あらすじ
実業家・加右衛門氏へ贋物の置時計を売ってしまった事実を知った伊口。
泥棒に転職をした蓮野とともに、その置時計は加右衛門氏へ所有する美術館にあるという情報を得、盗むことを計画するがーー?
(第1章 加右衛門氏の置時計)
激動の大正時代を泥棒たちが大暴れ! 『絞首商會』『サーカスから来た執達吏』にも繋がる連作短編集。
『方舟』で「週刊文春ミステリーベスト10」「MRC2022」をダブル受賞し話題沸騰の夕木春央、待望の新作!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ホームズとワトソンを連想してしまうであろう、
蓮野と井口のコンビ!また相見えるとは…
そして常に登場している晴海社長、
今回もしっかり存在感がありました!
いくつかの短編が掲載されているようで、
思ったよりも太くて驚いた。
さて、個人的なお気に入りとしては、
1番エンドが印象に強く残っている
『光川丸の妖しい晩餐』である。
いやぁ〜〜〜好き!!!!!
常人では理解し難いであろう動機と行為。
逆に清々しさを覚えては眩暈がするような連続…
どんでん返されまくる展開にはいとまがない。
夕木春央先生の描く世界観や、
キャラクターの会話に呼吸、
文の構想や構図から香り立つ雰囲気は大変に心地良く、浸っていたい作品たちばかりである。
読み耽り読み終わる毎に、
もうあと何冊かで著者の作品を
全て読み終えてしまうのか…と
なんだか寂しくも思うのであるが、
それと同時に「面白過ぎてとまらん」
とワクワクが止められないのだ!
何人も止めることはできぬのだ…!!!
多分あと2冊ほどで現時点での
出版物は読み終えるかもしれないが、
今からまだ読んでいない夕木春央先生の作品を
楽しみにしているのであった…♬
Posted by ブクログ
洋画家とその友人前科持ちの泥棒蓮野の大正浪漫の香り漂う探偵(泥棒ですが)物語。
最初から時計に始まり時計で終わる連作短編。事件が一つ解決する度に蓮野の能力の高さが証明されていく。井口が持ち込んでくる厄介ごとを、正直に告白するのがいちばんいいと言いながら助ける人嫌いなのに人情に厚いところも好印象。
Posted by ブクログ
「方舟」が面白かったので、作者のをいろいろ読むことに。予約して借りたらびっくり、めっちゃ分厚い!辞書並み。大正時代のミステリーだからそういう装丁なのか?6篇というか7篇というかの連作短編集。かっちょいい元泥棒の蓮野と画家の井口のペア。最初と最後に時計の話が出てくる。姪っ子たちの相手をしながら読んだので、めっちゃ時間かかった。なので記憶もあやふや。タイトル通り、ほんとに悪人というか、嫌な人達がたくさん出てくるので、そこが面白かった。
Posted by ブクログ
『方舟』が面白かったので、買い漁ったうちの一冊です。
蓮野のキャラクターがいい。
どうみても探偵の立ち位置にいるのに「なるべく推理はしたくない」「はずれてたら困る」「この状況で望ましいのは、逃げることと警察を呼ぶこと」「犯人なんかみつけなくていい」ときっぱり言うところが面白い。
そりゃそうだ、と思ってしまった。
最初の美術館のお話や誘拐事件はとても楽しくて夢中で読んだけど、正直徐々に失速した印象。
特に最後の連続盗難事件のお話は又聞きの又聞きで、ひたすら事件の詳細を聞かされるだけの時間が退屈に感じてしまった。
でも蓮野のキャラが本当に魅力的だし、井口との関係性も面白いのでぜひシリーズ化してほしい。
Posted by ブクログ
キャラクターの紹介がやや唐突だな、と思ったが、
どうやらシリーズもの?らしい。
ミステリーなのだが、トリック等の謎解きよりも、
「そういう動機だったのか?」を楽しむタイプの作品。
どの犯人も、動機がちょっと普通じゃない。
あきれたり、ゾッとしたり。
個人的には、もっと蓮野のパーソナリティに迫ってほしかった。
他作品を読めばわかるのかな?
Posted by ブクログ
絞首商會やサーカスから来た執達吏に続く話ということで読んだ。峯ちゃんの誘拐話を知れて良かった。サーカスから来た執達吏にどう繋がるとかと思ってたら、浅間光枝繋がりでびっくりした。
『宝石泥棒と置時計』は次作のサロメの断頭台にも続きそうな雰囲気だったから、次作も楽しみ