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私はNHKで最も幸運なプロデューサーだった ~テレビ・ドキュメンタリストの履歴書~
歴史的な番組制作の裏側、テレビプロデューサーの仕事を知ることができる! ICUの「おちこぼれ」から「筆記試験なしでNHKにもぐりこんだ」著者の 赤裸々な自伝的エッセイ。 元NHK放送総局長 日向英実氏推薦! 「安間さんは、番組制作を志す者にとって その足跡を学ぶべき偉大な先輩の一人だと思います」 ~刊行に寄せて~ Prof. Yasuma-san, との40年近いお付き合いで、 私は貴兄が多くの事を成し遂げたのを知っています。 教授の心の中心には常に国際協力の促進に対する情熱がありました。 1985年に貴兄とともに始めた「Scienceview(国際科学番組プロデューサー会議)」は 国際共同制作という新たな方法に熱意のある多くの国のプロデューサーの集まりでした。 Prof. Yasuma-san, 貴兄ほどドキュメンタリー・ジャンルの先駆者として 国際的な貢献をしたプロデューサーを私は知りません。 元カナダTVO局科学番組部長 WCSFP(世界科学・歴史番組会議)幹事 Wally Longul -
文法の魔法
親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。 書き出しが印象的な名作はたくさんあるが、夏目漱石の『坊っちゃん』もその1つ。にゅっと勢いよく突き出される、自己紹介的な冒頭のこの一文を記憶している方も多いだろう。ところで、〈親譲りの無鉄砲で〉の〈で〉について、考えたことのある方はいらっしゃるだろうか。この〈で〉が、実は文章の魅力を担っていると言ったら不思議に思われるだろうか。 〈無鉄砲〉は、品詞で言うと形容動詞だ。「形容動詞+で」となる時は「原因・理由」または「並列」を表すことが多い。たとえば、 *仕事が大変で、今日は飲みに行けない。 ⇒ 原因・理由 *積極的で明るい人を採用したい。 ⇒ 並列 並列の場合は、前後の言葉のニュアンスを揃えたほうが自然に感じられる。 *あの店はにぎやか(ポジティブ)で味もいい(ポジティブ)。 ⇒ 自然 *あの店は不親切(ネガティブ)で料理もまずい。(ネガティブ)。 ⇒ 自然 *あの店は不便(ネガティブ)で安い(ポジティブ)。 ⇒ 不自然 こんな文も作ることができる。 *佐藤さんは勉強熱心で立派だ。 この「で」は「原因・理由」「並列」の2つのうち、どちらの意味を表しているのだろう? 「勉強熱心」も「立派」もポジティブなニュアンスがあるので、並列ともとれる。また「勉強熱心だから立派だ」と、理由を述べているともとれる。つまり「で」は、1つで、2つの意味を表すこともできるのだ。 親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。 この文はまさに「1つの言葉(厳密に言えば1つの活用)で2つの意味」が感じられる文だ。「無鉄砲だから損ばかりしている」とも解釈できるし「無鉄砲かつ損ばかりしている」とも読める。どちらかと言えば前者の意味合いが強いとは思うが、「無鉄砲」も「損」もネガティブなイメージの言葉なので、並列と捉えてもおかしくはない。この文のあとには「無鉄砲さ」ゆえに損をしたようなエピソードが書かれているけれど、よく読むと家庭環境に恵まれなかった不遇さが「損」の根幹にも思える。「親譲りの無鉄砲のため」とか「無鉄砲が災いして」に変えてしまうとリズムが崩れる。〈無鉄砲で〉の〈で〉によって、この一文には期せずして快さと広がりが生まれているのだ。 そう考えてみると、少しばかり面白さを感じるのではないだろうか。漱石はただ自然に書いただけなのかもしれないが、こうやって拡大してみると、なにげなく使っている言葉の中に、ちょっとした秘密が隠れているような気がしないだろうか。 母語話者にとって文法とは「知らずに会得し自分の中で育てた膨大なルール」だ。そのルールに着目し深掘りしてゆくと、謎解きをするようなワクワク感が潜んでいるのが分かる。知っている人の知らない顔を見たような気持ちになれる。文法のスリリングさをここから探検してゆきたい。 まえがきに代えて 〈親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている〉の〈で〉 夏目漱石『坊っちゃん』 〈大変親密になって了った〉の〈了った〉 志賀直哉「赤西蠣太」 〈蜜柑が凡そ五つ六つ〉の〈が〉 芥川龍之介「蜜柑」 〈国境の長いトンネルを抜けると〉の〈と〉 川端康成『雪国』 〈あの隔てのない語調で〉の〈あの〉 中島敦『山月記』 〈もうダメなんです〉の〈んです〉 太宰治『人間失格』 〈わたしは、夫をどうしても欲しいのです〉の〈を〉 松本清張「地方紙を買う女」 〈いつの時代でも同じの筈〉の〈の〉 筒井康隆『家族八景』 〈いいもの好きで、ないものねだりのところもありました〉の〈もの〉 向田邦子「手袋をさがす」 〈これは今となってはよくわからない〉の〈わからない〉 村上春樹「午後の最後の芝生」 〈それを辛がって訴える男〉の〈辛がって〉 田辺聖子「お茶が熱くてのめません」 〈生きるかなしみ〉と〈生きるかなしさ〉の違い 山田太一「断念するということ」 〈いっているその状態を「いく」と断定してしまう〉の〈いく〉 山田詠美『快楽の動詞』 〈僕に、新しい靴をプレゼントさせてほしい〉の〈させてほしい〉 小川洋子「薬指の標本」 〈すでにチェキの台紙に浮き上がり終えた面々〉の〈終えた〉 長嶋有「祝福」 〈アンタがあと10センチ身長高かったらホンマに好きになったかも〉の2つの〈た〉 又吉直樹『第2図書係補佐』 〈私は「治らなくては」と思いながら〉の〈なくては〉 村田沙耶香『コンビニ人間』 〈おいしい、と声に出した〉の〈に〉 柚木麻子『BUTTER』 〈エドワード・ホッパーの絵に描かれた人たちのように見ている側は寂しさを感じた〉の二義性 多和田葉子『研修生』 対談 谷口ジョイ×北村浩子「面倒くさいからこそ推したい文法」 -
京ことば都がたり-ことばで旅する京都
京ことばを手がかりに新しい千年の迷宮へ! オックスフォード留学記『赤と青のガウン』で多くの読者を魅了した彬子女王殿下。雑誌『和樂』で約五年にわたり連載された京ことばエッセイ「京ことば都がたり」が、待望の一冊になりました。 「はんなり」「ほっこり」「いらち」「せわしない」「難儀やなぁ」――京都の言葉には、この街に暮らす人びとの知恵や心の機微が息づいています。かまどは「おくどさん」、お盆に迎えるご先祖さまは「おしょらいさん」、祇園祭のお囃子は「コンチキチン」。京都を縦横無尽に歩き回られる殿下が、二十四の京ことばを手がかりに、京都の暮らしや食、祭り、人づきあいを、親しみ深い文章で読み解きます。 ひとつの言葉から始まるのは、まだ知らない京都への旅。千年の歴史と日々の営みが幾重にも折り重なる都の迷宮を、殿下は豊かな知識と好奇心で軽やかに進んでいきます。読み終えるころには、見慣れた京都の向こうに、まったく新しい風景が現れるはずです。 装画は、日本画家・古家野雄紀が本書のために描き下ろしました。絵のどこかにいらっしゃる彬子女王殿下を、ぜひ探してみてください。気軽に手に取り、言葉の向こうに広がる新しい京都を発見してほしい一冊です。 (底本 2026年10月発売作品) -
随筆集 愛のちからで
八十代、人生の答え合わせ 保護司として25年。大根の分け方に悩み、ズッキーニのぬか漬けを愛し、90代の姉の激しさに頭を抱える毎日。つまずいても、傷ついても、人はやっぱり愛おしい。クスッと笑えて、じんわり温かい。心がほどける33の物語。 「牢屋に入れられて、することが無いからテレビを見てたんだよ」 施設に入った91歳の姉の言葉に、わたしは絶句した――。 ぶつかり合い、翻弄され、それでも断ち切れない血のつながり。 姉妹の生々しい葛藤の果てに訪れる、静かな「和解」の物語。 ――綺麗ごとでは済まない人生を、赦し、抱きしめるための随筆集。 -
青のモスクワ ――ウクライナ侵攻下の日々
