あらすじ
信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」。訪れた劇団「暗色天幕」の一行を迎える怪しい住人たち。邸内で発生する不可思議な現象の数々…。閉ざされた“吹雪の山荘”でやがて、美しき連続殺人劇の幕が上がる!
※本書は一九九五年二月刊行の新潮文庫版を全面的に改訂した〈完全改訂版〉が底本です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何故か今まで読んだつもりで、再読の感覚で読み始めたらアレアレ間違いでして。
もう、見取り図がついてる時点で気分は爆上がり。地図を見ながら読み進めるのはなんともたのしいです。
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こう言うのが読みたかったんだよ!
雰囲気がすごく良くて、上下巻あっという間に読み終わってしまった・・・
綾辻先生の作品は他に十角館の殺人しか読んだことないけど、こっちの作品の方が好みでした
もっとこういう作品が読みたい
Posted by ブクログ
兇人邸の殺人を読まれた方なら、私がこの本を読もうとした理由がお分かりかも知れません。
大雪で身動きが取れない館、クローズドサークルで起きる殺人事件。上巻では、美術品や、調度品についての蘊蓄が多く、この館の立派さを想像させてくれる。さて、どうなるのかなあ~下巻へ続く。
Posted by ブクログ
館シリーズ出てる分を読み終えて喪失感を感じていたところで薦められて読んだ。最初から不穏に吹雪で、たどり着いた邸宅に隔離状態。登場人物の名前と関連がある物が屋敷内に見つかって、最初から屋敷がその人たちがたどり着くのをわかっていたかのような演出。住んでいる人たちも不思議で、積極的に関わってこようとせず必要最低限の接触のみで不気味。閉鎖的な空間の圧迫感や閉じ込められた人たちの憔悴感がいい感じ。その中で殺人が起こるけど、これもわざわざそんなことするかってぐらい手の込んだ状態。有名な詩を模倣した形らしく、この詩に限らず有名な詩人、作家、焼き物などの芸術品が出てくるが、何せ詳しくないのでわからない!こういうものに造詣が深ければもっと楽しめたのだと思う。
殺人が続く中上巻は終了。全然考察が進められないまま終了…。ところどころに感じられる違和感がどのように回収されるのか。
Posted by ブクログ
1990年の作品の改訂版です。
上下巻のため、700ページ超えの大作です。
ダラダラと長い印象は全くなく、テンポよく読み進められました。
本格ミステリではありますが、どこかホラーの感じもあって、物語に引き込まれました。
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まず遠田志帆さんの表紙が素敵。雪の山荘で起こる連続殺人事件、しかも北原白秋の詩に見立てて。このあらすじだけでもう絶対おもしろい。名前に何かあるんだろうとは思ってたし、犯人怪しいとも思ってたけど、、予想通りおもしろかったです!
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念願の『霧越邸殺人事件』です。久々に王道クローズドサークルミステリを読んでいるので少し置いてきぼりになったりしますが、上巻だけでもすっごく面白かったです!
割と沢山骨董品、美術品に関してはにわか民なので、所々頭にハテナを浮かべたり…。とっても素敵な作品の数々なのは伝わってきました。
途中で不思議なこと( 不吉だったり不気味なことのはずなのにその雰囲気も美しい )が度々起こりますが、霧越邸なら起こってもおかしくないあの雰囲気が最高です。行ってみたい、、、。
巻頭の見取り図を何度も見に帰るくらい世界にどっぷりのめり込めました。
今回は推理とかせずに世界観を楽しもうと思うので、犯人は全然分かりませんが、この先の展開が楽しみで仕方ないです。
このまま下巻も楽しもうと思います❥
Posted by ブクログ
吹雪で道に迷った劇団・暗色天幕のメンバーは
山中に建てられた謎の洋館"霧越邸“に逃げ込み
一旦は難を逃れたものの、
降り止まない吹雪のために屋敷に閉じ込められてしまう。
偶然訪れたはずの屋敷の中から見つかる
自分達の名前と共通する品々。
食事の提供や一人一部屋を与えてくれるなど
良くしてくれるものの、冷たい対応の家人たち、
時折見え隠れする何者かの影…。
不思議なことが起こる中、
メンバーの一人が何者かに殺害されてしまう。
犯人は劇団の中にいるのか?
