皆川博子のレビュー一覧

  • 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―

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    十八世紀ロンドン。当時の先端科学で偏見にも晒された解剖学的見地から、外科医ダニエルと弟子たちが連続殺人と不可能犯罪の謎に挑む

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    2018年04月29日
  • トマト・ゲーム

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    休みなく注がれる毒に感覚が麻痺していくのを感じた。より強い刺激を求めて、もっと、もっととページを繰ってしまう。

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    2018年01月02日
  • 花闇

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    実在の人物、歌舞伎役者の澤村田之助を描いた作品。美貌の天才女形が壊疽により四肢を切断し尚、舞台に立ち続け、狂死する、という実話がベース。
    四肢を切断しても田之助の歌舞伎にかける情熱がいささかも衰えず、あらん限りの知恵と工夫を重ねて舞台に立ち続ける様子に驚愕した。これだけの才能がありながら、さぞ無念だったことだろう…。
    序章を読んで、どんな恐ろしい事になるのかと読み終えるのが怖かったが、さすが皆川先生、きれいに終わらせてくれた。ホッとした~。

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    2017年10月10日
  • 死の泉

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    ナチスドイツというのはともかく小説の題材になるネタが豊富なのか、やたらと色んな人が話を作っていて、なんか良く分からんけどえらい耳年増になってる気がする。でもなんでナチスがあれだけ熱狂的に受け入れられたのか、ってのが、これだけ小説が書かれる、ってのにも繋がるんかな。ムッソリーニとかカストロじゃダメなんだろうしな。
    それはさておき悪い奴の話である。なんでこう悪い上に頭おかしいのにうまくやるんだろうね。こういう本を読めば皆さんきっと真面目に働くより頭おかしくなった方が良いや、ってきっと思うよね。いや、思わないかな。にしても去勢が男性の与える恐怖心はスゴイ。

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    2017年07月03日
  • 倒立する塔の殺人

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    戦時中に家族や大切な人を亡くしながらも、自分の好きなことや大事なものを見失うことなく、本に夢中になったり歌やダンスを踊ったり、悲しく辛い毎日の中でも、楽しむことを忘れずに必死に生きる少女達は本当に逞しかった。

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    2016年12月23日
  • 花闇

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    ネタバレ

    初読。読んだことのない作家さんの読んだことない本を買うこと自体が稀なのだが、澤村田之助を描いた本ということで買いたくなった。足を切る前まではまあまあありがちな役者のエゴというところだったが、足を切った後からは一気に凄みが増す。すさまじいまでの役者への執着が見苦しくなることなく、哀しいまでに美しい。華やかな伝統文化の歌舞伎をさかのぼると、役者が蔑まれたこんな時代があったんだなあ。

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    2016年12月11日
  • 少年十字軍

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    奇跡を起こす羊飼いの少年エティエンヌと、そこに集う少年少女と狡猾な大人達がエルサレムへ向かう物語!

    弩使いの少年ルーは誰よりも頼りになります。
    フルク修道士はムカつきます。
    レイモンにもムカつきます。
    ピップの『エティエンヌが居るから大丈夫』にも段々ムカついてきます。


    キリスト教の失敗は教会という組織を作った事かと思います。

    それと金を払えば罪が赦されるというのも教会と罪人が得をして被害者は救われないよね!とも思えます。

    何れにしても信仰というのは他人に迷惑を掛けず自分の為に心の中だけで祈っていれば良いのにと思います。

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    2016年06月26日
  • アルモニカ・ディアボリカ

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    本書は「開かせていただき光栄です」の続編だ。
    18世紀の英国の空気を写し取ったような、退廃的な空気と不思議にお茶目な空気が今回も満載である。

    解剖医ダニエルの弟子、ベンやクラレンス、ネイサンらは盲目の判事ジョン・フィールディングが出資する新聞を作成していた。そこに、身元不明の屍体の情報を求める広告を掲載したいという依頼が舞い込む。屍体にはあるメッセージが書かれており、判事の捜査のためにその謎を追い求めていくうち、前作で行方が分からなくなったダニエルの弟子エドとナイジェルの謎につながって行く…。

    前回に引き続きのぐいぐい持っていかれる内容はさすが。
    時代背景を綿密に調べ上げて書かれているので

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    2016年06月01日
  • 少女外道

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    すごいインパクトのタイトルだなあと思って手に取ってみた。

    どのお話も、悲しみと寂しさがそっと横たわっていて、でもその奥に、恍惚とさせる美しい炎が、妖しく揺れているようなイメージ。

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    2016年05月29日
  • 猫舌男爵

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    何処の世界の、何処の時代の物語か見当もつかない摩訶不思議な物語5篇と解説を含めた短編集。 表題作を除けば、真面目な物語な筈なんだけれどレトリックに翻弄させられながら「読まされた」感の読後の物語集。 猫舌男爵の本当にありそうで絶対なさそうな話は秀逸。

