綾辻行人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「――ような気がした」という主人公が良く使うフレーズには隔靴掻痒の感があり、相変わらず居心地の悪さを感じる。
曖昧模糊として捉えどころのないストーリーがこのシリーズの特徴ではあるのだが。
今回の作品にはゾゾゾと背筋が寒くなるような怖さはあまり感じられなかったが、著者の自虐的ネタがいくつか見受けられ、ニヤリとした。
お気に入りは終盤の2作品。
『猫密室』は、周囲を何百匹、何千匹の猫でびっしりと埋め尽くされた一戸建ての家で死体が発見されるというミステリのプロットを主人公が思いついたという作品だが、これは是非綾辻氏に実際に書いてほしいと思った。だって「その猫たちにはまったく人に踏まれた形跡がなかった」などというシチュエーションは笑えるけれどもワクワクする謎ですから。
また、最後の『ねこしずめ』に出てくる「猫柱」という怪現象を自分が目の当たりにしたことを想像すると、その異様さと壮大さ、そしてある種の荘厳さには圧倒される思いがすることだろう。
このシリーズもこれで終わりというのは寂しく思う。ミステリではないので、謎がすべて解明されるということはない。今回、明らかになったことは、主人公の妻である由伊と咲谷看護師との関係性くらいだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本格派のミステリー、87年に書かれた小説であり、名作と言われる所以を理解した。
登場人物が互いを海外のミステリー作家で呼び合っているが、僕自身も大学時代に文芸部に所属し、お互いを少し変わったあだ名で呼び合っていただけに特に違和感なく、受け入れてしまっていた。
それこそがミスディレクションへ繋がるとは。
加えて、章ごとに本土と島と分かれており、読んでいる最中には舞台である島だけで十分だろうと感じていたが、これも意味があった。
ただの一言でこの小説の無駄と思われていた部分が全て意味のあるものに変わる、また、最後の引き際も探偵が推理するというある種、テンプレート化されたものじゃなかったことも心地よい。洗練され、完成されたストーリー。
2026年9月21日追記
再度読み返すと、やはり本格派。かれこれ40年前に書かれた小説とは思えない。今のミステリーの土台となっていると感じた -
購入済み
十角館の殺人
綾辻さんのデビュー作と言ったらこれ。
高校の時、初めて読んで再読したく買いました。
アガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」がモデルかな?
特に、読んだ当時は記述トリックといものを知らなかったので、これは騙されたという作品。
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Posted by ブクログ
ミステリーにそんなに興味はないのだけど、「日本語が美しい」と方々から噂に聞く連城三紀彦氏。飛行機移動のおともに、さくっと読めそうな短編をチョイス。
噂に違わぬ美しい日本語!美しすぎて、読んでいる間めっちゃ幸せだった。私もこういう日本語を使える人になりたい…
「ゴースト・トレイン」と「白蘭」がよかった。「他人たち」もよかったけど、いやそんな風にならんやろ!と心の片隅で思ってしまったので…短編でミステリーって、すごく難しいんだろうと思うけど、すべてがおさまりの良い仕上がり。趣の違うミステリー短編を多数生み出している作家さんなんだな、というのを改めて認識。
1作目と比較すると、恋愛小説的な要素の強い作品がなくて(とらえ方によるのかもしれないけど)恋愛がらみのミステリーが好きではない人はこういう作品のほうが好みなのかもしれないな。連城色が弱まってしまうけども。
こんなに幸せに日本語読めるのなら、長編小説も余裕でいけそう。ほかの作品も読まなければ。
★初出(底本一覧から)★
「ぼくを見つけて」―『顔のない肖像画』(2016)
「菊の塵」―『夕萩心中』(1988)
「ゴースト・トレイン」―『紫の傷』(2002)
「白蘭」―『たそがれ色の微笑』(1992)
「他人たち」―『美女』(2000)
「夜の自画像」―『Bluff 騙し合いの夜 ミステリー傑作選』(2012)
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どれも超高密度(綾辻)
普通は書けない。(伊坂)
驚きは屈指のもの。(小野)
その「技」は魔法的(米澤)
四人の超人気作家が厳選した究極の傑作集。
特別語りおろし巻末鼎談つき!
逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、連城三紀彦を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。“誘拐の連城”決定版「ぼくを見つけて」、語りの極致「他人たち」、最後の花葬シリーズ「夜の自画像」など全6編。巻末に綾辻×伊坂×米澤、語りおろし特別鼎談を収録。 -
ネタバレ 購入済み
十角館が面白かったので2作目のこちらも購入し、先程読了しました。
クローズドサークルの中で次々と登場人物が殺されていく、次に殺されるのは誰なんだ…?誰が生き残るんだ…?と言う緊張感の中で物語が進む十角館とは違い、今作は主に過去に起きた事件を紐解きながら現在に結びついていくと言う流れのため、1作目と比べると非常に淡々と話が進んで行く印象を受けました。
また、今回は状況的に考えて被害者を「消せる」のはあの人物しか居らず、憶測でしかないが恐らくあの人物も共犯だろうと言う目星は付いていたので犯人が当たった時はニヤリとしたものですが、入れ替えが2回起きていたとまでは考えが至らずなるほどそういうことかー!と思いました笑
思い返せば犯人の癖や主人の異変には鈍感な執事の存在など伏線はやはり散らばっていたとは言え、読者の想像の更に一歩を行くトリック(自分は気付いたけどなと言う方は申し訳ありません笑)に脱帽です。面白かったです。 -
ネタバレ 購入済み
舘シリーズは有名なので流石に名前は知っていましたが、読んだことはありませんでした。
ですがふと推理小説が読みたくなり、評判の高い今作を購入しました。
亡くなった中村氏やその弟は犯人としては在り来りですし、本土の登場人物が皆本名で描写されているのに対して島にいる学生の本名は頑なに出てこない(結び付けさせない)辺りに何かヒントがあるのだろうとまでは思いましたが、それでも他の皆さんのコメントの通りあの一文は驚きました。
いや、他の学生より先に島に来ていると言う点では少し怪しいとも思ったのですが、この人物の描写を見て違うのかなと感じてしまいました。
冷酷で残忍な犯人、と言うイメージに縛られていたのかもしれません。
全体としては面白かったのですが、個人的にはあれほどの殺人を犯したことに対して肝心の動機が犯人のある種の妄想に過ぎずこじつけっぽいというか身勝手(故人の死を悼んでいる者まで殺している。またその理由もただの自己満足の範囲を出ず偽善的)なのが少しだけスッキリしませんでした。
そもそも被害に遭った学生達は亡くなった千織が中村氏の娘であることは知らず、つまり十角館が千織と関係があることも知らなかったのでしょう。
なのにも関わらず、自らが十角館に呼ぶように仕向けておきながら何も知らずに喜んでいる学生達を憎むと言う一連の行動には些か疑問を覚えます。
結局のところ、自分で千織を救えなかった自己嫌悪を他者に責任転嫁したに過ぎないでしょう。そう言った点が多少納得出来なかったため星4です。