加藤千恵のレビュー一覧
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もう何年も前に一度だけ読んだ本だったけど、たまたま目に止まったので、もう一度読んだ。かなり短いストーリーと最後に短歌、がずっと続くのだけど、毎ストーリーの最後の短歌でひとつひとつのストーリーの収まりが良くて読んでいて心地が良かった。短歌っていいなぁって。言葉を紡ぎ出して、かつ心地よく。。
物語の主人公たちは皆バラバラの世代であったり環境にあるので、読んでいて何かしらはその時々の自身の環境に近しいものがあるのではないかと思う。以前に読んだ時はまだ大学生だった私も大人になり…読んだ印象、自分と重ね合わす対象も変わった。今の私は「非・寿」の主人公に見事に当てはまる感情を持っている。「結婚…ねぇ。」って世代です。
どのストーリーも、なんでもない日常の一部を切り取ってる。だからこそストーリーの最後の短歌を読む時、自分の「思ってる誰か」に思いを馳せてみたりして…物語はサラッと読みやすいけど、そんな感じで時間をかけて楽しみながら読むのも面白い本だった。
山崎ナオコーラの解説に、アニメ「かぼちゃワイン」が出てきてちょっと嬉しかった。昔好きだった人が好きなアニメ。あの頃、「観たよ」って話したくて一生懸命観てたなぁ…。ってまさかの解説読みながらも思いを馳せてしまって笑
読んだことがあったはずなのに、今回読む前に「どんな本だっけ?」としか思えなかったので、感想をしっかり書いてみました。また時間が経ったら読み直そう(^^) -
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再読。
コンビニスィーツの商品開発をするみのり。
自分の選んでいる人生に少しの不安を感じていた。
実家に帰り、地元の友人たちと過ごすときに、結婚も見えず働き続けている自分は間違っているのかもと思ってしまうみのり。
逆の立場で、働く人達の中に1人だけ紛れてしまった専業主婦の友人が居たら、やっぱりその人も自分の選択が間違っていたのかもと悩んでしまうと思います。
自分の選択を信じ、そこに自信を持つことは大事。
少しまどろっこしい展開でしたが、最後にみのりがそこに行き着いた様子でよかった。
大きな変化はなくとも、みのりの気持ちに寄り添うストーリーでした。 -
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スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街の物語、第3弾。
知らない作家さんの名前も増えてきたが、今回もまた一段と、箱庭世界が充実していった。
自分のコレクションが増えていくような気持ち。
自営業と後継ぎという定番の物語、古くなってしまった業種、逆に商店街にはそぐわないようなおしゃれな店舗のことなど、品ぞろえ多数。
その中、シリーズで一番最初のお話だったカフェ・スルスのその後の様子を知ることができてよかった。
また、店の内情は一つもうかがわせず、舞台として使われている「アイスバイン」は、ちょっと異色で、文学的にして官能的である。
『明日の湯』が一番好きかも。
そして、お店をやっていくというのは、才能が必要なのだと改めて感じた。
自営業はみな「専門家」だ。今更ながら。
一軒目『カフェ スルス ~一年後~』 大島真寿美
スルス一周年記念のお祝いをすることになるが、招きウサギが勘違いで出雲大社でハワイアンでアニソンで!(意味不明)
二軒目『ブティックかずさ』越谷オサム
商店街のイベントステージに立つ悪魔?
三軒目『エステ・イン・アズサ』青谷真美
いくつになっても。
四軒目『明日の湯』秋山浩司
風呂屋の申し子のような名前を持つ三木家の長男。
祖母がいきなり銭湯を畳むと言い出し、急に納得できなくなる。
五軒目『ドイツ料理屋「アイスバイン」』島本理生
あの人は肉を食べない。
六軒目『多肉植物専門店「グリーンライフrei」』加藤千恵
母親の離婚で、男を信用できない10歳の少女の、冷めた発言がまたかわいい。
七軒目『赤城ミート』彩瀬まる
私と、もう一人の私。
別の才能を持ち、別の才能を持たない。 -
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ネタバレ大好きな明日町シリーズ、第三弾
一軒目「カフェ スルス~一年後~」大島真寿美
平均年齢60歳。老後の楽しみに開いたお店に咲く恋の花。
二軒目「ブティックかずさ」 越谷オサム
三十近いひきこもりがちのバンドマンの一人息子VS昭和の香りプンプンな「ブティックかずさ」を守り続けている父。
三軒目「エステ・イン・アズサ」青谷真未
お互いを思いやるお嫁さんと姑さん、なんて素敵なんだ。
四軒目「明日の湯」秋山浩司
銭湯の壁の絵にまつわるおばあちゃんの恋心に、心がぽかぽか♪。
がんばれ三太郎!
