小説 - セール作品一覧

  • 幻国の菓子使い
    値引きあり
    2.0
     突如、異世界へ迷い込んだ和菓子職人見習いの杏。スニファ王国の騎士・スピカに不法入国者として拘束された杏は、この世界の理を教わる。  ここでは年に一度、各国が魔女に菓子を捧げる祭典があること。祭典で魔女を満足させられなかった国は、国土が消滅してしまうこと。そして、魔女の特徴は黒髪黒目――奇しくも杏と同じことを。  祭典を控え緊張走るスニファ王国で、杏は様々な陰謀に巻き込まれていき……。やがて、魔女の脅威に揺らぐ世界の衝撃の真実が明かされる。  和菓子職人見習いが、魔女から国を救う!? 珠玉の異世界ファンタジー! 【佐倉 杏(さくら あん)】 老舗和菓子店『佐倉』の一人娘だったが、両親の死をきっかけに家を追い出された。ある日突如異世界へ迷い込んでしまい……。 【スピカ】 スニファ王国騎士団団長。第一王子シリウスに忠誠を誓い、付き従う。優秀だが、“黒髪”持ちのため周囲から敬遠されている。 【魔女】 強大な魔力を持ち、人々から恐れられる者。皆“黒髪黒目”を持ち、奇しくもその特徴は杏にも当てはまり――。
  • クソみたいな理由で無人島に遭難したら人生が変わった件
    値引きあり
    2.0
    ワケあって、無人島生活、始まる!?  会社員をしながらネット上に漫画を投稿する保木健人は、取材旅行と称して沖縄にやってきた。さっそく海で“取材”を楽しむ保木だが、海中で意識を失ってしまい、気がつけばそこは……無人島だった!  島には売れない元ホスト、底辺ユーチューバー、パパ活ギャル等々、個性的な男女6人が同じように流されていた。灼熱の暑さの中、水もない現状に7人は血みどろの争いを始める、かと思いきや。 「俺たち、結構運がいいんじゃね?」と、皆でサバイバル生活を楽しみはじめ――。  釣りに火おこし、芋掘りに船造り!? 都会では味わえない、笑って泣ける無人島脱出物語!
  • あやしい彼女
    値引きあり
    2.0
    73歳毒舌老婆が、ある日突然20歳に!?  瀬山カツ73歳は、街を歩けば毒舌をはき、トラブルばかり引き起こす厄介者。ある日、娘の幸恵と大喧嘩をして家を飛び出したカツは、見覚えのない写真館にたどり着きます。店先に飾られた憧れのオードリー・ヘップバーンの写真に魅せられ、写真を撮って店を出ると、なぜか心はそのまま、容姿だけが20歳の頃の自分に。  地元に戻っても、もちろん誰もカツだと気づきません。戦中をひとり生き抜き、結婚後は早くに夫を亡くし、女手一つで身体の弱い娘を育ててきたカツ。おしゃれも遊びも我慢して生きてきたカツが初めて手にした「自由」でした。 髪型も洋服も靴も名前も変えて新しい人生を楽しむことにしたカツでしたが、自由になって思うのは娘と孫のことばかり。そして、娘の幸恵もまた母の不在に、これまでの母の深い愛を改めて認識するのでした。  そんな中、カツは街ののど自慢大会に飛び入り参加し、自慢の歌を披露。それがイケメン音楽プロデューサーの目にとまり、歌手デビューのチャンスが巡ってきます。孫の翼のバンドでボーカルを担当するカツ。ところが、デビューがかかった音楽フェスティバルの当日、一緒に舞台に立つはずの翼が事故に遭って……。果たしてカツが孫のために選んだ道とは?
  • バタフライ・エフェクト
    値引きあり
    2.0
    北欧ミステリの女王が描く濃密な人間ドラマ。 不治の病に罹り、夫と別れて死を待つ日々を送る五十代の女性ボーディル。法律家としてキャリアを積みながら、心理カウンセラーに依存する三十歳、独身の娘ヴィクトリア。良き父良き夫であり、建築家としても成功を手にしていたアンドレアス。小さな出来事がやがて大きな波となり、それぞれの人生の歯車を狂わせていく……。  北欧ミステリの女王が人生の皮肉とやるせなさ、絶望、そしてほのかな希望を描く、濃密な人間ドラマ。
  • マザー
    値引きあり
    2.0
    漫画家・楳図かずお初監督作品のノベライズ。  漫画家・楳図かずおのもとに、出版社から彼の生い立ちを本にしたいという企画が持ち込まれる。上司の編集長に連れられてやってきた担当編集者の若草さくらは、かねてから楳図かずおの大ファンで、この企画は彼女自身が熱望するものでもあった。さくらは取材で楳図から話を聞くうちに、楳図かずおの創作の原点にはすでに亡くなっている彼の母・イチエの存在が大きく影を落としていることに気づく。彼の生まれ故郷を訪ね、さらに詳しく楳図の生い立ちを調べるさくらだったが、彼女のまわりで次々と怪異現象が起こる。そして、楳図の母・イチエの葬式の参列者の写真の中に、イチエ自身の姿が写っていることを発見する。楳図の母にまつわる恐ろしい事実、そして死んだはずの彼女の怨念が底知れない恐怖を巻き起こすのだった……。  恐怖漫画の巨匠・楳図かずお氏が77歳にして初めて監督した話題の映画を完全ノベライズ。主人公は「楳図かずお」自身。彼と彼の母をめぐる物語が、すさまじい戦慄と恐怖を巻き起こしながら、胸に迫るせつない結末へと導いてく。
  • さわらないで
    値引きあり
    2.0
    夫・夏彦の浮気が原因で、5年の結婚生活に終止符を打った恵子。再就職先を捜し始めた矢先、夏彦の母・妙子が一緒に暮らそうと押しかけてきた。元義母に義理はない。恵子は拒否したが、その時、彼女は驚くべき脅迫の言葉を吐いた。「あなたの秘密を知っているのよ」…なぜあのことを?ストーカーと化した元姑。恐怖の共同生活の行く末に待つ殺意とは…!?心理サスペンスの傑作。

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  • 十津川警部 哀しみの余部鉄橋
    値引きあり
    2.0
    ベストセラー街道を疾走し続ける “西村京太郎トラベルミステリー”。丸ごと1冊十津川警部シリーズの魅力満載―。 新宿のクラブホステスが絞殺された。捜査線上に浮かんだのは、なんと新宿署の警部だった。それも十津川警部の同期……。虚飾の街に絡めとられた男の行末を描く表題作「哀しみの余部鉄橋」をはじめとして「十津川、民謡を唄う」「北の空 悲しみの唄」「北への殺人ルート」の4作を収録。“人生は愛と友情と裏切りだ”。行間から哀感にじみ出る西村ミステリーの真骨頂がここにある。

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  • 十津川警部 十津川村 天誅殺人事件
    値引きあり
    1.5
    十津川警部、ついに十津川村に立つ。 財団法人〈日本の自然と伝統を守る会〉理事長が十津川と名乗る男に殺された。現場に残された血書“義によって天誅を下すものなり”。自らの名を騙られた十津川警部は驚き戸惑いながらも捜査に乗り出す。その命名の由来となった奈良県十津川村、世界遺産に登録され脚光をあびる日本一広い村に足を踏み入れた十津川の前に次々と起きる殺人事件。その背景に、維新以来、歴史の闇に翻弄され続けた十津川村の存在が浮かび上がってくる。  全国津々浦々を駆け巡り事件を解決してきた名警部十津川シリーズにあって初の十津川村捜査行に拍車がかかる。

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  • 突然ですが、明日結婚します
    値引きあり
    1.0
    人気コミック原作の恋愛ドラマを小説に! 大手銀行に勤める高梨あすかは仕事ができる女。しかしその夢は、結婚して「専業主婦」になること。5年付き合った彼氏からのプロボース待ちだったのに、あっけなくフラれてしまう。落ち込む時間を惜しむように、新たな婚活を始めるが……。そんな折、あすかは、人気アナウンサーの名波竜と出会う。イケメンで優秀な上に、とにかく人気者。しかし彼は、「絶対に結婚したくない男」だった。結婚に対する価値観が全く合わない二人は、それでも知れば知るほど強烈に惹かれ合ってしまう。やがて、元恋人や新たな異性の登場で、二人の状況はより複雑さを増していくことに――。宮園いづみの人気コミックを原作に、最旬のラブストーリーとして話題のテレビドラマを小説化。様々な登場人物たちが、互いの「恋愛観」「結婚観」「人生観」をぶつけ合い、リアルな恋愛模様を繰り広げる。果たして、あすかと名波の恋のゆくえは? 価値観の着地点はいかに!?
  • カーターフック屋敷へようこそ
    値引きあり
    1.0
    大ベストセラー『ゴーン・ガール』の著者、待望の最新作。不気味な屋敷を舞台に悪魔のような少年を描くサイコ・スリラー。 アメリカで大ヒットし、映画化もされ世界的ベストセラーとなった『ゴーン・ガール』の著者による、待望の最新作。「ハンドサービス風俗嬢」兼「イカサマ占い師」の“わたし”を尋ねてきたのは、15歳の継子との関係に悩む裕福な主婦スーザン。彼女をいいカモと見なした“わたし”は、家の“浄化”を申し出る。しかしスーザンの家を訪れた“わたし”は、その異様な雰囲気と、継子マイルズの不気味さに何かを感じるようになり……。少年は悪魔か、それともただのペテン師か?全米が震えた衝撃のサイコ・スリラー。
  • 禁断の宴
    値引きあり
    1.0
    「この部屋に住んでみる気持ちはない?」素敵な老紳士からの招待をうけた私は、脇の下とアソコを剃毛され、彼のペットに。体の奥の深いところから甘美な疼きが湧き上がり、それが腰を締めつけたかと思うと、体全体にさざ波のようにひろがっていきます……。心と体が触れ合うエロティシズムの極致、痺れる10篇。
  • オフィス街のエロス
    値引きあり
    1.0
    危険なオフィス・ラブにのめり込む総合商社のエリート課長が、殺人事件の謎を解く。部下の問題児は、次期社長と目される重役の御曹子で、父親に負けまいと業績を上げようと怪しい動きを見せている。社内恋愛で入手できる裏情報を基に、モテモテ課長が大がかりな密輸を暴く、痛快セクシャル・ミステリー。
  • 十津川警部 南紀・陽光の下の死者
    値引きあり
    -
    十津川警部、新たな事件のため南紀白浜へ 東京池袋署の刑事・伊熊武敏は、会社社長未亡人殺人事件を担当していたが、独断専行を指摘され、上司から非番を命じられ、南紀白浜へ旅立った。紀勢本線特急「くろしお19号」車内で、ひょんなことから、東京中央エレクトリック企画課長の白川健一郎と知り合い、白良浜で会う約束をしたが、翌日砂浜に行ってみると、白川が死んでいるのを発見する。地元の警察署から要請を受けた伊熊は、捜査に当たることになった。  この事件が、伊熊刑事が関わっていた殺人事件とリンクしていく。美貌の未亡人の名は、立花庸子。亡くなった夫は、東京中央エレクトリックの前身、中央電気の社長だった。莫大な遺産を手にした彼女は、数々の浮き名を流していたが、1ヶ月前に自宅で殺されたのである。彼女の過去をたどると、今や廃墟と化した白浜の豪華ホテルの歴史に行き着いたのだった。  事件は広がりを見せ、白川を知るクラブのママや関係者も白浜に現れて、ついには十津川警部の登場となる。  十津川警部が暴いた真相とは!