「ロシアで過ごした3年5ヵ月の間に、息子は3歳になり、モスクワで娘が生まれた。戦争は終わらなかった」 日常を覆っていく重たい空気を、じっと見据えるために。戦時下の生活を、小さな主語で記したエッセイ集。 「すごい内容でした……。 優しさと、美しさと、生活と、なのにいかんともしがたく戦争であることと、 その感覚がループして胸に迫ります。」 ──古賀及子さん推薦 【目次】 予感 スイカの歌 越冬 イタリア料理店でボルシチを カモメの飛ぶ空 暗夜に あか、あお、きいろ 聖母の右頬 ラリーサとミーチャ ちいさな靴下 こどもが絵筆をにぎるとき 前へ あとがき 【あとがきより】 …… ウクライナ侵攻がはじまって以来、ニュースにもSNSにもロシアにかんする言説は溢れています。もちろん、多様な意見が飛び交っていることじたいは健全な状況でしょう。でもわたしは目眩を覚えることがたびたびありました。 たいていの議論では「ロシア」か「ウクライナ」が主語にされて話が進められていくからです。大統領や政府高官の言動ばかりが取り沙汰され、現地のひとびとが置き去りにされているように感じていました。たしかに、ロシアやウクライナの市井のひとが当事者としてとりあげられることはあります。しかしその場合でも、境遇の過酷さは伝わってきても、ひととなりや感情の機微まで細かく描写されることはほとんどありません。それに、モスクワにはまるで「ロシア人」しかいないかのように思われている発言を目にすることもよくありました。 わたしはまさに渦中のモスクワにいる。ちょっと外に出れば、今日もだれかと顔を合わせる。それぞれの名前とさまざまな来歴をもったひとたちとのささやかな関わりのなか、小さいけれどひとつの世界をたしかに生きている。それなのに、わたしが暮らしているはずのモスクワは、目に入ってくる言説空間のどこにもない。 そうしたギャップにいつも、なにがほんとうなのか分からなくなり、じぶんの視野の狭さにおそろしくなっていました。それが息苦しさの一因でもありました。 しかしそうやって「わたしにはなにも分からないのだから、なにも言うべきではない」と口を噤んで過ごしているうちに、このような状況だからこそ、とるにたらない日常を書き留めることが大切なのではないか、と気づきはじめました。 …… -
UNBROKEN 不屈の魂
150年前に始まったジェノサイド。 暴力の連鎖を、今ここで断ち切れ。 ><><><><><><><><><>< “多様性”の国・カナダの女性人口に占める先住民の割合はわずか4%。だが、2001年から15年にかけて発生した女性の殺人事件犠牲者の25%が先住民だった。なぜ先住民の女性と少女は行方不明になり、殺され続けるのか? その背景にある歴史とは? これは聞くに堪えない物語。それでも、未来の世代のために光を見出そうとする、不屈の魂たちの闘いの記録でもある。 “私にはあなたの姿が見えている。私はあなたの声を聞いている。” ――あなたはどうか? 人種差別と性差別に支えられた入植植民地主義(セトラー・コロニアリズム)の本質を理解し、脱植民地化された未来へ向かうためのノンフィクション。 ><><><><><><><><><>< “社会があなたを最下層の人間と見なすとき、あなたは不公正のすべての層をはっきりと見抜くことができる。私にとって、真実を語ることは革命的な行為なのだ。先住民を強制移住させ、抹殺し、殺害し、そして沈黙させることで建国したこの国では、都合よく置き換えることに躍起となるから。”(「十章 他者の法を破る者」) “イスラエルによる爆撃で廃墟と化したガザ地区には、「新しいガザ」と銘打った絢爛なリゾート開発計画図がすでに描かれている。今、世界がセトラー・コロニアリズムの暴力に「ノー」と言えなければ、十年後にはバンクーバーのような都市景観が誕生してしまうだろう。何度も繰り返すが、ジェノサイドを生き延びた人々、爆撃により目の前で親や家を失った子どもたちが受けたトラウマは、世代間トラウマとして何世代にもわたって続く。大国や先進国にとって植民地支配という戦略が再び標準となる時代に突入したからこそ、若い世代の人々には歴史を正しく理解し、真実の景色を見てほしいと心から願う。”(「訳者あとがき」) ●MMIWGという問題を知っていますか? Missing and Murdered Indigenous Women and Girls …行方不明・殺害された先住民女性・少女たちの意。 カナダのブリティッシュ・コロンビア州に、「涙のハイウェイ」と呼ばれる区域がある。北西海岸から16号線に沿って北西部と内陸部を横断する725kmの区間では、1970年以降、数多の先住民女性や少女が行方不明・殺害の被害に遭ってきた。 2014年、王立カナダ騎馬警察(RCMP)がまとめた報告では1181件の失踪・殺害が特定されている。そして先住民女性は、他の女性よりも12倍、白人女性との比較では16倍と、極端なまでに被害者となる確率が高いという現実がある。 MMIWGの問題は、2019年の全国調査報告書で「ジェノサイド」と評されたカナダ社会が抱える闇、すなわち構造的人種差別と性差別が織り成す暴力の実態である。 ※本書はUNBROKEN: My Fight for Survival, Hope, and Justice for Indigenous Women and Girls by Angela Sterrittの日本語訳である。 -
宇野千代 一日一話 心が前を向く366の言葉
NHK朝ドラ「ブラッサム」のモデル! 本書は、「一歩踏み出せば凡(すべ)てが愉しい」「逃げてはいけない、追いかけなさい」「人生はいつだって、今が最高の時なのです」など、幸福人生の天才が遺した珠玉の言葉集です。4度の離婚、2度の破産、3度の大病……。波乱万丈の人生を歩む中でも、常に前を向いて生きてきた宇野千代氏の言葉には、読むだけで気持ちが元気になるエネルギーがたくさん詰まっています。生涯を通して辿り着いた「幸福に生きる知恵」を、この1冊に! (本書の主な内容)●忘れるということは、苦しんでいる自分を救う最高の治療法です。 ●最も身近な人を幸せにすることは最も難しいことであり、それ故に最も価値あることである。 ●悲しみに負けてはいけません。生きている間は、充実した毎日を送ることが、人間としての義務なのです。 ●人生において、自分の持っている能力がどれくらいあるものか、試してみることくらい、愉しいことがあるでしょうか。 etc. -
デビュー作を書くための超「小説」教室 増補版
新人文学賞で、選考委員は果たして「何」を見ているのか? ベストセラー『一億三千万人の小説教室』の著者が「小説を書きたい」すべての人に贈る、超「小説」教室の増補新装版。 タカハシ先生があなただけにそっと教える、特別な「小説」レッスン、開講です。 「小説という概念を拡張しようとする作品に、選考委員は魅かれます。」 新人文学賞の選考会ってどんな場所? 選考委員ってどんなどんな人種?? 新人作家の条件って??? ベストセラー『一億三千万人の小説教室』の著者が「小説を書きたい」すべての人に贈る超「小説」教室が、大幅に増補&新装版で登場。 ★<[増補版]はじめに――「生成AI」以降にデビュー作を描くこと>収録 もくじ ・[増補版]はじめに――「生成AI」以降にデビュー作を描くこと ・第1章 まずは、新人文学賞選考会について知ろう ◎選ばれる人、選ぶ人 ◎玉石石石石混淆の応募作 ◎新人文学賞という日本独自のシステム ◎作家たちのギルドへの招待 ◎完成度より可能性を重視する場 ◎ジャンルごとに違いはあるのか ・第2章 つづいて、選考委員について知ろう ◎文学史の「地図」を片手にもって ◎小説のウィルス的性質を、とことん愛する ◎小説とフランケンシュタイン ◎名もなき怪物を求めて ◎幻の作品を読む人種 ◎選考委員は二重人格 ◎冒険に高い得点をつける ◎読むことにフェアであること ◎「受賞作なし」の決断 ◎「わからない」のススメ ・第3章 いよいよ、新人作家の条件を考えよう ◎わたしたちはいつ、「新人」になるのか? ◎「読む他者」は、すこし遅れてやってくる ◎もうひとつの高度な恥じらいについて ◎ただしい暴走 ◎ブレイクスルーするとき ◎批評する他者の登場 ◎「生きているうちに、見つけてくれて、ありがとう。」 ・第4章 2000年以降 高橋源一郎 全選評 ◎朝日新人文学賞 ◎群像新人文学賞 ◎すばる文学賞 ◎中原中也賞 ◎文藝賞 ◎坊っちゃん文学賞 ・[増補版]おわりに -
旅食中毒記
