加藤千恵のレビュー一覧
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若林さんは不思議な人だ。
めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。
私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
あとは角田光代さん回。角田さんがおっしゃることがいちいち納得感がある。難しいことは一切言ってないのに。伝わる言葉でなるべく正しく考えを伝えようとされてるのが分かる。
そしてこの回でも、若林さんが良く話す。
ホストがノッてる方が対談は面白くなるよね。
西加奈子がやたら作中で〈セックス〉という言葉を使うのはそういうことか。説明したがりだと言う朝井リョウは実際どれくらい読者を縛り付けてくるんだろう。羽田圭介、やっぱり(人間として)好き。そのイメージを崩したくなくて彼の本はあんまり読んでないのは内緒だ。中村航の〈100回泣くこと〉再読したいなぁ。でも中村文則の〈教団X〉再読はしんどいなぁ⋯
エッセイを通じて作家さんのキャラクターを垣間見ることはあっても、話す言葉を聞く機会はなかなかないので、そういう意味でもなんか新鮮。
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ネタバレ【あらすじ】
久しぶりに再会した元彼と飲むビールの味、男友達と初めて寝てしまった夜の記憶、不倫相手が帰っていった早朝の電車の音……。まっすぐ進まない恋をしている人にだけ見える景色がある。せつない記憶を切り取った三十七のショートストーリーに短歌を添えて贈る、『ハニー ビター ハニー』の原点。甘くて苦い恋を描く、人気歌人の処女小説集。
『まったく考えられないとか、絶対に結婚なんてしないと思っていたわけではなかった。まだ早いな、今じゃないな、と思っているうちに、34歳になった。(非・寿)』
『考えたって無意味だ。選ばなかった道が、今自分のいる場所よりも幸せだなんて、誰にもわかるわけがない。(非・寿)』
『結婚はゴールじゃないというフレーズを、何度も目にしたことはあるけれど、結婚が具体的になってくるまでは、実感できずにいた。ようやくわかり始めているところだ。結婚することも、大人になることも、ちっとも終わりじゃない。私たちはいつだって途中だ。(地下鉄に乗って)』
『みんな上手に幸せになればいいのに。誰も傷つかずに。(薄明かり)』
【個人的な感想】
物語が終わるごとにある短歌が心に響く。
自分の恋愛と重なる短編がきっと見つかる! -
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ネタバレ【あらすじ】
甘くてほろ苦い恋の話がぎっしり
友だちの彼氏を好きになった。同棲している彼に好きな女性ができた。――不意に訪れた恋に翻弄される若者たち。とろけるように甘く、ちぎれるように切ない、歌人の初の恋愛小説集。(解説/島本理生)
『見えなくてつらいよりも、見えてつらい方がずっとよかった。自分の想像力でどんどん真っ黒になっていくよりも、事実に傷つけられて変形されていくほうが耐えられることだった。自分を嫌わずにいられることだった』
『・・・なんでも許せるなんて、恋してないからなんだろうね』『でも、全部許せるなら、愛だよ』
【個人的な感想】
『賞味期限』は切ない片思いの話。全然いい恋愛ではないのに自分でもなんでその人のことがこんなにも好きなのか分からない、というところに共感した。
登場人物の男の人たちは、腹が立つほど弱くて、なのに憎めない。
『甘く響く』は、あぁ人を好きになるってこういうことだったなと思い出させてくれるきゅんとする短編。
『こなごな』は彼の浮気が些細なことで判明して、それでも知らないふりをして過ごすけど、もう元の2人の関係には戻れないというのがやけにリアルだった。
島本理生さんの解説が、私がこの作品を読んでなんとなく思っていたことを明確に言葉にしてくれていて、初めて解説を読んでよかったと思わせてくれた。 -
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お久しぶりの読書になってしまいました。
加藤千恵さんの新刊が出たと聞いて、早速購入。
実は「たぶん絶対」だけは探しても見つからず読めずにいたので、今回再収録になってとっても嬉しかった!!
あとがきにも書いていますが、再収録と書き下ろしが対になっている構成。
最初の1ページ目を読んだ瞬間、これこれこれ私が大好きな加藤さんの短歌!!!と大興奮。
「ハニービターハニー」で初めて加藤さんの作品を読んだ時の、甘酸っぱくて、きゅんとして、思わず身悶えしてしまう気持ちが蘇りました笑
そして次の2ページ目、あの頃の高校生が(勝手に高校生だと思ってる)こんな大人になったんだなぁ、そしてわかります、その気持ち。としんみり共感。
そんなふうに、読み進めて、たった31文字だけれども、そんな31文字たちに、キュンとしたり、しんみりしたり、自分も同じく過去を振り返り、そして現代に帰ってきたり。共感の嵐で感情がジェットコースターのように揺さぶられ、ファンの心を満たしてくれる満足感のある1冊でした。
加藤千恵さんの短歌を読んだことがない方には、加藤千恵さん作品入門編に、とっても適しているかも!と1ファンながらに感じました。