夕木春央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めは、読み終わって「なるほど」と思って終わったけど、その後にほかの最近出た本を読んだら、この本の良さがジワジワと感じられて、なんとも。
もう少しキャラクターに愛着が持てたら更に楽しかったろうなぁと、ちょっと惜しい気持ちになる。ただ、ラストはとても驚いたし、とても良かった。ちゃんと絶望的で嫌な気持ちになれて、すごく良かった。
あとは「選ばれる」ことの意味や、そのうえで「選ぶ」のが誰なのか、とか。あとから考えさせられる点もあって面白い小説だった。面白い小説ではあったけど、前評判があまりに良すぎたなぁ、と思ってしまったのは、十角館の殺人(綾辻行人)とか占星術殺人事件(島田荘司)を読んだ時のような衝撃を期待してしまったので……そこまでではなかったかな、と。少し点が辛いかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレある山奥に集まった男女が、地下3階建ての奇妙な建築物「方舟」を訪れる。
しかし、その夜に突然大地震が発生。出入り口が巨大な岩によって塞がれ、地下水が浸水してくるという絶望的な密室(クローズドサークル)と化してしまう。
岩をどかして脱出するには、誰か1人が施設に残らなければならない。つまり、その1人は確実に犠牲となって死ぬことを意味する。そんな極限状態のなか、方舟内で殺人事件が発生する。
本作は、主人公である柊(しゅう)の視点で進行する本格ミステリーだ。
個人的に、普段からミステリーをよく読む人ほど、本作ラストシーンの衝撃は大きいと思う。
多くの読者は、探偵役による種明かしの場面を物語の集大成として、何の警戒心もなく受け入れてしまうものだと思う。しかし、本作はそれでは終わらない。犯人が探偵のさらに上をいくような形で、物語は幕を下ろす。つまり、最悪のバッドエンドを迎える。
決して気分の良い結末とは言えない。しかし、ミステリーの構造としてこれ以上ないほど、緻密に完成されているからこそ、一読する価値は大いにあると考える。
【総括】
◯スキューバダイビングの練習をしよう
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ネタバレショート・ショートなので、一編が8ページくらい。その短い中で背景をぼかしつつも確信に迫る書き方してたりするものもあり、うまく咀嚼できないまま終わったものもあり、でも面白い短編集だった。
始まりが不穏なので、大体不穏な話が多い中、最初から最後までハッピーに終わる「切れたミサンガ」が好き。
人でも殺したんかと思いつつ、同じ格好ときたのでSFかと思ったら 笑
安定のホラーの「こわくてキモくてかわいい、それ」も好き。
それが不気味だけど、主人公が見下されてることに気付きながらも知らないふりして難を逃れてて、性格悪い私はざまみろと思ってしまった。
「久闊を叙す」も良い。
こんな形で、我が友李徴子を読むとは。新鮮な感覚だった。 -
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ネタバレ大正時代の東京。
血液学の研究者村山博士が、自宅の庭で刺殺される。事件には、国際的無政府主義者集団「絞首商會」の関わりが噂される。
そんな中、博士の遺族が犯人捜しを依頼したのは、以前、屋敷に盗みに入ったことのある元泥棒の蓮野。
調査を進める中で浮上した4人の容疑者には「なぜか全員が事件解決に異常なほど熱心である」という奇妙な共通点があった。
『細胞分裂のごとくに謎が増殖をやめる気配がない』
読んでる途中に出てきたこの一文に、大きくうなずいてしまった。
なんせ、謎と絞首商会があっちこっちに散乱してて、容疑者の4人もなんだか散乱してる感じ。
探偵役の蓮野も全然事件をまとめようとしてくれないわ〜と思っていた。
しかし、蓮野のもとに、みんなが情報を持ち寄ってきたら、あら不思議!犯人がわかり、動機が明らかに。しかも、多くの謎の理由もスッキリ。よかったよかった。
しかし、容疑者の4人。やりたい放題だなぁ。 -
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大正時代の画家の盗作事件から始まる『サロメ』を彷彿とさせる殺人事件。
元泥棒という探偵をしない探偵役など、登場人物のキャラクターは強いし、何と言っても多い。
