綾辻行人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「――ような気がした」という主人公が良く使うフレーズには隔靴掻痒の感があり、相変わらず居心地の悪さを感じる。
曖昧模糊として捉えどころのないストーリーがこのシリーズの特徴ではあるのだが。
今回の作品にはゾゾゾと背筋が寒くなるような怖さはあまり感じられなかったが、著者の自虐的ネタがいくつか見受けられ、ニヤリとした。
お気に入りは終盤の2作品。
『猫密室』は、周囲を何百匹、何千匹の猫でびっしりと埋め尽くされた一戸建ての家で死体が発見されるというミステリのプロットを主人公が思いついたという作品だが、これは是非綾辻氏に実際に書いてほしいと思った。だって「その猫たちにはまったく人に踏まれた形跡が -
購入済み
十角館の殺人
綾辻さんのデビュー作と言ったらこれ。
高校の時、初めて読んで再読したく買いました。
アガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」がモデルかな?
特に、読んだ当時は記述トリックといものを知らなかったので、これは騙されたという作品。
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Posted by ブクログ
ミステリーにそんなに興味はないのだけど、「日本語が美しい」と方々から噂に聞く連城三紀彦氏。飛行機移動のおともに、さくっと読めそうな短編をチョイス。
噂に違わぬ美しい日本語!美しすぎて、読んでいる間めっちゃ幸せだった。私もこういう日本語を使える人になりたい…
「ゴースト・トレイン」と「白蘭」がよかった。「他人たち」もよかったけど、いやそんな風にならんやろ!と心の片隅で思ってしまったので…短編でミステリーって、すごく難しいんだろうと思うけど、すべてがおさまりの良い仕上がり。趣の違うミステリー短編を多数生み出している作家さんなんだな、というのを改めて認識。
1作目と比較すると、恋愛小説的な要素の -
ネタバレ 購入済み
十角館が面白かったので2作目のこちらも購入し、先程読了しました。
クローズドサークルの中で次々と登場人物が殺されていく、次に殺されるのは誰なんだ…?誰が生き残るんだ…?と言う緊張感の中で物語が進む十角館とは違い、今作は主に過去に起きた事件を紐解きながら現在に結びついていくと言う流れのため、1作目と比べると非常に淡々と話が進んで行く印象を受けました。
また、今回は状況的に考えて被害者を「消せる」のはあの人物しか居らず、憶測でしかないが恐らくあの人物も共犯だろうと言う目星は付いていたので犯人が当たった時はニヤリとしたものですが、入れ替えが2回起きていたとまでは考えが至らずなるほどそういうことか -
ネタバレ 購入済み
舘シリーズは有名なので流石に名前は知っていましたが、読んだことはありませんでした。
ですがふと推理小説が読みたくなり、評判の高い今作を購入しました。
亡くなった中村氏やその弟は犯人としては在り来りですし、本土の登場人物が皆本名で描写されているのに対して島にいる学生の本名は頑なに出てこない(結び付けさせない)辺りに何かヒントがあるのだろうとまでは思いましたが、それでも他の皆さんのコメントの通りあの一文は驚きました。
いや、他の学生より先に島に来ていると言う点では少し怪しいとも思ったのですが、この人物の描写を見て違うのかなと感じてしまいました。
冷酷で残忍な犯人、と言うイメージに縛られてい -
購入済み
十角館の殺人
何となく後回しにして、結果、積本化してたけど…。もっと早く読んでおけば良かった‼︎後発の他の作品で同じ系統のトリックを使ったものを先に読んでいたので、驚きは半減してしまった。勿体無い…この本ほど鮮やかのものは中々無いというのに。この本の紹介でよく聞く一文、『衝撃の一行』とは良く言ったものだと思う。デビュー作だけあり、鼻息の荒さがモロに感じられる。それがまた心地良い。
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ネタバレ 購入済み
ようやく騙されなかった
館シリーズを順に読み4作目。
ビリーミリガンや失われた私を読んでいたおかげか、ようやく騙されずに済みました。
でも島田さんすらがもう1人の人格であるのは気づけなかったなぁ…。