加藤千恵のレビュー一覧
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購入済み
シリーズ第2弾。スカイツリーを見上げる下町の片隅に、ひっそりと息づく商店街を舞台に人間ドラマ。ひとつの商店街を舞台に6人の人気作家が紡ぐ、ほっこりおいしいアンソロジー。
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Posted by ブクログ
『ピザトーストをひとりで食べる』というタイトルから、孤独だけどどこか穏やかな時間が浮かび、自然と気持ちを掴まれました。ひとりで食べるピザトーストには、寂しさと同時に「自分だけの時間」への愛着が感じられて、その曖昧な感情が本全体に静かに流れているように思います。
この本では、誰かと気持ちを分かち合うことの難しさと、少しずつ人と関わっていこうとする揺れ動く心情が優しく描かれていて、読み終えたあとには、自分の毎日や感情を少し肯定してあげたくなるような温かい余韻が残りました。
読んでいるうちに、「自分にとっての思い出の食べ物は何だろう?」と考えました。真っ先に思い浮かんだのは、子どもの頃に母がよく