それとも偶然訪れたこの屋敷の家人なのか?
見立て殺人を行う理由とは?
また次々に起こる不思議な現象は何なのか?
謎が折り重なって複雑に絡み合い、
面白さが積み上がっていく感じ!
北原白秋についても学びたくなりました。
続きが楽しみです!
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雪の中の山荘。ミステリーの王道。そこで行われた殺人。それは見立て殺人にも見える。こんなにもミステリファンをワクワクする要素が詰まっていて、下巻も早く読みたい限りである。
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出だし読み進まなかったけど、館のムードや古典の豊富な知識などがまたムードを引き立てる。豪邸、クローズド、謎の住人、探偵役、医師もいて、いかにもなミステリーで面白い。
綾辻行人の館シリーズ設定は無いので、含みなく読める。
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この時点で殺された人間は一人だけであるがまだ人が死にそう。面白く様々な知識を得ることができる。いわゆる見立て殺人になりそう。色々とモヤモヤする展開だがそれがまた面白い。下巻も続けて読む。
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“吹雪の山荘”“見立て殺人”この2つに加えて妖しい雰囲気満載の洋館と、そこに住む住民達…
上巻では劇団員の1人が殺されたが、この先もまだ見立て殺人は続くのか、館に隠された秘密とは何なのか?
小難しい知識や蘊蓄が出てくるので、少し戸惑う部分があるけど、館の魅力に嵌ってしまう中盤からは一気読みでした。
下巻も楽しみに読みます。
Posted by ブクログ
久々の綾辻作品、しかもクローズドサークルで起こる連続殺人もの。
期待値高いけど大丈夫?って思いながら上巻を読み終えました。
霧越邸の設定自体はちょっと不自然な感がありますが、それは言わない事として、不自然な洋館だからこそ不思議な現象が起こる。
そう考えればやはり我孫子武丸の「殺戮にいたる病」がいかに優れた作品かがよくわかりますね。
(現時点では私が最も驚愕した一冊です)
少し脱線しそうなので、本作に戻り、霧越邸自体が今後起こる殺人を予言しているかの如く物語は進んでいきます。
残念ながら上巻のラスト近くで本作の探偵役となる槍中が示した「アリバイ・動機一覧表」から現時点では私には犯人を論理的に言い当てる事は出来ません。
さて、ここに何が隠されているのやら。
謎解きを楽しみにこのまま下巻を読み進めていきます。
説明
内容紹介
『Another』の綾辻行人、もうひとつの代表作。〈完全改訂版〉刊行!
信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」。訪れた劇団「暗色天幕」の一行を迎える怪しい住人たち。邸内で発生する不可思議な現象の数々…。閉ざされた“吹雪の山荘”でやがて、美しき連続殺人劇の幕が上がる!
内容(「BOOK」データベースより)
1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。冷たい家人たちの対応。邸内で発生する不可思議な現象の数々。見え隠れする何者かの怪しい影。吹雪で孤立した壮麗なる“美の館”で舞台に今、恐ろしくも美しき連続殺人劇の幕が上がる!日本ミステリ史上に無類の光芒を放ちつづける記念碑的傑作、著者入魂の“完全改訂版”!!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
綾辻/行人
1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年に『十角館の殺人』で作家デビュー。92年には『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。本格ミステリを書き続ける一方で、ホラー小説にも意欲的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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【あらすじ】
1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。冷たい家人たちの対応。邸内で発生する不可思議な現象の数々。見え隠れする何者かの怪しい影。吹雪で孤立した壮麗なる“美の館”で舞台に今、恐ろしくも美しき連続殺人劇の幕が上がる!
【感想】
Posted by ブクログ
綾辻先生の初期の作品の改訂版らしいが、初期でももうこれだけの作品を作られていたのか・・・・と圧倒された。
まだ半分しか読んでいないが、引き込まれ方が半端ない。
本格的ミステリも凄いのだが、文章の上手さにも圧巻!
どんどん引き込まれていく。
下巻に期待大!!
