あらすじ
仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館、水車館。1年前の嵐の夜を悪夢に変えた不可解な惨劇が、今年も繰り返されるのか? 密室から消失した男の謎、そして幻想画家・藤沼一成の遺作「幻影群像」を巡る恐るべき秘密とは……!? 本格ミステリの復権を高らかに謳(うた)った「館」シリーズ第2弾、全面改訂の決定版!(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
今回は、早々にある気づきをして、もしかして?という視点で読み進めていたので、自分の発見が嬉しかった反面、やはり見つけきれないものもたくさんあって、著者の綾辻さんすごいわ!って思った。
水車館は想像するとものすごく怖い建物。ここで暮らしたり、働いたり、招待されるってどんな気持ちだろう。館シリーズは、中村青司が作った「館」なんだろうか。また次も読んでみよう。
Posted by ブクログ
あーはいはいなるほどね。
これあれだ、死んだと思った正木と行方知れずの古川が入れ替わってて正木がこの館を恐怖のドン底に叩きつけるやつだ。はいはい。
そっちかー、、
確かに過去と現代で紀一の言動に乖離を感じなくもなかったけど凄惨な事件と1年の歳月がそうさせたんだなくらいにしか考えてなかったからしっかりとやられた。
お見事。
Posted by ブクログ
館シリーズの2作目!1作目に引き続き最後まで犯人もトリックも何も分からず、ページをめくる手が止まらなかった、。現在と過去で人が変わってるって全く気づかなかった。最初は仮面って絶対なんかあるじゃんって疑ってたはずなのに、、、。
Posted by ブクログ
相変わらずベルエポックなミステリを書きなさる。
十角館と比べて丁寧で正にエラリー・クイーンみたいな美しい推理小説になった反面、怪しい要素が浮き彫りになって結末を予測してしまった......
それでも面白い。推理するための要素が完璧でした。
Posted by ブクログ
十角館の殺人と違って、今回のは推理しやすいように作られてる。
十角館の殺人みたいな強めの衝撃を求める人向けではないけど、ちゃんとした推理小説読みたい人には向いてるなって思った。
入れ替えくらいはわかったけど、最後の解説にも書いてあるとおり、完璧に推理するのは難しい。
古川さんがどうやって消えたのか解けなかったし、ゆりえが共犯者だったとかも分からなかった。
もうちょっと頑張って考えれば、古川さんがどうやって消えたかわかった気がするのがまた悔しい。
真相知ってから読み直すと、正木慎吾の死を悼むとかの意味が変わってくるのが面白い。
Posted by ブクログ
再読。館シリーズ二作目。
仮面の主人、焼却炉のバラバラ死体など推理小説を読んできた読者には入れ代わりを想像させないことが難しい作品。ただし、それを想像させるのは織り込み済み(作者も易しすぎると言っている。)
常に不穏な空気が流れていて、雰囲気は非常に良い。古き良きミステリーである。
でも、これまで見つけられなかった秘密の抜け道をいきなり訪ねてきた島田潔が探し当ててしまうのは、ちょっとご都合主義と感じた。
再読だからこそ良い
むかーし、十角館で衝撃を受けた後に、これを読んで、
仮面の主人だなんて、なんか如何にもだなーっ、これはイマイチだったなって印象だった。
でも、読み直すと、思ったより面白い。
著者の新装版あとがきを読んで、うんうん、その通りだなぁと思った。
ミステリのお作法もちゃんとしてる!
