綾辻行人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これまでの館シリーズと比べると、ややボリュームは控えめに感じた。しかし、ヒントや伏線が隙なくちりばめられており、終始まったく油断できなかった。
「読者には8割までわかるかもしれないが、残りの2割が肝になる」という著者のコメントがあるが、まさにそのとおり。細かな違和感にはいくつか気づいたものの、それが何を意味しているのかが掴めず、結果として作品全体が描こうとしている大きな構図にはまったく辿り着けなかった。
本作の特徴的な点は、作中作に描かれる殺人事件の真相そのものではなく、館自体や鮎田氏の記憶といった要素が重要な謎であるというところ。殺人事件の推理に集中していると、終盤で肩透かしを食らう感覚