夕木春央のレビュー一覧

  • サロメの断頭台

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    油絵画家の井口は、元泥棒の蓮野を通訳として連れ添い、祖父と縁のあったオランダの富豪•ロデウィック氏の来日を出迎えた。美術品収集家でもあるロデウィック氏は、アトリエで井口が描いた絵を見て、「そっくりな作品をアメリカで見た」と言う。未発表の絵を、誰がどうやって剽窃したのか?盗作犯を探すうちに、井口の芸術家仲間の贋作疑惑や戯曲『サロメ』に見立てた連続殺人が発生して…

    盗作事件から端を発して、贋作事件及び見立て殺人に連鎖し、果ては冒頭に書かれた孤独な芸術家の自殺にリンクしていく、謎が謎に繋がっていく見せ方が上手い。
    剽窃、瑕瑾、閨房など見慣れないワードが出てくるため読みやすくは無い(国語の勉強にはな

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    2024年08月18日
  • 時計泥棒と悪人たち

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    ネタバレ

    『方舟』が面白かったので、買い漁ったうちの一冊です。

    蓮野のキャラクターがいい。
    どうみても探偵の立ち位置にいるのに「なるべく推理はしたくない」「はずれてたら困る」「この状況で望ましいのは、逃げることと警察を呼ぶこと」「犯人なんかみつけなくていい」ときっぱり言うところが面白い。
    そりゃそうだ、と思ってしまった。

    最初の美術館のお話や誘拐事件はとても楽しくて夢中で読んだけど、正直徐々に失速した印象。
    特に最後の連続盗難事件のお話は又聞きの又聞きで、ひたすら事件の詳細を聞かされるだけの時間が退屈に感じてしまった。

    でも蓮野のキャラが本当に魅力的だし、井口との関係性も面白いのでぜひシリーズ化し

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    2024年02月26日
  • 時計泥棒と悪人たち

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    元泥棒の蓮野と画家の井口コンビの連作短篇集。一作目からミステリならではと言いますか、人間心理の逆説と「物語」ならではのスケールがあって面白い。
    また、連作ではありがちなストーリーパターンに陥る事なく、毎話、シチュエーションを変えた舞台設定と謎の提示が良くできている。かれらは「職業探偵」ではないため無闇矢鱈とアカの他人から事件を持ち込まれる筈はないので、事件のとっかかりが井口の周辺の人物が絡みながら展開していくわけですが、そこが逆にこの「連作」として意味がある布石になっていてそこも良い。
    厭世気味のキャラ好きなので、この蓮野のシリーズは続きがでると嬉しいなぁ。

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    2024年02月25日
  • サーカスから来た執達吏

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    ユリ子ちゃん、凄い!鞠子ちゃんもただのお嬢様じゃない感じで良かった。
    解説読んで、ユリ子ちゃんの知り合いの元泥棒が誰か分かった。またかつよさんも一緒に事件を解決してほしい

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    2023年09月22日
  • サーカスから来た執達吏

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    大正時代を舞台にした物語。
    主人公の華族の子女、鞠子ちゃんと、奇抜な服装をした元サーカス団員のユリ子ちゃん。
    対照的な2人が、ある途絶えた華族家の隠された財宝を探す謎解きミステリー。
    めちゃくちゃ派手な物語では無いけれど、キャラクターが躍動していてワクワクします!

    2人が可愛らしくて読んでいて楽しかったです!!
    鞠子ちゃんには2人のお姉さんがいて、そのお姉さん達と鞠子ちゃんの関係性が、なんだか少し胸にきました…
    鞠子ちゃんとユリ子ちゃんの物語が終わってしまうのが寂しくて最後めっちゃゆっくり読んでしまいました笑
    また2人(+かつよさん)のお話が読める日が来ると嬉しいな…!

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    2023年09月03日
  • サーカスから来た執達吏

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    華族のお嬢様が借金取りとしてやってきたサーカスの少女と組んで、悪辣な伯爵以下のライバルたちと宝探し競争をする羽目になるという痛快冒険活劇!、の形を借りたミステリ。この手のお話ではミステリ要素は欠かせないものの、通り一遍というか、形ばかりのものになるのが通例である。ところが本作ではその部分が異様に力が入って、クライマックスでが活劇としては異形の「名探偵」による謎解きが、ちゃんと関係者一同を集めて始まったりする。大ネタがつるべ打ちされるこの謎解きは圧巻。実に楽しい。それはそれとして、一応活劇の形を借りたのだから、もう少し手に汗握らせてくれてもよかったかなという気はしないでもない。

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    2023年08月25日
  • 時計泥棒と悪人たち

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    7作からなる連作短編集。大正期に画家の井口と泥棒の前科を持つ同級生の蓮野が奇妙な事件を解決する、と言うもの。時代の雰囲気や言葉少なに展開される2人の会話も惹かれる。1話の事件が最後の章で完結される構成も素晴らしい。

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    2023年07月25日
  • 時計泥棒と悪人たち

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    画家の井口が相談事を持ちかけたのは、元泥棒で今は論文の翻訳をしている友人の蓮野である。

    元泥棒相手に物騒な相談というのも問題ありだが…。

    井口の父が美術収集家に売った置時計が贋物で、近々、その収集家である加右衛門氏が美術館を造設するという。展示して贋物とわかり大恥をかく前になんとかしてほしいと病床で譫言をいう。
    さて、どうするか…どうなるか。

    この加右衛門氏の美術館を始め全6作。
    ちょっと風変わりで違う目線で人を見る蓮野が、警察抜きに次々と解決していく。
    少しワクワクとしてくるのも否めない。



    【加右衛門氏の美術館】
    【悪人一家の密室】
    【誘拐と大雪 誘拐の章】
    【誘拐と大雪 大雪の

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    2023年07月06日
  • 時計泥棒と悪人たち

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    ネタバレ

    キャラクターの紹介がやや唐突だな、と思ったが、
    どうやらシリーズもの?らしい。

    ミステリーなのだが、トリック等の謎解きよりも、
    「そういう動機だったのか?」を楽しむタイプの作品。
    どの犯人も、動機がちょっと普通じゃない。
    あきれたり、ゾッとしたり。

    個人的には、もっと蓮野のパーソナリティに迫ってほしかった。
    他作品を読めばわかるのかな?