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  • 十津川警部「ある女への挽歌」
    値引きあり
    -
    西村京太郎ミステリーの粋を味わう十津川警部、名探偵左文字進の名推理対決!――捜査一課に次々と送られてきた白骨の謎を追う、ご存じ十津川警部の「ある女への挽歌」。アメリカ帰りの自称ハードボイルド探偵・左文字が挑むトリック殺人「三人目の女」。さらに左文字の愛妻史子が窮地に陥る「依頼人は死者」。読み出したらやめられないミステリーの華、三作一挙収載。

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  • 庄野潤三電子全集 第1巻 1949~1954年 「プールサイド小景」ほか
    値引きあり
    -
    1~9巻1,925~2,750円 (税込)
    家族小説の第一人者・庄野潤三が新人作家として出発した1949年から1954年に発表された17編を初出順に収録。 日本の家族小説の第一人者・庄野潤三の足跡を、初出順の編年体で辿る電子全集の第1巻。 デビュー作品「愛撫」から、第32回芥川賞受賞作品「プールサイド小景」まで、1949年から1954年の6年間に発表された17編を収録した。 「愛撫」は第二次大戦から復員後、大阪府立今宮小学校から大阪市立南高校の教諭になってほどない、1949年4月28歳の時に、同人雑誌「新文学」に発表された作品。きっかけは九州大学時代の友人・島尾敏雄のすすめで投稿したことによる。 のちに次兄・庄野英二の伝手で中山義秀が「愛撫」を創作合評で取り上げたことから、「群像」編集部より声がかかり、次回作「舞踏」が「群像」1950年2月号に掲載され文壇にデビューすることとなる。 そのほか単行本『愛撫』収録の「スラヴの子守唄」「メリイ・ゴオ・ラウンド」「喪服」「恋文」「会話」「流木」「噴水」に加え、単行本『プールサイド小景』に収録された「紫陽花」「十月の葉」「臙脂」「桃季」「黒い牧師」「団欒」「結婚」「プールサイド小景」も収録。 解題は監修を務める日本文学研究者で日本大学芸術学部准教授・上坪裕介氏が担当。付録として「愛撫」「舞踏」の初出掲載誌、「プールサイド小景」の冒頭浄書生原稿等を収録する。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • 夢幻∞シリーズ 冥界パティスリー 第1話 世界を壊すケーキ(1)
    値引きあり
    -
    現世と異界の境界に存在し、妖怪変化や幽霊が集まってくる「乞骨(こうぼね)商店街」を舞台にした新シリーズ。 現世と異界の境界に存在する「乞骨(こうぼね)商店街」。常世の国へ向かうためのターミナルには、妖怪変化や幽霊から神々まで生身の人間以外の者が行き交うところだ。この商店街にある洋菓子店「睡蓮堂」を舞台にファンタジー・新シリーズがスタート。
  • 夢幻∞シリーズ ミスティックフロー・オンライン 第1話 冒険探偵(1)
    値引きあり
    -
    1~48巻154~220円 (税込)
    リアルな学園生活とバーチャルリアリティーのゲームの世界が交錯しながら進行する壮大な冒険物語の新シリーズ。 陣杜学園学生課から支給されたファインビジョン(ゴーグル型コンシューマーゲーム機)を装着した瞬間から、岩崎周の冒険は始まった。探偵として「世界の救済」を受注してしまった彼に、予想をはるかに超えた試練が待ち受けることになる。リアルな学園とバーチャルリアリティーのゲーム世界が交錯する新シリーズの登場。
  • P+D BOOKS 鉄塔家族(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻616~880円 (税込)
    里山の日常を繊細に描いた私小説。 ――もし、名前を知らなかったら、それらは単なる草花であり、木であるだけで、風景の中に埋もれてしまっていることだろう。目の前にあったとしても、特別気に留めないでいることだろう。だが、一度注意して名前を覚え知ったものは、風景から浮かび上がって、こちらに飛び込んでくる。――  東北のとある里山に暮らす、小説家と草木染作家の夫婦。すぐそばで新しい鉄塔の建設が進むなか、夫婦を取り巻く人たちの日常が、季節の植物や鳥のさえずりとともに、丁寧に綴られていく。  第31回大佛次郎賞に輝いた、佐伯一麦の等身大の物語。
  • P+D BOOKS 塵の中
    値引きあり
    -
    1巻539円 (税込)
    筆力の高さを絶賛された直木賞受賞作。  第50回直木賞を受賞した単行本『塵の中』は、「道祖神幕」「暗い血」「強い女」、そして「塵の中」という4篇からなる。  選考委員のあいだでとくに評価が高かったのは、安藤広重の浮世絵を巡って張り合う男女の機微を描いた「道祖神幕」で、4作品中唯一の書き下ろし。また、外国人とのあいだにできた子を育てる蝶子が、数々の不運に見舞われつつたくましく生きていく「強い女」は、「老猿」として雑誌に掲載され、直木賞候補にあげられている。  表題作の「塵の中」は、吉原の遊女だった咲子が、普通の幸せを求めて、妻に先立たれた男と所帯を持つものの、夫婦関係や夫の連れ子との関係が思うに任せないもどかしさを描いた中篇。その前半が「露草」として雑誌に掲載され直木賞候補に、後半は「塵の中」として芥川賞候補になっている。  女の情念を描きながら、その実、著者の半生を映した私小説でもある珠玉の一冊。
  • さよなら、田中さん
    値引きあり
    -
    中学生作家の圧巻デビュー作、待望の文庫化!  田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききる。今までにないみずみずしい目線と鮮やかな感性で綴られた文章には、新鮮な驚きが。  友人とお父さんのほろ苦い交流を描く「いつかどこかで」、 お母さんの再婚劇に奔走する花実の姿が切ない「花も実もある」、 小学4年生時の初受賞作を大幅改稿した「Dランドは遠い」、 田中母娘らしい七五三の思い出を綴った「銀杏拾い」、 中学受験と、そこにまつわる現代の毒親を子供の目線でみずみずしく描ききった「さよなら、田中さん」。 全5編収録。 巻末には、カバーイラストも担当している西原理恵子氏による文庫特別解説マンガを収録。また、20歳となった著者が自身のデビュー以降を振り返るエッセイも収録。この2編も見逃せません! ※この作品は単行本版『さよなら、田中さん』として配信されていた作品の文庫本版です。 (底本 2024年4月発売作品)
  • P+D BOOKS 微笑
    値引きあり
    -
    癌の妻を救うために奮闘する作家の体験記。 ――寿美は眠りながら、微笑をうかべていた。顔は少しやせているが、一向にとげとげしいところがなく、優しく美しい微笑の表情であった――  いつも元気で病気とは無縁だった妻・寿美が、お腹の違和感を訴えた。いくつかの病院にかかるものの、いずれも胃カタルとの診断。だが、実際には卵巣癌で、余命いくばくもないことが判明する。  お世辞にも愛妻家ではなかった「私」は、その日からなりふり構わず治療法を探しはじめる。臍の緒、梅の木に生えた猿の腰掛、研究中の新薬……。効果があったのか、手の施しようのなかった状態から、手術できるまでに病巣は小さくなり、1年以上持ちこたえたが――。  芥川賞作家が万感の思いを込めて綴る体験記。
  • P+D BOOKS 浮草
    値引きあり
    -
    食えない作家志望の青年との同棲生活を描く。 「こう世間が不景気じや、あなたの勤口もあぶないもんだし、筆の方でちやんとやつて行ける自信だつて、ないんでしよう。――ね、家を持てないなら私と死んで頂戴! 家を持つか、心中するか、どつちかにして頂戴よう!」  いつまでたってもうだつの上がらない作家志望の青年・捨六と、浮気癖のある若い女給・時子。食い扶持を求めて小田原、名古屋、東京と転々とするものの、なかなかお金をお稼げない捨六に、業を煮やした時子は心中してくれと懇願するが――。  時子の独白で綴られる表題作に、久しぶりに再会した二人の一夜を描く後日談「別れた女」を併録。
  • 恩送り 泥濘の十手
    値引きあり
    -
    消えた岡っ引きの父と、溺れ骸を結ぶ謎の器。 おまきは岡っ引きの父・利助を探していた。 火付けの下手人を追ったまま、行方知れずになっていたのだ。 手がかりは父が遺した、漆が塗られた謎の容れ物の蓋だけ――。 いったいどんな容れ物なのか? そして身はどこにあるのか? おまきは材木問屋の息子・亀吉、目の見えない少年・要の力を借りるが、なかなかもつれた糸は解けない。 そんなある日、大川に揚がった亡骸の袂から漆塗りの容れ物が見つかったと臨時廻り同心の飯倉から報せが入る。 しかし、なぜか蓋と身が取り違えられているという。 後に、父の遺した蓋と亡骸が遺した容れ物は一対だったと判るが……。 父は生きているのか、亡骸との繋がりは? 容れ物は誰のものなのか? おまきたちは、新しい手がかりをもとに下手人を探すべく、江戸の町を奔走する! 虚を突く真相に落涙する、第一回警察小説新人賞受賞作。 ※この作品は単行本版『恩送り 泥濘の十手』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • P+D BOOKS 夢のつづき
    値引きあり
    -
    1巻539円 (税込)
    中高年が主人公のショートストーリー集。 ――私の見てきた商売の裏側を、洗い浚い書いちゃおうと思うの。今お偉いさんになっている連中が、実名で、ばんばん出てくるのよ。みんな、青くなるな、きっと……――  夜の店のママが、客の行状を洗いざらいぶちまける回顧録を書いていると聞いて、やましいところのある元常連たちが“対策協議会”を開く「近火御見舞」をはじめ、妻の浮気が原因で別れたのに、浮気相手に捨てられると元夫に秋波を送る女性に振り回される「あとの祭」、社員からも恐れられ、“財界の狼”と異名をとる男が、ひょんなことから海辺の町の女性と出会い、心癒される「狼男」など、中高年男性を主人公にした17のショートストーリー。  P+D BOOKS『曲がり角』に続く、味わい深い短篇集。
  • P+D BOOKS 虚構のクレーン
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    戦争が生み出したさまざまな矛盾に切り込む。  東京で学生をしていた仲代庫男は空襲で焼け出され、列車で佐世保の実家へ向かう途上、同年輩の芹沢治子と出会う。長崎の浦上に住むという治子と庫男は文通を始めるが、“新型爆弾”により治子の消息は不明に――。  一瞬にして未来を断たれた原爆被害者、日本人であることを強いながら差別される朝鮮人炭鉱労働者、敗戦前から英語の辞書を買い漁っていた抜け目ない同級生……戦争によって生まれたさまざまな矛盾や理不尽を、富国強兵の象徴であった旧佐世保海軍工廠250トン起重機(クレーン)になぞらえてあぶり出した名作。
  • レストア家族
    値引きあり
    -
    壊れた家族と潰れかけている工場の再生物語。 ある日、ヤハギ自動車商会の社長・矢作雄造のもとに女性と男の子が現れた。交通事故で亡くなったひとり息子・秀一の元嫁・裕子と孫の悟だ。悟を連れて実家に戻ってから八年もの間、ずっと顔を合わせていなかったのに、今さらなぜ? 話を聞けば、雄造と一緒に働きたいという。元夫がなぜあれほど車好きだったのか、どうしても知りたくて、専門学校に通ってまで、自動車整備士の資格を取ったらしい。裕子と悟を受け入れた雄造だったが、実は工場の経営は危機的状況にあって……。 雄造の弟でライバル会社を経営する敬司の妨害、友達のできない悟の小学校生活など、次々と困難が降りかかる雄造と裕子。 力を合わせるふたりを見て、工員の鈑金名人・荒井鉄也とミュージシャン・弘中恵、そして、元工業高校教師の芝田紀文が奮闘する。 家族と工場再生の感動物語。文庫書き下ろし。
  • 星になれない君の歌
    値引きあり
    -
    この涙を、私は一生忘れない。 「このまま死にたくなかったら、俺に協力して。お願い!」 夭折した幼馴染み・拓朗の幽霊に体を乗っ取られた都萌実は、あの世とこの世の境目に連れて来られてしまう。 生前ソングライターを目指していた拓朗は、片思いしていた人へ贈る歌を作っている最中に亡くなってしまい、どうしてもそれを完成させたいらしい。 幽霊という存在に恐怖が拭えない都萌実だったが、姉弟同然に育った拓朗に“お願い”と言われたら断れない。 こうして都萌実は拓朗とひとつ屋根の下、一緒に歌を作ることになり――。 幽霊となった幼馴染みと過ごす最期の日々。ラストは涙、感動の物語!
