夕木春央のレビュー一覧
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ネタバレ方舟、十戒に引き続き三作目!私はまだ一冊読むのに時間がかかるけど、本著者の作品は行間が空いていたり章立てが細かくあったりして、ページをスルスル捲れたので読みやすいな〜と思います!!
前の二作でかなり驚かされたので今回は色々と予想しながら読み進めてたけど、それでも私には考えつかないような結末でやっぱり驚かされました。本作を読むにあたってアダムとイブの禁断の果実の話を予習したので、本作品に当てはめながら楽しく読めました^_^♪
元ネタの神話では、楽園追放後、アダムは労働の苦しみを、イブは産みの苦しみを味わうことになるそうです。康之は今後も犯罪者を匿うという意味で労働を味わうと思うけど、沙織は子供を産むことになるのかな?作中にも康之に子供が欲しいか聞いていたし、ここらへんの考察が気になるな〜と思いました。楽園で子供を産んで初めて、自分がこれまで命を奪ってきたことの残酷さに目を向けるようになるのかも、とか考えました。
読み始めた時から、沙織は前作に出てきた女の人たちと同一人物だなとうっすら勘づいてはいました。沙織のしていることはずっと残酷なんだけど憎めないというか、ただ淡々と自分ができる最大限の仕事をする様子に、キャラとして魅力を感じてしまう自分がいて、なんだかすこし怖さも感じる^^;
本著者は静かに狂った人間を書くのが上手だな〜と思います!沙織の物語を今後追えなくなるの少し寂しいけど、また新たに魅力的なキャラクターに会えるのが楽しみです!! -
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方舟→十戒→楽園。シリーズ3作目。内容は続いてないので、順に読まなくてもいいのですが、最初から読むことで特に今回ドキドキすることがあるので、順に読んだ方がいいです。そして、お気楽だったり、ほっこりするお話が好きな私はこのシリーズが苦手。毎回すごいなー、とは思います。クローズドサークルの作り込みとか、あと、最後のぐわーっとくるアレとか。でもね、多幸感マイナスすぎます。
今回は親の不動産を受け継ぎ悠々自適な生活を熱海?っぽい町で過ごす迫田康之が語り手です。親が事故で死んでしまったことで厭世的な気持ちになっているものの、それほど世捨て人でもなく、それは所有物件は把握し管理してたり、所有している部屋に住む海原さんを気にかけるところとか、所有地の隣の物件に沙織が越してきたとき積極的に誘い、彼女としている辺りからもわかる。
迫田は海原さんの失踪からの謎を追い、彼女が行ったらしい場所に行ってみるとそこに待っていたのは最悪のクローズドサークルで…。
今回もどっぷり嫌な気持ちで読み終わりました。これ、この後どうなるんだろう?とか普通は色々考えるけど、考えることを拒否しちゃってます。あと、あの人、絶対にこれで終わらないよね。書いてもらえるかどうかはともかく。嫌なのに出たら読むんだろうな…。そもそも、聖書のなかの話と出版順タイトルは時系列違うっぽいし、脱出とか?
