夕木春央のレビュー一覧

  • 方舟

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    初めは、読み終わって「なるほど」と思って終わったけど、その後にほかの最近出た本を読んだら、この本の良さがジワジワと感じられて、なんとも。
    もう少しキャラクターに愛着が持てたら更に楽しかったろうなぁと、ちょっと惜しい気持ちになる。ただ、ラストはとても驚いたし、とても良かった。ちゃんと絶望的で嫌な気持ちになれて、すごく良かった。
    あとは「選ばれる」ことの意味や、そのうえで「選ぶ」のが誰なのか、とか。あとから考えさせられる点もあって面白い小説だった。面白い小説ではあったけど、前評判があまりに良すぎたなぁ、と思ってしまったのは、十角館の殺人(綾辻行人)とか占星術殺人事件(島田荘司)を読んだ時のような衝撃を期待してしまったので……そこまでではなかったかな、と。少し点が辛いかもしれない。

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    2026年09月24日
  • 方舟

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    ネタバレ

     ある山奥に集まった男女が、地下3階建ての奇妙な建築物「方舟」を訪れる。
     しかし、その夜に突然大地震が発生。出入り口が巨大な岩によって塞がれ、地下水が浸水してくるという絶望的な密室(クローズドサークル)と化してしまう。

     岩をどかして脱出するには、誰か1人が施設に残らなければならない。つまり、その1人は確実に犠牲となって死ぬことを意味する。そんな極限状態のなか、方舟内で殺人事件が発生する。
     本作は、主人公である柊(しゅう)の視点で進行する本格ミステリーだ。

     個人的に、普段からミステリーをよく読む人ほど、本作ラストシーンの衝撃は大きいと思う。
     多くの読者は、探偵役による種明かしの場面を物語の集大成として、何の警戒心もなく受け入れてしまうものだと思う。しかし、本作はそれでは終わらない。犯人が探偵のさらに上をいくような形で、物語は幕を下ろす。つまり、最悪のバッドエンドを迎える。

     決して気分の良い結末とは言えない。しかし、ミステリーの構造としてこれ以上ないほど、緻密に完成されているからこそ、一読する価値は大いにあると考える。


    【総括】
    ◯スキューバダイビングの練習をしよう


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    2026年09月24日
  • だから捨ててと言ったのに

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    ネタバレ

    ショート・ショートなので、一編が8ページくらい。その短い中で背景をぼかしつつも確信に迫る書き方してたりするものもあり、うまく咀嚼できないまま終わったものもあり、でも面白い短編集だった。

    始まりが不穏なので、大体不穏な話が多い中、最初から最後までハッピーに終わる「切れたミサンガ」が好き。
    人でも殺したんかと思いつつ、同じ格好ときたのでSFかと思ったら 笑

    安定のホラーの「こわくてキモくてかわいい、それ」も好き。
    それが不気味だけど、主人公が見下されてることに気付きながらも知らないふりして難を逃れてて、性格悪い私はざまみろと思ってしまった。

    「久闊を叙す」も良い。
    こんな形で、我が友李徴子を読むとは。新鮮な感覚だった。

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    2026年09月23日
  • サロメの断頭台

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    ネタバレ

    世界観とキャラクターが好き。
    蓮野も好きだけど、井口と大月、紗江子と峯子の4人が毎回面白い!今回は自宅に侵入した敵を女2人が先陣きって撃退するのがかっこよかった!峯子は確実に紗江子の姪だと思う( *´艸`)

    時計泥棒→絞首商会と読んで、サロメの断頭台も同じ感じかなぁと思っていたら最後の方の描写が怖すぎた…
    ミステリーは好きだけどグロ系(私のなかではグロかった)は苦手だから夢に見そう(|||´Д`)

    続編は出るんだろうか。
    蓮野の事といい、続く感じはするので、
    新作が出たら是非また読みたい。




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    2026年09月07日
  • 楽園

    匿名

    購入済み

    三作読みました!

    読み終えてしばらく放心してしまう、結末の嫌な感じが良かったです。

    #ドキドキハラハラ

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    2026年09月05日
  • だから捨ててと言ったのに

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    ネタバレ

    河村拓哉さんの『ミックス』が好き。Youtuberさんだとは知らなかった。このシリーズは書き手との出会いがやっぱり楽しい。

    累犯家族
    重政の電池
    その。をよく見ろ
    海に還る
    猟妻
    擲たれた手紙

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    2026年09月05日
  • 絞首商會

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    ネタバレ

    大正時代の東京。
    血液学の研究者村山博士が、自宅の庭で刺殺される。事件には、国際的無政府主義者集団「絞首商會」の関わりが噂される。
    そんな中、博士の遺族が犯人捜しを依頼したのは、以前、屋敷に盗みに入ったことのある元泥棒の蓮野。
    調査を進める中で浮上した4人の容疑者には「なぜか全員が事件解決に異常なほど熱心である」という奇妙な共通点があった。