  • P+D BOOKS こういう女・施療室にて
    値引きあり
    -
    プロレタリア作家・平林たい子の代表作。  高校時代から社会主義運動に興味を持っていた著者は、運動の仲間と中国東北部などを転々とする。その途上で女児を産むが、母子ともに栄養失調だったため、子どもは間もなく死亡――。金持ちが優遇され、そうでない者は薬すらもらえないという現実を記した出世作「施療室にて」に、重い腹膜炎で入院中の左翼活動家が、思想犯として逃亡していた夫の無事を祈りつつ、それよりも切実に自らの生還を願う第1回女流文学者賞受賞作品「こういう女」をカップリング。  さらに「一人ゆく」「私は生きる」「鬼子母神」「人生実験」など、戦争直後に書かれた佳作7篇を併録。
  • P+D BOOKS ブルジョア 結核患者
    値引きあり
    -
    デビュー作「ブルジョア」を含む初期作品集。  父が天理教に入信し、叔父夫婦に育てられた芹沢光治良。帝国大学卒業後、農商務省に入省したが、経済の研究を志してパリに留学するもそこで結核に感染し、フランス、スイスで療養生活を経験する。そんな体験から書かれたデビュー作品集である。  雑誌「改造」の懸賞創作で1等に入選した「ブルジョア」は、結核患者が集まる町を舞台に、病に侵された夫と妻、多国籍の入院患者らの懊悩を描いた作品。 「結核患者」「昼寝している夫」「椅子を探す」は、杉夫妻を主人公に、結核に倒れた夫が心身ともに復活していく様子を描写し、「橋の手前」「風迹」は、共産主義に対する市井の人々のとらえ方を描出している。
  • 冥府の王は恋を謳う1 王の眼を持つ者
    値引きあり
    -
    20年前のクーデターによって王政から軍事力に依る独裁政権となった欧州の小国、ブルーメンタール共和国。その軍司令官ユリウス・アドラーの来日にあたり、通訳専門の派遣社員・四ノ宮歌恋は破格の待遇で雇用される。同じく雇用されたフリー通訳者の桐島千咲と比べて実力も経歴も見劣りする自分が何故雇われたのかが解らないと悩む歌恋。だが、歌恋の与り知らないところでブルーメンタール共和国を揺るがすほどの、大きな陰謀が動き始めていた。

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  • P+D BOOKS 天使
    値引きあり
    -
    1巻500円 (税込)
    笑いあり涙あり、戦慄ありの遠藤周作劇場。  泥棒をしたり、粗相をしたりする“駄犬”と、それでもかわいく思う作家との交流を描いた「駄犬」「犬と小説家」。半可通の男が、お店の女性たちからばかにされているのに、田舎者の青年にいいところを見せようとする「遊子方言」。娘を交通事故で亡くした男が、手紙の交換を通じて女子高生と心を通わせる「嘘」。満州時代の思い出を、阿川弘之氏との交流を交えて綴る「初恋」「クワッ、クワッ先生行状記」。そして、気持ちがやさしく世話焼きの先輩女性社員に、新入社員が気づかぬうちにからめとられてしまう表題作「天使」など、クスリと笑えてホロリと泣ける珠玉の短篇集。
  • ロミオとサイコ 県警本部捜査第二課
    値引きあり
    -
    Q県警本部捜査第二課の刑事・猿渡朗希は、自他ともに認めるイケメンだ。だが、彼の平和な刑事生活を脅かす存在が現れた。警察庁からキャリアとしてやってきた課長の神木彩子だ。猿渡の絶望の日々が始まる!
  • P+D BOOKS 激流(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻539~616円 (税込)
    時代の激流にあえて身を投じた兄弟を描く。  日本橋の繊維問屋の家に生まれた永森進一と正二の兄弟。関東大震災、昭和恐慌、満州国建国などを背景に、激動する社会状況を、対照的な兄弟の姿を通じて描く。  成績優秀な進一は、学生時代から社会主義に傾倒し、卒業後は組合活動に没頭。しかし、左翼活動家の取り締まりを強めていた特高警察に捕まってしまい、連日激しい拷問を受ける。やがて起訴保留となり釈放されるが、進一はそのときすでに肺を患っていた。  一方、兄とは違って明るく社交的な正二は、学校を出ると家族らに盛大に見送られて入営。ところが、この連隊では体罰こそなかったものの、「昭和維新」(天皇親政の国家を目指す運動)を標榜する右派の巣窟となっており、正二はやがて日本中を揺るがす大事件に否応なく巻き込まれていく――。  あたかも激流のように社会が激しく変動するなか、ふたりはどこに行きつくのか……。治安維持法違反の疑いで検挙された経験を持つ著者の体験から描かれた魂の長編の前編。
  • クラシック リバイバル 女人追憶 全14巻 合本版
    値引きあり
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    待望の合本版!! 少年の性の目覚めを描いた巨編が待望の復刊。 小学五年の春、母の裸に女を感じた宮崎真吾。すでに性を意識することはあり、女体に対する興味もあったが、母への冒涜と思った真吾はその後も優等生でむじゃきなこどもを装いつづける。 時は戦時中。小学六年の秋に、友だちから自転車旅行に誘われた真吾は、その姉である良子から誘惑的な行為を受け、中学に入った夏には、女学校三年のいとこ千鶴とのエロチックな戯れに興じる。幼なじみでひとつ年上の妙子に恋心を抱きながら、性に目覚めていく真吾。 終戦を迎え、軍関係への道を断たれた中学二年の真吾は妙子に告白、ふたりはようやく恋仲になる。妙子との良好な関係の一方で、不良女学生の文江や遊女のみよ、汽車のなかで出会った女学生の路子など、さまざまな女性たちが、真吾を甘美な世界へと誘っていく。 戦中から戦後へ、時代や価値観が変わっていくなか、不変でありつづける、男と女、愛と性。その狭間で揺れ動きながらも、未知なる世界へ足を踏み入れていく少年の心情を丁寧に描く、青春大河ロマン待望の復活。
  • 高橋和巳・高橋たか子 電子全集 第1巻 高橋和巳 小説1『邪宗門』ほか
    値引きあり
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    高橋和巳の代表作ともいえる宗教団体の破滅を描いた一大長編『邪宗門』を中心に、未完作「古風」を併録した一巻。 高橋和巳の代表作ともいえる一大長編『邪宗門』。 序章+3部構成の体裁をとる物語は、「ひのもと救霊会」なる宗教団体が昭和初期に治安維持法違反や不敬罪といった罪科に問われることで、国体論的国家権力によって徹底的に弾圧され、壊滅の危機に迫られるも、戦後、新たなる世の到来とともに、信徒それぞれが希望と復讐の念を交錯させつつ再起、再興を志しながらも、今度は駐留軍によって弾圧され解体していく宗教団体の破滅までのさまを描いた作品。 当巻では、決定版ともいえる単行本に加え、「朝日ジャーナル」1965年1月3日号~1966年5月29日号まで全74回にわたり連載された初出版も完全併録。 決定版では改稿に加え、特に第3章で、大幅な増補が施されていることも確認できる。 また、併録した未完作「古風」は1957年3月から1958年8月まで、同人雑誌「対話」第一、二、三号に発表され、壮大な構想にもとづく長編小説として書かれたが、中断したまま、未完となった作品で、和巳最後の小説『黄昏の橋』に受け継がれる作品といえる。 解説は、和巳と同じ京都大学文学部卒で関西学院大学文学部教授・橋本安央氏(『高橋和巳 棄子の風景』を執筆)が務め、解題は和己巻の監修を務める作家・太田代志朗氏が担当。 付録として「邪宗門」「古風」の生原稿等も収録する。
  • P+D BOOKS 桜島・狂い凧
    値引きあり
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    1巻577円 (税込)
    戦争を冷徹な目で見つめた梅崎春生の出世作。 「ねえ、死ぬのね。どうやって死ぬの。よう。教えてよ。どんな死に方をするの」  米軍上陸が迫るなか、桜島の海軍通信基地に異動になった村上兵曹は、一夜をともにした女性に、そう詰められる。しかし、どういう死に方をすればいいのか、そのときになってみなければわからない。ただ、死が目前に迫っていることをひしひしと感じるだけだった。  生きることへの執着と諦観、どうせなら美しく死にたいという願望と、それはかなわないだろうという無力感……。背反する思いを抱えたまま散歩に出た村上に、グラマンの銃弾が降り注ぐ――。  出世作「桜島」に、戦地で自死同然に亡くなった弟の足跡を、双子の兄たちがたどっていく芸術選奨作「狂い凧」を併録。
  • 「京都寺町三条のホームズ」 読み始め3巻セット
    値引きあり
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    200万部をこえるベストセラーシリーズが、大変お得な試し読みセットとして発売! 未読の人は、この機会にぜひ!
  • 信長の遺書 ~マキアヴェリ チェーザレ・ボルジア御留書~
    値引きあり
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    1巻1,386円 (税込)
    『信長公記』に門外不出の「完本正篇」が! 統治者と宣教師が語り合った、驍将の<剣>と<政事>、そして『君主論』――。 令和四(二〇二二)年、イタリアのフィレンツェで“信長の遺書”なる古い紙束が見つかる。それは信長の近習の書記・太田牛一によって密かに編まれた『信長公記』の完本正篇だった――。 時を遡ること今から四四〇年以上前の天正七(一五七九)年、イタリア人宣教師のアレシャンドロ・ヴァリニャーノが島原半島に上陸する。彼はその後、信長に謁し、ルネサンス期にイタリア半島を駈け巡った驍将チェーザレ・ボルジアのことや、マキアヴェリによって書かれた『君主論』について侍講した。信長は以降、ヴァリニャーノに数度引見し、その問答を漏れなく記すよう牛一に命じたのだった。 天下を統べるはずだった男の果てなき好奇の思いを極大なスケールで描く、斬新吃驚の歴史長編!! (底本 2023年8月発売作品)
  • 警官は吠えない
    値引きあり
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    手帳を置いても、刑事は刑事だ! ラブラドール・レトリバーのナインと山小屋で暮らす元刑事・村瀬の前に、突然見知らぬ青年・秋山亮が現れた。 「悪いが、しばらくの間、彼の世話を頼む」と書かれた手紙を持って。 手紙の主は、京都左京署時代にコンビを組んでいた刑事・柳智也。 元相棒の勝手な振る舞いに戸惑う村瀬は柳に連絡を取ろうとするが、まったく電話に出ない。 嫌な予感を覚えつつも、預かる理由が分からないまま、秋山の面倒を見る羽目に――。 柳の身を案じ、ひとりで捜し始めた村瀬は、なぜか京都市南部に古くから大きな勢力を持っている暴力団・条南興業から圧力をかけられる。 さらに、条南興業の敵で、北部を縄張りにする北天会のナンバー2である阿佐井峻が姿を見せ、村瀬を手助けすると言い出した。 いったい理由はなんなのか? 困惑する中、村瀬の後輩刑事・三島翔太から電話が入る。 「秋山亮が死体で見つかった」と――。 預かっている青年と殺された男は、同姓同名の別人なのか? 真相を追う村瀬に、手帳を置いた原因となった発砲事件が立ちはだかる。
  • 官能文学電子選集 阿部牧郎『金曜日の寝室』
    値引きあり
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    一流商社に勤める伊藤一郎は、ひょんなことから赤坂のホテルでクラブの美人ママと密会する社長を目撃する。そして伊藤は社内に社長の隠し子である娘がいることを知る。伊藤の令嬢探しの旅がはじまった。 交通ゼネストの前夜、赤坂のホテルで一夜を過ごす相手を物色していた万国商事のエリートサラリーマン・伊藤一郎は、そこでクラブのママ風の女性に目をつける。だが、彼女には先約があった。その相手とは万国商事の社長だった。驚いた伊藤は様子を見守ったが、2人は食事をしただけで別れてしまう。興味を抱いた彼は、ある策略を使って、ママの部屋へ侵入に成功、半ば強引に関係を持ってしまう。その時、彼はママからある秘密を聞きこんでしまう。それは伊藤も勤める万国商事に社長の“隠し子”である娘が働いているというものだった。そのことは社長以外、誰にも知らされてはおらず、ママも名前だけは死んでも言えないと突っぱねる。野心に燃えた伊藤は、名前も顔も知らないが、どこかにいるはずの社長令嬢を探して結婚しようと決意する。情報は4年前に短大を卒業した気立ての良い美人ということだけ。年齢にして23~24歳となるのだが、大企業である万国商事でその年齢に該当する女子社員は200人をくだらない。そして、彼の令嬢探しが始まるのである。社長室から総務課・・・・・・ほかの部署に至るまで自らの肉体を駆使して情報を得ていく女性の総数は16人。いずれ劣らぬ美貌の持ち主ながら処女から遊び慣れている娘までそれぞれだ。だが、最後の最後に登場した女子社員・・・・・・それは伊藤の旧知の間柄で唯一結婚を意識した女性だった。果たして、伊藤の運命は・・・・・・!?