この星は、美味しいものであふれている ペルー、ドイツ、クロアチア、イラン…… 訪れた土地で恋した料理、その背景に流れる人々との記憶をたどる旅食エッセイ 塀をくぐると、軒下で若い女性がちょうどラヴァシュを焼いていた。美しい人だった。少しアンニュイな雰囲気、はっきりとした輪郭、奥ゆかしい顔立ち。生地を回し伸ばす仕草、クッションに張り付けていく動き、鉄板に叩きつける力強さ。流れるように繰り返される全ての瞬間が美しかった。そっとカメラを向けると、静かに微笑んで、そして焼き続ける。しばらく見惚れていると、奥から先ほどの男性がお茶を運んできてくれた。来訪者にお茶を出す文化はこんな生活資源の限られた山奥にも根付いているのか。 (「バフティアリ族を訪ねて イラン」より) 【目次】 はじめに 星空の上を歩く ボリビア アヒ・アマリージョの誘惑 ペルー エブリデイトマトパスタ スペイン だまされてマックーダ モロッコ カオソーイに恋して タイ 命がけの市場メシ タイ 草原のプリンス モンゴル 草原の教え モンゴル サンドイッチと夜明けのレアヒェ ドイツ プラハで楽しむ食堂グルメ チェコ アイバルのある生活 モンテネグロ クジラのツナサンド クロアチア 羊飼いの鍋 ハンガリー カレー革命 バングラデシュ バングラデシュ風どら焼き バングラデシュ 海辺の街を歩く ギリシャ オスマン帝国を食す トルコ バフティアリ族を訪ねて イラン 詩と哲学とフルーツ料理 イラン 番外編 モハメッド おわりに 【著者】 熊谷七恵 1999年北海道生まれ。歯科医師、写真家、文筆家。大学在学中に一年間の食を記録したフォトエッセイを制作したことをきっかけに、食べることの意味、その背景にあるものについて考えはじめる。現在は食を通して世界を知るおもしろさを探究しながら活動の場を広げている。現地のものは何でも食べるがお腹がよわい。気がつくとカレーを食べている。本書が初の著書。 -
博士が愛した論文2 自然科学系研究者19人が語る「偏愛論文」アンソロジー
各分野の最前線で活躍する19名の研究者たちが科学論文を読む面白さを語る、好評シリーズ待望の第2弾。 斬新な発想や大胆な手法に瞠目したもの、無駄なく美しくさえ感じる構成に痺れたもの、脇道に逸れたことで偶然出会ったもの、世界レベルの新たな挑戦の瞬間に立ち会えたもの──偏愛論文についての研究者たちの熱い語りを通じて、科学を支える柱としての論文の意義についても触れることができる。 国境を越えて、時空を越えて、論文は今日も科学を伝える。論文を書く人も、読む人も、論文を読んだことがない人も、科学を愛するすべての人に。 「私にとっての圧倒的なナンバーワン」 「強い論文は、声高に主張しない」 「論文を発表することは、かくも人生をかけた大仕事」 「デジタルデトックス的論文漁りの楽しみ」 「『世界にはこういう人たちがいる』という事実」 「本論文の素晴らしさは、結果ではなく、手段にある」 ――本文より 【目次】 はじめに 隠れ偽カマンベールチーズファンの信仰生活───加藤文元 東京タワーで物理談議───野村泰紀 量子コンピュータが「古典」を超えた日───藤井啓祐 狂っているのは、ボクか、世界か───川口慎介 手術の歴史を変えた外科医の大発見───山本健人 私の人生を変えた、美しい免疫学の論文───椛島健治 体外生命体から体を守る防衛隊 イルカ達の免疫機構を例に───田島木綿子 ヒトの脳はファンタジスタ集団?───林(高木)朗子 命の価値は───姫岡優介 カメムシ共生細菌カプセルの温故知新───深津武馬 波江元吉の「臺灣の黒肢猴」及びその次の論文───川田伸一郎 土星の環が教えてくれたこと───小久保英一郎 動物のこころの奥行きに魅せられて───瀧本(猪瀬)彩加 感情は本当に“円”で表せるのか 論文から学んだ、疑うことの面白さ───日永田智絵 「観測から構造を知る」ことの統一理論───今泉允聡 量質転化の法則───田口善弘 地球温暖化の証拠を世に出す───伊勢武史 膨らむ石、割れるマグマ───前野深 三角量子ビリヤードと悪魔点───全卓樹 -
いいこと考えた! 美女入門21
おしゃれも美食も美容も大好き。 楽しいことがいっぱい待っている。 母校の理事長に就任以来、 忙しさにさらに拍車がかかったマリコさん。 毎朝大学本部に通い会議と打ち合わせに没頭し、 夜は連日会食。週末もメンテナンスを欠かさない。 居職の常だったカジュアルから、あの手この手で ジャケット必須のオフィス・コーディネイトに切り替え、 おしゃれ度だってアップしそうではないか。 「理事長」マリコの身も心も充実の日々。 anan人気シリーズ文庫化。 ブラウス求めて八千歩/そのパーマ、女の決意!/推しデパートの来日 相撲とビールと若者男子/華麗なる披露宴/銀座のまん中で!? おもいでセルフメンテ/洋服レボリューション!/パーティーのテッパン フグの魔力/買物スイッチ、オン!?/ピカピカの秘訣……etc. -
人生は何歳からでも花開く 宇野千代の幸福語録
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 生涯現役を貫いた元祖・メンタル強者の115の流儀。●2026年後期NHK朝ドラ「ブラッサム」のモデル。●メンタル、仕事、美、健康、人づきあい、老いを整え、思い通りの人生をつかむ115の流儀。●【宇野千代マインド】で生きれば、悩みが消える!仕事も人間関係も驚くほどうまくいく!作家としての地位を確立し、日本初のファッション誌も大ヒット、着物のデザインなどでも活躍し、85歳で自伝的小説がミリオンセラーに。恋愛人として名を馳せ、98歳まで生きた元祖メンタル強者・宇野千代の幸福語録。メンタル、仕事、美、健康、人づきあい、老いを整え、太く長く真摯に生きたポジティブマインドを身に付ければ、生きる力が湧いてくる!読むだけで心が整う! -
秋山仁の人生方程式の解き方 夢さえあれば
派手なバンダナにレゲエファッション―― 「奇抜な数学者」として注目を集めた数学者・秋山仁。 その人生は、何歳になっても学び続け、夢を追い続ける力にあった。 読売新聞連載「時代の証言者」で綴られた秋山先生の人生は、学生の頃から現在に至るまで、数えきれないほど多くの生徒に数学の魅力を伝えるとともに、自らも新たな挑戦を続け成長する姿が描かれた。 才能がなくても「好きなこと」なら続けられる、笑顔で挑み続ければいつか極められる、その力で誰かを笑顔にできれば幸せな人生をつかめる。 かつて秋山氏の教えを受けた世代を中心に、「あの秋山先生が、また私たちに人生を指南してくれる」と読んで楽しめる一冊。 数学という大海原を漂流した秋山仁の80年の人生を追う。 <読売新聞連載「時代の証言者」を大幅加筆、待望の書籍化> -
言葉尻とらえ隊
「週刊文春」の人気連載コラムをまとめ読み 芸能人の結婚報道にサラッと何気ない顔で割り込んでくる「妊娠はしていない」のフレーズ、濁音が2つもあってパワフルすぎる「激太り」、どっちなんだかわからない「元・現役東大生タレント」の肩書き、叶姉妹のブログで見つけた「珍し超ハイグレード」という小学生ワード、テレビの流行に気に入らないことがあると出てくる「ナンシー関だったらどう論じただろう」の聞き飽き感……。 ニュースやCM、芸能人ブログやツイッターなどで見聞きした一言から、ペットボトルのラベルや魚肉ソーセージのパッケージに書かれた文字まで、日々の生活の中で目や耳にして妙にひっかかった言葉の数々。その言葉から漂う"モヤモヤとした違和感"の正体を、能町みね子が明らかに! ひとつの「言葉」につき約700文字の短さでズバッとロジカルにまとめた文章は、もはや名人芸。「思わず笑って膝を打つ」と大好評、「週刊文春」の人気連載コラムが文庫オリジナルで登場! -
余裕がない人
「週刊文春」人気連載のシリーズ第六弾! 余裕のない、いや~な時代の「言葉」たち。 いっしょに思い出してかみしめましょう! 石丸伸二、斎藤元彦、中居正広、参政党、オンカジ、「週刊新潮」の連載コラム問題、小学館「マンガワン」問題、総裁選などなど、世間を騒がせた幅広いトピックから聞き捨てならない「発言」を拾い上げ、独自の視点で深く考察した「週刊文春」人気連載「言葉尻とらえ隊」のオリジナル文庫第六弾! タイトルは選挙特番の出演者がパワハラ候補者を評した言葉より拝借。 *石丸伸二が選挙特番でカマした「前っ提のくだりが全く正しくないなと!」 *中居正広のお詫び文にあった「今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」 *農業を始めたローラの漢字の選び方が気になる「氣づいたの」 *2025年7月5日に大津波が来るという予言を信じた鈴木おさむの「たとえ騒動がデマでも、僕は東京を出るつもりだ」 *有料配信サービスを開始した松本人志の「プライベートな問題がまだ解けてないので」 *高市早苗が裏金問題などいろいろあった萩生田光一を紹介する際に使った「傷もの」 ……ほか、とらえた「言葉尻」約2年分を収録! 「2024言葉尻流行語大賞」、「2025名言・迷言ベスト10」、下調べなしで挑んだ大阪・関西万博ルポも掲載。 -
牙を研ぐ ゼロから必要とされる人材へ這い上がる「逆襲」の思考法
