【感想・ネタバレ】たまご猫のレビュー

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Posted by ブクログ

初めて読む皆川作品集。
『たまご猫』『をぐり』『厨子王』『春の滅び』『朱の檻』『おもいで・ララバイ』『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』『雪物語』『水の館』『骨董屋』の10篇。

どの短編も、短編の鏡というべき、構成のひねり、あっといわせる結末、虚実の反転、が描かれる。
そして一文の無駄もない文章。
茫洋と闇の中にゆっくりと沈み込んでいくような、えもいわれぬ恐さや不気味さを感じる。

たまご猫、春の滅び(雛人形のライトモチーフ)、朱の檻(座敷牢への取材)、骨董屋(骨の笛)、が気に入った。

解説の東雅夫も書いている通り、幽霊小説。
幽霊、異世界、幻想によって現実の世界が一変する、小さいが大きい力を持った短編群。

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2016年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一言で表すと、美しくて怖い物語でしょうか(ベタですいません)。

表題作の「たまご猫」が気に入りましたが、どの話も面白かったです。
「をぐり」や「厨子王」などは実在の古典がベースになっているのでしょうか。
この「厨子王」ですが、以前山椒太夫を読んだ時のことを思い返して、こんな描写あったかな?と感じたのですが、皆川さんがお考えになったのでしょうか。
それか、私が読んだものが読みやすいように(あるいは子ども向けに)変えられていたものかもしれませんが。

怖いと言っても、どのお話も震えあがるほどではないのですが、「骨董屋」はゾッとしました。
エツ子とリュウも怖いけど、麻子はてっきり小島との結婚を断ると思っていたのに、それをしないで(?)『変えてあげるわ』などと言うので、一体何をするんだ?!とそちらの方が怖かったかも。

あと、いくつかの話が繋がっているのでは?という感じを受けました。
微妙ですが、もしかしたらこの人とさっきの話のあの人は親戚なのかな、というような。

ところで黒澤明監督作品に夢というオムニバス形式の映画があります。
最初から最後まで観たわけではなく、たまたまやっていたのを観ただけですが、
その中の一つにお雛様が出てくる話がありました。
詳しくは覚えていないのですが、雛人形が人の大きさになって(人間がお雛様に扮装している)、
梅?が咲く中、お雛様よろしく段になって並んでいる場面があります。
そのシーンが強烈に印象に残っているのですが、「春の滅び」というお話を読んでそれを思い出しました。

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2016年08月16日

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表題作が凄い! ラストのイメージがとても鮮烈で、恐ろしいのだけれどそれ以上に美しい。「たまご猫」という、一見わけ分からないタイトルも惹きつけられるし、これは名作。「クライン・キャット」欲しいなあ。こんな結末になってしまうのは嫌だけれど。
「骨董屋」は他の短編集でも読んだ覚えがあるけれど、やはり傑作。幻想的な美しさもさながら、はっきりとしたオチもあるので、「皆川作品はどうも分かりにくい」という人(かくいう私もけっこうそう思っています。好きなんだけどね)にもお薦め。

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2010年01月28日

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友人におすすめ頂いた作品。
一番の感想は「この著者さん[結婚]に何か恨みでもあるんかな?」という事。

短編集で読みやすい。作品の全貌がわかった時のゾワゾワ感が良かった。

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2021年05月03日

Posted by ブクログ

かわいらしい書名とは裏腹に、おどろおどろしいお話ばかり。
骨董屋の狂い具合が素敵。
文庫のカバー絵は北見隆氏。赤川次郎の三毛猫シリーズの表紙なんかもこの方なので、子供の頃からなじみ深い感じです。

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2016年02月18日

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いつの間にか狂気に足を踏み入れてしまっている。
そんなストーリー展開がとても良かった。

暴力的な表現やグロテスクな表現が無く、純粋な恐怖を感じられる物語としてとても良い作品だった。

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2013年04月04日

Posted by ブクログ

初めて手に入れた皆川本です。

他の短編集に比べると取っつきやすい気がする。初心者向け。それでも『をぐり』『朱の檻』『春の滅び』あたりは確実に、いつもの皆川さんだよなあ。
どんな短編であれこの人の作品は大好きだ。



ちなみに『水の館』はジャニーズ小説である。

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2011年03月29日

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遺書さえも残さずに自殺してしまった姉が、いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた”クライン・キャット”という謎めいた文字。
この奇妙な言葉だけを頼りに、生前には知りえなかった姉の素顔を探ろうとした妹を待ちうける、不可解な恐怖の正体とは?
日常生活にぽっかりとひらいた陥穽を描いた表題作「たまご猫」をはじめとして、夢とうつつの狭間に生じる不条理を題材とした、妖しくも美しい、10篇の恐怖のかたち。

***

「たまご猫」「をぐり」「厨子王」「春の滅び」「朱の檻」「おもいで・ララバイ」「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」「雪物語」「水の館」「骨董屋」の10篇からなる短編集。

個人的に「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」「骨董屋」あたりの書き方が好きだった。
煽ってあるような恐怖のかたち、というか、怖くはないのだけど、全編において流れる奇妙な匂いがちょっと癖になりそう。
何気なく手に取っただけなのだけど、いい作家さんに出会えた。

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2010年11月21日

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正しく、皆川ワールド、だ。

歩いているうちに奇妙な風に吹かれ、いつしか戻れない場所に辿りつく。
ただ空気としか表現できないような・・・
それでいてけして気づかずにはいられない異形の何か、がどこかに潜んで
じっとこちらを見つめている。

それは確実に近づいてきて、
はっと我に返ると・・・
それが自分自身であることを知る。

スイッチが入る。気持ちいい。
弄ばれる快楽。

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2009年10月29日

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夢うつつ、狭間で不条理に揺れる登場人物。姉と弟、座敷牢といった魅力的なモチーフ、死者のセッション、未来からの警告、時間と空間が交錯する10篇の不思議な物語。

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2009年10月04日

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遺書さえものこさずに自殺してしまった姉が、いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた“クライン・キャット”という謎めいた文字。この奇妙な言葉だけを頼りに、生前には知りえなかった姉の素顔をさぐろうとした妹を待ちうける、不可解な恐怖の正体とは?日常生活にぽっかりとひらいた陥穽を描いた表題作「たまご猫」をはじめとして、夢とうつつの狭間に生じる不条理を題材とした、妖しくも美しい、10篇の恐怖のかたち。

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2009年10月07日

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遺書さえものこさずに自殺してしまった姉が、いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた
"クライン・キャット"という謎めいた文字。この奇妙な言葉だけを頼りに、生前には知りえなかった
姉の素顔をさぐろうとした妹を待ちうける、不可解な恐怖の正体とは?
日常生活にぽっかりとひらいた陥穽を描いた表題作「たまご猫」をはじめとして、夢とうつつの
狭間に生じる不条理を題材とした、妖しくも美しい、10篇の恐怖のかたち。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

短編集。怖い。ぞくぞくする、とか、血の気が引く、とかじゃなくて。なんでだろう。すごく怖いお話だった・・・。でも癖になりそう。

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2009年10月04日

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タイトルに惹かれて読んだ一冊。たまご猫と書くとかわいいイメージですが、作品自体は怖いです。(2003.2.14)

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2009年10月04日

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