【感想・ネタバレ】時計泥棒と悪人たちのレビュー

あらすじ

実業家・加右衛門氏へ贋物の置時計を売ってしまった事実を知った伊口。
泥棒に転職をした蓮野とともに、その置時計は加右衛門氏へ所有する美術館にあるという情報を得、盗むことを計画するがーー?
(第1章 加右衛門氏の置時計)

激動の大正時代を泥棒たちが大暴れ! 『絞首商會』『サーカスから来た執達吏』にも繋がる連作短編集。

『方舟』で「週刊文春ミステリーベスト10」「MRC2022」をダブル受賞し話題沸騰の夕木春央、待望の新作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ホームズとワトソンを連想してしまうであろう、
蓮野と井口のコンビ!また相見えるとは…
そして常に登場している晴海社長、
今回もしっかり存在感がありました!

いくつかの短編が掲載されているようで、
思ったよりも太くて驚いた。
さて、個人的なお気に入りとしては、
1番エンドが印象に強く残っている
『光川丸の妖しい晩餐』である。
いやぁ〜〜〜好き!!!!!
常人では理解し難いであろう動機と行為。
逆に清々しさを覚えては眩暈がするような連続…
どんでん返されまくる展開にはいとまがない。

夕木春央先生の描く世界観や、
キャラクターの会話に呼吸、
文の構想や構図から香り立つ雰囲気は大変に心地良く、浸っていたい作品たちばかりである。

読み耽り読み終わる毎に、
もうあと何冊かで著者の作品を
全て読み終えてしまうのか…と
なんだか寂しくも思うのであるが、
それと同時に「面白過ぎてとまらん」
とワクワクが止められないのだ!
何人も止めることはできぬのだ…!!!

多分あと2冊ほどで現時点での
出版物は読み終えるかもしれないが、
今からまだ読んでいない夕木春央先生の作品を
楽しみにしているのであった…♬











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2024年10月09日

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ネタバレ

洋画家とその友人前科持ちの泥棒蓮野の大正浪漫の香り漂う探偵(泥棒ですが)物語。
最初から時計に始まり時計で終わる連作短編。事件が一つ解決する度に蓮野の能力の高さが証明されていく。井口が持ち込んでくる厄介ごとを、正直に告白するのがいちばんいいと言いながら助ける人嫌いなのに人情に厚いところも好印象。

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2023年07月24日

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ネタバレ

「方舟」が面白かったので、作者のをいろいろ読むことに。予約して借りたらびっくり、めっちゃ分厚い!辞書並み。大正時代のミステリーだからそういう装丁なのか?6篇というか7篇というかの連作短編集。かっちょいい元泥棒の蓮野と画家の井口のペア。最初と最後に時計の話が出てくる。姪っ子たちの相手をしながら読んだので、めっちゃ時間かかった。なので記憶もあやふや。タイトル通り、ほんとに悪人というか、嫌な人達がたくさん出てくるので、そこが面白かった。

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2025年08月17日

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「絞首商会」に登場する、盗人の経歴を持つ端正な顔立ちをした蓮野と絵描きの井口の2人を取り巻く数々の事件を描いた短編集。おそらく時系列的には「絞首商会」よりも前、「サーカスから来た執達吏」と同じくらいの時間軸の話。

短編集なので「サーカスから来た執達吏」「絞首商会」の大正時代という背景×長編ゆえの読みづらさはなく、すっきりと読みやすく感じた。蓮野・井口だけではなく、今までの作品に登場した人物が出てきて嬉しかった!今までの作品を読んでいなくてもさほど支障は無いが、今までの作品を読んでから読めば、より楽しめるはず!
光川丸の話がゾクっとして1番お気に入り!なんだか読んでいるうちに大月が好きになってきた

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2025年05月24日

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蓮野の、やる気がないけれど紛れもない探偵役になってしまって、やるしかないので仕方なく推理をして解決していく感じがすごく良い。まだまだ続きを読んでいたい。

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2024年10月15日

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ネタバレ

『方舟』が面白かったので、買い漁ったうちの一冊です。

蓮野のキャラクターがいい。
どうみても探偵の立ち位置にいるのに「なるべく推理はしたくない」「はずれてたら困る」「この状況で望ましいのは、逃げることと警察を呼ぶこと」「犯人なんかみつけなくていい」ときっぱり言うところが面白い。
そりゃそうだ、と思ってしまった。

最初の美術館のお話や誘拐事件はとても楽しくて夢中で読んだけど、正直徐々に失速した印象。
特に最後の連続盗難事件のお話は又聞きの又聞きで、ひたすら事件の詳細を聞かされるだけの時間が退屈に感じてしまった。