    『細胞分裂のごとくに謎が増殖をやめる気配がない』
    読んでる途中に出てきたこの一文に、大きくうなずいてしまった。
    なんせ、謎と絞首商会があっちこっちに散乱してて、容疑者の4人もなんだか散乱してる感じ。
    探偵役の蓮野も全然事件をまとめようとしてくれないわ〜と思っていた。
    しかし、蓮野のもとに、みんなが情報を持ち寄ってきたら、あら不思議!犯人がわかり、動機が明らかに。しかも、多くの謎の理由もスッキリ。よかったよかった。

    しかし、容疑者の4人。やりたい放題だなぁ。

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    2026年08月29日
  • 楽園

    購入済み

    騙された。見事に騙されたと愕然としたし、そしてそれが何故か嬉しかった。ついに完結しちゃいましたね。感服です。

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    2026年08月28日
  • サロメの断頭台

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    大正時代の画家の盗作事件から始まる『サロメ』を彷彿とさせる殺人事件。
    元泥棒という探偵をしない探偵役など、登場人物のキャラクターは強いし、何と言っても多い。
    中盤では画家の井口が見当違いの、と言ったら失礼か。
    ここで推理するのは早いだろ、っていう長い推考が多かったりで、読むのがキツかった。

    事件の回収劇はお見事で、繋げ方も感嘆しますが、もう少し短くできたのでは、と思ってしまう。
    また蓮野とあやのなんとも劇的な両思いは、時代小説にありがちなのですが、
    理解できないので、ないほうが良かったな。
    ああいう探偵役は特にね。

    -それでなお彼を所有することを望むのは、まるで、蓮野の生首を欲しがるようなことなのだ。



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    2026年08月24日
  • 時計泥棒と悪人たち

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    夕木春央さんの大正作品の中では1番読みやすかったです。
    蓮野が淡々と語るホワイダニットが面白いです。

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    2026年08月20日
  • 絞首商會

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    著者は「箱舟」「十戒」の夕木春央氏。時は大正、血液学の博士が殺害され、その姪に調査を依頼された元泥棒とその友人がホームズとワトソン(ポワロとヘイスティングスの方が近いかも)のように事件の真相を探っていく。無政府主義のテロリスト集団やら血液鑑定、スマホうやパソコンなどがない時代という背景を上手く話に盛り込んだ極上のミステリーに仕上がっていた。細かい謎解きよりも殺人に至るまでの背景を味わう読み方がいいのかな。結構な苦さだったけど。

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    2026年08月19日
  • 絞首商會

    ネタバレ 購入済み

    文体に馴染めるかが肝

    設定が大正時代という事を踏まえて文体が古めかしく、あまり時代物を読まない私は読み難さを感じてしまいました。
    内容は面白かったと思います。
    ただ、皆が事件の真相に絞首商會が絡んでいると言い切る中、私は序盤で「本当かな?実は違うんじゃない?」といつもの穿った見方をしてしまっていたのでそこは驚きませんでしたが、他の事件の真相等は「そうだったのか!」と。
    御守りの話から災害の話になった時に「じゃあ、その時に取り違えがあったかもしれないって事か」と井口が全く思わないものなぁ。読者が察せる事に登場人物が気付かないとモヤモヤしますよね。
    ただ、その相手が誰だったのかまでは分からなかったので、最後にすっきりしました。

    取り敢えず総合的には面白かった(始めて読んだ『方舟』のような衝撃はないものの)ので、他の作品も割引期間中に纏め買いしてしまいました。

    #ドキドキハラハラ #シュール

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    2026年08月12日
  • 楽園

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    面白かったです。読みやすかったし、最近高い単行本で買っても全然後悔しない満足できるものでした。
    あと方舟同様
    バッドエンド好きには最高の終わり方でした。

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    2026年10月07日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    どの話も好きすぎる。
    死んだら骨と焼いてほしい。
    双頭の悪魔と、鍵の掛かった男と、この短編集を入れて焼いてくれ。
    エモすぎる。
    こんなにすごいのに、有栖川有栖先生の作品をある程度読んでることが前提だから人に勧めるのを躊躇してしまう。悔しい。
    寄稿している先生たちの愛がすごい。
    とても豪華。
    この企画を立てて作品にまとめてくれた方、ありがとうごさいます

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    2026年08月06日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    数々の著名な作家さんが参加した一冊です。それぞれの書きぶりがとても楽しく、有栖川作品を愛しているのだなというのが伝わってきます。私が好きだったのは、夕木春央さんの有栖川有栖嫌いの謎です。なぞが解けていく様がすっきりしますし、物語の中で有栖川有栖さんへのコメントをしているところがクスッときました。他の物語も面白かったです。

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    2026年07月21日
  • サーカスから来た執達吏

