皆川博子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かったです。
13世紀のフランスで、神の御告げを受けたエティエンヌを中心とした子供たちがエルサレムを目指したという史実を元にしたお話でした。
児童書になるのか、皆川さんにしては毒や闇は少なめでしたが引き込まれました。
エティエンヌやルー、アンヌという初期の子供たちを取り巻いたり阻んだりする大人たちの思惑が醜く残酷なのですが、この混沌とした時代には仕方ない事だったのかもと思いました。歴然と身分の差があって重税に苦しんで。
記憶を無くしているガブリエルがとても好きな登場人物だったのですが、彼が到達する「神はおわさぬ。教会も聖職者も、巨大な嘘にほかならぬ」という「真実」が重く垂れ込めます。
死とは〈無〉。壮絶な虚無。でもそこには、命が満ちている。。
皆川さんはやっぱり、児童書でも容赦なくて良かったです。毒や闇は少なめでも、無くはないので。 -
Posted by ブクログ
ナチスドイツというのはともかく小説の題材になるネタが豊富なのか、やたらと色んな人が話を作っていて、なんか良く分からんけどえらい耳年増になってる気がする。でもなんでナチスがあれだけ熱狂的に受け入れられたのか、ってのが、これだけ小説が書かれる、ってのにも繋がるんかな。ムッソリーニとかカストロじゃダメなんだろうしな。
それはさておき悪い奴の話である。なんでこう悪い上に頭おかしいのにうまくやるんだろうね。こういう本を読めば皆さんきっと真面目に働くより頭おかしくなった方が良いや、ってきっと思うよね。いや、思わないかな。にしても去勢が男性の与える恐怖心はスゴイ。 -
Posted by ブクログ
本書は「開かせていただき光栄です」の続編だ。
18世紀の英国の空気を写し取ったような、退廃的な空気と不思議にお茶目な空気が今回も満載である。
解剖医ダニエルの弟子、ベンやクラレンス、ネイサンらは盲目の判事ジョン・フィールディングが出資する新聞を作成していた。そこに、身元不明の屍体の情報を求める広告を掲載したいという依頼が舞い込む。屍体にはあるメッセージが書かれており、判事の捜査のためにその謎を追い求めていくうち、前作で行方が分からなくなったダニエルの弟子エドとナイジェルの謎につながって行く…。
前回に引き続きのぐいぐい持っていかれる内容はさすが。
時代背景を綿密に調べ上げて書かれているので、世界観にどっぷりつかるのが楽しい作品です。出てくるジョークも、まさに「あ、イギリスっぽい!」と思う。(知り合いいませんが…)
でも正直最終盤では「いつのまに?」という急展開に正直少し置いていかれた感じがある。描写も凄惨なものが多く、(前作で大丈夫ならおそらく平気でしょうが)苦手な方は想像するのが恐ろしいと思います。
やはり前作と比べてしまうので、星は3つです。
おまけの付録は今回も面白いです。