  • 官能文学電子選集 団鬼六『狼の痴戯』
    値引きあり
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    絶世の美人女優・田村景子が二匹の飢えた獣たちに誘拐され、人里離れた山荘に監禁される。景子は輪姦された上に緊縛、淫具、浣腸責めといたぶりぬかれるのだが・・・・・・。 プロカメラマンの沢村和雄は、かつてのアシスタントだった吉田昌作に抜き去られ、SM雑誌の専属カメラマンに成り下がっていた。さらに吉田は今をときめく絶世の美人女優・田村景子との結婚まで発表していた。すべてを吉田の陰謀だと信じて疑わない沢村は、腐りきっていた。そんな時、一人の若い緊縛師・木原を紹介されて意気投合。そして木原の友人の妹である女子校生を拉致し、凌辱の限りを尽くすことに協力してしまう。「凌辱写真を撮ってあるから大丈夫」という木原の目論見は外れ、2人は警察から追われる身となっていることを知る。そこで破れかぶれになった沢村は吉田への復讐として婚約者である景子を拉致・監禁して凌辱の限りを尽くし、その一部始終を吉田に送り付けてやることで復讐を果たすことを思いつく。作戦はまんまと成功し、2人は景子を人里離れた山荘へと監禁した。嫌がる景子に無理やり口唇奉仕をさせた挙句、代わる代わるレイプ。それだけでは飽き足らずに、緊縛、剃毛、淫具責め、浣腸責めと続けていくうちに、景子も断続的な悲鳴を上げながらも、酔いしれていくようだった。「許して・・・・・・」と昂った声を張り上げながらも体から衝き上げて来るものに耐えられなくなったように、景子は狂おしい身悶えを示しだすようになっていくのだった。表題作をはじめ、全三篇を収録!
  • 官能文学電子選集 清水一行『会社の女』
    値引きあり
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    食品会社の課長・宮地は妻子持ちの地味な44歳。ひょんなことから20歳以上年の離れた社内の部下と関係を持ってしまったことから心は千々に乱れていく・・・・・・。 食品会社の調査課長である宮地孝雄は44歳、妻と2人の子どもを持つごく平凡なサラリーマンだ。身長も162センチの痩せ型で最近は頭に白いものが目立つようになってきた。真面目さが取り柄のような宮地だが、唯一の楽しみは月に1~2度行きつけのバーで若い女性客を眺めることだった。その日もビールの小瓶を2本空けて、店を出ようとしたところ入れ違いに入ってきた若い女に声をかけられた。赤っぽいセミロングな髪の毛、色白で丸顔、はっとするほど目が大きい。短いスカートから、半ばむき出しにした形のいい太腿がのぞいている。気を取られていると彼女が言った。「課長さん・・・・・・」 彼女は同じ会社の文書課に勤める岡本汐美だった。年は20歳以上も離れている。バーで杯を交わして店を出ると汐美は積極的になり、宮地をラブホテルに誘う。そして宮地も夢中になって若い汐美の体を貪った。宮地は、この数年来、味わったことがないくらいの、まさに目のくらむような快感だった。その日から、すっかり宮地は汐美の虜となってしまう。暇さえあれば、汐美を誘うようになるが、あれほど積極的だった汐美はつれなく断り続ける。宮地は責任を取って、妻子を捨ててもいいとまで考え込んでしまうが、一方の汐美は迷惑そうな顔をするばかり・・・・・・。真面目過ぎる中年男と遊び慣れた若い女の考え方はどんどんすれ違っていく。表題作含め6作の短編集。
  • 官能文学電子選集 川上宗薫『肌狩り 好色のカレンダー』
    値引きあり
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    画家の卵である栗橋は、1週間毎日のように、違う女を抱いている。微妙に変化する女の体に、栗橋は日々、新鮮な経験を重ねていく。明日はどんな女が現れるのだろうか。 画家の卵である栗橋は暇を持て余しているが、その時間すべてをガールハントに充てているほどの女好きだ。街に出れば、好みの女子大生に声をかけてホテルに連れ込み、処女を頂戴してしまう。電車で出会ったOLの定期券を盗み見ては偶然を装い、同じ駅で降りて近づく。人妻であろうがフィアンセ持ちであろうが、お構いなし。豊満な体を持つ色っぽい女とうまく事を運んだまではよかったが、これがなんと美人局。怖いおじさんから這う這うの体で逃げ出すことになるのだが、ナンパをやめる気など微塵もない。それどころか、はては高名な画家の娘から母親がかわいがっている学生時代の後輩、それに実の妹の親友にまで手を出してしまう。栗橋の尋常ならない女体への執念の凄まじさには驚かされるばかりだが、それ以上に女性の気をひかせるナンパテクニックの数々は著者の実体験に基づくものというのが定説だ。流行作家になってからは妻子と別れ、中野新橋の芸者と所帯を持ち、銀座の複数ホステスと同棲し、最後は30歳下の音大生と結ばれたという逸話も持つ、官能小説の第一人者である著者の面目躍如の1冊。
  • 官能文学電子選集 宇能鴻一郎『女医も濡れるの
    値引きあり
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    女医を目指す「あたし」は医学生だけど、まだ処女。けれども、アルバイト先の病院で数々の変な先生や患者たちにイケナイことを教えられて・・・・・・もう普通には戻れない!? あたしは女医の卵。人間の体に接するチャンスが多いから、アレにも関心が強いの。同僚の女子たちもみんなそう。でも、勉強は忙しいし、意外にチャンスが少ないの。欲求不満をため込んだあたしたち処女軍団は遊び人の男たちに「卒業」させてもらおうと思ったんだけど、あたしは不覚にも失敗。悶々とするあたしに病院でのアルバイトが舞い込んだの。でも、そこは男性器増大や包茎手術専門の病院で、しかも院長が大のスケベ。あっという間にあたしの純潔は奪われちゃったわ。ううん、それだけじゃないの。包茎の童貞くんに頼まれて、「オトコ」にする手伝いをやらされたり、増大しすぎて、勃起したままの暴力団員らに「責任をとれ」と言われて代わる代わるお相手をさせられたりと散々。新しいバイト先の病院は処女膜再生手術専門で、そこの院長先生もとんでもないの。麻酔で眠らせた大勢の処女を奪いながらも処女膜を再生するから大丈夫だ、なんてほざくのよ。同僚のミツ子さんと組んでこの悪徳医師を懲らしめようとしたんだけど、逆に快感に目覚めちゃって・・・・・・もう変態ばっかり。ほんとうに女医になれるのかしら。
  • P+D BOOKS 神坂四郎の犯罪
    値引きあり
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    1巻539円 (税込)
    関係者のエゴイズムが交錯する傑作心理劇。 ――今日私が申し述べました真相は、あるいは大部分が嘘であるかも知れません。嘘であるという証明も本当であるという証明も出来ないのであります。……有るものはただ外部的資料に過ぎない。私の行為、私の言葉に過ぎない。私の心にある真実は推察されるだけであります。――  自殺幇助の疑いで裁判にかけられている雑誌編集長・神坂四郎。神坂が横領の事実を糊塗するために、梅原千代が持つダイヤを我が物にしようとし、心中を装ったとされているが、証言台に立った被告の妻、同僚女性、被告の飲み仲間らは微妙に食い違う証言をする。  被告のさまざまな顔が明らかになると同時に、証人のエゴイズムも露わになっていく表題作のほか、戦争で人生が変わってしまった二人の女性を描く「風雪」、常識や時代にとらわれず勝手気ままに過ごしているように見えた友人の本当の想いを綴る「自由詩人」という傑作短篇2篇を収録。
  • P+D BOOKS イサムよりよろしく
    値引きあり
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    ストリップ小屋を舞台にした人情噺集。  浅草六区の映画街で、ストリップ小屋の隣にバラックを建てて住み着いていた廃品回収業のイサム。関東大震災時に頭を打った影響で、言動は少しおかしいが、生真面目な性格から楽屋番のおばさんをはじめ周囲の人からかわいがられていた。  毎年春になると、踊子の一人を好きになり、線のつながっていない電話機で電話をかける。やがて妄想の相手と恋人同士になり、熱い日々が続くが、踊子に本当の恋人ができると……。  イサムのユーモラスだが悲しい恋を描いた表題作のほか、厳しい刑事とストリッパーのほのかな恋を綴る「入歯の谷に灯ともす頃」、重要文化財の天狗の面を、あらぬことに使ってしまう「天狗の鼻」など、いずれ劣らぬ名調子6篇を収録。
  • 女医が導く60歳からのセックス
    値引きあり
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    中高年の性生活に特化したYouTubeチャンネル『女医 富永喜代の人には言えない痛み相談室』が大人気の著者が導く、熟年ならではの性との向き合い方。 健康寿命が80歳を超えた人生100年時代。 中高年だからといってセックスを諦めるのは、もったいない! 熟年期の不安は「肌のぬくもり」が解消する。 これまで誰も教えてくれなかった中高年の【愛の作法】
  • 謀略のカンバス
    値引きあり
    -
    シリーズ連続全米初登場1位! 伝説のスパイ×美術ミステリー。 世界的巨匠の名画に浮上した衝撃の真実―― 背後に潜む組織と、顔のない贋作師の正体とは!? イスラエル諜報機関長官を引退したガブリエルはヴェネツィアに居を構え、美術修復師として静かな生活を送ろうとしていた。 そんな矢先、画廊経営者の友人からある事件を調べてほしいと依頼される。 先日取引されたファン・ダイクの名画に懸念があると知らせてきた女性が、事故死したというのだ。 やがて正体不明の超一流の贋作師と背後に蠢く組織の存在が浮上し――。 伝説のスパイ×美術ミステリー!
