皆川博子のレビュー一覧
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美しい。ほんとうに、美しい小説集だ。
作者や作品についてなんの予備知識もなく読み始めて、ひといきでその匂いに引き込まれた。さまざまの美しい詩句が、解説にある通り一篇の中に「象嵌」されている。詩句の呼び起こす情景、それを借景として、あるいは幽霊のごと溶け込むように同化して、はるか過去にあったはずの場面をここに現存させる。
それぞれの物語には歴史の翳さす暗い色調のものが多く、黴臭い死の匂いがまつわりついて、決して清潔ではないのに、この美しさはいったい、なんなのか。
どの話もひとしい密度をもって訴えてきた。八篇、どれも好きであまり差がないというのもすごい。あえてあげるならやはり「龍騎兵」かしら。
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ネタバレ一言で表すと、美しくて怖い物語でしょうか(ベタですいません)。
表題作の「たまご猫」が気に入りましたが、どの話も面白かったです。
「をぐり」や「厨子王」などは実在の古典がベースになっているのでしょうか。
この「厨子王」ですが、以前山椒太夫を読んだ時のことを思い返して、こんな描写あったかな?と感じたのですが、皆川さんがお考えになったのでしょうか。
それか、私が読んだものが読みやすいように(あるいは子ども向けに)変えられていたものかもしれませんが。
怖いと言っても、どのお話も震えあがるほどではないのですが、「骨董屋」はゾッとしました。
エツ子とリュウも怖いけど、麻子はてっきり小島との結婚を断る -
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再読。
錯綜する時間と、人の心。
一章、二章と読み進めるうちに、得体の知れない沼の中に入り込んでしまう感覚。
どれが現実で、どれが夢なのか分からなくなるのだ。
それでいて、第一次世界大戦前後の生々しくも凄惨な戦争や、庶民の日々の暮らしの描写は的確。
読者は当時のベルリンの倦みを孕んだ熱気に身を浸しながら、出てくる人物たちの愛と絶望に寄り沿う。
ここまで緻密に物語を組み立てる、その手腕にただただ感服。
すべての話の細部が、食み合うように絡み合い、一篇の豪奢な織物のような物語を紡ぎ上げている。
時代背景描写の重厚さ、人物描写の深遠さ、さらにはすべてが幻想とも取れる人物たちの喜怒哀楽の耽美さ。
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Posted by ブクログ
登録100アイテム目!
初めて読む作家さんだけど、あらすじと表紙が気になって買った本。「18世紀ロンドン」「ミステリー」のあたりとかね。
第一印象は翻訳を読んでるような文章だなーという感じ。レビュー見ると、他の作品とは文体をあえて変えてるみたい。後で知ったけど、80歳を越えてるとは!
めっちゃ面白かったよ!
過去と現在(?)の時系列に分けて書かれていて、それにちゃんと意味がある。物語の構成が素晴らしい!
色んな人が関わったちょっと複雑な事件なんだけど、2転3転するわ、伏線張りまくりだわでひとつの作品で何回騙すんだと。でも、この騙され方はむしろ気持ちいい。
最後はちょっと切なくて、余