★遅咲きのプロ雀士は、なぜ何度でも立ち上がれるのか。★ ★くも膜下出血、セミファイナル敗退、契約満了――すべてを越えてきた男の不屈の精神と再起の物語。★ 浅井堂岐が、これまでの麻雀人生と、その時々に下してきた「選択」を初めて語る。 無名のプロからようやく掴み取ったMリーグという夢の舞台。 勝負の世界で味わった敗北と挫折。 突然襲った病と、麻雀が打てない日々。 セガサミーフェニックスとの契約満了によって失った居場所。 「俺たちのタカキ」は何を考え、何を捨て、どのように自分を変えてきたのか。 本書で描かれるのは、何者でもなかった時期にも、思うような結果が出ない時にも、居場所を失った時にも、自分にできることを積み重ねてきた、一人の麻雀プロの人生の記録。 なぜ負けても麻雀を続けられたのか。 なぜ逆境の中で、再び前を向けたのか。 そして、Mリーグを離れた今、何を目指すのか。 対局中の表情や一打の裏側を、余すところなく大公開。 撮り下ろしショットも多数掲載! まだ何者でもないときも、居場所を失ったときも。 選択次第で、人生は何度でも変えられる。 -
孤独はかけがえないディスコ
待望の初単著! 歌と言葉でひとびとを鼓舞し、ありのままを肯定するDIVA、ゆっきゅん。わたしだけの孤独や初めて明かす作詞術、上京の思い出まで。各誌寄稿の厳選エッセイに書き下ろしを多数収録。 ♡「あとがき」音声QRコードつき! ♡10月下旬、刊行記念イベント開催決定! \藤井隆氏、金原ひとみ氏、絶賛!/ 「勝手に思っていた「ゆっきゅん像」がかなり鮮やかに塗り替えられました」 ──藤井隆 「ゆっきゅんの友達みんなと友達になったしみんなと深夜のコンビニもカラオケも行った。そんな記憶が捏造されるくらいゆっきゅんに共鳴して憧れて、全部ひっくるめて孤独な自分をまるっと許された読書体験」 ──金原ひとみ ˗ˏˋ ✩ ˎˊ˗⊹˚.⋆ ゆっきゅんが言葉にすれば、 特別じゃなかったはずの見慣れた景色に、ミラーボールがまわり出す── ・ コンビニでライブをするなど煌びやかな世界と日常をユーモラスに接続し、ありのままの〈自分〉を手放さずに生きる強さと身軽さを感じさせるDIVA、ゆっきゅん。 「ユリイカ」「群像」「新潮」など各誌寄稿の厳選エッセイにくわえて、初めて明かされる書き下ろしを多数収録した待望の初単著、ついに刊行。 ♡目次 友達と、これから出会う友達に捧げる I どうでもいい道を堂々と歩く 孤独と自由 II 私は私のまま踊れるわ がんばりたい III DIVA ME、DIVA YOU 歌と詞と IV 思い出以外の話が出来るかな 故郷と私 V 東京だから大丈夫だ TOKYO VI つまんなかったよ 君と会うまで 友達たち VII 駅も道も信号も足りない チェーン店と旅情 ♡著者プロフィール ゆっきゅん 1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術専攻修了。2016年から2025年までアイドルユニット「電影と少年CQ」のメンバーとして活動。2021年よりセルフプロデュースでのソロ活動「DIVA Project」を始動。WEST.やでんぱ組.inc、バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIへの作詞提供、コラム執筆や映画批評、文化放送『武田砂鉄 ラジオマガジン』レギュラー出演など幅広く活躍中。アルバムに『DIVA YOU』『生まれ変わらないあなたを』がある。 カバーデザイン=佐藤亜沙美 カバー写真撮影=岡﨑果歩 -
定食大全
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 白飯×味噌汁×おかず=最強のしあわせ! 定食道の第一人者・今柊二が贈る 庶民派グルメガイドエッセイシリーズ決定版! 肉汁が溢れるハンバーグにサクサクに揚がったとんかつ 直球ストライクの「ラーメン+半炒飯セット」 丼からはみ出すほどの存在感抜群のちくわ天そば チキンライス、トンテキ、ナポリタン…昭和メシ 時代が変わっても、変わらず胃袋と心を温かく包み込んできた 安くて旨い「庶民の味方」を巡る、究極の食べ歩きエッセイ! 第1章◆わが心の新宿・渋谷・池袋 第2章◆気取らない、飾らない。だから毎日通いたい。素敵な東京の店 第3章◆日本縦断 定食ハシゴ旅! 第4章◆時代を超えて愛される 昭和100年記念“昭和メシ” 第5章◆ガツンとエネルギー補給!? 町中華バンザイ 第6章◆学生街の安うま定食を喰らい尽くせ♪ 第7章◆どこか温かい、昭和の匂いが残る商店街 第8章◆出汁の香りに吸い寄せられて 立ちそば屋と丼 第9章◆飛び出せ!世界の定食~アジア編~ 第10章◆朝から好きなものを好きなだけ! ビジホの朝ごはん [コラム]街歩きと読書 [コラム]年末都内放浪記 [コラム]ありがたい「日高屋」の中華そば [コラム]諸星大二郎と「新宿の目」 [コラム]タイ・バンコク「マックスバリューで晩ご飯」 [コラム]素晴らしかった「札幌センチュリーロイヤルホテル」 -
世界の路地裏を3000日間迷子になってたら すべての悩みがなくなった
【著書累計5万部超!! 話題の作家による最新作】 昨日の夕飯、思い出せますか? 休みの日なのに、予定をつめようとしすぎていませんか? 同じような日々の繰り返しに、飽き飽きしていませんか? 本作はそんな日常の「生活」に焦点をあて、 世界100ヵ国を巡り、絶景も、人々の等身大の生活も、まるっと見てきたKADさんだから語れる、 日々をありのままに楽しんでいる世界の風景と、ままならない生活を豊かに過ごすためのヒントがたくさん詰まっています。 ・トルコのローカルバスで巻き起こる奇跡のセッションに参加して、人間の根源にあるものに気付いた ・市場で堂々と売られている腐りかけのバナナが、「人生の正解」を教えてくれた ・卵焼きを焼いたら「平和を巻く神」と崇められた夜、幸せを再定義することになった 思わず笑えるのになぜか心に残る、KADさん流の人生哲学。 読み終わるころには、いつもの日常にトキメキがたくさん詰まっていたことに気づくこと、間違いなしの1冊!! -
猫のいる家にまだいたい
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ロングセラーの短歌エッセイ集、待望の第2弾 老猫と過ごす穏やかな時間、コロナ禍の不安、闘病を経ての別れ、ミルクから育てた子猫の成長記録、保護猫を送り出した後の嬉しさと寂しさが入り混じる気持ち――。猫歌人・仁尾智さんの初著書『猫のいる家に帰りたい』刊行から6年の間に起きたさまざまな出来事を短歌とエッセイで綴ります。仁尾さん撮影の写真も多数収録し、前作よりもいっそう深く、猫とともに生きてきた時間の重なりが感じられる一冊。人気イラストレーター・小泉さよさんの温もりあふれる色鉛筆画が、本書をやさしく彩ります。 ■プロフィール 仁尾 智(にお・さとる) 猫歌人。1999年に五行歌を作り始める。2004年「枡野浩一のかんたん短歌blog」と出会い、短歌を作り始める。猫たちと妻と同居中。『猫びより』にて「猫のいる家に帰りたい」、『ネコまる』にて「猫の短歌」を連載中。著書に『猫のいる家に帰りたい』『これから猫を飼う人に伝えたい11のこと』(辰巳出版)、『仁尾智猫短歌集 いまから猫のはなしをします』(エムディエヌコーポレーション)、『また猫と 猫の挽歌集』(雷鳥社)、『猫と写真と短歌と僕と』(ONDORI)。 小泉さよ(こいずみ・さよ) おもに猫を描くイラストレーター。東京芸術大学卒業、同大学院修了。著書に『猫ぱんち―二匹の猫との暮らし―』『和の暮らし』『さよなら、ちょうじろう。』(KKベストセラーズ)、『もっと猫と仲良くなろう!』『うちの猫を描こう!』(KADOKAWA)、『ねこの描き方れんしゅう帖』(日東書院本社)など。共著に『猫のいる家に帰りたい』『これから猫を飼う人に伝えいたい11のこと』(辰巳出版)など。その他、書籍や雑誌、文具等にイラスト掲載多数。個展等開催多数。 -
羽田美智子、素敵なおばさんやってます
2025年に始まったYouTube番組「羽田美智子のChange of Life」が大人気の女優・羽田美智子さんがエッセイを発売します! 今回は、番組で集まった皆さんのお悩みに多かった、【更年期】【結婚・離婚・再婚】【親の介護】【友達付き合い】【50代での仕事の向き合い方】【ここからの人生】などについて、羽田さんがこれまでのご自身で培ってきた経験をもとにやさしくお答えする形のエッセイです。 番組で話したことをもっと深堀りしてお答えしたり、番組では話していない本書だけのとっておきのエピソードも満載です。 いつもやさしく皆さんを癒してくれる羽田さんのお声がありありと浮かぶような内容になっています! ”素敵なおばさん”になった羽田さんを、ぜひお楽しみください♪ -
コロナ時代を生きた僕たちへ