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    2016年01月11日
  • トマト・ゲーム

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    ネタバレ

    「トマト・ゲーム」
    真っ赤なトマトになっちゃいな式のバイク乗り。

    「アルカディアの夏」

    「獣舎のスキャット」
    姉が弟を見る眼の異様さを裏打ちするのは、何か。
    弟からの意趣返しが凄まじい。

    「蜜の犬」
    強者と弱者の関係が引っくり返る、しかも比較的ピュアな少年によって。

    「アイデースの館」
    アングラ演劇崩れの青年が作ったポルノムービーの、男たちが仮面をつけている。
    仮面の製作者は誰か。
    過去にぐいっとズームがずれる感覚。

    「遠い炎」
    家政婦が旧知の人物だったことで座が奪われていく。
    ちょっと似た話を映画で見たことがある。

    「花冠と氷の剣」
    これまたロマンチックな題名。
    贅指の青年に惹か

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    2015年08月20日
  • トマト・ゲーム

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    皆川博子の初期作品集、復刻発売。
    帯、あとがきの日下氏の「いかに初期から完成されていた作家かわかる」という表現が的を射ていると思う。
    比較的淡々とした書き口なのに、ことごとく狂気や不穏さを感じとれるほど、文章・表現力は高い。
    自分の好みより文学性が強めであるが、折に触れて他作も読んでいきたい。
    3+

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    2015年08月19日
  • トマト・ゲーム

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    ネタバレ

    短編8作。
    うっとりするくらいの狂気。
    恐ろしいほど美しいセンテンスに、じわじわと感覚が麻痺していく。

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    2015年07月22日
  • きっと、夢にみる 競作集 <怪談実話系>

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    10人による、怖い話。

    題名通り、夢で見たり、白昼夢だったり。
    うっかり思い出してしまわないためにも
    日が高いうちに読んだ方がいいかもしれません。
    いや、思い出すような読み方をしなければ大丈夫?

    ぎょっとする終わりなのは、そらみみ。
    これが現実なのか、あちらが現実なのか、と
    思わせるような最後の一言。
    非常に混乱させられます。

    目的だった、辻村さんは…子供のせいか
    やたら無邪気に怖い。
    世の中、知らない方が…気がつかない方が
    幸せ、という選択もあると思われます!

    言ったら相手に移る夢、かと思っていたのは、琥珀。
    さすがにそれはない内容でしたが
    とり憑かれたと表現するのがぴったりな感じで

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    2015年07月06日
  • 薔薇忌

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    舞台に携わる人々を描いた短編7編。どれも妖しくて美しい幻想的な話ばかり。現代の話なのに、芝居を扱っているせいか、どこか時代がかった雰囲気をもつ不思議な世界観。
    少し硬めの文体なので、慣れるまでは入り込みにくいとこもあるけれど、それが却って幻想的な雰囲気を際立たせている。
    皆川作品は『開かせていただき光栄です』とその続編しか読んでないけど、この作品といい、気になってる『少年十字軍』といい、ジャンルの幅広さに驚く。

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    2015年07月01日
  • 少年十字軍

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    史実に基づいた物語。

    信頼と疑心、純粋と不純、真実と嘘などたくさんの人と思惑が交錯しながらエルサレムに向かい最終的に子供たちが出した結論に、1つの人生の歩みを見たような気分になった。

    修道士や騎士、神や悪魔などが作中や文面に出てくるものの思っていたほど宗教色の強さもファンタジーも感じなかった。それだけリアリティーのある安定した文章で、とても読みやすかった。

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    2015年06月17日
  • 少年十字軍

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    ネタバレ

    特別な少年と、粗野な少年の対比がよかった。
    本書の、聖職者は、聖職者(笑)表記でいいと思う。暮らしが良くなればその分、怠けたり欲が出るんだなと実感した。それが人間なんだけどさ。もちろん、真面目な聖職者もいるんだろうけど。

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    2015年06月09日
  • 伯林蝋人形館

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    1920年代のドイツ、ベルリンが舞台。混沌とした時代を生きる男女6人。それぞれの目線からなる幻想的な短編と、付随する作者略歴で構成されている。幻想と現実を行ったり来たりしながら徐々に全体像が見えてくるのが絶妙。内容は少し複雑だったが相変わらずの美しい文章と世界観だった。

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    2015年05月09日
  • 少年十字軍

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    13世紀フランス。
    天使ガブリエルから「エルサレムへ行け」という天啓を下された少年エティエンヌが、聖地を目指して十字軍を率いる物語。

    特別な力を持つことで、平穏無事な生活を失ってしまうことの哀しさが漂う。
    純粋な子供たちと、彼らを私利私欲の対象としてしか見ていない狡猾な大人と対比がえぐい。

    何を目指し、歩むのか。
    結末を予想出来て尚、エティエンヌたちを愛おしく感じることがこの作品の要であるように思う。

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    2015年04月05日
  • 光源氏殺人事件

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    登場人物がなぁ…柏木と女三の宮だからああなのか、と分かるんだけどそれにしてもイラッとして仕方がないです(笑)

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    2015年03月17日