中盤では画家の井口が見当違いの、と言ったら失礼か。
ここで推理するのは早いだろ、っていう長い推考が多かったりで、読むのがキツかった。
事件の回収劇はお見事で、繋げ方も感嘆しますが、もう少し短くできたのでは、と思ってしまう。
また蓮野とあやのなんとも劇的な両思いは、時代小説にありがちなのですが、
理解できないので、ないほうが良かったな。
ああいう探偵役は特にね。
-それでなお彼を所有することを望むのは、まるで、蓮野の生首を欲しがるようなことなのだ。
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ネタバレ 購入済み
文体に馴染めるかが肝
設定が大正時代という事を踏まえて文体が古めかしく、あまり時代物を読まない私は読み難さを感じてしまいました。
内容は面白かったと思います。
ただ、皆が事件の真相に絞首商會が絡んでいると言い切る中、私は序盤で「本当かな?実は違うんじゃない?」といつもの穿った見方をしてしまっていたのでそこは驚きませんでしたが、他の事件の真相等は「そうだったのか!」と。
御守りの話から災害の話になった時に「じゃあ、その時に取り違えがあったかもしれないって事か」と井口が全く思わないものなぁ。読者が察せる事に登場人物が気付かないとモヤモヤしますよね。
ただ、その相手が誰だったのかまでは分からなかったので、最後にすっきりしました。
取り敢えず総合的には面白かった(始めて読んだ『方舟』のような衝撃はないものの)ので、他の作品も割引期間中に纏め買いしてしまいました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ枝内島。
部屋、何故か最近使った形跡。
小屋に爆弾?
朝起きると、小山内の死体。影下。背中にボウガン。
玄関ポーチに紙。
1 三日間、島の外に出てはならない。
2 島外に殺人の発生を伝えてはならない。
3 身内に帰宅が三日遅れることを連絡しなければならない。
4 通信機器は所持してはならない。容器に納めること。必要が生じた場合のちらみんなの合意のもと使用。
5 島外の連絡はお互いの監視下で行われなくてはならない。
6 島内では複数人が30分以上同座してはならない。30分が経過する事ニ、最低5分は一人。
7 カメラ等で記録してはならない、
8 それぞれ寝室に一人のみ。他者を訪れる際はノック。
9 脱出は禁止。
10 犯人が誰かしろうとしてはならない。
以上の事柄が守られなかった場合、爆弾が作動する。
→無敵じゃん。とりま、他のクローズドサークルでも、これで犯人はみんなを脅せば楽勝。 -
Posted by ブクログ
サーカスって楽しくもあり、
怖くもありませんか?
異国からやってきて
一夜限りの不思議な世界へようこそ!みたいな。
サーカス✖️大正時代、好きな人には堪らん!
『方舟』『十戒』の夕木春央さんのデビュー2作目の長編ミステリ。令和の今とは少し違う世界観の中でのオハナシ。
関東大震災が起こった大正時代。
華族の繁栄と没落の中で巻き起こる
100万円(超大金)の遺産を探すことになった
子爵の3女鞠子と借金取りのユリ子の
不思議なバディ小説でした。
読み終えた直後の感想、
「長いよ、夕木さん!でも良かったよ」
というなんとも陳腐な・・・♪(´ε` )
私の過ちは、併読してしまったこと。
この作品はどっぷり浸かるべきだったのです。
一気読みオススメです。
最初は大正時代の華族の世界観や言葉使いに
慣れるのに時間は要しますが、リズムが合って
くると、この世界観が気持ちよくなってきます。
夕木さんの方舟や十戒にも感じる、今を感じ
させない雰囲気にも少し通じる印象でした。
鞠子とユリ子の描き方は、私好みでした。
いいこちゃんの鞠子が、ユリ子と逃避行を
する中で成長していく姿、読後感とてもよいです!
ユリ子はこの作品の不思議な匂いを作る
大切なワード「サーカス」を上手に
感じさせてくれました。
すべてはユリ子の思いのままに♪
私はサーカスってコワイんですよね
夢なのか?
現実なのか?
ピエロも
笑っているのか?
泣いているのか?
鞠子はいいます。
ユリ子との逃避行は遊園地にでも
連れ出してくれるのではないかと。
そして
現実はそんなに甘いものではなかった
奈落の底を見せられたと。
さぁ、現実世界はゴールデンウィーク。
連休を楽しむ人々の隣りには
働く人がいる。