青春と呼ぶにはあまりにも孤独な春だったーー 修学旅行、体育祭、部活動――。 2020年、すべてを諦めることが「正義」だったあの頃。 確かに存在していた学生の感情が、 今、言葉となって溢れ出す。 学生の視点からあの頃の激動を活写した、鮮烈なデビューエッセイ ◎目次◎ Ⅰ 2020 G線上のアリアは流れない/ 最も相応しい季節/ 京都行きの片道切符/ 灰色の日々を踠(もが)く/ 好きなことを好きなままでいるために/ それぞれの正義/ あの夏の日のバス停/ 選ばなかったことの蓄積/ 生と死の境界線/ 大人は判ってくれない/ 他者の中で生きる/ 暗闇で重なる背中/ 帰るべき場所 Ⅱ 2021-2025 初めての春/ 友人からの誘い/ 時代に取り残された者/ 誇りと責任の中で/ 焦燥に駆られる冬/ 歴史は繰り返さない/ 忘れられない言葉/ 二度と訪れない時間/ さようなら、京都/ コロナ時代を生きた僕たちへ ●本文紹介 青春と呼ぶにはあまりにも孤独な春だった。 時間は巡る。不遇を嘆いて怒りに任せた瞬間も、無力な自分のやるせなさに涙を涸らした瞬間も、やがて過去の記憶へと移り変わっていく。そのようにして乗り越えてきた経験がこれまでの人生にもいくつかあって、今の私を形作っている。 それでも、あの頃の出来事を過去として整理するには、まだもう少しだけ時間がかかりそうな気がする――。 二〇二〇年三月初旬、私は岡山に住む高校三年生であり、数日後に卒業式を控えていた。翌月には十八年間過ごした地元を離れ、新天地で一人暮らしを始めることになっていた。 長年同じ時間を過ごした家族との別れ、同じ志を抱いた新たな友人との出会い、いくつもの感情が交錯しながら忙しなく過ぎ去っていく日々の中にいた。 自分がどのような大人になるのか、頭の中であらゆる理想像を思い描いた。これまでの十八歳が経験してきたように、思春期とは一線を画した時代を経て、次第に大人への階段を登っていく未来を信じて疑わなかった。 しかし、現実は思い通りにはならなかった。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の始まりは、二〇一九年十二月、中国内陸部湖北省武漢で発生した原因不明のウイルス性肺炎が、翌年一月にWHOに新型コロナウイルスとして認定されたことに遡る。同月中旬には日本国内で初めての感染者が確認され、二月初旬にはクルーズ船﹁ダイヤモンド・プリンセス号﹂内で十人の感染者が確認されたことも記憶に新しい。 WHOは「国際的な緊急事態にはあたらない﹂という判断を下したが、感染の勢いは驚異的であり、同月下旬には世界全体での感染者が二千人に上った。 混乱状態に陥った国内では、マスクや消毒液の品薄状態が続き、やがて医療機関でも物資不足が相次いだ。翌月には国内初の死者が確認されるなど、新型コロナウイルス感染症の勢いはとどまるところを知らなかった。(略) そしてその魔の手は、当時高校三年生だった私を含めた全国の同世代の若者にも着実に忍び寄っていた。 二〇二〇年二月二十七日、当時の首相は全国すべての小中高に臨時休校の要請を出した。以降、入学式や卒業式、体育祭や文化祭、修学旅行といった学生生活を彩る催事は、必然的に延期や中止を強いられた。それは小学校でも、中学校でも、高校でも、大学でも、あるいは北海道でも、沖縄でも、首都圏でも、私の生まれ育った岡山の地でも同じことだった。 学生は若くて強く、明日を生きる活力に満ち溢れていた。だからこそ私たちは、あの暗闇の時代に互いに手を取り合いながら乗り越えることができた。 一方で、学生は若くて弱く、自分が自分であるために抵抗する術を持たなかった。 だからこそ私たちは、一方的に制限されていく目の前の光景をただ黙って眺めていることしかできなかった。……(「はじめに」より) -
私が四番目に愛する季節
『詩と散策』のハン・ジョンウォンが綴る八月 夏の陽射しを浴びた木の陰、夏の雨が澱んだ水たまり、沈黙に向かう鐘の音、など。過ぎていく夏を記憶し、鼻の先や耳元に残っている夏の形跡をたどる。 ナンダ出版社の詩のシリーズの一冊。ひとりの詩人がひと月を受け持ち、一日に一篇ずつ綴る。八月は『詩と散策』の著者であり詩人のハン・ジョンウォンが担当した。 --------------------- 夏は悲しみのようにひそやかに消えるのだと、エミリー・ディキンソンは書いた。 たしかに他の季節が終わるときとは違う。なぜ夏はとりわけ消えるのか。蒸発し揮発するのか。気体なのか。つかむことのできない何かなのか。どうにもならない愛のようなものなのか。 夏のように、悲しみも消えるだろうか。 悲しみも止むだろうか。 ――――「8月22日 止む」より 【目次】 作家の言葉 8月1日 エッセイ)鐘の音 8月2日 詩)夏のこと 8月3日 写真)夢のしっぽ 8月4日 エッセイ)ラクリモーサ 8月5日 詩)情死 8月6日 写真)言葉がなかったとき人々は石で気持ちを伝えたという 8月7日 エッセイ)少し愛する 8月8日 詩)秘密 8月9日 写真)夏の雨は眠りを誘う 8月10日 エッセイ)重たい喜び 8月11日 エッセイ)匂いの記憶 8月12日 詩)鼻歌 8月13日 写真)象のしわ 8月14日 エッセイ)解放 8月15日 エッセイ)雨の重さ 8月16日 詩)みそかづき 8月17日 写真)涙 8月18日 詩)白夜 8月19日 エッセイ)波がなければ 8月20日 詩)波 8月21日 写真)接触 8月22日 エッセイ)止む 8月23日 詩)蜂たちが戻ってくるのを待つ夕暮れ 8月24日 写真)くーーーーーーも 8月25日 エッセイ)定住 8月26日 詩)湖の名前には冠詞がつかない 8月27日 写真)消えた音 8月28日 エッセイ)山の音――夏にまた読む本 8月29日 詩)器 8月30日 写真)残っているもの 8月31日 エッセイ)夏は止まれ 訳者あとがき 【著者】 ハン・ジョンウォン 2020年『詩と散策』によりデビューし、旺盛な創作活動を始める。大学で詩と映画を学んだ。詩集『愛する少年が氷の下で暮らしているから』、訳書にマーガレット・アトウッドの『dearly』などがある。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、キム・ヨンス『夜は歌う』『七年の最後』(新泉社)、チョン・ジア『父の革命日誌』(河出書房新社)『資本主義の敵』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)、チェ・ウンミ『第九の波』(書肆侃侃房)、ハン・ジョンウォン『詩と散策』(同)、イ・ジェニ『夜明けと音楽』(同)など多数。 -
阿部和重覚書 1990年代-2020年代
沸騰寸前の言葉で崩壊寸前の世界に抗い続ける作家による、デビュー以来32年の思考の軌跡。映画・文学・漫画・音楽・アイドル等をめぐる全157篇を一冊に収めた空前絶後の決定版。 蓮實重彦、大江健三郎、ゴダール、あだち充、松浦亜弥、ヤンキー、ゾンビ…… 1994年の作家デビュー以来、新聞・週刊誌・文芸誌・ファッション誌・映画雑誌・パンフレット・文庫解説・ウェブマガジンなどの様々な媒体で書かれたエッセイ、評論、日記etc.157篇を一冊に収めた全724ページの決定版集成。 映画・文学・漫画・音楽・アイドル・事件報道など、多岐にわたるテーマで32年間にわたり書かれた言葉が、「真実」「情報」「物語」への信頼が揺らぐ今へ、理性の劇薬となって警鐘を鳴らす、空前絶後の〈一冊まるごと阿部和重〉。 -
猫がいるしあわせ~オイラとおまえの物語~
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気インスタグラマー駒猫さんが 保護猫の駒、わび助、べーちゃんとの日常を コミカルに綴ったイラスト漫画 『猫がいるしあわせ』は2018年に書籍化されて、 「anan」(2150号)「にゃんこ特集」猫マンガ大賞 おすすめのエッセイ5選にノミネートされました。 このお話は三匹と出会う前にさかのぼります。 車の事故に遭い、保護した野良猫。 ペットロスで苦しんでいたときに出会った一匹の猫。 愛猫を失って、もう動物を飼うことはないと思っていた駒猫さんの気持ちに 変化が起こるきっかけとなった2つの出会いを物語にしました。 もちろん、駒、わび助、べーちゃんの日常もフルカラー漫画で多数収録しています。 飼われている猫だけではなく、街中で何気なくすれ違う名前のない猫たちにも大切な日常がある。 そして、その姿から私たちは大切なことを教わっています。 -
不倫が好きな文豪たち 未読でも既読でも楽しめる日本文学入門
