夕木春央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレミステリーの中でも、「自分だったらどうするか」を強く考えさせられる物語だった。生々しい描写が多く、読んでいる間は緊張感が抜けず、数日間は一人でエレベーターに乗るのも怖くなるほど没入してしまった。
生きるか死ぬかの極限状態に追い込まれると、人はここまで追い詰められた心理になるのかと衝撃を受けた。自分だったら人を殺す勇気はないので、皆と一緒に死を待つか、どうしても生きたいという気持ちが強ければ、早めにダイビングの準備をして、大切な人と夜中に気づかれないよう脱出を試みると思う。
極限状況における人間の本性や選択について、深く考えさせられる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公含む10人が地下建築に閉じ込められてしまう。しかも地下から浸水し、1週間後には全員死んでしまうだろうという状況。そんな中で起きた殺人事件の犯人を探し、その人を犠牲にすれば犯人以外は助かることができる。
最終的に3件の殺人が発生し、推理の結果、麻衣が犯人で間違いないということがわかる。当初の予定通り、麻衣が犠牲となることが決まったのだが、ここで衝撃の事実が判明する。
いやぁ面白かった!
正直どんでん返しと知った上で読み始めていたので、麻衣が自分を犠牲にして誰かを庇っているのだろう思ってエピローグを読んだのだが、全く違うタイプの展開ですごく面白く、新鮮だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『方舟』に続く傑作ミステリ」として紹介されていた本作だが、その期待に違わず、『方舟』に負けない面白さだった。本作では、犯人による〈十の戒律〉によって犯人を特定すること自体が禁じられており、読みながら何度も推理を巡らせた。しかし物語は、こちらの予想を軽々と裏切る展開を見せ、思わず唸らされる。
さらに驚きはそれだけにとどまらず、物語の根幹を揺るがすようなどんでん返しが待ち構えており、ページをめくる手が止まらなかった。『方舟』と同様に、再読することで登場人物たちの言動がまったく違った意味を帯びてくる構成も非常に巧みで、二度三度と味わえる作品だと感じた。夕木春央さんの作品は、緻密に作り込まれた構成力が -
Posted by ブクログ
ネタバレ優しい顔して、容赦なくぶん殴られたという印象。
油断してたこちらが悪い。たぶん。
終始拭えない違和感と、じわじわと纏わりつく不穏な空気。
「メタ推理はしたくない!」と思いながらも、残りのページ数をつい確認してしまう。
前作『方舟』が脳裏をよぎる。
そして、あるページをめくったその瞬間――
あまりの衝撃と恐怖に、思わず本を閉じてしまった。
ああ……あなたでしたか。
すべてを知ったうえで迎える二周目では、見える景色が一変する。
一周目に感じていた文章の微かな違和感には、すべて明確な理由があり、作者の緻密な文章構成と、自身の鈍感さを痛感させられた。
……まったく気づけなかった。
戒律を背負わ