あらすじ
仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館、水車館。1年前の嵐の夜を悪夢に変えた不可解な惨劇が、今年も繰り返されるのか? 密室から消失した男の謎、そして幻想画家・藤沼一成の遺作「幻影群像」を巡る恐るべき秘密とは……!? 本格ミステリの復権を高らかに謳(うた)った「館」シリーズ第2弾、全面改訂の決定版!(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
館シリーズ2作目。
お、島田さんじゃんーとなりつつ、
中村青司建築の館で、また人が不可解な死。
館に細工があるなら、密室のトリックとか、
ザルやん。って、思いつつ読んだけど、
館の細工は細工、密室のトリックはトリックで、
独立していて、安心して読めました。
事件のあった1年前と今とを、行き来することで、
「あれ?この人って?」
って、なる部分を楽しみつつ。
『十角館』の時は、完全孤島のミステリー。
登場人物たちはみんな大学生で、
なんというか、平等で、次は誰が殺されてまうんやろ?
って言うところから、
今回は主人がいて、若嫁がいて、執事・メイドがいて、招待客がいて、
招かれざる客(探偵)がいて。
って、ある程度順番は読めてしまった部分も。
けど、これは、ミステリーを沢山読んでるからもあるかと。
刊行は1988年で、40年近くたっても色褪せず楽しめる作品でした。
Posted by ブクログ
新たに館シリーズが映像化されるという噂を聞いて再読。
映像映えしそうだな~と思いつつおそらくこれではないのだろう。
仮面をつけた主人と美少女が住む館水車館。
そこには主人の父である藤沼一成が描いたすべての作品が保管されていた。
この館が外部の者を受け入れるのは年に1度のみ。そして悲劇のあった日から1年後、その館に足を踏み入れたのは島田潔と他数名にまた悲劇が振り注ぐ、、、
もういかにもな設定がたまらないですね。
ベタベタすぎるけどそれをベタに見せない世界観が館シリーズのよいところ。
そしてやっぱりラスト。幻影群像に描かれた衝撃のシーン。いや昔も読んだはずなんですけどしびれるなぁ
館シリーズ2作目。
山奥にある水車館を舞台に、過去と現在との技術を行き来しながら一つの真相に近づいていきます。
有栖川有栖先生による解説は文庫版のみの掲載で、残念ながら電子書籍には載っていないようです。
Posted by ブクログ
綾辻ミステリー第二作目。
今回も第一作目の十角館の殺人に続くクローズドサークルが舞台の本格ミステリ仕様で懐疑的な要素と少し新鮮さを盛り込んだ作品でした。
綾辻ミステリーにおいては、美しい館が執り成す場所で必ず陰影の織り出す静謐な闇へと誘われていくような深い情感を覚えてしまいます。
本作では確かに都市部の郊外の奥地に、かごの中の鳥のような美少女や、古城めいた館を三連水車で支えている事実が作品内で存在しているなどそのような空想的な風景や、探偵役として再登場した島田潔の存在、探偵役が推理しトリックを見破るなど、読んでいればノスタルジックな気分になる本格ミステリとも捉えられなくはない上に、今回は十角館の殺人のような驚天動地な衝撃が、本作では館を纏う陰影によって抑えられているようなムードを少し感じました。
その陰影を少し掘り下げてみると、人間同士のメロドラマが展開されていたり、トリックの意外性よりも悲劇的な因縁が強く立ちはだかり、トリックへの焦点が合いにくくなるそんな感触でした。
ゆえに、今回は古典的な本格ミステリであれど、濃厚なドラマとゴシックで落ち着いた佇まいが新鮮で魅力的な作品だと感じました。
まだまだ新規のアヤツジストですが、館シリーズをこれからも楽しんでいきたいです。
Posted by ブクログ