殺人だらけなので中学校以上。
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ネタバレ「犯人を探してはならない」というルール設定を最初に読んだとき、「そう来るか」と思った。従来のミステリーのように推理が積み重なって犯人に近づいていく感覚はなく、代わりに張り詰めた緊張の中で何が起こるかを見守るしかないという読書体験は新鮮だった。
暗くて何とも言えない緊張感が漂う。それでもページを止められない。そのハラハラがカロリーを消費させる。
前作「方舟」を読んでいたこともあり、「この作者は信頼できるものが実は敵というどんでん返しが好き」という傾向を頭では理解していた。だからこそ綾川のことをずっと怪しいと思いながら読んでいた。それでも綾川が方舟の人物と同一だと明かされたとき、やはり驚かされた。作者の手の内を読もうとしても、それを上回ってくる。
方舟と同様、2回読み返せば新たな発見があるだろう。同じ言動が全く別の意味を持って見えてくるはず。一度読んでも二度楽しめる構造は、この作者の作品に共通する強みだと思う。 -
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初めは、読み終わって「なるほど」と思って終わったけど、その後にほかの最近出た本を読んだら、この本の良さがジワジワと感じられて、なんとも。
もう少しキャラクターに愛着が持てたら、すごく楽しかったろうなぁと、ちょっと惜しい気持ちになる。ただ、ラストはとても驚いたし、とても良かった。ちゃんと絶望的で嫌な気持ちになれて、すごく良かった。
あとは「選ばれる」ことの意味というか、あとから考えさせられる点もあって面白い小説だった。面白い小説ではあったけど、前評判があまりに良すぎたなぁ、と思ってしまったのは、十角館とか占星術殺人事件を読んだ時のような衝撃を期待してしまったので…そこまでではなかったかな、と。 -
Posted by ブクログ
ネタバレある山奥に集まった男女が、地下3階建ての奇妙な建築物「方舟」を訪れる。
しかし、その夜に突然大地震が発生。出入り口が巨大な岩によって塞がれ、地下水が浸水してくるという絶望的な密室(クローズドサークル)と化してしまう。
岩をどかして脱出するには、誰か1人が施設に残らなければならない。つまり、その1人は確実に犠牲となって死ぬことを意味する。そんな極限状態のなか、方舟内で殺人事件が発生する。
本作は、主人公である柊(しゅう)の視点で進行する本格ミステリーだ。
個人的に、普段からミステリーをよく読む人ほど、本作ラストシーンの衝撃は大きいと思う。
多くの読者は、探偵役による種明かしの場面を物語の集大成として、何の警戒心もなく受け入れてしまうものだと思う。
しかし、本作はそれでは終わらない。犯人が探偵のさらに上をいくような形で、物語は幕を下ろす。
つまり、最悪のバッドエンドを迎える。
決して気分の良い結末とは言えない。しかし、ミステリーの構造としてこれ以上ないほど緻密に完成されているからこそ、一読する価値は大いにあると考える。
【総括】
◯スキューバダイビングの練習をしよう
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Posted by ブクログ
ネタバレショート・ショートなので、一編が8ページくらい。その短い中で背景をぼかしつつも確信に迫る書き方してたりするものもあり、うまく咀嚼できないまま終わったものもあり、でも面白い短編集だった。
始まりが不穏なので、大体不穏な話が多い中、最初から最後までハッピーに終わる「切れたミサンガ」が好き。
人でも殺したんかと思いつつ、同じ格好ときたのでSFかと思ったら 笑
安定のホラーの「こわくてキモくてかわいい、それ」も好き。
それが不気味だけど、主人公が見下されてることに気付きながらも知らないふりして難を逃れてて、性格悪い私はざまみろと思ってしまった。
「久闊を叙す」も良い。
こんな形で、我が友李徴子を読むとは。新鮮な感覚だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『方舟』『十戒』と読んできたので、今回は早い段階でお話の流れを掴むことができました。
このシリーズ?を読み進めるうちに、殺人という行為がどんどん軽いものに感じられるようになって、特に『楽園』では、殺人も命もすべてが軽く扱われているように感じました。
読んでいる私自身も、少しずつ殺人に対する抵抗がなくなっていくような感覚がありました。
その影響もあってか、思い切りのない『楽園』の主人公に、逆に終始イライラしてしまいました(笑)。
でも、最後にすべての種明かしがされると、主人公の安全装置がおかしくなってしまっていることや、罪悪感を感じなくなっていることを察して、「ああ、この人は確かに沙織と同じところに来られる人だったんだな」と思いました。
読後に、苦いような、幸せなような、残酷なような……そんなごちゃごちゃした感情になったのは初めてなので、噛み締めるのに少し時間がかかりそうです。