皆川博子のレビュー一覧
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ネタバレ8作の短編集。太平洋戦争前から戦後直後くらいまでの時代の話です。
子供の目から見た、大人の世界。
変わってしまった世の中に復員してきた男。
支配される女性。
世の不条理さというものに押しつぶされそうな、いや、押しつぶされる人々の話なのかな。
その不条理さを、それぞれ受け止められない者、受け流して行く者それぞれかもしれないけれど。
好きとか嫌いとかそういう次元は超えてしまったと思われるような小説でした。
言葉の強さというか、異次元の世界へ引きずりこまれたというか、何かの力に翻弄されて読み切ってしまいました。
固い単語や文章で書かれていて、強烈な印象とともに、詩や歌が絡んでくるせいか、頭の中で -
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『水底の祭り』
M**湖より屍鑞があがった。
新宿のバーに勤めるわたしは、ママのミツエと常連客の森戸が奇妙な動揺を示すのを目の当たりにする。
森戸に好意を寄せる私は、二人の動揺を沈めようと思わぬ行動を取るのだが、二人の間に隠された昏い経験を垣間見ることになる……。
『牡鹿の首』
動物の剥製師である麻緒は、時々出会い専門のホテルで男性を買う。
そのホテルで出会った男娼の少年が訳ありの怪我をしているのをかばい、知り合いのハンターに助けを求める。
彼女に好意を持つその男は代償行為を要求、彼女は呑まざるを得ない。
そして少年との刹那的な暮らしが始まる。
『紅い弔旗』
六年間、小 -
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13世紀に実際にあった少年十字軍をテーマに描かれたお話。
難解そうに見えて、意外にさらさらと読める。それは、登場人物は多いのに、それぞれが生き生きと魅力的に描かれているせいかも知れない。
エティエンヌに心酔する子どもたち、信じてはいないけれど追随する者、利用しようとする者、そして訳も分からずただ参加する者。様々な思惑が絡み合いながら旅は続く。
神の不在、死後の世界と無宗教の人間には正直理解できない部分はあるけれど、中世的なちょっと暗くて閉鎖的な雰囲気は伝わってくる。
身勝手な大人たちに腹が立つと同時に、エティエンヌがいれば大丈夫と無邪気に繰り返す子どもたちの残酷さにも慄然とする。すべてを -
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ネタバレ世界史上、有名なエピソードに基づくお話。
「少年十字軍」と言えばいい印象を持っておられる方は少なかろう。
当時のヨーロッパや聖地をめぐる云々、縁のない日本で育ったものにはなかなか理解しがたいものがあるし、安穏と状況に納得いかぬことが多々ある。
それはおそらく、当事者においても同じことであったろう。
哀れな少年と彼をめぐる仲間たち、愚かな大人、誰一人幸せを享受できぬまま終わるストーリー。
この先、彼らに平安が訪れるかどうか、かすかな希望すら打ち消される不安感。
ヨーロッパや中東、アフリカ北部は歴史的にもこの先安定することはないことを知っている現代のわたしたち。
悲哀のもとに終わってゆくで -
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ネタバレ「全ての物語を書き終えたものには、自殺の特権を与えよう」……なんて甘美な。
皆川博子による「伯林蝋人形館」。
その後、ふたたび現れる「伯林蝋人形館」のタイトル。
本編。作者略歴。
本編。作者略歴。
本編。作者略歴。
本編。作者略歴。
本編。作者略歴。
本編。作者略歴。
書簡。
こういうかたちで、同じ出来事を別の人物から描きなおし描きなおしていく。
その後、本自体の仕掛けに気づかされる最終章「書簡」。
おお。
本書に関しては解説もありがたい。
アルトゥール。
ナターリャ。
フーゴー。
ヨハン。
テオ。
ハインリヒ。
マティアス。
ツェツィリエ。
おお。 -
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ネタバレクライマックスの『試練』『選択』の残酷さよ……
が、この二つこそが人間が一生負い続けるものなのかとぞっとした。
なんといっても作者の筆力の素晴らしさ。手に汗握ってしまった……
物語としても、これだけの人数が出てくるにも関わらず、一人一人が生き生きと活写されている。
十三世紀という時代、どれだけ「神」という存在が人を救い、その何倍も人を苦悩させたのか。正直、何もかも「神」中心になる当時の人々の心情には寄り沿えないが、無垢な人々がいるのと同じくらい、狡猾に「神」を利用している人々の逞しさにも感心させられた。
キャラクターがすべて素晴らしい。
ラスト、「無」から生きる手ごたえを取り戻したいと思っ -
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登場人物が結構多くて、名前もごっちゃになって読むのが少し大変でした。
前作の、ナイジェルがまさかの姿になって現れて、彼の悲惨な過去と別の事件が少しづつ明らかになっていきます。ちょっと想像を斜めいってる過去でした。
今回はアルが結構重要な役割を務め、彼が一番正義をしっかり持っていて彼がでてくると結構安心しました。
本当昔のイギリスは腐ってるな、と判事のもどかしさがよくわかる。
もちろんエドもでてきます。
彼も彼なりの正義を前回同様持っていて潔かったと思う。
それにしても残酷だなぁ。
新大陸に渡ったみんなは、そして最後の最後で助け出されたベイカーさんは幸せになれるのかなぁ?
呼