皆川博子のレビュー一覧

  • 伯林蝋人形館

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    果たしてこれはまったい幻想小説なのか、それとも小説の内なる史実を忠実に描写しているのか…?
    特に読み始めの頃は、その構造の複雑さに多くの読者は戸惑うことだろうと思う。
    別々のものにしか見えなかった物語たちがページを追うごとに徐々に繋がり、絡み合っていき、あたかも、観察者にいくつもの異なる顔を見せる多面体プリズムのような壮大な流れが誕生する。
    そして、幻視描写であろうと思われていた荒唐無稽な出来事たちが、見事に理屈に適った事実として整合していく。
    “雰囲気だけ”の幻想小説に決して収まることなく、隅々まで巧緻に計算しつくされた魅力あふれるストーリーにちゃんと仕立て上げる皆川博子氏の超絶技術

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    2010年01月18日
  • 伯林蝋人形館

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    おどろおどろしく、細部までつまったストーリーにひきこまれました。
    皆川博子ファンになったキッカケの1冊。

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    2009年11月07日
  • 恋紅

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     で、さらに。田之助つながりで。
     場末の芝居小屋の役者に救われる、遊女屋の娘ゆうの物語。
     女郎達の犠牲の上に成り立っている自分の暮らし。どうしようもない自己否定から始まる少女の葛藤が描かれます。

     このお話のせいってばかりじゃないんですけど、どーも「娼婦」にファンタジーを感じられない。

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    2009年10月07日
  • 伯林蝋人形館

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    単行本も持っていますが、文庫も買いました。
    解説に年表が載っていて、とても詳しいです。
    皆川先生大好き。

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    2009年10月04日
  • 死の泉

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    ネタバレ

    第二次大戦下のドイツ。ギュンター・フォン・フュルステンベルクの子を身ごもったマルガレーテは、ナチの施設“生命の泉《レーベンスボルン》”に身を置く。不老不死の研究を行い芸術を偏愛する医師クラウスに求婚され承諾したマルガレーテは、彼の養子であるフランツとエーリヒそして産み落とした我が子・ミヒャエルと共に戦中の最中、豊かな生活を送りつづけていた。
    だが、家政婦であり、昔の看護婦仲間であるモニカ・シュネーは、執拗にマルガレーテを脅迫する。戦火を逃れオーバーザルツベルグへ移り住んだ1945年春、事件は起った。しかし英ランカスター機の投下された爆弾はオーバーザルツベルグの全ての建物を壊滅、それは闇の彼方へ

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    2020年07月22日
  • 愛と髑髏と

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    「何が現実で何が幻か」
    現実と虚構の境界が限りなく曖昧で、まさに幻想文学。

    動物が辛い思いをする場面が含まれているため、途中で読むのを断念した作品もあり、それだけが残念だった。

    私のお気に入りは

    ・『風』
    ・『人それぞれに噴火獣』
    ・『舟唄』
    ・『丘の上の宴会』

    また、大好きな 服部まゆみ さんの解説が再収録されているのも本当に嬉しい。書かれている一文一文に共感し、何度も頷きながら読んだ。

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    2026年06月10日
  • ゆめこ縮緬

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    耽美な短編集。時空を往還する話、男女の話が多い。『現代ホラー小説を知るための100冊』で知ったが、ホラーというとちょっと安っぽく感じてしまう。怪奇幻想文学。文体が特徴的で読むのに集中を要する。
    「文月の使者」と「桔梗闇」が好み。オチの解釈が難しいのもあった。

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    2026年05月31日
  • それはそれはよく燃えた

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    それはそれはよく燃えた

    この書き出しで始まるまったく展開の違う物語。それは炎なのか、炎上なのか、どの作品も最後には驚くようなオチが待っていて趣向が凝らされていた。
    寝る前にサクッと読んでいったけど、内容がすごく濃いわけではないからいい読み方だったかもしれない。

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    2026年05月30日
  • それはそれはよく燃えた

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    それはそれはよく燃えた。
    から始まる25の短編が入ったオムニバス。

    吉原幻鏡・高田崇史
    怪物どもの棲家・島田荘司
    回答・神林長平
    マザー・ジン・古泉迦十
    失われた史料、的外れな再建・市塔承
    消えない炎・我孫子武丸
    比翼・河村拓哉
    全滅館の殺人・似鳥鶏

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    2026年05月24日
  • 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―

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    日本人作家なのに舞台も登場人物も外国なのが私にとっては新しかった。ちょっと不思議な世界感で、この作家の本をもう1冊読んでみたいかな。

