【感想・ネタバレ】アンバランスのレビュー

あらすじ

「彼女とセックスできる理由を話して」
性的不能だと信じていた夫の愛人は、醜く太った中年の女だった。

専業主婦の日奈子のもとへ、ある日、夫の愛人と名乗る、太った中年女性がやってくる。
夫のユキは長らく性的不能だったはずで、日奈子とはセックスレスの日々が続いていた。

いったいいつから、私たちの関係は、こんなにも不安定なものになってしまっていたのか――。
日奈子は、衝撃のなかで、ある行動に出る。

どんな夫婦にも訪れ得る、あやうい瞬間。
繊細な描写で、残酷なまでにむき出される心の機微を描く。

解説・東直子


※この電子書籍は2016年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分に重ねて、
吐き気がするほど、
身に染みる話だった。

大好きだよ。君しかいない。
と、言うのに、
欲情されない辛さ。

「不能」を責める事は
パートナーであれ、タブー。

自分の知らないところで
"気持ちは無い浮気"をされる裏切り。

それならば。と、
自分も暴挙に出ざるをえない、
心の切迫感。

読み進めながら、なぜタイトルが
「アンバランス」なのか、
度々考えていたけれど、
最後のP204以降、ラストまでの
築いてきたもの総崩しにする
主人公、日奈子の叫び。

「オセロが白から黒になるように。」

まさに。

妙齢の女性の心理を描くのが、
本当にお上手でした。


0
2024年02月13日

Posted by ブクログ

登場人物が少ない分、終始日奈子の気持ちに寄り添いながら集中して読むことが出来た。

夫婦間と言えども相手を思いやるが故に話せない、夫婦だからこそ話して行きたい、など色々考えさせられました。

セックスなんて、しなくても生きていけると思っていた日奈子だったけれど、最後に由紀雄に取ったアクションは本当に切なく、二人のその後が気になるラストは余韻が残る。

タイトルの「アンバランス」がしっくりと来る作品。

0
2021年02月27日

Posted by ブクログ

加藤さんの長編、久々に読んだ。
この夫婦は最後どうなっていくんだろう。続きが知りたかったけど、この終わり方がよかったのかも。
急に突き落とされた絶望から、歪なまま、少しずつ日常に戻っていく。そして最後、バランスを崩し音を立てて崩れていく。この中で揺れ動く心情の表現が素晴らしかった。

0
2024年03月16日

Posted by ブクログ

本当にそうゆうトラウマ?はあるのかな。惨めになる奥さんの気持ちも辛い。奥さんも太って醜いおばさんになれば大丈夫!!と言いたくなった。読みやすくて一気読みだったけど、最後が…んーーーー。

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2019年10月03日

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