今宵の館は、かつての惨劇の記憶の扉を開ける
色々と順番は前後してしまっているが綾辻行人さんの館シリーズを読む中で、今作品は「過去」と「現在」を行き来しながら、惨劇の真相を探す物語展開になっていた。
どちらかというと真犯人の人間像はわかりやすく、大きなどんでん返しとも言える大トリックは読み進めていく中で検討がつきやすい。これはただどちらかというと読み手である私たちはこれがミステリー作品であるという前提でこの物語世界を俯瞰しているからであり、当事者の目線に立てば衝撃的とも言えるだろう。
一つの大きなトリックがわかってしまえば物語の細部の違和感はわかりやすいもの、または言われればすぐわかるものとなっており、どちらかというとこの作品はミステリー初心者向けかなと思った。
なぜこの人を殺さねばならなかったのかという動機が過去も現在もリンクしており、この二つの惨劇が一つの話として成立しているところは構成の力だなと感じた。また動機の生々しさなどは犯人の人間らしさが十分に描かれており魅力ある犯人として物語に成立しているなと思った。
ミステリー作品においてはミステリーのお馴染み展開に慣れ親しんだ読み手という経験を備えた少しだけフェアではない存在に対してどのように作品としての筋道を示すかが大事かなと思う。この作品は私は読んだことのある館シリーズの中では一番正面から正々堂々フェアに立ち向かってきたと感じた。それ故に少しだけ、筋道が見えやすかった。ただそれは読み手の経験による贅沢なので、お話としてはとても好きでした。
Posted by ブクログ
ずっと読んだことがなくて、今になって館シリーズを楽しむことに。
山奥の水車がある館には、事故による負傷で仮面をして車椅子生活の当主が、若い妻と住んでいる。
画家である亡き父親の数々の作品とともに。
その作品に魅了された客が、当主から許される年1回の日に館を訪問した際、事件が起こる。
執事、家政婦も巻き込んでも登場人物は多くなく、館内の誰かが犯人という状況で謎解きを楽しめた。
次は迷路館です。
Posted by ブクログ
十角館ほどの衝撃はないけど、これこそが本格ミステリーなんだなと思った
ずっとなんか怪しいなと思いつつ明確な根拠がなく、モヤモヤしながら読んでいたけど、辻褄が合う解決をしてくれてスッキリ
でも少し無理がないか?と思うような点もあったので引き続きモヤモヤ
水車がもっと活躍すると思っていたので、ちょっと残念
由理絵に目をつける男性陣が、みんな歳の差ありすぎて少し気持ち悪いなと思ったり…笑
島田さんが出てくるのはわかっていたけど、中村青司がここでも出てくるとは思ってなかった!
なるほど単なる館でのミステリーではなく、中村青司の館シリーズなのかと、ここに来て初めて気づいた!
Posted by ブクログ
10代か20そこそこの女の子にガチ恋しているおじさん達が出てきます。
実は紀一は歩けるんじゃないかと思ってましたが、真相はちょっと違いました。
またまた金田一少年を思い出します。
十角館がアガサクリスティの『そして誰もいなくなった』のオマージュなら、本作は『アクロイド殺し』のオマージュですね。
Posted by ブクログ
伏線なんじゃないかなと思うものが色々出てきて自分なりに結末を予想していたが、それをはるかに超えてきた!!まさかの着地という感じ。
過去と現実が入り混じっていてややこしかったり、各登場人物のことがわからなくなったりもあったりはしたが、楽しく読むことはできた!
犯人はあまりにえげつないことをするわけで意味がわからないけれど、もう1人のあの人にはさらに共感できなかったな。。。
今作については映像化してるのかわからないけど、流石に無理な気がする。文体だけでもグロい…
シリーズものだから他のも順に読んでいきたいな!
