加藤千恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ*好きで仕方のなかった人からの連絡。結婚記念日を前に穏やかな毎日を過ごしていたのに、昔の記憶が蘇るようで……(「返信を待たない」)。誕生日に大好きなバンドのライブ、そのチケットは彼がプレゼントしてくれて。あのときは、こんな誕生日がくるなんて思いもしなかった――(「ハグルマ」)。ままならぬ切ない心情を鮮やかに掬いとる、記念日をテーマにした全九篇*
誰しも一度はこんな場面に遭遇し、こんな想いを抱えたことがあるのでは・・・
懐かしく、切なく、やるせない心情が溢れ出すような物語たち。
けれど、痛みの先にある明日までが見えるような、寂しいだけでは終わらない読後感。
しばしの余韻を味わいながら、ゆるりと -
Posted by ブクログ
スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街の物語、第2弾。
ファッションビルにテナントが入っている、とか、お菓子の箱にケーキのアソートが入ってる、とか、アンソロジーによってイメージはそれぞれだが、やはり、これはまぎれも無く商店街なアンソロジーだ。
家族や親戚のような、血の繋がりでもあるような不思議な統一感。
他のお店の話題が出たり、人物が出たり、ひとつの世界を作り上げている。
中でも伊藤米店のおにぎりの人気ときたら、スカイツリーもうらやむくらい?
幽霊が出たり、逃亡者が立ち寄ったり、商店街の人々に見守られて幕が下りたり、小さな事件を繰り返しながらも生活は続いていく。
どれも良かった -
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Posted by ブクログ
加藤千恵さんを知るきっかけになった、大好きで大切な一冊です。
高校時代からもう何度か読み返しているのですが、ひさしぶりに手に取ると忘れていた部分がちらほら。
「甘く響く」と「ねじれの位置」は今読んでもやっぱり胸がきゅううんとなります。
そうそう、恋をするってこういうことだと転げまわりたくなるような甘さ。
けれどそれとは対照的に、タイトル通りビターなほろ苦い恋模様もいくつも収録されています。
さらっと読めて、ずっと心に余韻を残す素晴らしい短編集です。
どうして加藤千恵さんの書く小説が好きなんだろうと思ったとき、解説の島本理生さんの例えがぴったりでした。万華鏡。
見逃していた、矛盾していた感情を -
Posted by ブクログ
2015/6/13
色事。ショートストーリー。
もう過去にしかないわたしの色事。
恋愛現役時代だったら泣いていたかもしれないなぁ。
各話、心当たりがありすぎて胸がキュッとなって本を閉じて深呼吸する時間が必要だった。
人生で恋愛できる期間ってすごく短いね。
いつもなら家に着くなり、メイクを落として服を着替えるのに、今日はそうしないのは、たった今彼から連絡が来ても、すぐに出かけられるようにしておきたいからだ。
食事に誘われるかもしれないから、まだごはんも食べていない。
携帯電話が圏外になっていないかばかりを確かめてしまう。ここにいて、誰かからのメールや着信が届かなかったことなんてないはずな