夕木春央のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
まずめちゃくちゃ面白かったです。読んで損は絶対ないです。
こういうずっと精神的に逼迫した状況が続く作品(閉じ込められるだけではなく、どうにかしないと死ぬ、誰かは必ず死ぬ、みたいな)は個人的には得手ではないので、かなり心が疲れました。でも逆に言えばそれだけ作者の心理描写とか展開のスピード感が絶妙なんだと思います。
「読後感が悪い」作品って一定数あると思うんですけど、胸糞とは違った、後味が悪〜い作品、そういうのって普通のホラー小説よりも僕は怖い気がしていて、方舟は特にそれが強いなという印象です。「エピローグの後登場人物がどんな行動をするか、どんな気持ちか」が一番怖いところだと思っています。行間 -
Posted by ブクログ
【短評】
叔父の逝去に伴い、彼が所有していた無人島へ赴く大室里英(おおむろりえ)。随行する不動産屋や施工業者を含めた計9名が集まった絶海の孤島において、殺人事件が発生した。「犯人」は、島を取り巻くある特異な状況を逆手に取り、一堂に通告する。
「ーー殺人犯を知ろうとしてはならない」
本格に新たな地平を拓いた名作『方舟』において、ソリッドシチュエーションの旗手としての地位を確立した夕木春央のもう一つの代表作に挑戦だ。
のっけから盤外の感想で恐縮だが、今後本作に挑戦しようとする意志のある読者諸氏に対し、一つの戒律を設けたい。
「本著について一切の事前情報を取得しようとしてはならない」
本作はある一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ■読みたかった理由
同著者の方舟からファンになり2作目です。
■感想
方舟同様に非現実的な状態からの脱出ミステリーです。
個人的には推測の裏切りやオチへの納得感という意味で前作の方が好みではあります。
しかし、前作とは異なるある意味心理合戦と呼べる部分は面白く、見ていて読者側もはらはらします。
■印象的なところ・理由
1週目と2週目で発言一つ一つの意味合いや、読者が思い描く登場人物たちの想像上の目線や冷や汗等が変わるところです。(2週目はぱらぱらと見たくらいです)
いわゆる伏線が実はいくつかちりばめられており、前作でいう主人公のいとこが行っていた動機の謎解きを読者側主導で進めていくような面 -
Posted by ブクログ
ネタバレラスト10ページ程のところで書かれた「そう、わたしは犯人に声をかけられた。」の文から一気に解明される綾川の犯行が見事だった。
初日の夜から次の日の朝にかけての部分でおかしなところがしっかり書かれていた。綾川は11月にも関わらず汗をかいたジャージを着替えていたし、里英は綾川に訊きたいことがあったが考えが纏まらず聞けずじまいだった。
『方舟』の衝撃に引き続き、今作も最後どんなどんでん返しが来るのか予想できなかった。綾川の落ち着き様や事件を推理する様は怪しい部分ではあったが、爆弾を爆発させない為の犯行だったところまでは思いつかなかった。
しかし、綾川が『方舟』の麻衣だった事が最後の境遇の語りから判明