皆川博子のレビュー一覧

  • 妖恋

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    江戸時代を背景とした短編集。
    どのお話も、タイトルが艶めかしくも美しい。
    この時代だからこその切なさが胸に迫る。
    これを今の時代の言葉で言うならば、
    大人のファンタジーか。

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    2014年05月20日
  • 倒立する塔の殺人

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    戦時中に~戦後の時代背景が独特な雰囲気です。

    ミステリーとしても面白かったですが
    少女の視点で語られる戦時中、戦後の生活が
    とても興味を持って読めました。

    物語を何人もが紡いで行くというトコロにも
    面白さがあって、最後まで飽きるコト無く読めました。

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    2014年05月19日
  • 少女外道

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    なんだかただならぬ雰囲気のタイトルですが、第二次大戦前後の、ごくありふれた人々の生活と心情を、ノスタルジックに綴った短編集です。皆川作品に惹かれるのは、ほのかに死と狂気の香りが漂う深刻な内容であるにもかかわらず、声高に何かを語るでもなく、かといって暗くなり過ぎることもなく、独特の文体でさらりと描いているところにあるような気がします。生は残酷で美しく、あまりに儚いものです。だからこそ、人のいとなみが健気に映るのかもしれませんネ。どの作品も実に味わい深い、魅力的なものでした。

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    2014年03月13日
  • 少女外道

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    表題作が特に気に入りました。
    人は誰でも己の中に"外道"な部分を持っていて、それを隠しながら生きそして老いていく。





    「倒立する塔の殺人」の次に好きです。

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    2014年02月19日
  • 少女外道

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    ネタバレ

    少女外道
    巻鶴トサカの一週間
    隠り沼の
    有翼日輪
    標本箱
    アンティゴネ
    祝祭

    ほぼ前作に共通している語りの特徴としては、
    現在→振り返り→現在、か、現在と過去を交互に示すか。
    大過去、近過去、現在、という構成もある。
    共通した心情としては、死への憧れ、あるいは死への漸近。

    29p 清浄と淫らって、一つのことだと思うわ。

    45p 未だあらぬ池の面を、夕風が吹き過ぎた。→凄まじい幻視。

    157p いきなり互いの魂の割れ目に嵌りこんでしまった。

    187p あなた……わたしかしら。

    254p 凄まじい落日の一刻に遇えた。生と死が水平線でせめぎ合っていた。横雲の間から最後の光芒を放ち、空の裾

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    2014年01月18日
  • 冬の旅人(下)

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    ネタバレ

    皆川博子の醍醐味といえば、幻想、なのだけれど、大河浪漫では生活も描かなければならない。
    ましてや露西亜の貧困を描くのであれば、なおさら。
    いちどきの幻想ではなく、長いスパンの物語なのだから。

    しかし要所要所で現れる幻想・幻覚。
    特にタマーラが恋う少年や得体の知れない力などが、やはりねっとりと。

    ロマノフ王朝の没落。ラスプーチン。歴史とクロスする。
    一方フィクションに属する妹や相棒やが少しずつ離れていくのが、寂しくもある。

    それにしても徳川家茂に対する勝海舟の優しさも想い合わせ、どうして没落する家の子供をいつくしむ視点、がこんなに胸に迫るのだろう。

    読み終えて初めて、ミハイル・ヴルーベリ

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    2013年12月23日
  • 冬の旅人(上)

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    ネタバレ

    皆川博子の醍醐味といえば、幻想、なのだけれど、大河浪漫では生活も描かなければならない。
    ましてや露西亜の貧困を描くのであれば、なおさら。
    いちどきの幻想ではなく、長いスパンの物語なのだから。

    しかし要所要所で現れる幻想・幻覚。
    特にタマーラが恋う少年や得体の知れない力などが、やはりねっとりと。

    ロマノフ王朝の没落。ラスプーチン。歴史とクロスする。
    一方フィクションに属する妹や相棒やが少しずつ離れていくのが、寂しくもある。

    それにしても徳川家茂に対する勝海舟の優しさも想い合わせ、どうして没落する家の子供をいつくしむ視点、がこんなに胸に迫るのだろう。

    読み終えて初めて、ミハイル・ヴルーベリ

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    2013年12月23日
  • 蝶

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    幻想的であり陰鬱であり濃厚である。
    一つ一つの作品が
    個々に世界観があり、
    でも一冊の本として
    しっかりまとまりもある。

    しっかりした描写なのに
    輪郭がぼやける。いい意味で。
    この作家さんの作品を
    今まで読んだ中で一番好き。

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    2013年12月12日
  • 花櫓

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    無償に時代物の小説が読みたくなって、積読の中から選び出して読んでみました。
    江戸時代の歌舞伎の世界を書いた小説です。
    面白かった~。
    2冊前に読んだ本は落語の世界を書いた話で、その奥深さに驚いたけど、この本はもっと奥深かった。
    成田屋団十郎や、中村屋勘三郎、高麗屋幸四郎などなど、いろいろ出てき、しかも三大櫓を狙う下っ端の見世物小屋の連中たちや、中村屋の腹違いの姉妹の恋の話などを織り込んで、歌舞伎の世界の裏も表も上手く書かれていたので、週末に一気読み。