Posted by ブクログ
綾辻行人さん著、『水車館の殺人』。
『十角館の殺人』から始まる「館シリーズ」の第二作ともなる作品。
【あらすじ】
岡山県北部に建つ異形の館「水車館」。一年前の1985年、館で起きた殺人と一人の男の失踪。事件から一年後の1986年、島田潔が訪れた館で、再び殺人が起こる。
過去と現在、二つの時間軸を行き来しながら、水車館で起きた二つの事件の謎が描かれていく本格ミステリー。
【感想】
印象に残ったのは、多くの伏線を張り巡らせる中で、動機やトリックを最後まで断定できず、誰もが犯行可能である状況を作り出している本格ミステリとしての作り込みである。
真相の糸口となるギミックは何度か強調して描かれているため、犯人や事件の真相は中盤で予想でき、「十角館の殺人」ほど一文による大きな驚きはない。しかし、文章構成的にも奇をてらったミステリという印象ではなく、古典的な本格ミステリとしての完成度を求めた作品なのではないかと感じた。
顛末が分かっていながらも、謎が最後まで残り、過去と現在が少しずつ交差していく展開は読む手が止まらない。「幻影群像」という絵画の秘密も、館の不気味さと相まって、何ともいえない余韻が残る。
『十角館の殺人』がアガサ・クリスティーを思わせる海外古典ミステリへのリスペクトだとすれば、本作は古典的なミステリのギミックや雰囲気に加え、どこか横溝正史さんを思わせる設定によって、独自の館の世界観を作り上げた作品だと感じられた。
大きな衝撃や隠された動機においては、やや薄い印象であるが、最後まで断定できない事件の展開と、事件の真相へ向かう緊迫した空気感が、不穏な館そのものの印象を強く残しているのではないかと魅力に感じられる。
館シリーズ第二作にして、古典的な本格ミステリのトリックを組み立てた作品としておすすめしたい。
Posted by ブクログ
数ある積読の中から久しぶりに綾辻行人さんの作品を手に取りました。十角館以来だから何年ぶりだろうか?
作風とか完全に忘れていたので新鮮な感じでした。
世間から断絶された特殊な造りの館。
覆面の当主と美少女。
先代の絵画に群がる訳ありの関係者。
対人に割と無頓着な探偵。
あとがきにも有りましたが、ここまで揃うとギャグになりそうな設定なのに最後まで読ませてしまう。
次の館はいつになるのか判りませんが積読の序列では確実に繰り上がりました。
Posted by ブクログ
十角館の余韻が冷めないうちに手に取ったが、前作とはまた違う魅力に圧倒された。十角館のような『世界がひっくり返る衝撃』というよりは、ジワジワと首を絞められているかのような論理でした。また、過去・現在の二重構造による没入感が凄まじい。ページを何度も行き来しながら、霧が晴れるように真相へ近づく過程には、本格ミステリーならではの知的なワクワクがあった。
何より、藤沼一成の「100号の大作」を巡る結末が秀逸。彼の幻視が現実の惨劇として完成してしまったかのような幕引きには、言葉を失うほどの戦慄と、どこか退廃的な美しさを感じた。
館の主人、妻、執事、家政婦、数人の知人。登場人物が少なくこの中にいるのは分かりきっているのに自分では気づけなかった。ゆりえが怪しいとは思いつつまさかここが入れ替わっていたとは!建築家と島田さんはこれからも関わってくるのかな?館シリーズ楽しみ!!
仮面の当主と孤独な美少女
2024年 2冊目
館シリーズ 第2館 水車館の殺人
仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館
事件が起きた 昨年 とそれを紐解いていく 現在 で物語が進んでいきます。
1作目の衝撃の1行のようなどんでん返しはありませんが
最後の伏線回収は本当に美しく幻想的な世界でした。
再読だからこそ良い
むかーし、十角館で衝撃を受けた後に、これを読んで、
仮面の主人だなんて、なんか如何にもだなーっ、これはイマイチだったなって印象だった。
でも、読み直すと、思ったより面白い。
著者の新装版あとがきを読んで、うんうん、その通りだなぁと思った。
ミステリのお作法もちゃんとしてる!