  • P+D BOOKS ベトナム報道
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    一特派員がたどり着いたベトナム戦争の真実。  すでにAPの記者たちが打った電報のカスを、まるで残飯を恵んでもらうような調子で拝読させてもらう自分の姿が、私には全然気に入らなかった。(中略)心の中で固く決心した――彼らの世話になんかなるものか、おれはおれの情報源と判断で対等に仕事をしてみせる。(本文より)  新聞記者として戦地に赴任した著者は、特約を結んでいるアメリカの通信社からの情報や、ベトナム政府の公式発表、米軍のブリーフィングなどを鵜呑みにするのではなく、自分の足で開拓したニュースソースや自身の臭覚などを頼りに、ベトナム戦争の“真実”に迫ろうとする。  のちに芥川賞を受賞する作者の、原点ともいえる作品。
  • P+D BOOKS 無妙記
    値引きあり
    -
    1巻500円 (税込)
    「楢山節考」の戯曲を含む名作短篇集。 ――京の都は古い歴史を持っていた。その間、その土地では大勢が死んで、土の下には数えきれない死骸が埋められて白骨になっているのである。――  誰も彼もが白骨の群れに見えてしまう、初老の男の無常観を描いた「無妙記」。若いころ、無免許運転で馬をはね殺してしまった男が、数々の不幸に見舞われる「妖術的過去」。帝の血をひく“三宮”が夜な夜な女性を食い物にしていることを知り、かつての従者の息子が犬山椒の毒で三宮を手にかけようとする「妖木犬山椒」など味わい深い7篇に、名作「楢山節考」の戯曲を加えた珠玉の短篇集。
  • P+D BOOKS 但馬太郎治伝
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    獅子文六が描くバロン薩摩の伝記風小説。  一代で巨万の富を築いた“木綿王”薩摩治兵衛の孫・治郎八。イギリス・オックスフォード大学に留学後、フランスへ渡った治郎八は、実家の資産を背景にパリの社交界で勇名を轟かせ、「バロン薩摩」の異名をとる。  そんなことはつゆも知らない著者・獅子文六は、フランス外遊の際、知り合いのツテでパリの日本学生会館に投宿するが、そこは治郎八が出資した施設だった。さらに帰国後に転居した先も、2軒続けて治郎八ゆかりの住居。著者はただならぬ因縁を感じるが、ふたりがようやく邂逅したのは、治郎八の最晩年だった――。  そんなバロン薩摩をモデルに、獅子文六が見事に仕上げたユーモアとロマンあふれる秀作。
  • P+D BOOKS 小説 大逆事件 上・下巻 合本版
    値引きあり
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    1巻1,039円 (税込)
    待望の合本版!! 明治天皇に危害を加えるべく爆裂弾を製造した宮下太吉、宮下に賛同して事件を主導した新村忠雄、幸徳秋水と同棲していた過激な闘士・管野スガ――。無政府主義、社会主義を標榜する彼らは、次々と「無政府主義者の撲滅」をめざす政府当局の手中に落ちてゆく――。 1947年まで存在した刑法第73条、いわゆる大逆罪は、皇室に対して危害を加えようと企図した者は死刑、しかも控訴や上告をすることができないという、大変厳しい内容だ。この罪が初めて適用された通称「幸徳事件」について、豊富な資料をもとに鋭く切り込んだノンフィクションの上下合本版。
  • P+D BOOKS 小説陸軍 上・下巻 合本版
    値引きあり
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    1巻1,193円 (税込)
    待望の合本版!! 幕末、小倉で質屋を営んでいた高木商店の跡取り息子・友之丞は、「異人に、おくにをけがされて、たまるか」という思いで奇兵隊に入隊。隊の「勤王、殉忠報国、攘夷、四民皆兵」という思想に感動し、以来、それが高木家の家風となっていく。その長男・友彦は陸軍士官学校を経て日露戦争に従軍するものの、病気がちで戦闘には参加できなかったので、息子・伸太郎の陸軍入営には万感の思いを抱いていた――。 『麦と兵隊』など「兵隊3部作」で知られる著者が、自らの軍隊生活と従軍作家としての経験をもとに綴った、ある一家の3代、約70年にわたる壮大な物語の上下合本版。
  • P+D BOOKS つむじ風 上・下巻 合本版
    値引きあり
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    1巻1,155円 (税込)
    待望の合本版!! クルマに跳ね飛ばされたらしい、ちょっと変わった青年・松平陣太郎を自宅に連れ帰った浅利圭介。失業中で妻から尻を叩かれっぱなしの圭介は、目撃したナンバープレートを手掛かりに一発逆転を狙っていた。しかし、ボーっとしていると思われた陣太郎が意外としたたかで、徳川家の末裔を名乗り、賠償金を巡る工作の主導権を握りはじめる。 加害者として浮上したのは、公衆浴場の主人と流行作家の2名。そこに浴場同士の争いや作家の美人秘書、浴場主人の愛人らが絡んできて……。 渥美清主演で映画化もされたユーモア小説の上下合本版。
  • P+D BOOKS 金環蝕 上・下巻 合本版
    値引きあり
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    1巻1,039円 (税込)
    待望の合本版!! ――財部は一種の硬骨漢であった。最後の思い出に、大臣と官房長官を向こうに廻して、断固として竹田建設を叩き落としてやろうという意慾が、彼の心のなかで静かに疼いていた―― 総理大臣の金策のため、巨大ダム建設に絡んで政界、財界、官界を巻き込んだ大掛かりな不正が画策されていた。成否の鍵を握る〈電力建設〉の総裁・財部は、汚職に手を貸すことを断固として拒否するが……。 1960年代に起きた九頭竜川汚職事件を題材として、芥川賞作家・石川達三が鋭い視点で描いた話題作の上下合本版。
  • P+D BOOKS 終わりからの旅 上・下巻 合本版
    値引きあり
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    1巻962円 (税込)
    待望の合本版!! 出征と敗走、捕虜生活を経験した兄と、終戦の年に生まれた異母弟。歩んできた道も、価値観も異なる二人の男の半生を描いた大作の上下合本版。 復員後、大学在学中から商売を始めていた兄・忠一郎は、卒業して商社のアメリカ駐在員となり、そこで出会った日系米国人との出会いから、新しいビジネス――サンドイッチ店のヒントをつかむ。片や新聞社に入った弟・良也は、妻がありながら、かつての恋人・茜への想いが断ちがたく、取材旅行の傍ら茜の痕跡を訪ね歩く……。 実業家でもある著者らしく、戦後の経済成長や、企業間の争いを交えつつ、戦中・戦後派が引きずる戦争の暗い影を描いた名作。
  • P+D BOOKS 若い人 上・下巻 合本版
    値引きあり
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    1巻1,001円 (税込)
    待望の合本版!! 「私は男を知りたい。その男を通して私の父を感じたい」――。 容姿端麗、頭脳明晰だが、たびたび問題を起こす女学生・江波恵子。理知的で美しい女教師・橋本スミ。北国のミッション系女子校で国語教師をしている間崎慎太郎は、橋本に惹かれながらも、早熟で危うい魅力を放つ江波からも目が離せない。江波たちの学年の修学旅行に同行することになった間崎は、旅先で橋本の義母に会うことになり――。 何度も映画化、テレビドラマ化された青春文学の金字塔にして、第1回三田文学賞に輝いた、石坂洋次郎の出世作の上下合本版。
  • P+D BOOKS 東京セブンローズ 上・下巻 合本版
    値引きあり
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    1巻1,001円 (税込)
    待望の合本版!! 東京・根津の元団扇屋の主人・山中信介は戦時中、無実の罪で特高に捕らえられ、刑務所で終戦を迎えた。久々に自宅に戻ってみると、同居していた5人の女性に加えて2人の娘までも、GHQの将校たちに囲われてしまっていた。さらに、GHQによる「日本語のローマ字化計画」を知った信介は怒り心頭に発し、なんとか阻止しようとするが、逆に捕まってしまって――。 「それでも日本人から漢字や假名を取り上げようだなんてあんまりぢゃないかしら」――。 家族や家を失い、プライドもズタズタにされた日本人のなかから、七人の名花・東京セブンローズが立ち上がる。 第47回菊池寛賞を受賞した名作長編の上下合本版。
  • P+D BOOKS 時の扉 上・下巻 合本版
    値引きあり
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    1巻924円 (税込)
    待望の合本版!! かつての恋人を自殺に追いやってしまった罪の思いを一身に背負い、北海道の寒村で禁欲生活を続けていた矢口忍。だが、友人の誘いで赴いたシリアで、生と死が隣り合わせの砂漠の生活や、砂に埋もれそうになってもなお輝きを放つ遺跡を目の当たりにし、「生きる」ことの意味を捉え直そうとしていた。そんなとき、矢口はフランスの発掘隊に参加していた日本人女性、鬼塚しのぶと出会う。どことなくかつての恋人を彷彿とさせる彼女には、ある秘密があった――。 1976~77年に「毎日新聞」に連載された、「愛とは何か」「生きるとは何か」を鋭く、深く問う傑作長編小説の上下合本版。
  • P+D BOOKS 別れる理由 全6巻 合本版
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    1巻3,157円 (税込)
    待望の合本版!! “第三の新人”を代表する作家・小島信夫が、文芸誌「群像」に1968年10月から1981年3月まで、全150回に亘って連載した“執念の大作”全6 巻の合本版。 夫婦の愛、男女の愛、人間の愛のカオスを複層的、かつエネルギッシュに描き、伝統的な小説の手法を根底から粉砕した文学世界が展開される。現在と過去が交錯しながら織りなされるように展開していく「姦通」をテーマにした異色の愛憎世界!第38回日本芸術院賞、第35回野間文芸賞を受賞。
  • P+D BOOKS 桜桃とキリスト―もう一つの太宰治伝 上・下巻 合本版
    値引きあり
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    待望の合本版!! 恩師・井伏鱒二の紹介による妻・美知子との出逢いから、作家としての絶頂期と玉川上水心中までの、太宰治の後半生を活写した作品。美知子夫人が創作活動に果たした役割、女性一人称で綴られた「女生徒」での新境地、井伏鱒二との師弟関係、後に『斜陽』を書くきっかけとなった太田静代との劇的な出逢い、そして山崎富栄との“地上の別れ”に至るまでの晩年を克明に描く。 同じ津軽地方出身で直木賞作家である長部日出雄が、太宰への特別な愛情と深い理解を両輪にして描いた力作で、第29回大佛次郎賞、第15回和辻哲郎文化賞を受賞した長編評伝の上下合本版。
  • P+D BOOKS 宣告 上・中・下巻 合本版
    値引きあり
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    1巻2,079円 (税込)
    待望の合本版!! 殺人犯を意味する収容番号末尾ゼロの「ゼロ番囚」たちは、拘置所二階の特別頑丈な独居房に収容されている。強盗殺人罪で逮捕され、死刑が確定しているT大卒の楠本他家雄は、いつくるかわからない“お迎え”に常時怯えていた――。 精神医・近木の生々しい接見記録や、心理学専攻の女子学生・玉置恵津子との手紙のやり取りを通じ、生と死のはざまで苦悩する死刑確定囚たちの日々を克明に描いた他に例を見ない傑作の上中下合本版。
  • P+D BOOKS 神の汚れた手 上・下巻 合本版
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    1巻962円 (税込)
    待望の合本版!! 舞台は三浦半島の小さな産婦人科医院。主人公の医師・野辺地貞春のもとには、不妊治療や出産、中絶と、さまざまな苦悩と不安を抱えた人がやってくる。“仮性半陰陽の男性”と診断された女性、やっと懐妊した子がダウン症と診断された夫婦、眼球なく生まれた赤児、そしてその静かな死――。 主人公が日々直面する数々の患者の実態を描いて、人間誕生の意味とその神秘に鋭く斬り込んだ衝撃の問題作の上下合本版。
  • 伏龍警視・臣大介
    値引きあり
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    出向警視の捜査を妨害する意外な風習とは? 臣雪乃は「姉妹制度」の仲間内で開いていたパーティを愉しんでいた。 日本最大与党の衆議院議員の父を持つ「姉」の多和多華那と「姉妹関係」を結んで10週目、そして、14歳になった華那の誕生日を兼ねたパーティだ。 しかし、愉しんでいたのも束の間、パーティ会場からすぐ近くの部屋で火災が発生したのだ。 その日偶然、持病のある雪乃を迎えに来ていた父、沖縄県警管理官の臣大介警視は娘たちを救い出すことに。 その救出中に思いがけなく、大介は刺殺体を発見してしまう。 被害者は有名経済系文化人・新堀兵衛の「金庫番」井上幸治だった。 時を同じくして突然死した捜査一課長の後任として、大介は現場の指揮に当たるが、警視庁から沖縄県警に移って半年のため、馴染みのない沖縄独自の風習が壁となって立ち塞がる。 捜査が難航する中、従姉妹の奥瀬真紀から電話が。 警視庁捜査二課第二係を率いる真紀によれば、「新堀が投資に失敗した損失分を、井上が地上げで取り戻そうとしていた節がある」と言う。 地元の反社会的勢力と揉めた末の殺害なのか? 捜査線上に「鏡龍会」に繋がっている半グレグループの頭・又善星一郎が浮かび上がってきて……。
