皆川博子のレビュー一覧
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新装版発売の情報を見て、「気になったらとりあえず買う、積む!」の精神で積まれていた一冊。気が向いたので崩すことに(1年以内に崩したので良い方)。
皆川博子の幻想小説の掌編・短篇集。読み終わっての感想は・・・「なんとか読み終えた」。まさに「幻想小説」で"Don't think, feel."な作品が勢揃い。この不思議な感覚、嫌いではないのだが、幻想の純度が高すぎるのはちょっと・・・。好きな人には堪らない純度なのだろうが、自分はやっぱりある程度の物語性というか着地点が欲しいかなぁ。
「自分に幻想小説は合っていない」ということを強く再認識させられたので、それだけでも -
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◼️ 皆川博子「倒立する塔の殺人」
本土爆撃の中、ミッションスクールで消えた女学生。少女たちが書き継ぐミステリー。
2007年の作品。御大・皆川博子さんであるからには耽美・倒錯も期待してしまう。タイトルだけで何が来るのかと楽しみになる。文芸・芸術と戦争と、女学生たち、おまけに入れ子構造。盛り込み並べ混ぜて呈示する手際はさすがだ。
昭和19年、都立の高等女学校に通う阿部欣子(きんこ)、通称異分子のイブ、または大柄であることからヌーボー、そして仲の良い三輪小枝(さえだ)からはべー様と呼ばれている、は、アメリカ機による攻撃で母と妹を亡くし、小枝の家に下宿することになる。そこで欣子は小枝にきれい -
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エドワード・ターナー三部作、最終章。
アメリカ大陸に渡ったエドが囚人として地下牢に収容されているところから始まる。
アメリカがまだイギリスの植民地だった頃の話。独立を望むアメリカ、先住民インディアンを迫害するアメリカ、イギリスの振る舞いなどがリアリティを持って描かれている。
今回はミステリーというより歴史小説の側面が強かった。
第一作目の『開かせていただき光栄です』が完璧なミステリーだったので、それを望む人は少し肩透かしかな?
とはいえ、エドがどうなってしまうんだという一心で読み進めたので物語としては楽しめた。
以外ネタバレ
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Posted by ブクログ
ネタバレ書き出しが『だから捨ててと言ったのに』から始まる短編集。様々な作家さんがこの一言からそれぞれの物語を紡ぐので、本当にいろんなジャンルの話が読めるのが面白い。
個人的に印象に残っているのは多崎礼さんの『海に還る』、摩耶雄嵩さんの『探偵ですから』かな。短いからこそ、その世界にスッと入り込めてわかりやすい話が好み。『海に還る』は人魚の話で多崎さんの作品らしいファンタジーな世界観が8ページにまとまっていて良かった。『探偵ですから』はとにかくわかりやすい作品で読みやすかった。短い話なのに、物語の登場人物の心情もわかりやすかったし、飼ってる犬がしゃべりだすとか少し怖い感じもするけど、主人公が助かって良か -
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