夕木春央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『方舟』の著者・夕木春央の作品。
大正14年。借金に苦しむ樺谷子爵家に意外な取り立て人がやって来る。
ユリ子と名乗るその少女は絹川家の財宝探しによる借金返済と、
樺谷子爵の三女・鞠子を担保として預かることを提案。
思わぬ展開で財宝探しに加担することになる鞠子。
そして事態は14年前、明治44年に起きた未解決事件へと繋がっていく。
『方舟』や『十戒』を書いた作者の作品とは思えないほどのカラー。
ミステリーという要素を含みつつも、
大枠はユリ子と鞠子による二人の少女の冒険譚である。
うん、嫌いじゃない。
キャラもそれぞれ立っていて前半はかなり引き込まれた。
そのままの勢いで最後まで駆け抜けて -
Posted by ブクログ
血液学研究の大家、村山博士が何者かに殺害される。容疑者は四人。遺族で容疑者の一人である水上淑子は、以前村上邸に泥棒に入った蓮野に事件の解決を依頼する。
といったあらすじ。
登場人物が自分の中になかなか入ってこず、時代も大正ということで、なかなか頭の中でイメージがつかず、ページをめくる手が遅くなり、読むのに時間がかかってしまいました。
物語が3分の2を過ぎた位から、やっと頭の中に入ってきて、終盤にかけては、ワクワクさせてもらいました。
「方舟」ほどの衝撃はありませんでしたが、それでも解決編で散らばっていたピースが徐々に整理されて、最後に一枚の絵になった瞬間は流石でした。
総じて悲しい物語