あらすじ
本当の「魔女」誰――?
名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して――。
美しくも残酷な連続殺人劇の、それが幕開けとなる。転入生・冴子の心にひそむ「赤い記憶」の秘密。
夜ごとに少女たちを襲う殺人者の正体は?
鮮血と狂気に彩られた「囁き」シリーズ第一弾、待望の新装改訂版。
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Posted by ブクログ
とても久しぶりの綾辻さんの作品!
名門•聖真女学園高校に転校した、主人公の冴子。
とてつもなく厳しい校則があり、破れば教鞭で叩かれたり、”独房”に監禁される…常に異様な空気が漂っている…
圧倒的存在感を城崎綾をはじめとした生徒達による、統一されたお嬢様口調は、気持ち悪くて読んでいて薄寒くなりました。
しかも、冴子の記憶は小学生の頃まではっきりとしておらず、過去の自分のことが全くわからないという、”信用できない語り手”状態。
夢では、かつて巻き込まれた”事件”の断片的なシーンが出てきたり、知らないうちに寝ながら雨の降る外を徘徊したり…
あらゆる不安でいっぱいにされた状態で、さっそく人が殺される。
そして殺人シーンが被害者側の視点で描かれているので、犯人が自分に迫り来る恐怖が凄い…
事件が起こることにより作中の人物達はみんな恐怖で混乱し、冴子を”魔女”であるとして窓から突き落とすシーンがありますが、意味わからなくなってる人達の集団ヒステリーは止められるわけがないので絶対に起きてほしくないなと思いました。
綾辻さんの作品はいつもですが、本作も色んな恐怖が詰め込まれていて、本格ミステリとしてはもちろん、読んでいる最中常に恐怖がつきまとっていて、退屈することが一切ありませんでした。
Posted by ブクログ
綾辻さんの初期の作品。ホラーミステリーでした!
名門女子校で起こる連続殺人。主人公の心に潜み囁きかけてくる『ある記憶』。
映像を観ているかのように鮮やかにイメージできる文章でした!
約500ページの本作ですが、飽きさせないスピーディな展開と没入できる世界観であっという間に読み終えてしまいました!
()や小さな文字を使いながら深層心理や心の奥底に潜む記憶を描いているのがとても良かったです!
ラストは背筋が寒くなりました…。
Posted by ブクログ
全寮制の女子校と魔女という中世欧州をイメージさせる舞台設定で発生する連続殺人
過去の記憶が曖昧な主人公は時折緋い闇に堕ちる
十角館→Anotherと進んだ私の綾辻体験はAnotherのエピソードゼロに戻ったような感覚でした
筆者の初期作品を後から読むと、その進化が感じられます(どこから目線だよ)
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自分が考えていたエンディングのどれも外れて、予想外の角度からラストがブッ刺さってきた!
テンポ感がよく、数時間で読み終わってしまった。スラスラ読めるし、もっと教えて!と続きが気になってたまらなかった。作者の綾辻さんのことは十角館の殺人から知ったけど、ものすごく文章が上手くなってて、読み手にストレスを感じさせない。素晴らしい。⭐︎5です、これは
Posted by ブクログ
どんでん返しの連続
初版は約40年前だったにも拘らず今読んでも全く色褪せない面白さがあった
絢辻さん特有の、事件に潜むおぞましさ、みたいなものを強く感じた
厳格な女子校の寮というクローズドサークルがよりゾクゾクさせてくれる
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館シリーズばかり読んでて箸休め的に読んだけれど、陰鬱で血だらけな雰囲気全開で私は好みだった。
1年間絢辻さんばかり読んでたから、「地の文の目線が主人公じゃないんだろうな、、、」色々勘繰る癖ついちゃって嫌だな思ってたけど、ちゃんと騙された笑
今見ると「サイコパス」とか「お嬢様学院祭」ってテーマが今だとチープに聞こえるかもしれないけど、きっと当時は衝撃に映っただろくなというのと、むしろ今の安いサイコものとは比べられない王道さを感じた。
オチもゾワァって感じ大好き。
Posted by ブクログ
おすすめ度 ★★★★☆
ミステリー度 ★★★☆☆
綾辻さんらしい作品で
グロ描写あり、ストーリー構成じたいは普通やけど
どんどん続きが気になっていく。
ホラー✖️ミステリーで
予想外の犯人
Posted by ブクログ
館シリーズを一通り再読し、そのまま綾辻さんの小説で気になっていたこちらを読みました。
館シリーズとはまた違う、ミステリーよりのホラーという感じ。最初はページがあまり進まなかったのですが、人がどんどん殺され、あっという間に読み終わりました。事故だと言っていたあの件はすごく嫌悪感。
最後の数行が不穏な気持ちになります。他のシリーズも読みたいです。
匿名
