皆川博子のレビュー一覧
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プロットそのものがかなり入り組み、相当複雑な構造になっているのだが、それを齟齬なくまとめ上げているのはさすがだと思う。
ただ、通読して感じるのが、なんだかこれまでの皆川作品とは少し違う、という漠とした心地。
二昔前のロールプレイングゲームのように、極めて限定的な細い筋の上を、辻褄を合わせるために辿ら...続きを読むPosted by ブクログ -
ずいぶん前の直木賞作品ですが読んでみました。
江戸から明治にかけて吉原の遊郭の娘として生まれた主人公が役者にほれ、恋に身を投げこみ、不自由な暮らしながら旅役者の恋人として時を過ごしていく様があでやかに描かれていて十分に楽しめた。恋に一途になれるのって素晴らしいなあ。Posted by ブクログ -
ファンタジーだなぁと思ったら、解説で幻想小説とあって納得。
1話1話の重みが軽いんだけれど、よくよく読むと、がっつりと重い。そして酷い。
それなのにきれいなのか文体のせいなのか、書き手の心根ゆえなのか。Posted by ブクログ -
「蝶」よりアウトローな感じは薄いと感じたけど、相変わらずの薄暗さ。
「標本箱」と「有翼日輪」が、よい倒錯でした。だけど前者はちょっとオカルト?なのが…不意打ちでなじまないけど、設定が好きなのでPosted by ブクログ -
「死の泉」以来のファン。
80歳を越えて、質量ともにこのレベルの創作活動を続けておられるのは素晴らしいの一言。
短編集を読むのは初めてだが、一部耽溺できない作品があったため★×3
とした。よりディープなファンの方々には垂涎なのだろうが。Posted by ブクログ -
嫌いではないけど、あまりピンと来なかった。
謎解きとしても、雰囲気としても、登場人物も。
戦争中の女学生と学校、街…その時代の匂いみたいなのは興味深かったかな。Posted by ブクログ -
タイトルからして美しい言葉が並ぶ。合わせて挿絵の妖しい美しさ。
本篇を彩る言葉がまた贅を尽くした絢爛さだ・・・人物や風景、行事、召し物などの江戸模様がまた良い。
今宵はどの篇で甘美な絶望の夢をみようか・・・蛍舞い飛ぶ沢か、菊の香漂う薄もやの早朝か・・・Posted by ブクログ -
江戸時代を舞台にした幻想的な短編集。恋に縛られ身を滅ぼす男女の心の機微が、幽玄かつ繊細な筆致で描かれる。読んでいるうちに、夢と幻の境目が曖昧になっていくような不思議な感覚が味わえる。特に前半収録の何篇かは、語り口調が泉鏡花っぽいなと思った。Posted by ブクログ
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タイトルがコジャレている。
作者は、様々なジャンルの作品を書いているが、古い時代のヨーロッパを舞台とした耽美的なミステリーがピカイチ。
本作は、やや軽めだったが、80近いお年を考えると、なんと若々しいことか。まだまだ、たくさん書いていただきたい。Posted by ブクログ -
分かりずらいうえに時系列がややこしい。
話の中で別の文章が出てくるのは
何度読んでも苦手なんですが、
そこがまたわかりずらい。
ですが、文章的には
面白かったので、ほかの作品も
挑戦してみたいです。Posted by ブクログ