館シリーズの始まり
推理小説ファンなら、大まかなトリックは予想がつくかもしれない。しかし、それでは細かなところで矛盾が生じる。ピッタリ合うピースを見つけるための推理が楽しかった。最後まで期待したような大どんでん返しは無かったが、それでも引き込まれるように読み進めることができた。普通は禁じ手の隠し通路や隠し部屋が、どのように絡んでくるのかもこのシリーズの楽しみかもしれない。
十角館が面白かったので2作目のこちらも購入し、先程読了しました。
クローズドサークルの中で次々と登場人物が殺されていく、次に殺されるのは誰なんだ…?誰が生き残るんだ…?と言う緊張感の中で物語が進む十角館とは違い、今作は主に過去に起きた事件を紐解きながら現在に結びついていくと言う流れのため、1作目と比べると非常に淡々と話が進んで行く印象を受けました。
また、今回は状況的に考えて被害者を「消せる」のはあの人物しか居らず、憶測でしかないが恐らくあの人物も共犯だろうと言う目星は付いていたので犯人が当たった時はニヤリとしたものですが、入れ替えが2回起きていたとまでは考えが至らずなるほどそういうことかー!と思いました笑
思い返せば犯人の癖や主人の異変には鈍感な執事の存在など伏線はやはり散らばっていたとは言え、読者の想像の更に一歩を行くトリック(自分は気付いたけどなと言う方は申し訳ありません笑)に脱帽です。面白かったです。
Posted by ブクログ
十角館⇒時計館を読んでからの2作目に戻って参りました。楽しかった〜!色々な事に違和感を感じるものの正体がわからず、結局この人が犯人かも…?というのもほぼ無いまま終盤へ。もしかして今回は現在パートにおいて死者は出ないのかな?と思ったが、まさかそんな訳もなく怒涛の連続殺人。 色盲に気づけなかったの悔しいなー!島田さんに愛着湧き過ぎてすぐ次シリーズも読みます!
あと、まさかの水車館のドラマ化が進んでるみたいで、是非見てみたい。
Posted by ブクログ
『十角館の殺人』に続けて読んだが、結末と犯人には素直に驚かされた。
綾辻行人は、映像ではなく文章だからこそ成立する、人物の認識や描写を利用した仕掛けを好むのだろうか。同一人物や人物の入れ替わりといった、読者の思い込みそのものを利用する構成が印象的だった。次作ではどのような仕掛けを用意しているのか、早くも気になっている。
一方で、「水車館」という特徴的な舞台だけに、水車そのものや館の構造を利用した大掛かりな仕掛けを期待していたため、その点では少し物足りなさも残った。ただ、前作同様、館にはささやかな仕掛けが施されており、その存在については途中から何となく勘づいていた。
Posted by ブクログ
面白かったです
十角館の殺人の続いてまたもや騙されました
絵、水車館、事件、過去など出てくる人は皆何かしらに引き寄せられて縛られ囚われながらに生きている
絵に限らず芸術において良くも悪くも、何かを感じ取れるのも取れないのも幸せであり不幸なのかもしれない
隠された絵を見てあとから避けられない運命だったと知るのも斬新でよかった
Posted by ブクログ
館シリーズ2作品目!十角館からだいぶ期間をあけて読んだけど、やっぱり面白い〜〜!
冒頭から引き込まれる!過去の恐ろしい事件の真相を暴く話なので、いつこの事件が起こるのか、、ドキドキ〜て感じで読み進められる!
ただ、ミステリー小説をそれなりに読んできた私は割と早い段階で 正木=紀一 なのでは??と思いながら読んでいた。焼死体も正木ではない誰かで、指輪がキーなんだろうなってのも勘づいた。
ただ、消えた男が恒仁ではなく紀一のことだったとは、めちゃくちゃびっくり!
最後の最後まで期待を裏切らず、満足を感じるような読書体験をさせてくれる綾辻作品が好きです!