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    2026年04月18日
  • 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―

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    表紙とタイトルに惹かれて手に取った。
    解剖医とその弟子達が難解の事件を紐解いていく。『メスで治癒出来ないものは時間が癒していく』というフレーズが気に入った。
    事件を難解にしたかったのは判事を嗤う為と身勝手な理由だった。夢中で読ませて頂きました。

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    2026年04月04日
  • 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―

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    いろんな人の嘘が重なって一体何が正しいのかこんがらがってしまったけれど、見事にスッキリさせてくれて頑張って読んだ甲斐があった。

    今では解剖することで様々なことがわかるけれど
    それは先人たちの苦労のおかげなんだなとも思う。

    イギリスが舞台なので当然登場人物の名前はカタカナなのだけれど、人数が多いのと、愛称で呼ばれることもあるので苦手な人はしんどいかも。

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    2026年03月28日
  • 死の泉

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    まず、ラストが怒涛の展開すぎて正直よくわからなかった。解説求む。
    色々たくさん謎を残す終わり方だから、モヤモヤする人や、それを余韻と感じる人もいると思う。俺はモヤモヤした。
    ただ文章家としての技術は間違いなくトップレベルだから、読む価値はある。

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    2026年03月17日
  • だから捨ててと言ったのに

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    数ページで読み終わる短編を集めたアンソロジー小説。作者が全て異なるため、話が複雑になればその分読みづらさとして認識されてしまう作者が出てしまうのは、仕方ないかもしれない。

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    2026年03月14日
  • だから捨ててと言ったのに

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    文体の合う合わないで小説を選びがちなので、
    こういうオムニバスではいろいろな著者の文体を少しずつ味見できるのが有難い。

    同じ書き出しでも、ミステリーになったりホラーになったり青春小説になったりとジャンルも色々楽しめた。

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    2026年03月04日
  • 死の泉

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    事の起こりはレーベンスボルン(生命の泉)からだが、皮肉にもナチスドイツ崩壊とともに、あらわになってきた真実は、死の匂いが満ち満ちた異様な世界だった。
    第二次大戦下のドイツでは、オーバーザルツベルグに高官の山荘があり麓に「レーベンスボルン」という名の母子保護施設があった、あたりにはこのような施設が数多く作られていた。まだドイツの士気が高揚し、未来に向かって多くの子供を育てて国力の増進を図っていた時代。同じように妊婦も保護という名のもとに集められてきた。施設の所長クラウス・ヴェッセルマンはSSの上級将校で「レーベンスボルン」の責任者だった。ドイツは人的優位を望んで、金髪碧眼の子供を選別して保護し、

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    2026年02月26日
  • アルモニカ・ディアボリカ

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    ネタバレ

    前作に比べて登場人物が増えてかなり複雑になった
    途中複雑過ぎて若干置いて行かれた
    ナイジェルの出生、アルモニカ・ディアボリカとは何なのか、そこで起こった事件は何だったのかという謎が解明していくのはなかなか面白かった
    ハッピーエンドにはたどり着いたけど、あまり救いはない終わり方をした
    もうダニエル先生の弟子達がわちゃわちゃする日常は帰ってこないのかと思うとかなり寂しい

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    2026年02月14日
  • だから捨ててと言ったのに

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    いろんな作家さんが集まった短編集。始まりはみんな同じ文章からなのに十人十色で、作家さんの人数分だけ、想像できないような物語が広がって楽しい。まだ手にとった事のない作家さんの作風も知れるし、これからもっと読書の幅が広がりそう^-^私のお気に入りは『パルス、またたき、脳挫傷』『母の箪笥』『海に還る』『切れたミサンガ』『探偵ですから』

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    2026年02月04日
  • それはそれはよく燃えた

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    全ての作品が「それはそれはよく燃えた。」という1文から始まる。
    25名の作家からなるアンソロジー。

    その中でも
    市塔 承さん(2025年のメフィスト賞受賞、まだ作品は未発売)を知れただけでも、この本を買う価値があったと思う。

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    2026年01月26日
  • それはそれはよく燃えた

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    「それはそれはよく燃えた」の1文から始まる数多の短編。燃えたのは物質であり概念であり、「燃やす」という人間ならではの行いは唯一つには留まらないのだのと認識させられた。
    黄金の森の神様とレヴナントが印象深かった
    皆川博子の作品は大御所流石の表現力

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    2026年01月23日