皆川博子のレビュー一覧

  • 猫舌男爵

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    初読みの皆川博子作品。なんとも濃密な短編集だった。幻想的であったり笑いがあったり…。正直難解な部分が多いが、それでも魅せられてしまう。「睡蓮」「太陽馬」が特によかった。この作家さんの、ヨーロッパを舞台にした話をもっと読んでみたいと思って早速購入!楽しみだ。

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    2015年02月22日
  • 猫舌男爵

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    ネタバレ

    「水葬楽」
    「猫舌男爵」
    「オムレツ少年の儀式」
    「睡蓮」
    「太陽馬」

    皆川博子の幅の広さよ。
    「水葬楽」「太陽馬」はどちらもひと捻りした幻想文学の手本。

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    2014年11月30日
  • 薔薇忌

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    ネタバレ

    芝居をめぐる、惹かれ期待する関係の短篇集。いじらしくて、ねじまがって、フェティッシュで、古臭くて。
    短編の寄せ集めではなく撚り集めで物語が出来る。
    決して「恋愛」ではないし、情愛が支配するわけではない。
    欲望と怠惰と執着と希求。
    純粋さよりも湛える深淵を愛す。

    各編ごとに見ても仕方ないって途中までやって分かった。
    各々登場人物の設定とかかれる内容は少しずれている気がする。勿論意味はあって必要な設定なんだけど、〇〇→△△となる記号ではなくて、〇〇からその人の印象と人生を推測しないと読みにくい。AパートとBパートの距離が遠い。
    登場人物は等しく大きい得体のしれない(歴史を持つ)ものへの畏れを持ち

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    2014年08月13日
  • 少女外道

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    どれも少しずつ人の道から外れた話だが、そういうものを扱う作品に強く心惹かれたことはない。それは、自分が正常であることの証明となんとなく思っていたが、この本を読んでみて、自分の中にも「外道」の部分が潜んでいると気づく。
    人の心の闇を、おどろおどろしいだけではなく、美しく鮮やかに見せてくれ、自分ひとりではたどり着けないところへ連れて行ってくれる。80歳を超えている筆者の作品を、これからも1篇でも多く手に取っていけるよう願っている。

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    2014年06月23日
  • 蝶

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    ホラーっぽいけど幻想世界。

    戦前から戦後にかけての独特な社会の雰囲気が描かれています。ゾクっとするトコロも多々ありますが、怖くはなくあくまでも神秘的な文章が素敵です。

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    2014年05月22日
  • 妖恋

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    江戸時代を背景とした短編集。
    どのお話も、タイトルが艶めかしくも美しい。
    この時代だからこその切なさが胸に迫る。
    これを今の時代の言葉で言うならば、
    大人のファンタジーか。

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    2014年05月20日
  • 倒立する塔の殺人

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    戦時中に~戦後の時代背景が独特な雰囲気です。

    ミステリーとしても面白かったですが
    少女の視点で語られる戦時中、戦後の生活が
    とても興味を持って読めました。

    物語を何人もが紡いで行くというトコロにも
    面白さがあって、最後まで飽きるコト無く読めました。

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    2014年05月19日
  • 少女外道

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    なんだかただならぬ雰囲気のタイトルですが、第二次大戦前後の、ごくありふれた人々の生活と心情を、ノスタルジックに綴った短編集です。皆川作品に惹かれるのは、ほのかに死と狂気の香りが漂う深刻な内容であるにもかかわらず、声高に何かを語るでもなく、かといって暗くなり過ぎることもなく、独特の文体でさらりと描いているところにあるような気がします。生は残酷で美しく、あまりに儚いものです。だからこそ、人のいとなみが健気に映るのかもしれませんネ。どの作品も実に味わい深い、魅力的なものでした。

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    2014年03月13日
  • 少女外道

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    表題作が特に気に入りました。
    人は誰でも己の中に"外道"な部分を持っていて、それを隠しながら生きそして老いていく。





    「倒立する塔の殺人」の次に好きです。

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    2014年02月19日
  • 少女外道

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    ネタバレ

    少女外道
    巻鶴トサカの一週間
    隠り沼の
    有翼日輪
    標本箱
    アンティゴネ
    祝祭

    ほぼ前作に共通している語りの特徴としては、
    現在→振り返り→現在、か、現在と過去を交互に示すか。
    大過去、近過去、現在、という構成もある。
    共通した心情としては、死への憧れ、あるいは死への漸近。

    29p 清浄と淫らって、一つのことだと思うわ。

    45p 未だあらぬ池の面を、夕風が吹き過ぎた。→凄まじい幻視。

    157p いきなり互いの魂の割れ目に嵌りこんでしまった。

    187p あなた……わたしかしら。

    254p 凄まじい落日の一刻に遇えた。生と死が水平線でせめぎ合っていた。横雲の間から最後の光芒を放ち、空の裾

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    2014年01月18日
  • 冬の旅人(下)

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    ネタバレ

    皆川博子の醍醐味といえば、幻想、なのだけれど、大河浪漫では生活も描かなければならない。
    ましてや露西亜の貧困を描くのであれば、なおさら。
    いちどきの幻想ではなく、長いスパンの物語なのだから。

