皆川博子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
短編なのでサクサク読めた。
今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
---------------
↓読んだ中で印象に残ったもの。
●良い話
砥上裕將『母の箪笥』
金子玲介『恋文』
●じわじわ来る系
潮谷験『無理解』
五十嵐律人『累犯家族』
背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』
●設定の世界観が独特
黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
舞城王太郎『食パンと右肘』
多崎礼『海に還 -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ皆川作品恒例の男2人の絆に置いてけぼりになるやつ
ゲオルク可哀想だな…最初は傲慢で不遜で勝ち気でみたいな人かと思ったら意外と普通の感性があって(でもこれはユリアンと違って外の世界で自由に生きれたからこそだと思うので、それもまた残酷な描写だと思うのだけど)後半ゲオルクのこと見直すし好きになるよね
最後のシーンはどちらが本当か、について。
多分読者の解釈それぞれ答えなんだろうけど、私の考えではツヴェンゲルの方なのかなぁ、と最初は思った。
なんでかっていうと、誰もいない所で2人で一緒に死のうといういわゆるメリバは、皆川先生の中ではハッピーエンドなのかなと思ってるから。
そして、ツヴェンゲルの方は -
Posted by ブクログ
ネタバレずいぶん前に読んだものの再読。
前半部分しか憶えていなかった。
それと、「物語を必要とするのは、不幸な人間である」という、ものすごく印象に残っている言葉を知ったのは、どうやらこの本だったらしい、ということがわかった。
ミルカとユーリクは、最後に薔薇の僧院で再会するように記憶していたんだけど、ぜんぜん違った!それこそ私の脳が勝手につくった物語だ。
前半をよく憶えているのは、私の好きな「物語」だからだろう。薔薇の咲き乱れる僧院という箱庭、アンネの日記のようなミルカの生活、いい人そうなホフマンさん。
最終的に、ミルカとユーリクは「現実」へ戻っていく。
ヨリンゲルたちは僧院に残るけれども、それは「物 -
Posted by ブクログ
ネタバレなんとも言い表せない複雑な気持ちで読み終えた。理由の分からない妖しい夢を見たみたいな、ひとときの幻想に足を踏み入れたような短編集だった。
聞き慣れない言い回しも出てくるし、生者と死者の境目が曖昧で、すぐあちら側の世界に連れて行かれそうになる。それなのにとても読みやすい点に驚く。
幾人かの登場人物に業の深さを感じて、重さを静かに受け止めていく読書だった。八作品、読み進めるほどにハマっていく深みがあり、どれが良いというのが選べない。それぞれ主人公の見えている景色が違って、それぞれの地獄がある。
いくつか同じ中洲を舞台にした話があるのが良かった。いろんなモノやヒトが集まってくるその土地を覗いてみたい -
Posted by ブクログ
十二世紀のバルト海の島に住んでいた姉妹が、決闘裁判を機に思いもよらない広い世界へと繰り出す。冒険譚であり姉妹の絆を描いたシスターフッド的な物語でもあり、酷薄な身分制度や欲得や打算まみれの人間模様を浮き彫りにした歴史小説の側面も持った小説です。
それだけ中身が濃いながらも、合間に戯曲形式を挟み、きわめてさらりと短く的確に状況を描いていく文体で意外なほどするりと読み進められます。過去の長編大作での歴史と個人の運命をより合わせた重厚さとはまた違いますが、十二世紀という馴染みの薄い時代を的確に感じさせる細やかな小物や社会風俗の描写はさすがの一言でした。
ただ主な視点となる二人の少女と一人の奴隷の物 -
Posted by ブクログ
初めての作家さん、タイトル借り。口コミ評価が高いのも納得の面白さ…!
18世紀のロンドンが舞台。行政や裁判所は買収が当たり前で治安は悪く、外科医の地位が低い・解剖学が厭われていた時代。私的解剖教室で外科医とその弟子たちがお墓から死体を掘り起こして解剖に励んでいたが、警察がきてとっさに秘密のスペースに隠す。隠した死体を取り出そうとしたら、なぜかそこには見知らぬ死体が2体。引き返してきた警察に合計3体の死体があるとばれたが、なぜだか誰もわからない…。というのがあらすじ。
前半は説明が多くあんまり気分が乗らないけど、中盤からはぐいぐい引き込まれた。毎日家に帰って続きを読むのが楽しみな本だった。何と