Posted by ブクログ
吹雪で道に迷った「私」達がたどり着いた洋館には一筋縄ではいかない住人達、そんな外部から遮断された状況で見立て殺人が起こり…という設定だけならもう清々しいくらいベッタベタな吹雪の山荘モノ。館に散見される関係者との符合が示すものは何か。上巻いいとこで終わるなー
Posted by ブクログ
雪に閉ざされた館での連続殺人という手垢の付いたようなジャンルに挑んだ幻想的本格派ミステリー。
工芸、美術、文学の勉強にもなる。
伏線の張り方が巧み。
Posted by ブクログ
雪山に不釣り合いな館に逃げ込んだ劇団員たちとそこに暮らす人嫌いの住人たち。
とベタなクローズドサークルから始まる、世界観が古いと思ったら1980年台の話で、こんな心持ちで生きる時代なのかと不思議にさえ思う。
不思議な館、来訪者をしっていたように形を変え、暗示するような小物を配して、なってどうこのミステリーに関わるのかと思ったけれど、哲学的というか運命というかなんだかよくわからない横糸で煙に巻かれている間に一人死んでいる。
とてもゆっくり。
Posted by ブクログ
今となってはベタベタなスタンダードネタのクローズドサークルもの。あまりにも怪しげな館に9人の招かれざる者たちが集まり、そしてそこで不可思議な殺人事件が起こるという分かりやすすぎる展開。ただキャラとか屋敷とかの説明が長くてなかなか本番?の殺人事件に行かないため、ちょっとそこがダレてもったいないなあ、て感じがした。すべての謎は下巻で明かされるだろうが、とりあえず上巻はそこまでわくわくしなかったのでこれくらいの評価にしておきたい。
Posted by ブクログ
およそ十年ぶりの再読です。
上巻では主に、舞台となる霧越邸の意匠や、収集品などについてのエピソードに重点が置かれています。
場合によっては少々退屈する展開かもしれませんが、この数々の描写が物語の幻想性と、霧越邸が持つ存在感を更に高めている、そんな印象を受けました。
物語の雰囲気を楽しみながら、下巻へと進みたいと思います。
Posted by ブクログ
こうして来客があったりすると、途端にこの家は動きはじめます(p.142)/吹雪の山荘と見立て?/小劇団「暗色天幕」の一堂は吹雪に迷い湖畔に建つ広大で豪奢な霧越邸に辿り着く/深月や他のメンバーの名と不思議な暗合/何事にせよ謎はあった方がいいさ。(p.152)/北原白秋の「雨」。
■霧越邸についての簡単な単語集
【芦野深月/あしの・みづき】暗色天幕の女優。本名は香取深月。二十五歳。鈴藤にとって美人としか言いようがない。槍中の母方の従兄の子。霧越邸の住人たちが知る人物にそっくり。槍中《そう。彼女は諦めている。》上巻p.267
【暗色天幕/あんしょくてんと】小劇団。メンバーは槍中、榊、芦野、希美崎、名望、甲斐、乃本。鈴藤は協力者として台本を書いている。
【井関悦子/いぜき・えつこ】厨房担当。
【甲斐倖比古/かい・ゆきひこ】暗色天幕の男優。本名は英田照夫(あいだ・てるお)。二十六歳。がっしりしていて大柄だが性格は控え目。
【神谷光俊/かみや・みつとし】ミステリ作家。かつて暗色天幕のメンバーだったが探偵小説雑誌『奇想』の新人賞を取って作家デビューした。『吸血の森』という本を上梓している。
【希美崎蘭/きみさき・らん】暗色天幕の女優。本名は永納公子(ながの・きみこ)。肉感的なボディ。二十四歳。
【霧越邸】「私」たち八人が雪で遭難しかけたとき出合った、霧越湖畔にある大邸宅。《この家は祈っている。》上巻p.270。的場《この家は鏡です》上巻p.294。
【榊由高/さかき・ゆたか】暗色天幕の男優。本名は李家充(りのいえ・みつる)。アイドル系の美形。演技力もそれなり。李家産業(りのいえさんぎょう)の御曹司。
【執事】→成瀬
【白須賀秀一郎/しらすが・しゅういちろう】霧越邸主人。
【末永耕治/すえなが・こうじ】邸内の雑用を一手に引き受けている使用人。二十八歳。楽器の調律わ専門に学んだそうでチェンバロの調律ができる。