  • 十津川警部 仙石線殺人事件
    値引きあり
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    2億円のプラチナを巡る黒い陰謀を暴け! あの日、豪華客船で何が行われようとしたのか――復興が進む宮城を舞台に、トラベルミステリの巨星が描く傑作推理小説。東日本大震災から5年が経ったころ、金華山沖の海底から豪華客船「グズマン二世号」が発見された。海に浮かぶホテルとして女川町の海岸に係留され観光客を集めていたが、震災の大津波で沈没し行方が分からなくなっていた。引き揚げられた船の客室からは、ホテル〈グズマン二世〉運営会社の課長・柏原恵美の遺体と2億円相当の大量のプラチナが見つかった。持ち主不明のまま、プラチナを乗せた快速列車が仙石線の石巻から仙台に向かう最中、途中の陸前赤井駅で爆破事件が起こる。一方、東京・青梅の精神科病院には5年前から千石典子という若い女性が入院していた。典子と交流があった男性・小西が度々訪れるが、彼女は自身に関する記憶を一切取り戻せないでいた。そんな中、典子が何者かに切りつけられる。十津川警部らが容疑者のひとりとして調べていた小西の行方を追う中で、東京と宮城の事件の関係性が浮上し、捜査の行先は思わぬ方向へ……プラチナの発見に端を発した数々の事件を通して、十津川が闇にうごめく驚愕の真実を暴く。
  • 小説「REVENGER」
    値引きあり
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    【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 TVアニメ「REVENGER」ノベライズ! 過酷な藩命を果たしたにもかかわらず、裏切られ居場所を失った薩摩藩士・繰馬雷蔵。彼に手を差し伸べたのは…恨みを込めて歯型を刻んだ“恨噛み小判”と引き換えに、復讐=暗殺を請け負うーー「利便事屋」(リベンジャー)だった。異なる歴史を辿った長崎、異国情緒に溢れた街に蠢く人間の欲望。利便事を繰り返す彼らの向かう先は!? オリジナルアニメでドラマティックに描かれたダークヒーローアクション史劇が「小説」として登場! ※この作品はカラーが含まれます。
  • 官能文学電子選集 高竜也『女囚・圭子』
    値引きあり
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    渇いた欲望が渦巻く女子刑務所。看守の淫らな命令にも従わざるをえない。殺人罪で服役中の圭子は脱走に成功するが、逃げる圭子に淫獣たちの魔の手が迫る。 女子刑務所に服役中の圭子の罪は殺人罪だ。当分の間、男の肌とは触れ合えない。愛する淳三としたい。思いはそれだけだったが体は正直だ。自ら看守長の三村を誘惑し、三村の大きいモノを迎え入れて絶頂に達する。しかし、その一部始終を女看守に見られており、今度は女看守の命令で女同士のプレイを強いられる。ところが別の刑務所に移されることが決まり、乗った移送車が土砂崩れで横転、その隙に圭子は脱走することに成功する。飢えた圭子は若いカップルを襲い、女を縛りつけて目の前で男の肉棒を堪能する。トラック運転手も誘惑し、獣のようなセックスを貪った。もっともカネなどない。食べるためには稼がなくてはならない。圭子がもぐりこんだのは売春宿だった。初めての客はヤクザも恐れるという悪徳刑事の黒田だった。さんざんおもちゃにされた挙句、黒田の情婦にされた圭子に試練が訪れる。不良少年たちに代わる代わるレイプされたかと思えば、黒田の企みで4人のヤクザに輪姦された。黒田は最初から圭子を海外に売り飛ばすつもりだったのだ。自ら脱走囚であることを黒田に告白した圭子だったが、黒田はすでにお見通しだった。このままでは異国の地で一生を終えることになる・・・・・・黒田におもちゃにされながら圭子は黒田の拳銃に手を伸ばしていた。
  • 官能文学電子選集 睦月影郎『麗嬢 熟れ肌の匂い』
    値引きあり
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    田舎の学校に巨乳の美人教師・友美子が赴任してきた。学校内で唯一の男子である耕太はすっかり友美子に魅せられてしまうが、幼なじみの先輩・咲子も悩ましい。 都会から離れた学校に、美人教師が赴任してきた。23歳の友美子先生だ。しかも、はち切れんばかりの巨乳の持ち主だけに、耕太は一目見てすっかり友美子に魅せられてしまう。一方で耕太の幼なじみで先輩でもある咲子にも友美子とは違う魅力があるため、捨てがたい。とはいえ、女性をまったく知らない童貞の耕太は猛る股間を持て余し、自慰行為で発散するしかなかった。あるとき、授業中に友美子が倒れてしまう。友美子の下宿先に見舞いに行った耕太は寝ている友美子に興奮して、巨乳にむしゃぶりついてしまう。意識朦朧となりながらも、友美子はキスしてくれた上に手で耕太のモノをしごいてくれたのだ。そして秋祭り。大粒の雨に降られ、耕太は秘密部屋としている納屋に友美子を連れて雨宿りすることに。そして感激の初体験を済ませることに成功するのだが、それを機に友美子の下宿に夜這いをかけても拒まれることもなく、校内で耕太がいたずらをすると潤んだような目でどんなことでも応じるようになっていく。また、初体験を済ませたことで自信をつけた耕太は咲子にも果敢に迫っていく。咲子の両親がいない間に咲子の部屋に上がり込み、拝み通してからの口内射精、そして初合体。当初年下の耕太をバカにするような口調で罵っていた咲子に変化が見られるようになっていく。体を重ねていくうちに咲子は耕太に好意を抱くようになっていたのだ。美女二人の芳香を求めてやまない耕太の顛末は・・・・・・。
  • 官能文学電子選集 川上宗薫『色狩り』
    値引きあり
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    神谷はサラリーマンで大のつく女好き。口八丁手八丁でホステスから女子大生、未亡人、看護師、女教師、美容師らを篭絡、快楽の海に溺れていく。 神谷は30歳のサラリーマンである。1か月のうち女が欲情している日を当てるのが特技だと自負している。道を歩いていても、会社の中ですれ違っただけでも、欲情していると目を付けた女を見つければ、片っ端から声をかけてベッドに誘い出すのが癖だ。今宵のターゲットは上司に誘われた新宿のバーでホステスをしていた友恵だ。発情していると確信した神谷だが、その日は思いかけず、かわされてしまう。それでも目を付けた女は必ず落とすと決めている神谷は翌日、電話で友恵を誘い出すことに成功する。深夜の鉄板焼き屋でいいムードになったが「排卵日だから」と固辞する友恵。「携帯用のビデを持っているから」と返す神谷。神谷の熱意についに股を開く友恵だったが、客と寝るのは初めてだという。聞けば、同棲している男がいるのだが、嫉妬深く浮気がばれようものなら暴力を振られるうえにインポテンツでもあるというのだ。「一度寝た女とは二度と寝ない」ポリシーの神谷が次に目を付けたのは同じアパートに住む女子大生の尾崎伸子だった。女子大生が好みそうなイタリアンレストランに誘うとホイホイとついてきた。ピザと赤ワインで酔わせてダンスホールで踊っていくうちに抱きついてくる。簡単にものにできると踏んで旅館に誘うも「それは嫌!」という。なんと彼女の好みは外ですることだった。芝生の上で貪りあう二人。金網のフェンス越しにはカップルが多数いるだろう。警察官に見つかれば声を掛けられるかもしれない。そんなスリル感が二人を燃えさせるのだった。神谷の次のターゲットは同じ会社に勤める大崎幸子だった。右瞼は常に二重なのに、左瞼は一重。その一重瞼が時折二重になることに気付いた。見るとどことなくふっくらと色っぽく、桜色に染まっているではないか。その時こそが欲情のサインだと見抜いた神谷は外線で会社にいる幸子に連絡を取り、近くの喫茶店で落ち合い、あっけなくベッドインに成功する。しかし、グラマラスな肢体を持つ幸子だったがテクニックはいわゆる“マグロ”だった。いきり立っていた神谷のモノが急速に萎んでいくのが自分でも分かった。幸子の左瞼は一重に戻っていた。 7つの物語をまとめた短編集。
  • 官能文学電子選集 岩井志麻子『トロピカルな淫猥』
    値引きあり
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    東南アジアを舞台に元AV女優や風俗嬢など過去にわけありの女たちが、“女の性”に葛藤しながらも痴態の限りを尽くし、快楽に溺れ続ける。 シンガポールの代表的なホテルといえばラッフルズホテルだ。この名門ホテルのバーが元AV女優・福岡まりんのお気に入りの場所だ。時折、日本人観光客にうっすらと素性がばれることがあっても気にしない。AV女優とは気が付かないまでも、華奢なのに乳房だけ盛り上がったまりんは男たちの視線を引き付けるほど目立っていた。現地の中華系の大金持ちの息子であるリーが現在の恋人だ。しかし、リーとの出会いは最悪のものだった。同じ語学学校に通っていた派手で遊び好きな女が、まりんを元AV女優と気付いて中華系の金持ちの男たちに売ったのだ。日本のAVはシンガポールでも人気があるからだ。だまされて、彼らの待ち構えるチャイナタウンの豪華マンションに連れて行かれる。そこにはリーのほかに二人の男がいた。マリンをだました女は吐き捨てる。「好きにしていいよ、この女」。AVでは複数プレーもSMもレズも経験済みだったが、それらはあくまで仕事。報酬をもらって合意の上だ。しかし、異国で拉致監禁みたいな真似された上で輪姦など、完全な犯罪である。 しかし、まりんは開き直った。怒りに燃えた。自ら裸になって彼らを一人ずつ相手にしてやった。やられたのではない。こちらから、やってやった、のだ。あまりのテクニックに彼らは降参してしまった。特にリー。なんとまりんを恋人にしてしまうのである。そんなあるとき、まりんが世の中でもっとも憎んでいた、自分を捨てた実母が所用でシンガポールにやってくるという。運命の再会を果たしたまりんの心に去来したものとは・・・・・・。 この「熱帯性熱情的寝室」を含めた7編のオリジナル短編集。
  • 官能文学電子選集 阿部牧郎『情事の脅迫者』
    値引きあり
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    大手化粧品会社を舞台にモデルとの情事というスキャンダルを握られた杉山専務。部下の竹内啓一郎が自らの体を武器に犯人を追い詰めていくのだが・・・・・・。 銀座化粧品の宣伝制作主任である竹内啓一郎は、スタジオでイメージガール候補の江崎まゆみと甘美な情事を楽しんでいた。そこに青山勇吉と名乗る謎の男から電話が入る。竹内の強力な後ろ盾である杉山専務が元イメージガールで現在はモデルとして活躍している水谷アリサとのセックスシーンを撮ったという。ネガを返してほしければ5000万円支払え、拒絶すればマスコミに写真をばらまくとの脅しだった。次期社長の椅子を目前にした杉山の窮地を救うため、竹内はさまざまな女性たちと関係を持ちながら情報を集め、青山の行方を追うのだが、その竹内にも罠が仕掛けられていた。竹内が水谷ありさと関係を持った翌日にアリサの死体が発見され、さらには竹内とアリサのセックスシーンも撮られていたのだ。追い詰められる竹内だったが、ようやく青山の正体を暴くことに成功。青山と対峙するのだが、そこで思わぬ出来事が起きたのだった。そして、アリサを殺害した意外な犯人とその動機も明らかになる・・・・・・。
  • P+D BOOKS 青玉獅子香炉
    値引きあり
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    1巻500円 (税込)
    直木賞作品を含むミステリアスな短篇集。  辛亥革命後の中国で、ある宦官に清朝時代の宝物・青玉獅子香炉の贋作をつくってほしいと依頼された李同源は、名人の弟子というプライドを胸に、本物に勝るとも劣らない見事な品を彫り上げる。  真作として紫禁城内に収められた李同源の獅子香炉は、その後、国共内戦が激化したため、安全な場所に移送することに。獅子香炉にただならぬ愛着があった李同源も随行するが、宝物が入っているはずの箱を開けてみると……。  直木賞を受賞した「青玉獅子香炉」のほか、ラワン材のバイヤー・王究が日本に送ってきた恐ろしい材木を描く「年輪のない木」、アフガニスタンへ仏跡巡礼の旅に出ていた日本人高校教師が、現地で殺人事件に巻き込まれる「カーブルへの道」など、全5篇を収録。
  • P+D BOOKS 筏
    値引きあり
    -
    1巻539円 (税込)
    蝦夷に商圏を広げようとする近江商人の物語。 「東の地の適する産物を、西に運び、西の地に適する産物を、東に運びますれば、それぞれの地に最も適する産業が発達致します理でございまして……ところが、この蝦夷の地と申しますは……この広大な土地が殆ど白紙のままに残されているのでございます。」  近江商人の家に生まれた藤村与右衛門、孝兵衛の兄弟が、江戸末期、経済が混乱するなかで未来を切り拓いていく物語。  地図に魅せられ、旅をするのが大好きな与右衛門を差し置いて、浪人の新之助らとともに蝦夷に向かった孝兵衛。アイヌの人々から歓待を受けたり、巨大なアメリカの黒船と遭遇したりしながら、商売のタネを見出そうとするが――。  芥川賞候補作『草筏』に次ぐ、「商店もの」三部作の第2弾。
  • 毎日が新鮮に! 俳句入門 ちょっとそこまで おでかけ俳句
    値引きあり
    -
    1巻462円 (税込)