でも蓮野のキャラが本当に魅力的だし、井口との関係性も面白いのでぜひシリーズ化してほしい。

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2024年02月26日

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元泥棒の蓮野と画家の井口コンビの連作短篇集。一作目からミステリならではと言いますか、人間心理の逆説と「物語」ならではのスケールがあって面白い。
また、連作ではありがちなストーリーパターンに陥る事なく、毎話、シチュエーションを変えた舞台設定と謎の提示が良くできている。かれらは「職業探偵」ではないため無闇矢鱈とアカの他人から事件を持ち込まれる筈はないので、事件のとっかかりが井口の周辺の人物が絡みながら展開していくわけですが、そこが逆にこの「連作」として意味がある布石になっていてそこも良い。
厭世気味のキャラ好きなので、この蓮野のシリーズは続きがでると嬉しいなぁ。

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2024年02月25日

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7作からなる連作短編集。大正期に画家の井口と泥棒の前科を持つ同級生の蓮野が奇妙な事件を解決する、と言うもの。時代の雰囲気や言葉少なに展開される2人の会話も惹かれる。1話の事件が最後の章で完結される構成も素晴らしい。

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2023年07月25日

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画家の井口が相談事を持ちかけたのは、元泥棒で今は論文の翻訳をしている友人の蓮野である。

元泥棒相手に物騒な相談というのも問題ありだが…。

井口の父が美術収集家に売った置時計が贋物で、近々、その収集家である加右衛門氏が美術館を造設するという。展示して贋物とわかり大恥をかく前になんとかしてほしいと病床で譫言をいう。
さて、どうするか…どうなるか。

この加右衛門氏の美術館を始め全6作。
ちょっと風変わりで違う目線で人を見る蓮野が、警察抜きに次々と解決していく。
少しワクワクとしてくるのも否めない。



【加右衛門氏の美術館】
【悪人一家の密室】
【誘拐と大雪 誘拐の章】
【誘拐と大雪 大雪の章】
【晴海氏の外国手紙】
【光川丸の妖しい晩餐】
【宝石泥棒と置時計】

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2023年07月06日

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ネタバレ

キャラクターの紹介がやや唐突だな、と思ったが、
どうやらシリーズもの?らしい。

ミステリーなのだが、トリック等の謎解きよりも、
「そういう動機だったのか?」を楽しむタイプの作品。
どの犯人も、動機がちょっと普通じゃない。
あきれたり、ゾッとしたり。

個人的には、もっと蓮野のパーソナリティに迫ってほしかった。
他作品を読めばわかるのかな?

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2023年06月17日

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執達吏と同じ世界線での物語。
個人的には執達吏よりもこちらの方が好みだった。
元泥棒の蓮野と画家の井口が次々と奇怪な事件に巡り合い解決していくのだが、謎解きは意外性もありながら納得感のあるもので、テンポよく読むことができた。
このミステリ飽和時代に、キャラクターにエッジを立てすぎることも、奇想天外な叙述トリックを使うこともなく読み応えがある、作者の地力を感じさせる一冊。

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2023年05月07日

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『方舟』のおもしろさから即買い。方舟のような華やかさのあるタイプの本ではありませんでしたが、6篇のお話がそれぞれ絡み合って楽しく読めました♫

君が泥棒か?
一僕が泥棒です。

シュールな会話だなぁ

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2023年05月01日

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ネタバレ

絞首商會やサーカスから来た執達吏に続く話ということで読んだ。峯ちゃんの誘拐話を知れて良かった。サーカスから来た執達吏にどう繋がるとかと思ってたら、浅間光枝繋がりでびっくりした。
『宝石泥棒と置時計』は次作のサロメの断頭台にも続きそうな雰囲気だったから、次作も楽しみ

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2025年09月14日

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夕木さんのデビュー作『絞首商会』の続編となる連作短編ミステリ。登場するのも前作と同じく元泥棒の蓮野と画家の井口のコンビ。この二人が中心となって事件を解決していく6編のミステリになっています。

まず分厚さにちょっと慄き…読もう読もうと思いながら後回しにしていたのですが、一旦読んでみると短編集ということもあり読みやすくてあっという間の読めてしまいました。話がバリエーションに富んでいてとても面白かったです。前作は正直少し間延びしていると感じる部分もあったのですが、今作は短編集ということで、謎の重さと物語の長さのバランスがちょうど良く感じました。

一番好きな話は『光川丸の怪しい晩餐』です。
故障して沖に停泊中の光川丸という大型貨物船で成金の広川が友人知人を集めて怪しげな会を開くのですが、広川の元で掃除婦として働く照江は船上で死体を発見します。しかし、人を呼びにいっている間に死体は忽然と姿を消してしまいます。照江は、偶然乗り合わせた蓮野と井口に助けを求め、なんとか犯人を探そうとするのですが、どうやら犯人はこれまで猟奇的な連続殺人を行ってきた殺人鬼らしい───という物語。
犯人には捜査していることがバレないようにしながら、なんとか犯人を突き止めなければいけないというスリリングな展開で面白かったです。ホワイダニットものとしても秀逸。