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    2023年06月17日
  • 時計泥棒と悪人たち

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    執達吏と同じ世界線での物語。
    個人的には執達吏よりもこちらの方が好みだった。
    元泥棒の蓮野と画家の井口が次々と奇怪な事件に巡り合い解決していくのだが、謎解きは意外性もありながら納得感のあるもので、テンポよく読むことができた。
    このミステリ飽和時代に、キャラクターにエッジを立てすぎることも、奇想天外な叙述トリックを使うこともなく読み応えがある、作者の地力を感じさせる一冊。

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    2023年05月07日
  • 時計泥棒と悪人たち

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    『方舟』のおもしろさから即買い。方舟のような華やかさのあるタイプの本ではありませんでしたが、6篇のお話がそれぞれ絡み合って楽しく読めました♫

    君が泥棒か?
    一僕が泥棒です。

    シュールな会話だなぁ

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    2023年05月01日
  • 方舟

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    ミステリーとして完成度が素晴らしく高い。でも、ストーリーとしては好みではなかった。
    なんだろう、全くワクワクしなかった…。

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    2026年06月13日
  • 方舟

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    こっわ。まさかの終わり方でゾクゾクした。
    良い気分では終われない。でも、伏線がどこにあったのがもう一度読みたくなってしまう。

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    2026年06月12日
  • 十戒

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    この作品を読む前に「方舟」を読んでたからか、章が変わるごとに何かあるんだろうなーとなんとなくわかってしまったのが、良いのか悪いのか...
    ちょっと物足りなさも感じてしまったため、軽く推理しつつ読んでいってたのに。
    最後の最後でしてやられた!解説も読んでたら、こりゃたまげたぜ!
    これはもう一回読み直したい。

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    2026年06月12日
  • 絞首商會

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    方舟、十戒が面白かったので、夕木さんの他の作品が気になり読みました。
    内容がちょっとややこしくて、最後も一応理解した…はずなのですが、何かスッキリしない感じでした。
    数日に分けて読んだので、余計にこんがらがってしまったのかもしれません。また読み直そうと思います。

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    2026年06月11日
  • 時計泥棒と悪人たち

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    時計や宝石を盗んだのは誰なのか。そして、動機は。主人公の横にいるのは一物を抱えた探偵役だった。密室や大雪、船上といった要素も加わり物語を分厚くする。
    読みでのある大作でした。

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    2026年06月11日
  • 方舟

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    ネタバレ

    極限状態の心情にも死体の描写にもかなりメンタル殺られる。
    最後のどんでん返しで元が取れる!

    ここから下はネタバレあり!!
    ―――
    ―――
    ―――
    ―――
    翔太郎がピンも持ってないのにスロットをサクッと開けたり(んなアホな)、浮力のあるウェットとBCなしで潜るのにウエイトが必要とか言ってたり(海と違って淡水だしタンクが重りになる)、証拠が撮りたいならスマホだけ置いておけばいいだろ…的なツッコミ所が多数。

    そして防水ではないスマホとジップロックがあったところで床に足をつけて潜るのであれば水深5mくらいありそうなのでスマホ水没するだろうし、扉が全て空けられるかも不明だし、全員溺死してそう。

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    2026年06月09日
  • 方舟

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    地下建築物に閉じ込められ、下から上がってくる水に侵食されながら、残りの8人の命を助けるために誰かの命を犠牲にしなければならない状況で、殺人事件が起こる。
    命の重さには差があるのか?極限状態の中での、エゴイズムなどが表現されており、情景がありありと脳裏にイメージできる。
    3日で読むなど、読み進めたら先が気になって止まらなくなった。
    そのため、最後の結末は重く苦しく胸糞が悪かった。数日引きずった。

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    2026年06月09日
  • 方舟

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    最後のドンデン返しは評価するが、たまたまの地震で直後に殺人出来るか等、 設定が今ひとつ、
    入り込めないので評価としては3

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    2026年06月09日
  • 十戒

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    方舟のあの絶望を2日ほど引きずったトラウマで十戒になかなか手が出せなかったけれど、勇気を出して読みました!
    途中からずっと『まさか…』と嫌な予感がしていたので犯人の正体に驚きはなかった、のに、あそこから既に騙されていたのか〜!やられたなと思った。
    作者が仕掛けた伏線は、読み手にギリギリ違和感を与えない文脈で確かに成り立っていた。 もう一度読み返すと、『犯人』というワードも全て置き換えられることに気付く。
    とにかく、アグレッシブなサイコパスが何をしでかすか気が気じゃなく、読み進めていてほんとうに疲れた!笑
    結果、後味の悪さは方舟ほどではなかったと思う。
    無差別殺人ではないことと、選択を間違えなけ

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    2026年06月09日