    【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。 また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 庭先で、近所で、スーパーで、散歩中や通勤途上に…日常の「おでかけ」の中で俳句がどんどんできる! 初心者向けの俳句入門。 俳句初心者に多いのが、すばらしい風景を見たり、劇的な体験がないと句が作れないという思い込み。 でも、日常の中にこそ、俳句のタネはたくさん転がっています。 庭先で、近所で、スーパーで、散歩中や通勤途上に……「ちょっとそこまで」出てみて、俳句を作ってみませんか。 いつもの毎日が新鮮に感じられる、心おどる俳句入門。 俳句の基本から説明しているので、初めての人でもこの一冊でスタートできます。 ふだんの「おでかけ」から、俳句がどんどんできる! 1章 出かけて俳句を作ってみよう 2章 「吟行」をまいにちの中で 3章 おでかけ俳句が見違えるコツ 4章 屋外モチーフの季語を効果的に 5章 少し遠出もしてみよう 6章 おでかけ俳句を味わおう 巻末 春夏秋冬新年の「おでかけ季語」 辻 桃子(ツジモモコ):1945年、横浜に生まれ、東京で育つ。1987年、月刊俳句誌『童子』を創刊、主宰。第1回資生堂花椿賞、第5回加藤郁乎賞、手島右卿特別賞受賞。著書に『いちばんわかりやすい俳句歳時記』シリーズ、『イチからの俳句入門』(ともに安部元気と共著・主婦の友社)など。句集や連載も多数。日本伝統俳句協会理事。NHK「俳句王国」主宰、日本現代詩歌文学館理事なども務める。 如月 真菜(キサラギマナ):1975年、東京生まれ。6歳ごろから俳句を始める。1987年「童子」入会、辻桃子に師事。NHK文化センター、南大沢カルチャーセンターなどの講師を経て、現在「童子」副主宰。『童子』大賞、わらべ賞受賞。句集『琵琶行』で第12回田中裕明賞受賞。句集に『蜜』(蝸牛社)、『菊子』(ふらんす堂)、著書に『写真で俳句をはじめよう』(ナツメ社)など。「俳句甲子園」審査委員長を務める。

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  • P+D BOOKS 草を褥に 小説牧野富太郎
    値引きあり
    -
    1巻462円 (税込)
    「植物学の父」とその糟糠の妻を描く。  小学校中退ながら、ほぼ独学で植物の研究に生涯を捧げ、輝かしい業績を残した牧野富太郎と、想像を絶する生活苦にもめげず夫を支えた妻・寿衛子の生涯を、富太郎と同郷の著者が丹念に描く。  裕福な商家に生まれた富太郎は、父母を亡くしたにもかかわらず、研究と趣味のため湯水のように金を使ったので、たちまち困窮。なおも高利貸しから借金を重ね、借金取りに追い回されるのが常態となる。そんななかでも、寿衛子は13人の子ども(成長したのは7人)を育て上げ、待合の女将として働き、富太郎の夢を叶えようとした。  夫婦の手紙を紐解きながら、「植物学の父」とその糟糠の妻の素顔に迫った名作。
  • P+D BOOKS お守り・軍国歌謡集
    値引きあり
    -
    1巻616円 (税込)
    早世した天才作家の珠玉の作品集。  ミステリアスなショーショートから哲学的な匂いのする短中篇まで、精力的に作品を発表し高い評価を得ていたものの、34歳の若さで亡くなった山川方夫の短篇集。  地方勤務から4年ぶりに本社に戻った妻帯者で事なかれ主義の男が、同期の女性に翻弄される「帰任」。憧れだった団地に入居したものの、その画一性に疲れ果て、極端な行動を取ろうとする「お守り」。相手の顔をまともに見ることができない内気な女性の大胆な行動を描く「箱の中のあなた」。下宿の外から聞こえてくる女性の軍歌に二人の男が惑わされてしまう「軍国歌謡集」など11作品を収録。
  • チートあるけどまったり暮らしたい のんびり魔道具作ってたいのに
    値引きあり
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    1~2巻858~1,320円 (税込)
    コンビニ強盗に襲われたことをきっかけに、異世界の貴族・クリストフとして転生した主人公。 魔法が存在する世界で、彼が一番ハマったのは……魔道具作りだった! おまけに高すぎなチート能力もあるから安泰なはずだけど、体は病弱な少年のまま。 貴族という立場上、政争に巻き込まれたりと危険もいっぱいだ。笑いあり、バトルあり、学園ありのファンタジー。 「第5回ネット小説大賞」金賞受賞作です。
  • P+D BOOKS 小説 新子
    値引きあり
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    1巻539円 (税込)
    “情念の川柳作家”時実新子の半生記。 ――どこにも落ち度のない妻と海野は別れなければならない。おなじように新子は夫と別れなければならないところへ追いつめられていた。  しかし、それが愛のすがたというものかもしれない。真実は悪の面を被って、とことん美しくあろうとするものだから。――  医師を目指していた少女が17歳でやむなく結婚。夫の暴力と愛のない生活に疲れ果てていた新子を救ったのは川柳だった。創作活動を通じていくつかの出会いと別れを経験し、やがて妻子ある編集者・海野に巡り逢う。はたして海野は新子にとって運命の人なのか……。  与謝野晶子と並び称される“情念の川柳作家”時実新子が自らを晒した、赤裸々な半生記。
  • P+D BOOKS 明日という日
    値引きあり
    -
    1巻539円 (税込)
    昭和の会社員の哀歓悲喜を描く短篇集。  女癖が原因で失踪してしまった元同僚と旅先でばったり出会い、相変わらずの暮らしをしていることを知らされる「病気」。空襲で亡くなった同級生の墓参りと、その寺にまつわる悲しい話を綴る「涅槃西風」。借金で首が回らなくなっている男と、そうとは知らない二人の平凡なサラリーマンの“最後のゴルフ”の様子を描く「トラブル」など、17の作品からなる短篇集。  昭和のサラリーマンが抱える孤独、不安、悲しみ、ささやかな喜びなどが、短い文章のなかに凝縮されており、懐旧の情が掻き立てられる佳作。
  • 官能文学電子選集 睦月影郎『義母義姉 密猟』
    値引きあり
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    父の再婚で突然できた若くきれいな義母、そして義姉に興奮を隠せない昭吾は次第に倒錯した欲望に取り憑かれていく。そして、その牙は自分を慕ってくれていた幼なじみにまで向けられていく。 山尾昭吾は父親と二人きりの生活を長らく続けてきた。その父親が突然、再婚することになり、二人きりで住んでいた屋敷に義母・義姉と同居することになった。あまりに美しい義母、義姉に一瞬で心を奪われた昭吾は彼女らの下着で自慰することが日課になっていく。だが、それだけでは満足せず、次第にエスカレートしていく。義姉の早苗はすでに男性の経験もあり、あっさりと昭吾の欲望を叶えてくれた。さらに暴走していく昭吾は幼なじみでもある恵美へも自分の欲望をぶつけていく。昭吾のことを好いている恵美は言いなりになった。それを良いことに昭吾はさらに倒錯した欲望を募らせていった。早苗と恵美にレズプレイを強要して、終いには二人と代わる代わるに関係を持つ。そして、最後の目標だった義母の芙美子に対しても手練手管を使って騙し、陵辱の限りを尽くしていく。最初は頑なに拒んでいた芙美子も次第に快感に溺れ、自分の理性が壊れていくのを理解しながらも快楽の渦に巻き込まれていくのだった。
  • 官能文学電子選集 牧村僚『女記者冴子 ももずり』
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    フェロモンをまき散らす美人スポーツ記者・冴子が、禁欲生活でスランプに陥っている各界の若手選手たちを乳液まみれの魅惑のふとももで昇天させ、再生させていく。 矢神冴子はMスポーツ新聞社の遊軍記者で27歳。新聞記者には珍しく、毎日超ミニスカート姿が定番で、量感をたたえたふとももには誰もが振り返り、生唾を飲み込むほどのセクシーさだ。そんな彼女の新企画はJ大学を卒業した3人のプロスポーツ選手のその後。プロ野球にドラフト1位で入団したスラッガー・長沢、プロサッカーに鳴り物入りで入ったストライカー・大木、そして相撲界に嘱望されて入門した小久保。それぞれ学生時代に輝いていたころの雰囲気は見る影もなく、低迷していた。そんな彼らの共通しているのが「腰の切れが悪い」と見抜いた冴子は自らアプローチしていく。そして、決して最後までは許さないまでも手や口、そして誰もが生唾を飲み込むふとももを乳液まみれにして、腰の切れを取り戻させる。冴子の”秘密の特訓”で彼らは輝きを取り戻していくのだった。そして、さらに憧れの上司の指示でJ大学出身の低迷する陸上競技選手、プロゴルファー、柔道選手、騎手たちも次々と復活させていく。
  • 官能文学電子選集 末廣圭『花盗人』
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    國重雅美は23歳。甘いマスクにサッカーで鍛えた体の持ち主であるにも関わらず未だ童貞だ。そんな彼に勤務先の女社長や人妻受付嬢たちから性の手ほどきを受けて、男としての自信を取り戻していく・・・・・・。 大学卒業後、「平沼商事」に入社した國重雅美は入社半年が過ぎても大した仕事も与えられず、妖艶な女社長・小坂井明菜の運転手兼お供という立場。サッカーで鍛えた体の持ち主でイケメンでもある雅美は大学時代の失恋から立ち直れず、女性不信に陥り、未だ童貞のままだった。草食系で奥手な雅美は美人社長に手取り足取り、やさしく実技指導されて、ついに童貞を卒業することになる。めくるめく初体験を味わって男に開眼した彼の次なるお相手は会社の先輩受付嬢の青山杏子だ。28歳と雅美より年上ながらすでに人妻である杏子から声をかけられた雅美は誘われるままに居酒屋へと連れて行かれて口説かれる。そして、ラブホテルへ。抜群のテクニックを持つ杏子のワザによって快楽に溺れてしまう。男としての自信を取り戻し、女性恐怖症を克服した雅美は、大学時代に別れた因縁の相手である圭子に3年ぶりに連絡を入れる。再会したふたりはお互いに思い違いをしていたことに気付く。なんと圭子はお見合いも断り、雅美のために純潔を守っていたのだった。そして、ついにふたりは結ばれるのであった。
  • 官能文学電子選集 岡江多紀『蠱惑』
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    主人公・亮は神秘的な魅力を持ったセクシーな美青年。女たちを引きつけて離さない彼の美貌は、一つ屋根の下に暮らす女たちが見逃すはずがない。乱れた愛欲生活に溺れた果てに・・・・・・。 マダム倉田こと倉田千春は自分の名を冠した一大ビューティーサロンと付属の美容学校、化粧品部門の『マダム倉田コスメティクス』のオーナーである。長年ジャズダンスで鍛えたスタイルはとても40代には見えない妖艶な魅力を保っている。そんな千春が夢中になっているのが、20歳以上も年下の美青年・亮との愛欲の日々だ。たまたま入ったビストロでバイトしていた亮を一目見て気に入りスカウト。住み込みの専属運転手として雇い、自分専用の愛玩具として日々、体を交わらせていた。だが、亮の魅力に惑わされていたのは千春だけではなかった。豪邸には千春だけでなく、千春の妹である副社長の美津子もまた姉の目を盗んで亮と逢瀬を重ねていく。これだけでは終わらない。未だ男を知らない千春の娘・梨沙は豪邸の温室で薔薇の香りに包まれながら亮に抱かれる。家政婦の友江は声が漏れないように納戸で交わり、その肉体に執着していく。たまに豪邸を訪れてくる二人の女も同じだ。整形したことをごまかすための休日を屋敷で過ごすアイドルのさやか、千春を慕う秘書の洋子も亮の虜となってしまう。一人の男をめぐる6人の女模様。最後は悲劇的な結末が待っていることも知らずに女たちは亮にのめりこんでいく。
  • 10年後、もしも君の隣にいられたら。
    値引きあり
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    ~恋する資格も、夢見る意味も、ないですか?~ 中学卒業後、入院していたすみれは、余命10年であることを知る。 絶望するなか、誰かの見舞いに来ている同い年くらいの男の子の存在が気になっていた。 退院し高校に入学、教室に入ると、なんとその男の子「潤」がいた。 彼は無口でクールだが頼りがいがあり魅かれていく。すみれは明るくふるまい、「死」の不安を誤魔化していたが、潤だけが寄り添ってくれた。 しかし、潤が病院に通っていた理由を聞いても、頑なに教えてくれない。彼が背負っている真実とは――。 10年後、もしもきみの隣にいられたら…… ●目次● プロローグ 第一章 朝焼けに目を細めて  第二章 夕焼け色に染まる空 第三章 五月雨の憂うつ 第四章 飛行機雲に乗れたなら 第五章 太陽に君を映して 第六章 二人の空が重なる時 エピローグ
  • P+D BOOKS 庭のつるばら
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    1巻500円 (税込)
    芥川賞受賞作家が描く、満ち足りた晩年。 『貝がらと海の音』『せきれい』(いずれも小学館P+D BOOKS)、『ピアノの音』という、子どもが独立し、実家を出ていってしまったあとの、夫婦ふたりの日常を描いた連作の続巻。 「同じようなことばかり書き続けて飽きないかといわれるかも知れないが、飽きない。夫婦の晩年を書きたいという気持ちは、湧き出る泉のようだ」と著者自身が「あとがき」で触れているように、庭に咲く花やご近所さんとの交流、家族旅行、孫の近況など、平凡な日常のなかのちょっとした変化を、さりげない、やさしい文章で記録していく。  読む人が幸せな気分になれ、繰り返しページをめくりたくなる秀作。
  • P+D BOOKS 白い手袋の記憶
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    「女子大生・曲愛玲」を含むデビュー作品集。  1957年に発表された単行本デビュー作品。  大学在学中に結婚し、夫の赴任地・北京で生活。子どもにも恵まれたが、帰国後に夫と子を残して家を出たというドラマチックな前半生が、9篇の短編に凝縮されている。  佐藤春夫、井伏鱒二、三島由紀夫に絶賛され第3回新潮社同人雑誌賞を受賞した「女子大生・曲愛玲」、お産と子どもに関する記憶をたどる「訶利帝母」(鬼子母神)、教育勅語や結婚という呪縛から抜け出し「基礎工事が不完全であろうとも、乏しい資材を駆使して、わたしはわたしの力を振り絞り、じぶんの文学をうちたてたいと思うのだ。」と、この世界で生きていく意気込みを語る表題作「白い手袋の記憶」など、みずみずしい感性で描かれた作品集。
