綾辻行人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ〇 概要
鬼面館の主人「影山逸史」が主催する奇妙な集いに,6人の客が招かれる。季節外れの大雪で館は孤立。そして,頭部と両手の指が消えた死体が発見される。関係者の大半は,鍵の掛かった仮面を被らされて素顔が見えない。前代未聞の状況の中,探偵鹿谷門実が真相を解き明かす。
〇 総合評価 ★★★★☆
よくも悪くも綾辻行人らしい作品。登場人物が全員「影山逸史」だったことが分かるシーンはインパクト抜群だし,2代目と3代目の「影山逸史」を混同させる叙述トリックもさすが。作中の殺人の「死体の首を切った」意味が,死体の首がつけてた仮面が,館の秘密の通路を開くためのカギだったという点も独創的と言える。半面,登 -
Posted by ブクログ
読んでいて母胎にいるかのような安心感
館モノと言えば、島田潔の館シリーズを思い浮かべますが、こちらも負けていません。ホラーや幻想小説としての側面も持つ上記シリーズと比べると、より正統派といえます。
「なぜ被害者の髪が切断されたのか」の大きな謎と、「足に障害がある者は犯人たり得ない」という手掛かり(勿論、その真偽も含め)などをもとに、犯人像に迫ります。切断の理由は感心するほどではないものの、そこからが見せ場。美しく論理的に組み立てられていく推理に惚れ惚れします。細部にまで張られた伏線、ユーモラスな会話も交えながら、スッキリとした無駄のない構成でした。
読者への挑戦も付いた直球勝負の本格ミス -
ネタバレ 購入済み
ネタバレあり
館シリーズ5作目の時計館の殺人。
旧館内の時間軸と新館や外側の時間軸とが交互に描かれるスタイルは1作目の十角館に通じる描き方です。
前半部分はややスローペース感がありますが、後半に進むにつれエスカレート式に展開が進んでいくのはさすがの一言です。
大元のトリックに関しては、時計が扱われていることから2つの場面には時間差はあるだろうと当たりはつけていました。最初は半日周期のずれかと考えてましたが、旧館内の時間が現実時間と徐々に開きが大きくなる仕掛けという大胆なトリックです。当たり前で考えると気付けない絢辻作品らしいトリックでした。
やや犯人の心情が掴みにくい感じはあります。主に娘の死に追い -
購入済み
さすがの叙述トリック
途中までこういうことかなと考えていた解答がまさかのひっくり返しでした。ある意味騙しとしては十角館の殺人にも通じるのですが、あちらは予想の範疇にあったのですが、こちらはすっかり引っ掛けられて満足です。こういう醍醐味があるから絢辻作品は楽しいですね、次回作も楽しみです!
-
購入済み
上巻がもったいない
下巻はドキドキワクワクで一気に読破。一方、上巻は無駄に引っ張り過ぎで「だれ」てしまい、途中何度も挫折。お陰で上巻読破に1ヶ月以上かかってしまった。毎日本を読んでいる者の感想として、本来上下巻構成にするべきではない作品と強く感じた。
-
購入済み
ホラーは苦手ですが
純粋なホラーははっきりいって苦手です。ですが、この作品はホラーの要素よりもミステリーの要素のほうが強いと感じて購入しました。上巻だけでも充分引き込まれる強さを感じられました。所々に引っかかている?な部分が下巻でどのように表現されるのか楽しみです
-
Posted by ブクログ
伝説の『殺人鬼』、ふたたび。双葉山の惨劇から三年、最初にそれと遭遇したのは休暇中の一家。正義も勇気も家族愛も、ただ血の海に消えゆくのみ。そしてそれは山を降り、麓の街に侵攻するのだ。病院を、平和な家庭を、凄惨な地獄風景に変えていく。殺す、殺す、殺す…ひたすら殺戮を欲する怪物に独り立ち向かうのは、不思議な“能力”を持った少年・真実哉。絶望的な闘いの果てに待ち受ける、驚愕と戦慄の結末とは!?―。
・レビュー
今度は双葉山から殺人鬼さんが降りてきまして(笑)、病院が一つの舞台となって、再び殺戮が繰り返される。てっきり山にこもってないといけないタイプのモンスターなのかと思いきや、あっさりと下山したの