皆川博子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ナチスドイツというのはともかく小説の題材になるネタが豊富なのか、やたらと色んな人が話を作っていて、なんか良く分からんけどえらい耳年増になってる気がする。でもなんでナチスがあれだけ熱狂的に受け入れられたのか、ってのが、これだけ小説が書かれる、ってのにも繋がるんかな。ムッソリーニとかカストロじゃダメなんだろうしな。
それはさておき悪い奴の話である。なんでこう悪い上に頭おかしいのにうまくやるんだろうね。こういう本を読めば皆さんきっと真面目に働くより頭おかしくなった方が良いや、ってきっと思うよね。いや、思わないかな。にしても去勢が男性の与える恐怖心はスゴイ。 -
Posted by ブクログ
このインパクトのある真っ赤な表紙絵。ずっと気になってた一冊です。
舞台は18世紀ロンドン。絵画では知っていたジン横丁なんかも出てきたりして、当時のロンドンの猥雑な雰囲気に触れられたような気がした。また、解剖が死体を切り刻む邪悪な物と見られていた時代、偏見と闘いながらもこういう人たちが現代医学の礎を築いたのだなぁと思った。
最後の最後まで小悪魔たちに翻弄されっぱなしでした。やってくれたなぁ!なかなか登場人物の名前が覚えられなかったけど、読み終わる頃には愉快な解剖室のメンバーや、盲目の治安判事とその助手などなど…登場人物に愛着が沸き、好きになっていた。中でも、弟子たちに慕われまくっているダニエル先 -
Posted by ブクログ
本書は「開かせていただき光栄です」の続編だ。
18世紀の英国の空気を写し取ったような、退廃的な空気と不思議にお茶目な空気が今回も満載である。
解剖医ダニエルの弟子、ベンやクラレンス、ネイサンらは盲目の判事ジョン・フィールディングが出資する新聞を作成していた。そこに、身元不明の屍体の情報を求める広告を掲載したいという依頼が舞い込む。屍体にはあるメッセージが書かれており、判事の捜査のためにその謎を追い求めていくうち、前作で行方が分からなくなったダニエルの弟子エドとナイジェルの謎につながって行く…。
前回に引き続きのぐいぐい持っていかれる内容はさすが。
時代背景を綿密に調べ上げて書かれているので