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2024年07月01日

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お馴染みの蓮野・井口シリーズ。
時計を巡る(前後が繋がる)連作短編集。

結構、卑猥でグロテスクな内容もあるにも関わらず、大正という背景からかあまり気にならない?から不思議。

謎解きを単純に楽しみたい人向けのミステリー。

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2024年05月18日

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主人公と蓮野の書き分けがわかりにくいのと各エピソードの終わり方は狙い過ぎな感じがして、惜しい作品でした。蓮野のキャラクタは好きですが、元泥棒が真っ当な扱いを受けている設定がしっくりきませんでした。それで泥棒的な要素は鍵開けぐらい?謎解きはよかったです。

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2024年03月31日

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ネタバレ

【収録作品】加右衛門氏の美術館/悪人一家の密室/誘拐と大雪 誘拐の章/誘拐と大雪 大雪の章/晴海氏の外国手紙/光川丸の妖しい晩餐/宝石泥棒と置時計

画家の井口は、病床にいる父親が加右衛門氏に売った時計が偽物だと知り、友人で元泥棒の蓮野に相談。気乗り薄の蓮野を連れ出して時計のすり替えを画策する。

大正時代を舞台とした連作ミステリ。活劇めいたところもあるが、全体として暗い感じを受ける。

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2024年01月17日

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面白かった。短編集。
事件が予想外なところに展開していくところが面白い。たくさんの人物がでてきてどうなることかと思うがすんなり解決していく。

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2023年11月12日

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『方舟』、『十戒』と非常に楽しく、ハラハラして読めたので、以前の作品はどうだろうかと思って読んでみた。大正時代の話でなかなか馴染みがなく読みづらかったこと、そして何よりプロットが強引であり、「なるほど!」とは思えなかったことが残念であった。今後の作品に期待したい。

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2023年09月19日

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井口・蓮野コンビの連作。「方舟」でこの作者さんを知ったので、こういうのも書かれるんだと印象が変わりました。
前述のコンビは魅力的に感じたけれど、2人とも騒ぐ感じではないからか全体的に淡々とした印象でした。大月さんが居る回は大月さんの存在がとても大きかった。
淡々と始まって淡々と終わった感じですが、次作があれば読んでみたいです。

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2023年09月08日

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デビュー作である「絞首商會」の続編?というかシリーズですね。絞首商會で語られていた過去の事件なんかがこちらで描かれていたり。
鉄板というかベタというか、探偵役とホームズ役の二人でいろんな事件に巻き込まれたりしていく王道な短編集。いろんな意味で「ちょうどいい」感じでした。「絞首商會」の方はデビュー作だったからなのかなんかちょっと読みづらく思ったところも多かったんですがこちらはそういうの大分少なく感じました。短編だからというのもあるのかもしれませんが。

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2023年09月07日

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画家の井口と元泥棒の蓮野という不思議な組み合わせのコンビがいい。
大正時代という設定や、事件を解決していく過程は面白かっただけに、最後の終わり方にもう一工夫欲しかった気がする。

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2023年08月12日

Posted by ブクログ

画家の井口と泥棒の蓮野コンビがミステリトリックに挑む連作集。事件現場の状況や登場人物の把握に手間取り、集中力が途切れる。台詞の言い回しにも少々引っ掛りを感じた。

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2023年07月31日

Posted by ブクログ

大正浪漫漂う雰囲気と、悪人たちの大胆な発想。
難解なトリックと想像もできない動機に驚かされるのを心待ちに読み終えて、今はとにかく、人間の考えることは突拍子もないと感じています。

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

『方舟』が2023本屋大賞にノミネートされたほか、様々なミステリーランキングにランクインする著者の最新作。

画家の井口と翻訳家で元泥棒の蓮野のコンビが主役のミステリー短編集。
結構なボリュームがあり、さくさく行けるのと、なかなか進まないものと分かれた。
時代はロシア革命から3年後というから、1920年大正時代だろう。
なんとなくきな臭い空気が漂い、色々な物事にうさん臭さが感じられる。

一話目は、画家の井口自身が、自分の父親の窮地のために蓮野を頼って泥棒をはたらこうとするもの。
そういう解決方法しか浮かばないんかい!と言いたくなるが、今とは違った階級社会、勝手も色々と違ったのだろう...。
殆どの話が井口目線なのだが、二つだけ華族の家政婦、金持ちの女中目線となっているものがある。
事件の筋からしてそうなったのだろうが、なぜ二話分だけそうしたのだろうか?とちょっと気になった。
2023.5

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2023年06月24日

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