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    「方舟」が面白く、「十戒」がまさかのさらに数倍面白く、今回間を置いての夕木春央さん。確かに上記と比べると圧倒的な最後のどんでん返しはないものの、小説として面白かった。

    日本に一ミリも興味がないので、割と最近まで華族制度があり、伯爵なんて西洋チックな家が存在していたことすら知らなかった。

    どうやったら複雑な暗号文を作れるのか、自分で作った暗号を解いていく過程を自然に書けるのか、わかりやすく伝えられるのか、他作品でも思ったけど、作者は第三者目線で物事を見る天才だ。

    完成度の高い和風ミステリーをお望みの方におすすめです。

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    2026年07月02日
  • サーカスから来た執達吏

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    本屋大賞受賞作『方舟』の夕木春央氏による明治から大正を舞台にしたミステリー小説。ある意味必然的に「個」を殺した『方舟』と違い、本作品はユリ子を始めキャラが立っている。大正というミステリー界のホワイトスペースである奇怪な雰囲気を生かし、奇想天外な冒険活劇の様相も呈していてエンターテイメント性もたっぷり。
    謎解きのパートは私にとってはやや難解過ぎてよく理解できなかったが、ぜひ映像化していただきたいワクワクハラハラの作品だった。

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    2026年06月30日
  • 十戒 1巻

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    ネタバレ

    枝内島。

    部屋、何故か最近使った形跡。

    小屋に爆弾?

    朝起きると、小山内の死体。影下。背中にボウガン。

    玄関ポーチに紙。
    1 三日間、島の外に出てはならない。
    2 島外に殺人の発生を伝えてはならない。
    3 身内に帰宅が三日遅れることを連絡しなければならない。
    4 通信機器は所持してはならない。容器に納めること。必要が生じた場合のちらみんなの合意のもと使用。
    5 島外の連絡はお互いの監視下で行われなくてはならない。
    6 島内では複数人が30分以上同座してはならない。30分が経過する事ニ、最低5分は一人。
    7 カメラ等で記録してはならない、
    8 それぞれ寝室に一人のみ。他者を訪れる際はノック。
    9 脱出は禁止。
    10 犯人が誰かしろうとしてはならない。
    以上の事柄が守られなかった場合、爆弾が作動する。

    →無敵じゃん。とりま、他のクローズドサークルでも、これで犯人はみんなを脅せば楽勝。

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    2026年06月19日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    作家「有栖川有栖」の作品のプロによる二次創作的なアンソロジー。豪華すぎる!有栖川作品を愛する作家さんたちによる本気の二次創作。本格ミステリーからややホラーなど、作家さんたちの特徴が垣間見えて2度おいしい。
    火村英生シリーズは最近読んで無かったから、また読みたくなった!

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    2026年06月06日
  • サーカスから来た執達吏

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    サーカスって楽しくもあり、
    怖くもありませんか?
    異国からやってきて
    一夜限りの不思議な世界へようこそ!みたいな。

    サーカス✖️大正時代、好きな人には堪らん!

    『方舟』『十戒』の夕木春央さんのデビュー2作目の長編ミステリ。令和の今とは少し違う世界観の中でのオハナシ。
    関東大震災が起こった大正時代。
    華族の繁栄と没落の中で巻き起こる
    100万円(超大金)の遺産を探すことになった
    子爵の3女鞠子と借金取りのユリ子の
    不思議なバディ小説でした。

    読み終えた直後の感想、
    「長いよ、夕木さん!でも良かったよ」
    というなんとも陳腐な・・・♪(´ε` )

    私の過ちは、併読してしまったこと。
    この作品はどっぷり浸かるべきだったのです。
    一気読みオススメです。

    最初は大正時代の華族の世界観や言葉使いに
    慣れるのに時間は要しますが、リズムが合って
    くると、この世界観が気持ちよくなってきます。
    夕木さんの方舟や十戒にも感じる、今を感じ
    させない雰囲気にも少し通じる印象でした。

    鞠子とユリ子の描き方は、私好みでした。
    いいこちゃんの鞠子が、ユリ子と逃避行を
    する中で成長していく姿、読後感とてもよいです!
    ユリ子はこの作品の不思議な匂いを作る
    大切なワード「サーカス」を上手に
    感じさせてくれました。
    すべてはユリ子の思いのままに♪

    私はサーカスってコワイんですよね
    夢なのか?
    現実なのか?
    ピエロも
    笑っているのか?
    泣いているのか?

    鞠子はいいます。
    ユリ子との逃避行は遊園地にでも
    連れ出してくれるのではないかと。
    そして
    現実はそんなに甘いものではなかった
    奈落の底を見せられたと。

    さぁ、現実世界はゴールデンウィーク。
    連休を楽しむ人々の隣りには
    働く人がいる。



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    2026年05月01日