【名望奈志/なも・なし】暗色天幕の男優。本名は松尾茂樹。やせぎす。二十九歳の古株。刃物恐怖症。
【成瀬孝】執事。無表情、無愛想。
【忍冬準之助/にんどう・じゅんのすけ】医師。先客。ぽっちゃり。
【乃本彩夏/のもと・あやか】暗色天幕の女優。本名は山根夏美。十九歳。くるんとした大きい目。人懐こいタイプ。
【的場あゆみ】住み込みの医師。黒縁眼鏡で男性のような服を身につけている女性。
【槍中秋清/やりなか・あききよ】暗色天幕の演出家。三十三歳。本業はアンティークショップ経営で、都内にいくつかの店を持っている。鈴藤が学生時代に暮らしていたアパート、神無月荘の大家を学生ながらにしていたのが槍中。「僕はね、〝風景〟を求めているんだ」(上巻p.82)
【雪に閉ざされた館】いったい何処で現実と小説の線引きをしたらいいのか、迷いたくもなってくる(上巻p.243)
【鈴藤稜一/りんどう・りょういち】語り手の「私」。本名は佐々木直史(ささき・なおふみ)。三十歳。暗色天幕のメンバーではないが台本を書いている。
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上下巻。
舞台設定にワクワクした。
突然の吹雪。山中の洋館。
吹雪が止まずに足止め…そして、殺人事件が。
洋館「霧越邸」の描写が素敵で、それだけでも楽しめた。
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謎の洋館「霧越邸」の冷たい家人たちの対応。吹雪で閉じ込められたクローズドサークル。
大好きな要素が詰まっているのに、館シリーズのように一度読んだら止まらない!という感じはなくて、読み終わるまでに少し時間がかかってしまった。
上巻下巻とわかれているのでなかなか話が進まないのと、芸術品の説明が多く出てくる所に興味がないからだと思う。
でもそんなこともあまり気にならないくらいにさすがの面白さで続きが気になる。
下巻に進みます!
Posted by ブクログ
知識量が半端ない。
説明されても私の頭ではハテナが浮かびながら、勉強させていただく気持ちで読み進めた。
図面や、提起される表なども実際のものが添付されてて見応えがある。
文章と相まって想像力を掻き立てられながら読み進めていく。
まだ上巻を読んだだけだが、これからどうなるか下巻も楽しみ。
好きなシチュエーション
不思議な館。
閉ざされた状況。
好きなシチュエーションてんこもり!
上下巻のお話の上巻は退屈なことが多いのですがスイスイ読めました。
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3
怪奇幻想系本格ミステリー小説。著者の特別な一冊。主宰の槍中秋清率いる劇団暗色天幕一行が吹雪で迷った末にたどり着いた霧越邸。吹雪の山荘で起きる連続見立て殺人。北原白秋の「雨」に見立てた最初の殺人。屋敷に潜むもう一人の誰か。名前と建物内の相関、霧越邸は入ってきた者を映す鏡など幻想的な描写。所々に焼き物や古典、姓名判断などの雑学がある。
楽焼。轆轤ではなく、手ごねで作る。京都の楽家一族かその弟子の作品を指す。一井戸ニ楽三唐津というらしい。有田焼を別に伊万里焼という。伊万里には三様式あり、柿右衛門、古伊万里、鍋島。鍋島の色絵皿を色鍋島というらしい。
Posted by ブクログ
久しぶりの綾辻さん。館シリーズのような趣のミステリーですが、叙述系ではなく、若干ファンタジー要素を組み込んだ形です。
古い作品のリライト、ということですが、全体的につたなさというか、時代がかった感じがあり、それがいい方向に作用しているかというと、そうでもなかったり…。
ミステリーの謎解きもまた面白いといえば面白いのですが、やっぱりある程度はファンタジー要素に歩み寄っていかないと、上下巻引っ張ってのネタに肩透かしをくらわされることは避けられない、かと…。
大作ではありますが、綾辻さんの中で傑作か、というと、個人的にはやや疑問です。