五軒目「ドイツ料理屋・アイスバイン」島本理生
ずっと好きでいたいからと、他の男性と結婚した主人公。
だから、その罰として義母をきちんと介護するんだなんて…
温かなポトフの匂いがするわりには、美味しそうに思えなかった。
お店のマスター目線で読みたかったかな。
六軒目「多肉植物専門店・グリーンライフrei」加藤千恵
多感な小学生の女の子と、憧れの叔母さん。
サボテンのとげがちょっぴりささる感じ。
七軒目「赤城ミート」彩瀬まる
彩瀬まるさんはとても好きで、特に楽しみにしてたんですが…
最後まで読めなかった。ふがいない…
特に好みだったのは二軒目
語りは「ブティックかずさ」の飼い猫・黒猫のオジーちゃん。(ちゃんをつけると妙ですが)
普段はほどよい距離でほっておいてくれと言いながら、
ぎくしゃくする親子の関係に、あれこれ気をもみ駆け回るオジーがかわいすぎる!
こんぺいとう商店街のすみっこにいる、片耳の折れた招きうさぎ。
今日もお鼻をひくひく、ぴょんぴょんぴょん。
できれば24店舗といわず、ずっと続いてほしいです。 -
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ネタバレ「みのり」はわたしだった。
そして、誰かでもある。
そんなことを思わせてくれる、ひとりの女性の人生の一部を切り取った小説だった。
人生は選択の連続。
何かを選んだということは、何かを選ばなかったということ。
みのりはそれを「点つなぎ」になぞらえる。
選んで、選んで、選び続けたその先にしか見えない形、明らかになるかもわからないそれをイメージして。
選ばなかった先の景色は決して見られないし、どちらがよかったなんて絶対にわからない。
それはすでに、違う世界だからだ。
劇的なことが起こるわけじゃない。
行方不明の妹は行方不明のままだし、取引相手ともチームのようだし雰囲気も良いこともいくつかあったが、恋愛には発展しない。
年齢と結婚という面で漠然とした不安を抱きながらも、突然の出会いが舞い降りるわけじゃない。
でもみのりは「わたしたちにはまだまだ一緒にやれることがありそうな気がした」と、にやりと笑う。
そんなことろが、とても好きだ。
とても丁寧に記された、みのりの人生の一部をゆっくりと見させてもらったと思った。 -
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色をテーマに、色恋が書かれた20種類のショートショート。
終わりゆく恋だとか、届かない想いだとか、水彩画に水を垂らしたかのように淡く消えゆく何かがちいさな余韻を残します。
もとは、ファッション誌での連載のようですね。
表紙のイラストもそうですが、1つお話を読み終えるとmiccaさんの描く女性に出会えます。美しくてハイセンスなイラストに、つぎはどんな?と楽しみにページをめくりました。ちなみに章のはじめには、加藤さんの短歌。
1番最初の短歌が、いちばん好きでした。
pinkの章。
「ぎこちなく慣れない思いを抱えてる
慣れないピンクを身につけたまま」
イラストも著者の作風にすごくぴったりの雰囲気で、本当に素敵なコラボです。ちょっと、宝物にしたくなるくらい美しい。
短いから、すごく心を揺さぶられる、という心配もなく、ふいに時に訪れる恋の終わりのお話を静かに楽しむことができました。
とくに内容を知って読んだわけでもないのに、好きな人への想いをずっと引きずってるからこの本に呼ばれたんだろうか。最近になってようやく、いい経験をしたなと思えるようになってきました。
そんな自分の心境に溶け込むような1冊でした。