Posted by ブクログ
雰囲気はすごくある。
…なんだけど、物語のほとんどが1年前にあったことを振り返る、そして何があったかは最初からざっくりと説明されてるので、詳細な状況説明とともに既に分かっている出来事を振り返る、という構成なのが飽きやすいというか、物語に熱が入りにくかったかなという印象。
島田潔のキャラクターは面白いので彼が登場するシーンは楽しい。(十角館ドラマを見ているのですっかり青木崇高の姿と声で再生される)
ただ十角館レベルのちゃぶ台返しを今回も期待すると、見事にいろいろ予想通りなので逆に衝撃を受ける。
意外性という意味では弱いが、物語としてはオカルトチックなラストシーンも含めて良い結末だったと思う。
Posted by ブクログ
十角館(ドラマ)→時計館→水車館
と、つい実写ドラマに影響され時計館を先に読んでしまったが、ここからはシリーズ順通りに読んでいく予定。
過去と現在が交互に変わり、また語り手や視点もころころと変わるので、途中まで読み慣れずに戸惑った。
死体の入れ替わり、現在の仮面の主人の正体が正木なこと、薬指だけが正木のものなこと、バラバラの焼死体が古川なことには早い段階で予想出来ていた。
が、バラバラにした理由にも気付けなかったし、藤沼紀一の行方はさっぱり検討もつかなかったな。
中盤過ぎまではなかなか集中できずにいたが、島田が推理を始めると面白くどんどん続きを読みたくなった。
Posted by ブクログ
少しずつ読んだため、前半の方を既に忘れかけてました。
2/3くらいまであまり動きが無いな…と思ったら残り1/3で「そうだったのか!」と。
もっと一気に読んじゃえば良かったな〜と後悔。
Posted by ブクログ
1/3くらい読んだところで犯人がわかってしまった。
ミステリーにハマった頃に読んだ十角館から今作を読むまでに、他のミステリー読みすぎたんだと思う。
でも途中で飽きることはなく、真相パートも面白かったし、オチもよ良かった。
館は不気味だし、外は台風で、夜のシーンも多くてずーっと不穏な描写が続いてたんだけど、それも納得。
時計館がよくおすすめに出てくるけど、刊行順に読んだ方がいいとのことで、次は迷路館かな
Posted by ブクログ
犯人が予想できてしまった。
正木が死んだ事件後、少し館の主人と距離が近づいた描写があるゆりえ。
やたら指輪をいじる癖の描写が出てくるところ。
顔が見えない館の主人。
死体が完全に焼かれてしまって、判別できるのは指のみ。
正木と館の主人が入れ替わったんだろうなというのはすぐ想像できた。
しかも、ほぼほぼ過去の事件について語られて、現代のパートがほぼ進まないという状況が臨場感がなくつまらなく感じた。
期待していたどんでん返しはさほどなかった。
Posted by ブクログ
前作で「入れ替わりトリック」について何度も話題に上げられていたため、現在の時間軸で三田村が由里絵に言いよった際に、「紀一がここまで恋人的に嫉妬するか?」と違和感を感じた。これは伏線となっていたのだとは思うが、仕掛けは分からずとも中盤で犯人に予想がついてしまったので驚きは薄かった。
面白かったが、本作も痴情のもつれ(?)に着地するのかと感じた。
最後の「幻影群像」のシーンがとても神聖かつ惨めで印象に残った。
Posted by ブクログ
館シリーズ第二段『水車館の殺人』。
仮面の当主、年の離れたその妻(美少女)、執事、家政婦とオドロオドロシイ登場人物。このお話もまた1年前に殺人事件が起きて、行方不明者が犯人だと思われている設定。
犯人が行方不明という設定は、第二の殺人事件を混乱させるのに良い手段だと思うんだけど、中村青司が建築した家、殺人事件起こりすぎじゃない?っていうツッコミも入れそうになる。
それに、由里絵の存在がちょっと納得いかない。1970年代から1980年代なら、このくらい緩い感じで知り合いの子供を引き取ってもOKだったのかな。子供のうちに孤児になったからと引き取って、学校にも行かせずに、成人したら結婚って!!ないよね。いくら身内がいないからって「え」って感じだけど、地方の有力者だったら可能だったのかな。ホームスクーリングがOKだったのってもっと昔だよね。