『源氏物語』、『赤と黒』、『アンナ・カレーニナ』etc. ベストセラーの鉄板ジャンルだが…… ブームの先駆者は三島由紀夫でなく大岡昇平だった! 日本文学を偏愛し、恋愛下手も自認する翻訳者が「不倫文学」から日本人の恋愛観、価値観の変化まで浮かび上がらせる。 文学は禁忌や背徳との格闘史だ! 日本で不倫文学がブームになるのは敗戦後のことだった。 それ以前、姦通罪があった時代に投じられた、実は挑戦作の近松門左衛門『堀川波鼓』、夏目漱石『それから』。 最初の不倫もののベストセラーとなった大岡昇平『武蔵野夫人』。国会質問で不道徳として俎上に載せられた谷崎潤一郎『鍵』。よろめきブームという社会現象を生んだ三島由紀夫『美徳のよろめき』。 更に不倫文学を世に知らしめた向田邦子、瀬戸内寂聴からは『阿修羅のごとく』と『田村俊子』。 そして、忘れてならない原点『神曲』と『源氏物語』。 未読でも既読でも楽しめる日本文学+α入門。 【目次】 はじめに めくるめく不倫ワールド プレリュード 地獄に落ちてもDESIRE ダンテ・アリギエーリ『神曲』 第一幕 古典的不倫マニュアル 光源氏とオンレジの片割れ 紫式部『源氏物語』 下級武士の悲鳴 近松門左衛門『堀川波鼓』 第二幕 文士たちの華麗なる姦通 近代精神の罠 夏目漱石『それから』 覗きの共犯者に仕立てられた読者 谷崎潤一郎『鍵』 第三幕 よろめきの誕生 欲望の資本主義 大岡昇平『武蔵野夫人』 ミシマ・ア・ラ・モード 三島由紀夫『美徳のよろめき』 第四幕 女が語る不倫の本音 不倫の本家 瀬戸内寂聴『田村俊子』 食べることと裏切ること 向田邦子『阿修羅のごとく』 おわりに あとがき 主な参考文献 -
佐々木希フォトエッセイ Natural
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「ここまで率直に自分のことを話したのは初めてです」 盛らない。飾らない。「ありのまま」の佐々木希を、写真と言葉で紡ぐ「20年に一度」の一冊。 「希望を持って生きてほしい」そんな願いを込め、父親から「希」と名づけられた佐々木希さん。生まれ持った容姿や能力に胡坐をかかず、地に足のついた覚悟のある生き方の背景には何があるのでしょうか。 中学生のときの初めての挫折やつらい現実、上京後の孤独や第二次反抗期。「芸能界は向いていない」と辞めようと思っていた時のこと。俳優という仕事へのやりがいと魅力、結婚と「人生でいちばん幸せ」を感じた出産。夫婦のこと、家族のこと。本書は、「ありのまま」の佐々木希を伝えるために、飾らず盛らず、幼少期からのプライベート写真や撮りおろし写真とともに綴った一冊です。 佐々木希が愛するレストラン全国74軒およびナチュラルワインのワイナリーも紹介! 【本書より】 母一人で家計を支えることになり、経済面での余裕は一切なくなりました。 冬の寒さが厳しい秋田では石油ストーブが欠かせないので灯油代は切り詰めることができず、電気代や食費でいかに節約するか。そんなふうに母が苦労している姿をずっと見ていて「迷惑をかけている場合じゃない。私も家族の一員として頑張らなきゃ」と思い、少しずつ自分にできることを考え留うようになりました。(第1章より) 人生で一番辛い出来事を経験し、家族みんなで少しずつ乗り越えてきたからこそ、きっと今の私のたくましさがあるんじゃないかなと思います。(第1章より) 「佐々木希」という存在は、自分一人で成り立っているものではない。事務所のスタッフさんはもちろん、現場でご一緒するすべての方に支えられているのだと、改めて実感していました。(第2章より) 結婚の翌年の2018年に第一子を出産。出産当日は、夫と母が立ち会い、幼なじみの直ちゃんも来てくれました。(中略)息子の元気な泣き声を聞いた時は、ようやく生まれてきてくれたんだと力が抜けたと同時に、今までに味わったことのない幸福感に包まれたのを覚えています。 人生でいちばん幸せだと感じた瞬間でした。(第3章より) 自分の人生だから自分で決めたい。 寂しい気持ちもあるけど、自分の決めた選択によって離れてしまう人がいるなら、それは仕方がないと思います(第3章より)。 -
怪奇の断片 怪奇探偵・小池壮彦ルポルタージュ傑作選
怪奇ルポの真骨頂、ここにあり! 怪異の裏側にある歴史の歪みや人間の情念を、冷静な筆致で炙り出すその手法は、今なおその輝き、不気味さを失ってはいない ――朝宮運河 フジテレビ系『奇跡体験! アンビリバボー』で「怪奇探偵」として登場し、のちにさまざまなルポルタージュを発表した小池壮彦。 その手法は、単なる心霊体験の聞き書きや、恐怖を煽るだけものとは一線を画す。公文書や新聞記事、現地取材に基づいた「実証的ルポルタージュ」にある。 怪異の裏側にある歴史の歪みや人間の情念を、冷静な筆致で炙り出すその手法は、現代の「考察系コンテンツ」の先駆者といっても過言ではない。 本書は小池氏の珠玉の評論、怪談、ルポルタージュをアンソロジスト・朝宮運河氏がセレクトし、編集した「小池壮彦ルポルタージュの傑作選」。 第一部 ルポルタージュ篇 警察庁広域重要指定117号事件と「心霊ドライブコース」 国道一五◯号線大崩海岸の美少女幽霊 自衛隊霞ヶ浦駐屯地ですすり泣く女幽霊の身元 怪奇名所「おいらん淵」、四◯◯年目の真実 東海道新幹線坂野坂トンネルの幽霊の正体……ほか 第二部 評論篇 英国スピリチュアリズム逍遥/死霊の物語の発生 霊写真の怪談/夜津屋怪談霜夜星/化け猫騒動に就いての話 怪談史の課題/戦後・怪奇譚のルーツを探せ! 第三部 綺譚篇 リナリアの咲く川のほとりで/辻堂海岸綺譚/春紫苑の憂鬱 -
老いるショック大賞
「それではみなさまの『老いるショック』報告見てまいりましょう!」 高齢者DJ・みうらじゅんが深夜放送ラジオのノリで贈る、 「老い」が力に変わる一冊! 読み上げるのは、自らの老いにショックを受けた投稿者たちの「老いるショック」。「道で挨拶をしてきた相手の名前が出てこない」もの忘れ、「これまで当たり前にできたことができない」スタンダードな「老いるショック」から、「探していたものが何故か冷蔵庫から出てくる」、「耳毛が伸びるのがはやくなる」、「左右違う靴を履いていた」、「痛みを感じたのが二日後」等のバラエティに富んだ「老いるショック」の数々。 「老いは誰しもが迎えるもの。それはどう考えてもしょーがないことですよね。 しょーがないことには、しょーもないことをぶつける。それが、老いるショックのモットーなんです。 「老い~~るショック!!」 と、口に出されるとより効果的ですよ。」 (本書前書き「老いるショックがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」より) そこに「あるある」「わかる」と共感の声続々。 老いと人生を楽しむための一冊。 「通販生活」『月刊益軒さん』長期人気連載、待望の単行本化! (本文イラスト・オギリマサホ) -
新装版 青春 この狂気するもの
なぜ彼は、今も闘い続けるのか? 1966年、カメラとマイクを武器に、 時代に殴り込んだ若き日の田原総一朗。 35歳で世に問うた初の単著、待望の復刊! 「ゆきゆきて、神軍」の原一男監督との対談を収録。 田原総一朗の原点は、1960年代~1970年代、「東京12チャンネル」(現・テレビ東京)でディレクターとして格闘した日々にある。 高度経済成長と学生運動が激突し、「時代の狂気」が渦巻いていた当時、田原はタブーを恐れず、テレビの限界に挑み続けた。 「狂気」への執着、命がけで相手と対峙する姿勢、そして何ものにも媚びない獰猛な生命力――。そこには、半世紀以上を経た今なお変わらない、田原の原型がある。 35歳の田原総一朗は、何を見つめ、何と闘っていたのか。 その剥き出しの精神は、今も消えることなく彼を突き動かしている。本書は、その原点を刻んだ一冊である。 「わたしがこの本をまとめようとしたのは、書くことで一度、〈映像化〉ということをつっぱなし、のめり込みすぎて見逃したり、あるいは故意に目をそらしたりしてきた事柄をできるかぎり執拗に見つめ直し、わたし自身を問い直し、再び歩き出すための起爆剤にしたいと考えたからである」(「おわりに」より) -
書くとは何か
これは、書くことについて書く本だ。 誌面で名前を見ない日はない、今もっとも締め切りに追われているライターが、日々考えていること、いないこと。 「共感する言葉」や「バズる技術」が求められる時代に、逆風満帆で書きつづけてきた砂鉄流・文章術。 ・ハウ・ツーからいかに逃れるか ・書き方は誰かに教わるものじゃない ・「嘘のない文章」は存在するのか ・自意識は過剰ではいけないのか ・書く仕事は特別ではない ・屁理屈を重視してまいりたい …and more! 【目次】 まえがき/ずっと書いてきた/まだ始まらない/せんせいあのね/しっくりくる/無理している/確定!/オファーが来ない/ハウ・ツー/前提/素直/しつこい/誰なんだ/本当のこと/綺麗事/明日はどうなる/俯瞰/自分を表現する/実務/肯定される/ということで/やらされる/そこまで考えてなかった/文章警護/文章のクセ/調子は狂う/ブレーカーが落ちる/十六茶/好かれる人/あとがき 【装幀】 鈴木成一デザイン室 -