綾辻行人初期のホラーミステリ作品。おどろおどろしい文章といい最後の不気味な終わり方といいAnotherの原点となったのも頷ける。そんなホラーの中にもしっかりミステリ要素があり犯人が誰かは流石と言った感じだった。
Posted by ブクログ
今の今迄新装改訂版が出てることを知らず、書店の店頭にて見つけてしまったので購入。
再読したが内容を覚えておらず、新鮮な気持ちで読めた。
相変わらず作品の中に不穏な空気を漂わせる事が上手いなぁと思う。
ベースにホラーと言う狂気を置きながら、しっかりとミステリーと言う論理を構築していると思う。
巻末の解説にあるように、名作Anotherに繋がるホラーテイスト強めのミステリーの系譜だと思う。
館シリーズはホラーテイストを抑えたミステリーだと思うが、このあたりの狂気と論理の按分を作品ごとに変えて、なおかつその世界を成立させている文章はホントに絶妙だと思う。
Posted by ブクログ
1988年に発売された小説です。
館シリーズが有名な綾辻氏ですが、ホラー系も人気です。
そこまでホラーという感じでないですが、少女が惨殺されるシーンは、なかなかに恐ろしいです。
後半は、ハラハラドキドキの展開が続くので、読む手が止まりませんでした。
Posted by ブクログ
名門女子校で起こる連続殺人劇を軸にしたゴシックホラー。物語の途中に出てくる誰かの記憶や集団ヒステリー、少女たちが次々と殺害されていく描写が不気味だった。「犯人は多分こいつだろうな。」というのは当たったが、そこから先の真相には驚かされた。主人公が不穏な空気を出すラストも良かった。
Posted by ブクログ
昔は本棚にあるのすら怖すぎてホラーミステリーのジャンルはなかなか手が出なかったけど、大人になってフィクションとして楽しめるようになった。スパスパ殺されるし、最後は逃げたり戦ってるし、ビュンって駆け抜けていった感じで、爽快感すらある。
解説で歪みについて触れられていたが、、「多様性」っていったいどうすりゃいいんだって心にズンってしんどくなっていたこの頃だったので、狂ってる、簡単には受け入れられないようなものに対して、そのまま存在していることを許されてる感じがして、あぁそれでもいいんだなと思えた。
久しぶりに続きが気になって一気に読んでしまった。綾辻さんは十角館しか読んだことなかったけど、純粋にミステリー楽しかった。他も読んでみたい。
Posted by ブクログ
子供の頃一度読んでリタイアした本を再チャレンジ。
とにかくひたすら赤、紅、緋。
グロテスクな表現に定評のある(?)綾辻行人さんの本領が存分に味わえました。
ホラーでもありグロテスクでもありミステリーでもある。約10年ぶりに読み直しましたが、やっぱり割と体力使うんだなぁとw
Posted by ブクログ
綾辻行人作品を全部順番に読んでしまおう!
と途中から思い始めて、四作目まできましたよ。
館シリーズが三作続いて、ついに新しいシリーズ開始!
あとがきによるとこれは執筆としては二作目だったらしいけれど、こうも違う作風を並行して書けるのがやっぱりレベルの違う作家なのだなと思わせる。
ちなみにあとがきでシャイニングが小説原作であることをはじめてしった。このタイトルの通り囁きが途中途中で挟まれる演出が50年前に存在していたというのが、まだまだ自分が本読みとしてはペーペーなのだなと知らしめられる。
もっともっと読んでいこう!
Posted by ブクログ
コテコテにゴシックな世界観や少女性のモチーフが一貫していて良い。アリプロに主題歌やって欲しい。
初期作だけあって洗練されてない部分も目立つが、少女の世界の表現は素晴らしく、ストーリーもしっかりしている。冴子の生理はエロい。
難点は思ったほど百合がなかったこと、ヒロインの成長に男がからんでること。少女漫画ではなくサスペリアなんやなやっぱり。
Posted by ブクログ
前半はすごく鬱々としていて怖くて読めないかも…って思ってたけど後半で主人公が強くなってからは謎もスルスル解けて場も動きまくって楽しかった。読後感がスッキリした。
最後の一言がちょっと不穏で怖い。
Posted by ブクログ
ホラー・ミステリー!舞台の雰囲気が美しい。解説にある通り、リアリズムより美学を大切にしている感じがします。少女たちがどんどん狂気じみていくのが、ゾッとしました。
殺される瞬間の様子が丁寧に書かれていてなかなかホラー味が強いです。でも全体的に気品があって美しい。話のテンポもよく、あっという間に読んでしまいました。さすが綾辻先生。
Posted by ブクログ
綾辻行人といえば本格ものの館シリーズがまず思い浮かぶが、この作品はホラー色も強め。
著者はホラー物も一流です。犯人当てをしたい人には向かないかもしれないが。
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館シリーズを読破してからの囁きシリーズ
お嬢様たちのバトルかと思いきや、過去の出来事も入り乱れ、事件が起こっていく