  • ある日、歌い手を拾ってみた。
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    1巻715円 (税込)
    2012年、就活がうまくいかない専門学校2年の岩垣涼介と、歌い手として成功することを目指し、ひたすら路上ライブと動画投稿を続ける中島友哉。ある日、友哉の路上ライブにふと足をとめた涼介は、一文無しになった友哉をしぶしぶ「拾い」、同居生活を始める。動画投稿サイト黎明期から活躍するライブプロデューサー・事務員Gだからこそ描ける、歌い手たちの葛藤と青春。
  • 過去から来た女
    値引きあり
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    19歳で人知れず故郷の村を出た名家の一人娘・常石文江。東京でデザイナーとして成功を収めた彼女が7年ぶりに帰郷すると、穏やかだった村の様子はすっかり変わっていた。なんと文江は殺されたことにされ、犯人と疑われた幼馴染の青年が自殺、その一家が離散していたのだ。文江は真相解明に乗り出すが、彼女が動き始めた矢先、村では原因不明の火災、駅長の死、幽霊騒動など、次々に不審な事件が発生。文江自身にも危険が迫る。平和だった村は、私がいない間に一体どうしちゃったの……!? 傑作ユーモアミステリー。
  • 夢幻∞シリーズ 修繕あかしの思い出巡り1 乳母の涙
    値引きあり
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    盛岡に都市伝説として存在する不思議な店・修繕あかしを舞台に繰り広げられるファンタジー新シリーズがスタート。 ある日自分の影が無くなり、母親にさえ他人扱いされアイデンティティを失った高校生の明里。 なんでも修繕してくれるという都市伝説でしか存在しない不思議な店「修繕あかし」を探す旅にでたものの、出会ったのはこの世ならぬものたちだった。岩手県・盛岡を舞台に展開するファンタジー・コメディの新シリーズがスタート。
  • P+D BOOKS 青春放浪
    値引きあり
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    1巻539円 (税込)
    若き日の逍遙と懊悩を小気味いい文章で綴る。 ――私達は金輪際あきらめなかった。事は夜間学部学生の面目に関する問題だ。かりに、帝国大学を卒業しなくったって、帝国大学の池の鯉はどうしても釣り上げてみたいものである。――  東京大学の仲間たちと、勝手気ままな共同生活をしていた〈私〉。卒業しても定職に就くのはイヤで、ツテをたどりつつ満州暮らしを続けていた。なんとか生活を安定させようと、彼の地の女性との婚姻を画策するが、うまく事は運ばず……。  著者が世に出るまでの物理的、精神的な放浪を綴った本編と、「書いて、喰って、支払をするより外にはない」と腹をくくった経緯を記す「放浪無慙」(「あとがき」に代えて)を収録。
  • P+D BOOKS 風祭
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    1巻500円 (税込)
    町の名士と日蔭者の子の愛と葛藤を描く。 ――自分のいう血のこわさとは、日蔭者の子とその父、というこの血の関係のこわさなのだ。この血ゆえに、かつては全力をあげて拒否しようとした存在を、いまはかえってその血ゆえに、“父なるもの”としてわがふところに受容しようとしている。――  医者であり町の名士である高峰好之と、その愛人のあいだに生まれた伊作。好之の死後、伊作たちは高峰家とは疎遠な状態だったが、85歳になる母が、父のさみしそうな様子を夢に見るというので、父の墓に参り、その足跡を調べることに。その作業は、恨みに思っていた父と、あらためて向き合うことも意味していた……。  第28回読売文学賞に輝いた傑作私小説。
  • 名前のない怪物 蜘蛛の聖餐
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    コミカライズも同時発売の大人気シリーズ第2弾! 美しい少女の姿をした「怪物」によって命を救われたレイ。 日常に戻ったレイは、怪物との奇妙な同居生活を続けながら、 この謎めいた存在の秘密を探ろうと決心する。 そんなレイの目の前に、二人の人間が現れる。 一人は怪物を探しているアルビノの少年。 もう一人は怪物の危険性を警告する車椅子の少女だった――。 日本最大級の小説賞「第5回ネット小説大賞」でメディア賞を受賞した 新感覚サスペンスホラー、待望の第2幕!
  • P+D BOOKS 武蔵野インディアン
    値引きあり
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    1巻539円 (税込)
    武蔵野を題材にさまざまな明と暗を描く。 「おい、日清戦争の前の年まで、今の東京都下は神奈川県だったのを知っているか。……都下という言い方、いかにも東京白人の発想だ。植民地扱いじゃないか」 関東大震災後に郊外に移ってきたサラリーマンの子・太田久雄は、武蔵野にルーツを持つ中学時代の友人たちからそう指摘される。彼らは自らを「武蔵野インディアン」と称し、地に足がついておらず「紙とインクの世界しか知らない」都会の“白人”とは一線を画する存在だというのだ――。  武蔵野を題材に、都会と地方、戦前と戦後、保守と革新といった、さまざまなコントラストを見事に描出した珠玉作。
  • P+D BOOKS 伊豆の街道
    値引きあり
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    30歳差の道ならぬ恋を淡々と描いた名作。 「先生が憎い。――こんなに、わたし好きになってゐるのに、本当に解つてくれないッ。」  と、花枝は、髪の乱れた額で、先方の胸倉をこづくようであつた。 「そんなことがあるものか。重々、ありがたいと思つてゐる。」――  小田原の物置部屋で作家活動をする竹七と、夫が書いた作品を見てもらうため、ときおり竹七の元を訪れていた花枝。うだつの上がらない初老の作家と、2人の子を持つ25歳の人妻が、いつしか互いに離れられない関係になり――。  前後して発表された『抹香町』とともに著者の出世作となった、これぞ私小説といえる逸作。
  • 官能文学電子選集 内藤みか『男という猫を飼う』
    値引きあり
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    23歳になる麻里は在宅で出版社の仕事を請け負っている。何の変哲もないアパートで暮らしているのだが、彼女は「智康」という名のペットを飼っていた。 麻里は今年で23歳になる。高校生の時に飼っていた十姉妹を蛇に食べられてしまい、ペットを飼うのはためらっていたのだが、現在は猫を飼っていた。智康という名前で、実は人間である。猫のように気まぐれな年下の男に、麻里はすっかりはまっていた。だが、智康は麻里にべったりと懐く一方で、カナという専門学校の同級生と同棲もしていて、別れるといいながら一向に別れる様子はない。智康をなんとかして独占したいと願う麻里は、次第に倒錯した欲望を抱き始める。そして、ついに麻里はカナにすべてをばらして、手を引かせようとするのだが・・・・。恋愛と結婚、愛情と肉欲の光と影に揺れ動く女を描き出す表題作のほか、智康とは正反対の性格でがっしりとした体格の晃司との倒錯した愛を描いた「男という犬を飼う」、若いホストに狂って、自ら壊れていく女の悲哀を描いた「ホスト狂い」を収録。
  • 官能文学電子選集 清水一行『SEXコンサルタント』
    値引きあり
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    姫島羊祐は31歳でSEXコンサルタントのアシスタントとして活躍中。クライアントをはじめとした女性たちからの誘惑がひっきりなしなのだが・・・・。 多忙な院長に代わり、獅子奮迅の活躍をするSEXコンサルタントのアシスタントである羊祐の仕事は、他人の悩みを聞き、解消してやることだ。ところが彼は175センチの長身に加え、イチモツは円周14センチとかなり太い。そんなこともあり、クライアントの女性相談者や行きずりの若い女、院長夫人にその姪である看護師のみつ子とひっきりなしに誘惑の声がかかる。時にはカウンセラーを受けに来た若夫婦に頼まれて、ラブホテルに入っての「診察」なんてことも・・・・。とにかく欲求不満な女たちの要求が激しくてモテて仕方ないのだが、一戦交えた後に女たちはこぞって不満な顔をする。そう、羊祐のものは円周こそ大きいが長さが足りなかったのである。短小コンプレックスを抱えた男の、珍無類の奮闘を描く経済小説の名手・清水一行によるエロティックコメディー。
  • 官能文学電子選集 霧原一輝『今夜、抱く』
    値引きあり
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    総合商社・東日紡績の澤野課長は48歳。しかし、同じ会社の実業団ビーチバレーボール部で活躍する麻尾真純に一目惚れしてしまう。彼女は20歳で自分の娘といってもいいほど年の差が離れているのだが・・・・ 澤野が「ビーチバレーの妖精」のグラビアを見て一目惚れしたのは実業団ビーチバレーボールチームに所属する美人アスリート・真純だ。ついには湘南に彼女の出場する試合を観戦に行き、そこで真純と出会う。笑顔がたまらない20歳はまだ処女だった。しかし、真純と知り合ったのをきっかけに、なぜか澤野の女性運は好転する。それまではくたびれた中年に過ぎなかったのに、真純との出会いを機に眠っていたものを呼び起こされ、かつての性春を取り戻していくのだ。部下のピチピチしたOL、小料理屋の美人女将、重役秘書らと次々と体を重ねることに成功する。そして、28歳年下である本命の真純の処女まで自分のものにし、真純の体を開発していく。真純は身も心も澤野に捧げるようになっていくのだった。
  • 官能文学電子選集 川上宗薫『肌色あつめ』
    値引きあり
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    バンドマスターでピアノ講師でもある大町俊が出会う若い女たちはなぜか大町に触れただけで興奮する異常体質の持ち主だった。 大町俊はクインテット(五重奏)のバンドマスターでアレンジャーやピアノ講師としての顔も持っている。大町が情事を重ねているのは女子大生の板倉弓子だ。そして、いつも身体を重ねる度に恍惚の言葉を発し、失神してしまう。そんな弓子が愛おしかった。ところが、あるとき、抱き合った際に違和感を感じた。いつもと反応が違うのだ。とっさにほかに男ができたことを感じ取り、激しく嫉妬を覚えた。あれほどのいい身体を持ち、セックスの反応も良い弓子を手放すのが惜しいのだ。そんなある日、大町は弓子の友人である花野りえに逢うことになる。大町はりえの身体に異常な興味を引かれる。というのも、大町の身体が触れただけで、りえは身震いし、陶酔するかのような表情を浮かべるからだった。そんな大町とりえを邪魔するのが同じバンドメンバーの秋山だった。じつは板倉弓子を奪ったのは秋山だった。しかし、りえにも興味を抱いた秋山は嫉妬に狂ったのだ。そんな最中に大町はりえの姉であるふゆのと知り合う。そして、ふゆのもまたりえと同じような体質の持ち主で、大町に異常に興奮するのだった。何度も身体を重ねるようになるが、大町のりえに対する欲望は決して薄れたわけではなかった・・・・・・。
  • P+D BOOKS つぶやき岩の秘密
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    1巻462円 (税込)
    山岳小説の名手が挑むジュブナイル冒険小説。  海辺の町で暮らす三浦紫郎は、早くに両親を海難事故で亡くした小学6年生。大潮の日に、ある岩に耳を近づけると、誰かがつぶやくような不思議な音が聞こえるので、紫郎は「つぶやき岩」と名付けていた。  ある大潮の日、いつものように岩のつぶやきを聞いていると、岬の断崖に黒い顔をした老人が立っているのを見つけた。祖父によると、戦時中、岬には地下要塞が掘られていて、大量の金塊が隠されているという噂があり、それを探す“金塊亡者”が時折出没するらしい。  紫郎は担任の小林恵子やその弟・晴雄の協力を得て岬の秘密を探ろうとするが、その矢先に晴雄が殺されかけ、恵子の自宅が荒らされる。さらに紫郎自身も、何者かに命を狙われてしまう。  じつは、岩がつぶやく構造にこそ岬の秘密を解き明かす鍵があるのだが、はたして紫郎は真実に迫ることができるのか――。NHKでドラマ化もされたジュブナイル冒険小説の名作。
  • P+D BOOKS 兎の結末・独身者の憂鬱
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    1巻616円 (税込)
    幻のデビュー作を含む留学時代までの半生記。 「兎の結末」は、中学二年生の〈僕〉と高校受験を控えた兄が、兎の飼育をめぐって社会の現実に直面したり、自分の才能を生かす道は何かと煩悶したりする青春小説。著者が高校一年生のときに書いた短篇小説がベースになっており、いわば芥川賞作家・柏原兵三の“幻のデビュー作”でもある。  これに、著者の自伝的作品としては最も幼い時代を描いた「幼年時代」、西ドイツに留学した経験から書かれた「バラトン湖」「カールスパートにて」を加えて刊行された『兎の結末』と、大学院時代の奇妙な留守番生活を綴った『独身者の憂鬱』を一冊にまとめた、ファン必読の作品集。

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