    しかし、ホント火事が多くて建てても建てても燃えるから、ほんと可哀そうになるね。並大抵の精神力では、お金があっても這い上がれないと思う。

    たま

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    2013年09月16日
  • 妖恋

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    タイトル通り、妖しくも切ない、江戸時代だからこそのどうにもならない諦めにも似た絶望、闇のある様々な男女の恋の話。心中薄雪桜、螢沢、十六夜鏡、春禽譜、妖恋、夕紅葉、濡れ千鳥。幻想的な雰囲気。

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    2013年09月08日
  • 蝶

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    陰美さがほの暗く薫り立つような短編集。読む側の精神状態によってものすごく好き嫌いが分かれそう。嫌いではないけど今の私には読解力が足りず、この世界観に浸りきることが出来なかった。「蝶」「空の色さえ」「幻燈」「遺し文」が好き。「龍騎兵は近づけり」はよくわからなかった…。

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    2013年09月03日
  • 蝶

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    とても美しい短編集。
    そして、どれも、戦争の頃の話です。

    8月15日にこの本を読んだので、尚更、感慨深いです。

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    2013年08月15日
  • 倒立する塔の殺人

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    終戦間際の混沌とした時代に、凛として生きる女生徒達と女学院で起きた殺人ミステリー。秘められた物語は層を重ね、紐解かれるノート内の記述で進行。"倒立する搭の殺人"と、綴られた"手記"は不安や恐怖を忘れていられる瞬間にさえ悲愴が漂い、軍歌が流れる土壌に著書・絵画・ダンス・コーラスなど欧羅巴の色合いの調和は見事で美しい。そして繰返されるジャスミンティーでの報復の結末は、気品を強く漂わせて終る♪

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    2013年05月24日
  • 蝶

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    表題作のほか、7つの作品が収められた短編集です。舞台はいずれも第二次大戦前後の日本。退廃的で、死の匂いのするこのような作品を美しいと思うのは、生きることは罪深く、哀しいことだと、誰もが知っているからかもしれませんネ。詩のように紡がれた言葉が描く、密やかで耽美な幻想世界に、どっぷり浸ることのできる1冊でした。

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    2013年04月23日
  • 倒立する塔の殺人

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    ネタバレ

    戦中の2つの女学校という空間が出てくる。
    片方はミッションスクール、もう一方は都立女子校。
    ミッションスクールはどちらかというと日本になじまない宗教性からか夢見がちに浮いて見られることが多い。しかし、そこには司教の体罰や異質な性癖、入信はしていない多くの女学生、エスという関係。決して穏やかなものだけでは済まされない。まるでジャスミンに似ているのにそれとは違う黄色い花を咲かせ、猛毒を持つカロライナ・ジャスミンのように。

    なにが美しいと言うよりも、読んでいてとても楽しい、小説だった。
    女学院の纏う愛らしさと排外性、戦争中という享楽の飢餓、それらが相まって「倒立する塔の殺人」の謎、現実の謎に垂直に

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    2013年04月15日
  • 倒立する塔の殺人

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    ヤングアダルト(YA)向けだったらしく、皆川博子にしてはおそろしく読みやすい、ほのかに色っぽい戦争時の女学生もの。トリックを楽しむというよりも、叙述そのものを楽しみたいタイプのミステリ。
    ミステリ嫌いの私でも十分楽しめた。

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    2013年04月11日
  • たまご猫

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    いつの間にか狂気に足を踏み入れてしまっている。
    そんなストーリー展開がとても良かった。

    暴力的な表現やグロテスクな表現が無く、純粋な恐怖を感じられる物語としてとても良い作品だった。

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    2013年04月04日
  • 蝶

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    ネタバレ

    昭和初期が舞台の幻想的な短編集

    とにかく文章が綺麗で、グロい展開でも切ない展開でもとにかく綺麗なイメージは崩れない
    全体的に仄明るいような仄暗いようなイメージ

    私は表題作ももちろんですが、『妙に清らの』『龍騎兵は近づけり』『幻燈』が特に好きです

    「わたしはもう、何も怖くはない。」
    「いつまでもお若くておいであそばしますねえ。」
    という終わりかたも凄く好き

    幻想的で切なくてとにかく綺麗で…
    いい読書ができました

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    2014年02月21日
  • 薔薇密室

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    ネタバレ

    初皆川作品。圧倒され、惑乱させられた。次々と語り手が交代していくことにより、たった今まで現実と思って読んでいた物語が虚構に切り替わり、そして次に読んだ物語も虚構へと……、現実との境界が分からなくなっていく。どれも完結しない物語。登場人物が感じる混乱が私にも伝播し、酔う。ミステリ作品として、最終的には現実が提示されるわけだが、それでも残されたひと筋の非現実-詳細は伏せる-により、この惑乱は解けずに終わる。

    薔薇の僧院。薔薇と人間を合体させる狂気の研究。男娼と黴毒。姉の美しい恋人。美しき劣等体。ナチとSS。重厚な文体。出てくるモチーフは確かに倒錯、耽美なのだが、そこには頽廃のような爛れた空気より

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    2013年01月31日
  • 倒立する塔の殺人

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    少女時代と云うものは、実は何重ものベールに覆われていて、真の姿を簡単には見せないものだ、とこの作品を読んで思い出した。
    でも、そのベールは、ある日突然無くなってしまう。
    剥ぎ取られるのか、自ら脱ぎ捨てるのか。
    あるいは両方か。
    ベールに代わるものを必死に探しながら、余命を生きる。
    だけどもう真の姿を隠してくれるものは現れない。
    沢山の細かな傷を抱えながら、そうしてどんどん鈍感になりながら。

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    2013年01月14日