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Posted by ブクログ
面白かったです。
SFとコメディと幻想と…いろいろな色のお話たちでした。
表題作は笑い過ぎました。皆川さんこういうのもお書きになるんだ。ハリガヴォ・ナミコが皆川博子のアナグラムって気付かなかったけど…そして皆川さんの初期?に針ヶ尾さんのお話あるのですね。
「私は猫です」の活用…確かに、これ読んでると日本語ってつくづく変わってるなと思います。
結局誰も「猫舌男爵」を読めていないし、話も噛み合わないのに、ラストは皆さん幸せになる。良いなぁ。
「水葬楽」がとても好きでした。
死が近付くと容器に入り、液体の中で暮らす人々。それを見詰める兄妹は結合児で…。選別された妹だけど、なかなか衰弱が始まらないのがゾッとします。Back Ground Poemがとてもいい雰囲気です。
「オムレツ少年の儀式」もラストの鮮やかさ!と思います。
「睡蓮」も良かった…書簡を時系列の逆から描いていく。これは狂う、と思いました。エーディトの絵、見てみたいです。
「太陽馬」の作中作が好きです。ナチュラルに、内戦中のロシアの描写と繋がるのにおおっとなりました。
解説がヤン・ジェロムスキくんだ!熱い文章で笑ってしまいました。訳者の垂野さんは実在するようなのでこの方の文章なのかな?面白いです。
Posted by ブクログ
5篇の短編集。
読後に「ヤン・ジェロムスキ」の名前をググったのは私だけではないはず。
それから「エーディット・ディートリヒ」と、「ジークムント・グリューンフォーゲル」の名前も。
引用形式というスタイルで、史実や実在人物名もちょこちょこ出てくるもんだから、これははたして創作なのか? それとも史実なのか? と、訳が分からなくなってしまった人がいるに違いない。
「オムレツ少年」と「太陽馬」は歴史ものに分類できると思うのだけれど、これらも「史実」と「創作」の境目が非常に曖昧だったように思う。
特に後者の方では、ロシア・ソヴィエトの歴史を淡々と語る割と長いパートがあるのに、読後の印象としてはやっぱり幻想的なのだ。
それから「水葬楽」。読んでいるとふわふわした気持ちになって溶けて流れて行ってしまいそうな難解な幻想小説だけれど、
BackGroundPoemとしての詩句の引用が要所に挿し込まれることで、現実に引き戻されるような感覚があって、尚更頭が揺さぶられる。
この引用句が旧仮名遣いで書かれていることもあって、その所為か、時間軸も行ったり来たりさせられる感じだ。
こんなふうに、「実在と非実在の境目」、「史実と創作の境目」、「現実と幻想の境目」を曖昧にしてしまう仕掛けや効果が随所に在って、
それがこの作品集の、寧ろ皆川作品すべての特徴であり魅力なんだろうな、と思ったりした。
だからこそ、皆川作品を読んでいると、不安にもなるのだ。
物語の中のこの人は本当にいたのだろうか?
どこにいるのだろうか?
どこにあるのだろうか?
と、現実と小説の区別がつかなくなってしまうから。
そう思いながら文字を追って、彼らの後を追いかけていると、
いつの間にか自分自身が物語に迷い込んでしまって、
果たして自分は今、どこにいるのだろうか?
ということが、分からなくなってしまうのだ。
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