背筋が凍るようなゾワゾワ感の強い作品でした。次も楽しみ
Posted by ブクログ
怖かった……
クラスメイトみんな頭イカれ狂ってて気持ち悪い。集団心理って怖いな…
綾さま断トツで気持ち悪い…ファザコンの域も超えてるし魔女狩りしようとか言い出すのもイカれてる。
加代も危険人物の異常者過ぎて怖かった。それにいくら世間体の為に宗像家に加代戻せないったって、記憶なくなって別人になったとしてもあんなイカれた狂人を野に放たないで欲しいわ…
血が引き金になってる狂気的な描写や犯行シーンもすごい怖かった。
最後あれ冴子も母親と同じ路を辿るってことかな…蛙の子は蛙…そんなホラゲあったなぁ
館シリーズとだいぶ違って、事件が起きて探偵役がいてって感じではなくホラー寄り。
怖かったけど先が気になって1日で読んじゃった。
Posted by ブクログ
ネットでみかけたオススメから読む。
綾辻は十角館しか読んだことがなく、あまり詳しくない作家。
新本格と呼ばれる京大ミステリ研グループ作家たちのほぼリーダー、というイメージ。
いろんなお嬢様が出てくるお嬢様学校でのミステリ、ということでワクワク読む。
殺人系クララ白書である。
はじめはその分厚さには驚いたが、一行ずつが短いので1時間半ほどで読み終える。
読み終えて。
えー、犯人って⚪︎子じゃなかったんかー。
ちらちらと怪しく描かれているし、読者をびっくりさせるには、⚪︎子か××が犯人かと思ったけど、そうきたのかー。
たしかにあの子達がいなければ、その次にはあやしい人物だったかも。
うーん、まだまだ読みが浅かったです。
姉妹の表現にもすっかり騙されてしまった。
しかしまあ、あの子は本当にイビられて殺されたんだ、嫌だなあ。
せっかくいいキャラなのに。
モデルとなったのは映画サスペリアだそう。
そちらは見たことがないのだけど、映画エコールに似た感じかな。(エコール、ロリータ趣味の微エロ成分の出し方が気持ち悪かったな)
ぜひ本作も映像化したらよいのでは。
ラジオドラマとかも向いていそう。
ファンとしては、見返しの「本文図版 小野不由美」でニッコリ。
しかし、別に間取り図で見るトリックとかは無いんですね。
Posted by ブクログ
面白かった、し、回想のお姉ちゃんてそっち?!とかそう来るんだ〜〜?!という驚きもあったけれど。
迷路館といいこの作品といい、ちょっと生理について神格化というかなんというか、ああ当事者ではないんだなこの人は、という男性感のある書き方でちょっと辟易しました。本編とはあまり関係のないところだけど。
Posted by ブクログ
厳しい校則の中で、さらに女の世界。それだけでもう怖い。
1人のカリスマに染まっている異様なクラスへの主人公の戸惑いがリアルに伝わってきて、引き込まれる作品でした。
Posted by ブクログ
多分再読。
綾辻行人は館シリーズが超好きなんだけど、この作品は犯人探しの楽しさがありながらも殺人鬼シリーズみたいなグロテスクさや生々しさもあるシリーズだよね。
文字だけで血の鉄っぽい匂いを思い出す。
一方で、これはただの個人的な所感だけど、
思春期の少女というものに対する少し過剰な純粋さや神聖さを感じた。
直前に恩田陸の理瀬シリーズを読んでたからかしら。
少女たちの無垢さや臆病さ、浅はかさがもどかしいと思った。
彼女たちにとっての生理の存在感が大袈裟すぎたりね。
まぁそりゃ作者にとったら経験したことのないものだし、ご年齢やもちろん性別を考えたら無理のないことなんだけど。
「面白い」だけじゃ読めなかったのは、多分私の機嫌とメンタルによるものだろうな〜〜
同シリーズの続きももちろん読みます。
Posted by ブクログ
耽美で陰湿なサイコサスペンスなのかと思いきや血飛沫舞うお嬢様バトルロワイヤルでいい意味で予想を裏切られました!殺人の描写が派手で読んでいて気持ちがいいほどです。人もぽんぽん死ぬのでテンポがよく、後半になるにつれ全員が怪しく思えてきて楽しいです。トリックを考える楽しさはあまりないかもですがたまにはこういうお話もいいですね。
魔女がキーワードで最後数行がカーの火刑法廷を彷彿させる終わり方でそこが好きです。
Posted by ブクログ
綾辻さんと言えば、館シリーズが真っ先に思い浮かぶのですが、この『緋色の囁き』から始まる囁きシリーズも、初期作品群の中では忘れ難いものがあります。
封印された記憶にまつわる謎が、ホラーやサスペンスの要素を交えて解き明かされる様は、館シリーズとは違った趣が感じられました。
日常から少し浮遊したかのような感覚は幻想性を帯びていて、それが後に発表される数々の作品にも受け継がれているように思います。
全寮制の女子校で起こる連続殺人事件に、不気味で陰鬱な作品世界が相まって、読み進めるごとに緊迫感が増してくる展開と、タイトルにもなっている「緋色」が強調された描写が印象的でした。
映画『サスペリア』をモチーフにしたという、作者の言葉も頷ける一冊です。