    しかし要所要所で現れる幻想・幻覚。
    特にタマーラが恋う少年や得体の知れない力などが、やはりねっとりと。

    ロマノフ王朝の没落。ラスプーチン。歴史とクロスする。
    一方フィクションに属する妹や相棒やが少しずつ離れていくのが、寂しくもある。

    それにしても徳川家茂に対する勝海舟の優しさも想い合わせ、どうして没落する家の子供をいつくしむ視点、がこんなに胸に迫るのだろう。

    読み終えて初めて、ミハイル・ヴルーベリ

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    2013年12月23日
  • 冬の旅人(上)

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    ネタバレ

    皆川博子の醍醐味といえば、幻想、なのだけれど、大河浪漫では生活も描かなければならない。
    ましてや露西亜の貧困を描くのであれば、なおさら。
    いちどきの幻想ではなく、長いスパンの物語なのだから。

    しかし要所要所で現れる幻想・幻覚。
    特にタマーラが恋う少年や得体の知れない力などが、やはりねっとりと。

    ロマノフ王朝の没落。ラスプーチン。歴史とクロスする。
    一方フィクションに属する妹や相棒やが少しずつ離れていくのが、寂しくもある。

    それにしても徳川家茂に対する勝海舟の優しさも想い合わせ、どうして没落する家の子供をいつくしむ視点、がこんなに胸に迫るのだろう。

    読み終えて初めて、ミハイル・ヴルーベリ

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    2013年12月23日
  • 蝶

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    幻想的であり陰鬱であり濃厚である。
    一つ一つの作品が
    個々に世界観があり、
    でも一冊の本として
    しっかりまとまりもある。

    しっかりした描写なのに
    輪郭がぼやける。いい意味で。
    この作家さんの作品を
    今まで読んだ中で一番好き。

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    2013年12月12日
  • 花櫓

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    無償に時代物の小説が読みたくなって、積読の中から選び出して読んでみました。
    江戸時代の歌舞伎の世界を書いた小説です。
    面白かった~。
    2冊前に読んだ本は落語の世界を書いた話で、その奥深さに驚いたけど、この本はもっと奥深かった。
    成田屋団十郎や、中村屋勘三郎、高麗屋幸四郎などなど、いろいろ出てき、しかも三大櫓を狙う下っ端の見世物小屋の連中たちや、中村屋の腹違いの姉妹の恋の話などを織り込んで、歌舞伎の世界の裏も表も上手く書かれていたので、週末に一気読み。

    しかし、ホント火事が多くて建てても建てても燃えるから、ほんと可哀そうになるね。並大抵の精神力では、お金があっても這い上がれないと思う。

    たま

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    2013年09月16日
  • 妖恋

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    タイトル通り、妖しくも切ない、江戸時代だからこそのどうにもならない諦めにも似た絶望、闇のある様々な男女の恋の話。心中薄雪桜、螢沢、十六夜鏡、春禽譜、妖恋、夕紅葉、濡れ千鳥。幻想的な雰囲気。

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    2013年09月08日
  • 蝶

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    陰美さがほの暗く薫り立つような短編集。読む側の精神状態によってものすごく好き嫌いが分かれそう。嫌いではないけど今の私には読解力が足りず、この世界観に浸りきることが出来なかった。「蝶」「空の色さえ」「幻燈」「遺し文」が好き。「龍騎兵は近づけり」はよくわからなかった…。

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    2013年09月03日
  • 蝶

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    とても美しい短編集。
    そして、どれも、戦争の頃の話です。

    8月15日にこの本を読んだので、尚更、感慨深いです。

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    2013年08月15日
  • 倒立する塔の殺人

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    終戦間際の混沌とした時代に、凛として生きる女生徒達と女学院で起きた殺人ミステリー。秘められた物語は層を重ね、紐解かれるノート内の記述で進行。"倒立する搭の殺人"と、綴られた"手記"は不安や恐怖を忘れていられる瞬間にさえ悲愴が漂い、軍歌が流れる土壌に著書・絵画・ダンス・コーラスなど欧羅巴の色合いの調和は見事で美しい。そして繰返されるジャスミンティーでの報復の結末は、気品を強く漂わせて終る♪

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    2013年05月24日
  • 蝶

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    表題作のほか、7つの作品が収められた短編集です。舞台はいずれも第二次大戦前後の日本。退廃的で、死の匂いのするこのような作品を美しいと思うのは、生きることは罪深く、哀しいことだと、誰もが知っているからかもしれませんネ。詩のように紡がれた言葉が描く、密やかで耽美な幻想世界に、どっぷり浸ることのできる1冊でした。

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    2013年04月23日
  • 倒立する塔の殺人

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    ネタバレ

    戦中の2つの女学校という空間が出てくる。
    片方はミッションスクール、もう一方は都立女子校。
    ミッションスクールはどちらかというと日本になじまない宗教性からか夢見がちに浮いて見られることが多い。しかし、そこには司教の体罰や異質な性癖、入信はしていない多くの女学生、エスという関係。決して穏やかなものだけでは済まされない。まるでジャスミンに似ているのにそれとは違う黄色い花を咲かせ、猛毒を持つカロライナ・ジャスミンのように。

    なにが美しいと言うよりも、読んでいてとても楽しい、小説だった。
    女学院の纏う愛らしさと排外性、戦争中という享楽の飢餓、それらが相まって「倒立する塔の殺人」の謎、現実の謎に垂直に

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    2013年04月15日