館シリーズの始まり
推理小説ファンなら、大まかなトリックは予想がつくかもしれない。しかし、それでは細かなところで矛盾が生じる。ピッタリ合うピースを見つけるための推理が楽しかった。最後まで期待したような大どんでん返しは無かったが、それでも引き込まれるように読み進めることができた。普通は禁じ手の隠し通路や隠し部屋が、どのように絡んでくるのかもこのシリーズの楽しみかもしれない。
十角館が面白かったので2作目のこちらも購入し、先程読了しました。
クローズドサークルの中で次々と登場人物が殺されていく、次に殺されるのは誰なんだ…?誰が生き残るんだ…?と言う緊張感の中で物語が進む十角館とは違い、今作は主に過去に起きた事件を紐解きながら現在に結びついていくと言う流れのため、1作目と比べると非常に淡々と話が進んで行く印象を受けました。
また、今回は状況的に考えて被害者を「消せる」のはあの人物しか居らず、憶測でしかないが恐らくあの人物も共犯だろうと言う目星は付いていたので犯人が当たった時はニヤリとしたものですが、入れ替えが2回起きていたとまでは考えが至らずなるほどそういうことかー!と思いました笑
思い返せば犯人の癖や主人の異変には鈍感な執事の存在など伏線はやはり散らばっていたとは言え、読者の想像の更に一歩を行くトリック(自分は気付いたけどなと言う方は申し訳ありません笑)に脱帽です。面白かったです。
Posted by ブクログ
現在、過去と繰り返すことで謎が深まったり、理解できるようになったりと、物語の進み方が他の作品と比べてイレギュラーながらも、わかりやすく一気に読めた。
紀一と正木の入れ替わりの真相が、隠された部屋ありきというところが、トリックも何もないなと正直感じてしまった。
一成の予言通りに生きた紀一、予言を知らずに生きた正木、どちらとも結局は一成が幻視した通りになるといったすこしホラー的な要素を入れて終わっている部分が自分的には好みだった。
ただ、水車館というからこそ水車に関わるトリックがあったりがあるとよかったなと思った
Posted by ブクログ
厭世的な仮面を付けた当主が住まう水車館。そこに閉じ込められてる孤独な薄幸の美少女。忠実な執事と家政婦。収蔵された幻の絵画を一目見ようと集う3人の男たち。そして招かれざる名探偵──。ゴシック趣味に彩られた館シリーズの第二作。
奇抜かつ大胆不敵なトリックで一世を風靡した前作と比較すると、今作はややコンパクトかつ直球のミステリであり、過去と現在を並行して描く手腕に目新しさはないものの、そのスパンが一年と短いのと、年一で集まるという設定を活かして同一の登場人物、同一のシチュエーションで殺人事件を描いた点は中々に面白いと思う。
ただ、仮面の当主×焼死体というミステリの黄金パターンは今だと初見で入れ替わりを警戒してしまうネタでもあり、そのせいか真相はさほど驚くことなく、真犯人もわりとすんなり分かってしまった。論理的なカタルシスはあれど意外な謎という面白みはあまりなく、一作目の衝撃を期待すると肩透かしに終わるだろう。
しかしながらラストの秘められた絵画の謎と、その光景を幻視したからこそ謎の館が出来上がったという因果と結果が逆転したオチは非常に素晴らしく、全ての謎を論理的に片付けたからこそ生まれた余白で作り上げた美意識とも言えるオチであり、推理小説の締めをゴシックホラーで落としたのはたまらなく最高である。作品全体を纏う雰囲気を最後で決定づけた意味でも忘れ難く印象深いラストであったと思う。
Posted by ブクログ
十角館の殺人を読んで一文の衝撃冷めやらぬまま、館シリーズ2作目を手に取った。中盤で正木のなりすましはおおかた予想がついたものの、由理絵が共犯だったことは予想できなかった。と同時にその点が星3つにした理由だと振り返って思う。由理絵はなりすましに気づきながら、恐怖とともに紀一ならぬ正木と過ごしてきたと想像していたからだ。その想像がこの物語に緊迫感をもたらしていたのに対し、由理絵が共犯とわかった途端に、由理絵の謎めいた魅力と緊迫感が昼ドラを見ているような思いに変わってしまった。
ただ、現在と過去が同じ時系列で進んで行く構成や、散りばめられた伏線は本当にすごい。本格ミステリーとして、読み応えのある作品でした。
ネタバレあり
館シリーズ2作目の作品。森深くに建てられた一件の水車を模した館。過去に起きた事件と現在の時間軸での出来事を交互に描きながら物語は進行します。
ミステリとしては優しめかな、所々の表現で入れ替わりにはすぐに気づける展開でした。由梨絵の藤沼紀一への態度が過去と現在で明らかに変化があることから犯人はほぼ確定的でした。むしろ古川恒仁の消失は確かに単純だけど想像させづらいミスリードを示していました。ついつい館に何かあるのではと疑ってしまいます。十角館の殺人が不意打ちで真相を告げたことに対して、推理としてはこちらが考えやすい内容です。次回にも期待します