Posted by ブクログ
2019年12月30日
20年ぶりの再読。前回はカッパノベルス版、今回は講談社文庫版。新興宗教の教祖が頭部と左腕を切断され、不可能状況で殺害された。探偵役は双子の明日香井兄弟。
北村薫先生は、ミステリは再読に耐えるとおっしゃる。初読で純粋に謎解きを楽しみ、再読では作者がどのように工夫して謎を構築しているかを楽しむという。と...続きを読むは言え、それは上級者の楽しみ方で、大抵の場合、初読の内容を忘れている。ところが、本書は、その大掛かりなトリックが印象的で、初読から20年経ってもしっかり覚えていた。なぜ左腕も切断したのか、は、このトリックの肝の一つ。学生時代、コタツの中で、おー、と興奮したことを思い出した。