由里絵はあまり自分の意志のない謎めいた美少女みたいな設定だったけど、この由里絵が意外と俗物だったからこそ第二の殺人事件が起こってしまった……。
なんとなく犯人は想像できるのだけど、執事の倉本が1年前の殺人事件の時の家政婦が逆さまに落ちていくさまを何度も描写するもんだから、そこが本当に恐怖だった。逆さまに落ちていく女性の恐怖の顔と叫びを想像するだけでゾクゾクした。
そして最後、当主・藤沼紀一の父親の幻想画家の恐るべき秘密が明かされて、寝る前に最後まで読んでしまおうと夢中で読んでいたので、こわーーーってなった。怖かったので、YouTubeでお笑いを見ながら寝た。
現代ではいろいろ設定が難しそうなものが、昭和の時代背景だからこそ成立している推理小説。
時間を忘れて読めたので満足。推理小説というエンタメを存分に楽しめた。でも、由里絵の人生について考えると、なんだか怖い。由里絵が主人公の話も読んでみたいな。あの環境で育った由里絵が、どんな気持ちで生きてきたのか、これからどんな風に生きていくのか、読んでみたいな。
Posted by ブクログ
洋館に美女という組み合わせには、どこか江戸川乱歩的な妖しさがあって、幼い頃に見てはいけないものを覗いてしまったようなドキドキ感がある(今調べたら子供の頃に見た「地獄の道化師」ってドラマがまさにそれだった)。
30年以上前の小説ということもあって、今読むと目新しさはあまりないけれど、クラシカルなミステリーの雰囲気を味わうにはちょうどよい一冊だと思う。
Posted by ブクログ
館シリーズ2作目。
十角館のはっ!だとする感じとは違ったミステリーだった。
不気味な館の中で怒る不気味な殺人。
見事なトリックと入れ替わり。
少しバレバレなところもあったけど、これでこそミステリーというような作品だった。
Posted by ブクログ
水車が何かのトリックになっているのかと、なってたら面白いなとおもったけど、特に何もなかったかな、、、?
もう一声、という感じでした。
ユリエもなんか読んでるとうざくなってきました笑
十角館の衝撃に比べたら微妙かなあ
Posted by ブクログ
『水車館の殺人』を読んで、入れ替わりというトリック自体は成立しそうだと思った。ただ、毎日のように顔を合わせている倉本に対して、本当に入れ替わりが通用するのかという点は少し気になった。
『十角館の殺人』のような大どんでん返しはなかったものの、ミステリとしては非常に完成度の高い作品だと感じた。
また、過去と現在の出来事が交互に描かれているため、途中で時系列が分からなくなり、何度か前に戻って確認しながら読んだ。しかし、後半になるにつれてそれまでの出来事が少しずつ繋がっていき、続きが気になって読む手が止まらなくなった。
派手な驚きがあるというよりも、複数の要素が最後にまとまっていく構成の巧さが印象に残った。
Posted by ブクログ
館シリーズ二作品目「水車館の殺人」。
過去と現在を交互に繰り返す構成が新鮮に映った。
本作では水車館のギミック自体はさほど重要ではない点にツッコミを入れたくなりました!隠し部屋などにロマンを感じる人には物足りないかも、
藤沼紀一、由理絵そして正木達主人公の心情からは80年代90年代の純文学的要素を感じられた。
ネタバレあり
館シリーズ2作目の作品。森深くに建てられた一件の水車を模した館。過去に起きた事件と現在の時間軸での出来事を交互に描きながら物語は進行します。
ミステリとしては優しめかな、所々の表現で入れ替わりにはすぐに気づける展開でした。由梨絵の藤沼紀一への態度が過去と現在で明らかに変化があることから犯人はほぼ確定的でした。むしろ古川恒仁の消失は確かに単純だけど想像させづらいミスリードを示していました。ついつい館に何かあるのではと疑ってしまいます。十角館の殺人が不意打ちで真相を告げたことに対して、推理としてはこちらが考えやすい内容です。次回にも期待します