本音を言えば、友だちになりたいです ふたりのための往復書簡
集団や連帯が苦手なふたりが、毎回一冊の本を手がかりに、女性として直面する課題や痛みを本音で語り合いながら、唯一無二の「友だち」になっていく――魂の往復書簡。 《ふたりの人間が「言葉を交わす」ということにとことん真剣に向き合う。楽しくて、ややこしくて、スリリング!》――王谷晶 《心の一番深い気持ちをさらけ出しあって、剛速球で愛を投げつけ合っているような往復書簡。一気読みは危険です、発熱します。》――たられば 【目次より】 1 主体的に働いていても搾取されている? 2 生まれてよかったか?なんて言われても 3 あなたは愛が広すぎるのではないだろうか? 4 「ひとり」って結局なんなん? 5 差別のこと、いまんとこ、どうしていくつもりでいるの? 6 性欲を暴力だと感じることはある? 7 ウルフは「わたしたち」に言っているんだよね? 8 私が女であることを、いちばんにあなたが見逃してなどくれないじゃない 「向坂さんと最初に会ったのが三年前で、書簡を初めて書いたのが二年前。読書会を通してめいっぱい語り合い、書簡を書き終えるまでに注ぎ込まれた時間は相当のものだったし、周りにいる親密な関係を持った誰よりも、向坂さんとは連絡を取り合っていた気がする。その厚みのあるひとときのなかで、わたしたちはいつも、あまりにも大切なことなのに見過ごされ、軽視され、あたかもなかったかのように土を被せられ踏み固められてしまっていたような事柄を、一緒に目を輝かせながら見つけ出すことに躍起となったり、その際に全身が土埃まみれになったことにときめいたり、そもそも掘り起こす場所を間違えてお互い白けたりもした。……」――紗倉まな(本書より) -
熱狂きのこピープル ~森の精に憑かれたシェフとフリークス~
キノコに人生を捧げた愛しき人々の物語。 東京・恵比寿に「マッシュルーム」という老舗のフレンチレストランがある。 ここは知る人ぞ知るキノコ好きの聖地だ。 オーナーシェフ・山岡昌治が作る絶品のキノコ料理を目当てに、 世界中からキノコ好きが訪れる。 山岡はフランスでの修業時代に様々な美味なる天然キノコと出会い、 すっかりその魅力に取り憑かれてきた。 「マッシュルーム」は決してキノコ料理専門店というわけではないが、 訪れる客たちもまた、キノコに憑かれた者ばかりが訪れる。 キノコ同好者、栽培生産者、菌学者、料理人、キノコ図鑑の写真家、キノコ採り名人。 魚や肉に一切見向きもせず、ひたすらキノコだけをオーダーし続ける強者もいる。 ときには自分で採ったキノコをいきなり送りつけてくる者、 直接持参してくる少し面倒な輩も吸い寄せられたりする。 あらゆるキノコ好きが「マッシュルーム」を目指してやってくるのだ。 人々はなぜ、これほどまでキノコに魅せられるのか。 恵比寿「マッシュルーム」を舞台に、 キノコに人生を捧げた愛しき人々の物語が、今始まる。 ※この作品はカラーが含まれます。 -
モード後の世界(文庫版)
ファッションの方向性を決めるのは、 流行そのものではなく、社会潮流である――。 日本を代表するセレクトショップ、UNITED ARROWSの創業者の一人であり、長年にわたりクリエイティブディレクションを担ってきた日本ファッション界の最重要人物、栗野宏文。彼が、自らの仕事と経験を振り返りながら、装うことの意味を世に問うた『モード後の世界』刊行から6年。 その間に世界は大きく変わった。 新型コロナウイルスによるパンデミックと、その後の社会。 戦争と分断の深刻化。 SNSとインフルエンサーの影響力の拡大。 サステナビリティやダイバーシティをめぐる意識の変化。 そして、かつて「モード」や「トレンド」が持っていた力そのものも、大きく変容している。 2020年の刊行時にはまだ見えていなかった現象を前に、著者自身の経験と思索もまた深まったという。 本書は文庫化ではあるが、単なる時制の修正にとどまらない。新章「SIX YEARS」を収録するとともに、本文にも大幅な加筆・修正を施した「アップデート」版である。 「服を買わない時代」に、洋服屋は何を提供できるのか。 「モード」が終わったあとに、何が生まれるのか。 そして、変わり続ける世界の中で、ファッションには何ができるのか。 ファッション近代史をひもときながら、日本のファッションの特異性と面白さを考え、ビジネス、社会、文化、そして人間の生き方へと視野を広げていく。 世界がどれほど変わっても、変わらず問い続けることがある。 なぜなら、着ることは人間の尊厳にかかわることだから。 着ることは、生きることだから。 ファッションとは文化であり、 ビジネスであり、 生きることである。 -
宇野千代しあわせ箴言集 「いつだって、ごきげん」(きずな出版) 人生は何度でも咲けばいい!
作家・宇野千代先生の言葉を「しあわせ」「おしゃれ」「仕事」「人づきあい」「人生」の5つのテーマから編んだ箴言集です。何度つまずいても気持ちを立て直し、自分の人生を自分で切り拓いてきた宇野千代先生。その言葉には、迷いや不安を抱えながらも、今日を明るく生きるための知恵があります。いくつになってもきれいでいたい。人に振り回されず、自分らしくありたい。これからの人生を、もっと前向きに愉しみたい。そんな思いを持つ方にこそ届けたい一冊です。「いつだって、ごきげん」とは、無理に明るくふるまうことではありません。それは、どんな日々の中にも愉しみを見つけ、自分の心を自分で整えていくこと。人生は何度でも咲けばいい! 宇野千代先生の率直で快活な言葉が、これからの日々を軽やかにしてくれます。 -
私の幸福論 宇野千代人生座談
四度の離婚、二度の破産、大病・・・・・・。波乱に満ちた人生にあっても、自分を不幸だと思ったことは一度もない。なぜなら、人は心の持ちようで誰でも幸福になれるから。他人から見たら悲惨な境遇に見えても、幸せはどこにでもあり、どんなところからでも探し出せる。そして幸福は幸福を呼び、その幸せは伝染する。人間には無限の能力があるけれども、それは天与のものではなく自分でつくるもの。仕事とは毎日毎日続けることが大事。そしておしゃれ上手は生き方上手、美人になるかならないかはあなた次第! 女性は全生涯が結婚適齢期・・・・・・など、95歳の宇野千代が綴った幸福論の集大成! -
私の作ったお惣菜
若い頃、お弁当屋さんをやりたかったほどの料理好きだった宇野千代が愛した家庭料理を、人生の思い出とともに紹介。故郷・山口県岩国の何段にも具を重ねた豪華な「岩国鮨」や、鶏肉と野菜たっぷりの「大平」など、母の思い出と共に語られる郷土料理の数々は、読む者の五感を刺激すること間違いなし。「旨い上にも旨く」という飽くなき探究心で、既存の形式にとらわれない自由な創意工夫をする宇野千代流の極意、さらに料理にまつわる家族や友人との温かなエピソードを織り交ぜ、豊富な写真とともに綴る、レシピ集でありながら自伝的エッセイとしても読める一冊! -
残っている話
82歳を迎えて、自らの死について考え始めた著者。恐れているのは死そのものではなく、死に至るまでの苦痛。祖母が100歳を超えて自然に息を引き取った姿を理想とし、自身も静かな最期を迎えたいと願う。その一方で、これまでの人生を振り返り、自分は恋愛において相手を愛していたのではなく、「愛する自分」を愛していたのではないかという、野上弥生子の指摘が胸に残っている。そして、自身の人生を彩った尾崎士郎、梶井基次郎、東郷青児、北原武夫等との思い出を振り返る。さらに、自身のルーツを辿る旅、生涯に13軒もの家を建て、80歳を過ぎても衰えない建築熱についても綴る。一人の女性の生涯が浮き彫りになる自伝的回想録。 -
1日を72時間で生きる
