掛かりかつ残虐でそのあたりは楽しめた。
いくら手術に使うからといってもあんな大きな刃を用意しようとしたら不審に思われるんじゃないかなとかモヤッとする部分もなくはなかったけど……
そういう力技なところと、エログロ、美女、時代的に少し乱歩っぽさを感じたりもした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2026.01.22 (木)
短編で手に取りやすく読んだことのない作家さんも多い中、読みやすかった。
金子玲介目当てで購入したけど、いくつか気に入った作品があって嬉しかった。
岡崎隼人 「パルス、またたき、脳挫傷」
砥上裕將 「母の箪笥」
五十嵐律人 「累犯家族」
荒木あかね 「重政の電池」
金子玲介 「恋文」
背筋 「こわくてキモくてかわいい、それ」
多崎礼 「海に還る」
柾木政宗 「切れたミサンガ」
夕木春央 「擲たれた手紙」
麻耶雄嵩 「探偵ですから」
この作品たちが好きだった。なかでも 「重政の電池」が1番良かったかも。余韻も好きだった。 -
Posted by ブクログ
『方舟』『十戒』が衝撃的だったのでずっと気になっていた一冊。
「わかりにくい」というレビューをよく見かけるので躊躇していたけど、火村シリーズでとても聴きやすかった三好翼さんがナレーターだったので聴いてみたくなった。
ハードルを上げすぎずに、デビュー作であることをふまえて読み始めた。
舞台は大正時代。探偵の蓮野と助手の井口、そして彼らを取り囲む人々が魅力的。
特に女性陣がただ守られるだけの存在ではなく、頼もしさがあるのがとても良かった。
芯のある女性が描かれる物語には惹かれる。
探偵一人の独壇場ではなく、「チーム蓮野」っぽさを感じ始めてからグッと面白くなった。
“無政府主義”や“秘密結社”といった要素が自分にはわかりにくくて、頭に入ってこない部分もあった。
そこを乗り越えると面白かっただけに、もう少しシンプルだったらもっと楽しめたのに、と少しもったいなく感じてしまった。
古典ミステリのような雰囲気は好みだった。
今回もまたナレーターの演じ分けが聴きやすく、作品の世界観を底上げしてくれていた。
Audibleにて。