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Posted by ブクログ
日本思想史マトリックス 茂木誠 PHP
歴史を二次元座標軸で表してみる
上がグローバリズムで下がナショナリズム
左が国家主義で右が個人主義
世界史の視点から日本の思想を俯瞰してみる
1章 神話から読み解く古代の世界観
2章 神仏習合に見る相手を否定しない文化
3章 モンゴルショックによる多様性の危機
4章 日本思想における朱子学と陽明学
5章 日本にルネッサンス=国学
6章 国民の意識の芽生え
7章 格差と社会主義の萌芽
8章 敗戦への道を進んだ日本型ファシズム
9章 敗戦後の日本人の現在地
縄文から岸田内閣安倍晋三暗殺事件までを網羅
残念ながら著者は昭和天皇や岸・安倍贔屓のようだが
全体を通じて常識とは別の
著者独特の推測があってとても面白い
アナーキズムとリバタリアニズムについて少し見解が違うので
ここに記して置こうと思う
人の世は心しだいです
どんなに豊かな社会で優れた法律があっても
そこに暮らす人間が利己的であればデストピアとなり
逆に管理者や支配者がいない無法地帯であっても
そこに暮らす人々が利他的であればいやでもユートピアとなる
それは枠組みのない自由自在が花咲くアナーキな関係であり
けして自分勝手で強い者勝ちのリバタリアニズムとはならない
利己性は依存心と不信感を強くして競争心を煽り
利他性は自主性と自律心を育み切磋琢磨の関係を求めてやまない
そこでは道徳心が生まれ不安や恐怖心に悩まされることもなく
お互いの素直さを発揮して自由自在を謳歌できる
よしんば独裁者が統治する国家であっても
その者が利他性を以って統治を行えば
依存性に溺れた国民をユートピアもどきの時空間に置けるが
残念ながら一代限りでしかなく
依存心を卒業させて自由自在性の関係を育むことはできない
すべては集う個々人の心次第なのです -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白くて一気読みでした!
本編前に掲載されたTwitterのプロフィール欄を見て「あー、苦手だなあ」と思ったやつがあります。理香と隆良のやつです。
「意識高い系」だったり、ポジティブな言葉を並べていたり、なんかキラキラした生活を連想させるSNSの書き込みを見ると、どうも寒いものを感じてしまうのです。
だから、主人公に共感して読み進めました。
名刺はえーっと思ったし、なんで英語で書くんだとも思ったし、合間合間のツイートも強がって綺麗事書いてて痛々しいとも思いました。
そうしたら、ラスト40ページくらい、主人公と理香との対峙の場面で、ひっくり返りました!
見事なカウンターをくらってグサグサ刺さりました!
そうか、私も「観察者」だったんだ……。
「カッコ悪い姿のままあがくんだ」と断言する理香は、カッコよいなとすら思いました。
また、心に強く響いたのはサワ先輩の言葉
「選ばれなかった言葉のほうがきっと、よっぽどその人のことを表してるんだと思う」(p204)
「ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ」(P205)
140字の世界に振り回されないようにしないとなあと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わって、小説の世界から出てくるのが名残惜しかった。今年読んだ中で1番好きな作品。余韻がまだ胸に響いている。
大阪のBook’n Boothという書店で開催された著者のトークショー・サイン会で購入した一冊。ご本人のお話を間近で聞いて、サインもしてもらった特別な本になった。
1人で立って生きていくことの心細さと良さの描き方のうまさといったら。心細くも自分の人生を生きていく人たちが、周りにいる人たちと関わり合いながら時に見えない形で互いをちょっとだけ励ましたり、いたわったり、あるいは疎ましがったりしながら生活していくことをただ肯定する話、というか。
主軸となる3人の人物だけ、名前がカタカナ表記なのが、銀河鉄道の夜のようなファンタジーな風味をつけていて、物語全体に優しい雰囲気をもたらしている気がした。
話の中でしょっちゅう出てくる地下トンネル通路は、大阪住みなら思い浮かぶ場所がある。スカイビルに続いてた昔のあの通路。今はグラングリーンが出きて、少し様子が変わってしまったが、おかげで大雨の夜の不思議な渡しのシーンは映像が頭にはっきりと浮かんだ。舞台となる椿ビルディングも、なんとなくスカイビルや大阪第1ビルとか第2ビルとかを混ぜ合わせた感じがする。
進学塾の講師がたびたび「こんなところで働く人間になってはいけない。」と塾生たちに言う。
その「こんなところで働く人たち」とは毎日を生きる私たちで、その1人1人の描写が温かい。
大雨でビルから出られなくなった人たちの関係性が
少し変化する部分の描写は本当に素晴らしくて、あぁ、こういう感じあるよなぁ、と本当に読むのが楽しかった。この本は地の文も大阪のイントネーションで読んだのだけれど、このへんの人間関係のあり方は大阪的なのだろうか、他の地方の人にはリアリティがないと感じられるのだろうか、とも思った。
ともかくとても幸せな読書体験だった。
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