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「あなたの1日は、何時間や?」 時間は、増やせる。 65年間、職人を育て続けた男が明かす“時間の密度”の秘密 情報は増えた。効率も上がった。なのに、手ごたえがない——。 65年以上、木と人間に向き合い続けた家具職人・秋山利輝は、その正体を一言で言い切ります。「それは、“頭だけで生きている”状態です」と。 本書のはじまりは、工房を訪ねてきた編集者への問いかけでした。「あなたの1日は、何時間や?」——戸惑う大人の横で、16歳の丁稚は1秒も迷わず「48時間です」と即答した。なぜ少年が答えられ、大人が答えられなかったのか。 ● 頭で生きる人の1日は24時間——評価・比較・効率。時間だけが過ぎていく ● 身体で生きる人の1日は48時間——手ごたえ、疲労、集中、反復がある ● 感性で生きる人の1日は72時間——場の空気、沈黙、気配、流れ、兆しを受け取る 同じ24時間でも、人によって1日の“密度”は、まったく違う。アインシュタインの相対性理論、日本古来の「中今」、スポーツ選手の「ゾーン」、職人が木と向き合う「没入」——著者はそのすべてが同じひとつのことを指すと語ります。 しかも本書は精神論ではありません。72時間へ近づくために今日から始められることは、驚くほど地味です。手を使うこと。繰り返すこと。完了させること。今夜の疲れを感じること。第5章では、丁稚たちが8年間で1万回以上唱和する門外不出の「職人心得三十箇条」全文を公開。挨拶、返事、掃除、道具、身だしなみ——技術のことはひとつも書かれていません。才能を要する条文が、ひとつもないからです。 AIがあらゆる答えを返す時代に、人間に残るものは何か。木と人間に人生を捧げた職人からの、次の世代への手紙です。 【目次より】 はじめに ずっと若者たちに伝えたかったこと 第1章 「君は、1日何時間や?」 問いが人を変える 第2章 時間は身体から生まれる なぜ、私は時間を“見抜ける”のか 第3章 48時間の人間とは何者か 身体が時間を生み始める段階 第4章 72時間は“狙うと消える” 感性が立体化したとき、時間は増える 第5章 「職人心得三十箇条」は、なぜ効くのか 才能は一切いらない 最終章 美しき国、日本の未来へ 職人の感性が、この国を救う 原稿を書き終えて 次の世代への手紙 -
日々のお星さま。
忘れていた「あの瞬間」がきらきら光る日記エッセイ 〈パンサー・向井慧さん推薦!〉 誰もが通り過ぎた「あの日」を思い出す、日記から生まれたエッセイ集 ***** なんでもない日々の積み重ねの中で、一日一日を生きている私たちにとって、毎日はささやかな粒のようなもの。だけど、それでも振り返ってみればやっぱり捨てたもんじゃなくて、「この日があったから、いまがある」と思える。そんな通り過ぎてしまった日々から、小さくきらりと光る「星屑」をいくつも見つけ出して、さまざまな過去の出来事と今を繋いだエッセイ集。 ■パンサー向井慧さんコメント この本のお陰であの人と最後に食べたアイスの味を思い出した。 この本のせいであの日の夕色を思い出した。あぁ読んで良かった。 ***** 忘れられないお正月、遠い夏の日の電話、旅で見つけた黄色く光る本屋さん……。忘れていた日々のちっぽけな欠片が繋がって、わたしたちの人生は星のように瞬き始める。 「ほぼ日」での人気連載を大幅加筆し、書き下ろし作品を加えて、16のエッセイを収録。読めばきっと、忘れていた「あの日」が色鮮やかによみがえってきます。 カバーイラストは中前さんがかねてから憧れていたイラストレーターの及川賢治さん(100%ORANGE)が担当。真っ暗い夜の中で、小さな小さな光を放つ「星屑」を見つけながら歩みを進める少女が目印の一冊です。 -
繰り返すことの民俗学
民俗学にとって「日常」とは何か? 民俗学者は日々何をしているのか? いざ、切実だけど謎に満ちた日常へ! ><><><><><><><><><>< 数年数十年のスパンで耕作地を移動させてきた、焼畑の民たちへの抑圧。「津波常習地」を生きる人々の弔いや忘却のリズム。伝統的な民俗学が想定してきた「人の一生」には則さない、クィアな人々の記録されない日常。「繰り返し」にとらわれる強迫症患者が日々味わう幸福と災厄、その観念…… 〈民俗学はよく「私たちの日常から問いを立てる学問である」と説明されます。(中略)ただ、お正月のお雑煮やお餅についてフィールドワークをしたり考えたりするだけで、本当の意味で日常と研究をつなげていることになるのでしょうか。むしろ、扱うテーマがあまりに日常的なあまり、本当の意味で自身の日常と研究をつなげることに、民俗学者たちはかえって無頓着になりがちなのではないでしょうか。〉(「はじめに」より) 本書では、4つのフィールドを「民俗学的想像力」によってつなぎ合わせながら、当たり前に異なる私たちの多様な日常について考えていく。「現代民俗学」と「日常論」の新たな可能性を探る冒険の書にして、著者初の単著! ●こんな方にもおすすめ ・知らない誰かの旅行記や日記を読むのが好き ・研究者の日常やエスノグラフィに関心がある ・身近な日常を問い直す人文書に関心がある -
宇野千代
代表作『おはん』で知られる作家の宇野千代は、山口の岩国出身。「やりたいことは全部やりたい」そんな好奇心と行動力に溢れ、愛する人を追って上京後、「小説は儲かる」とさまざまな懸賞小説に応募し、名だたる文豪らと交流を交わしては小説家としての地位を築き上げていった。また、小説だけでなく、ファッション好きが高じて当時では珍しいファッション雑誌を編集し、晩年には着物のデザインをするなど、自分の興味・関心を突き進んだ。 その行動力は仕事だけでなく、恋愛に対しても同じ。結婚した尾崎士郎や北原武夫らだけでなく、彼女の傍にはいつも恋の気配があった。「恋をしなさい」は宇野千代がよく言う言葉で、文字通り彼女の人生を表している。何歳になっても情熱を失うことなく、常識にとらわれることなく、自分が信じた道をいく。それこそが宇野千代の人生哲学なのかもしれない。 本書の著者は青山誠。フィールドワークを大切にし、岩国だけでなく、大森の馬込文士村、湯島天神裏、本郷菊坂界隈、旧駕籠町や小石川林町など、宇野千代の足跡をたどりながら歩き回った。 圧倒的なフィールドワークと膨大な資料をもとに書き上げた本書を、ぜひお読みください。 -
ハライチのターン!公式 10周年記念本
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『ハライチのターン!』10周年記念、初の公式BOOK! ラジオで流れた10年を、本で残そう。 2016年に放送を開始したTBSラジオ『ハライチのターン!』。 岩井勇気と澤部佑が、ネコちゃんニュースから論争まで、毎週しゃべり続けて10年が経ちました。 本書では、500回を超える放送の中から傑作トークを厳選して収録。 さらに、これまで生まれては消えていった150の歴代コーナー、生誕祭、聖地認定日本地図、ハライチお気に入りのネコちゃんニュース、アフタートーク神回3選など、『ターン!』らしさが詰まったページをたっぷり収録しています。 そして、岩井勇気・澤部佑それぞれのロングインタビューに加え、番組を10年間支えてきた制作陣による舞台裏トークも。 二人の生活も仕事も大きく変わった10年間、それでも変わらず続いてきた『ハライチのターン!』を振り返ります。 ずっと聴いてきたリスナーにも、最近聴き始めたリスナーにも。 『ハライチのターン!』の10年を、ぎゅっと詰め込んだ一冊です。 <内容紹介> 500回を超える放送の中から、忘れられない傑作トークを一冊に! さらに、 ● 岩井勇気・澤部佑 ロングインタビュー ● 10年間の番組年表 ● 生まれては消えていった歴代コーナー ● 思い出の品で振り返る『ハライチのターン!』 ● 神ネコちゃんニュース ● 聖地認定日本地図 ● 制作陣が語る番組の舞台裏 ● アフタートーク神回3選 ● 番組ゆかりのあの人にインタビュー&お祝いメッセージ など、ここでしか読めない企画を多数収録。 あの話も、あのコーナーも、あの論争も。 『ハライチのターン!』の10年間を、まるごと楽しむ保存版です。 ★ぜひご予約してお待ちください!★ -
食べるたのしみ
人生には二つのたのしみがある。 一つは食べること、もう一つはおいしいものをこしらえること―― 通いつめた神戸の市場、奄美の豪快な豚料理、夏のスダチ酒とぬか漬け、なんといっても大阪のうどん……。 つくるのも食べるのも大好きな著者の、食にまつわるエッセイを精選。 「献立メモと買い物の記録」「おもてなし日記」も初収録。 Ⅰ 台所と女性/おにぎりと私/蜜柑の思い出/イチジクとうどん/すぎにし方恋しきもの/春の菓子さまざま/大阪のおかず/夏の食卓の楽しみ/思いがけぬ美味/たべる/ラーメン煮えたもご存じない/のこりもの/わたしの朝食/食事憲法/松茸の風流/とりこみ主義/「梅干し」と私/春野菜/過ぎた小さなことども/神戸 * 献立メモと買物の記録 Ⅱ 食べるたのしみ/駅 弁/ニューヨークのマグロ/中国式朝食/茫然台湾/むき身すり鉢一ぱい五文/手料理/大阪・私の好きな店/てっちりオバン/てっちりパーティ/大阪のうどん/食卓の光景/永遠の美女/トトト……/田舎の風流/オトナの酒 * おもてなし日記 〈解説〉山脇りこ
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