夕木春央のレビュー一覧
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なるほど、なるほどナルホドなるほど!!2周目が楽しみになってくる。
夕木春央の作品はこれで2冊目。1冊目は「本作の後に刊行された「十戒」で、方舟の犯人ネタバレが含まれる解説も全読みしていた。
つまり、犯人がもはや分かっている状態で本作を読んだのだけれども、トリックはおろか、「犯人が分かっていない=通常の状態」で読むよりも混乱した。
トリックの精緻さはミステリの醍醐味であるのだが、この本においてはそこが魅力ではない。
『動機』
これこそが本作の最大の魅力だし、1番のミステリでもあった。犯人が分かりながら読み、一番混乱したのはこのミステリが分からなかったから。トリックが明かされても分から -
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ネタバレ夕木春央の『方舟』は、極限状態の中で人間の選択を描いたミステリー作品です。物語を読み進めるうちに、私はまいが犯人ではないかと感じるようになり、さらに「まいだけが助かるのではないか」という展開まで想像してしまいました。そしてその予想が現実となったラストには、大きな衝撃を受けました。
本作で印象的だったのは、犯人当てだけでなく、「生き残るために何を選ぶのか」という重いテーマです。まいの行動は極端でありながらも理解できてしまう部分があり、自分の中にも同じような考えがよぎったことに戸惑いを感じました。
『方舟』は、読後にすっきりする作品ではなく、人間の本質や倫理について考えさせられる作品です。読み -
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人生初の本格ミステリ小説。
地下建造物への幽閉と殺人という
2つの異常事態が掛け合わさっている
シチュエーションが秀逸で引き込まれた。
建築物内の雰囲気や通りすがりの家族連れの存在
など全体を通してとにかく不穏。
それ故に救いを求めてかページを
捲る手が止まらなかった。
殺人犯の特定が目的であるミステリが
殆どかと思うが、今作はそれが
脱出のための手段であるというところも
捻られていて面白かった。
何より最後のどんでん返しは自分を
読書沼に引きづり込むのには
十分過ぎるほど衝撃的で、読後は
しばらく放心状態になってしまった。
この作品のおかげで読書という新しい
趣味ができたぐらいには面白か -
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浪人中の大室里英が、亡くなった伯父の所有する無人島・枝内島に、父や開発会社の社員とともに渡るところから物語は始まる。リゾート開発の視察として訪れたはずの島で、彼らは大量の爆弾と起爆装置を発見し、翌朝には不動産会社の社員が殺害されてしまう。そして現場には「十の戒律」が記された紙片が残されていた――「この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなければ爆弾が起動し、島にいる全員が死ぬ」。それが、わたしたちに課された戒律だった。
前作『方舟』が掲げたテーマは“僕らは殺人犯を見つけなければならない”。本書はその真逆。スマホで外部と連絡が取れる状況にありながら、「島から出られない/犯人を探 -
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井口・蓮野シリーズでいちばん好き。
この物語に限らず、夕木作品はロジックの組み立てとその提示・開示が鮮やかで大好きなんですが、今作は複数の事件が絡み合ってて、AとBの関係、BとCの関係、AとCの関係⋯って感じでこんがらがっちゃいそうなのに、蓮野が説明し始めるとすーっと理解できるようになるの、本当に凄い筆力だと思います。
大体いつも解決編は井口と同じタイミングで(そうだったのか…!!)って思って読んでるのですが、今作では井口よりほんのちょっと先に謎の一部に気づくことができたので嬉しかったです。
シリーズが進むごとに強くなっていく紗江子さんも好きだし、大人の女性になりつつあって将来に思い悩む峯