すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ピカソの傑作「ゲルニカ」をめぐり、制作当時の1940年代と、現代の2001年からとの二つの時間軸が並行して展開される物語です。主人公は二人の女性。ゲルニカ制作当時のピカソのパートナー目線と、現代のピカソの展覧会を企画したキュレーター目線の話しが交互に展開されて、徐々に繋がりが紐解かれながら話しは進みます。
史実に即した部分の、登場人物のキャラクター感や、街の雰囲気の描写、内戦下の人々の心情の表現などは見事に文章にしていて入り込めます。
そして、物語中盤のハイライトはなんと言っても、ドイツの武官とピカソの会話
「この絵を描いたのは、貴様か」
「いいや。この絵の作者はーあんたたちだ」
ここで、見事 -
Posted by ブクログ
「霜の降りる前に」はリンダの心境
秋になると霜が降りる。
秋になるとリンダは警察官になる。
“霜が降りる前”のリンダの心の揺れが、先の見えない世の中で生きていく“勇気”を見せてくれる。
親子というのは“ことばが無くてもわかり合える”とよく言われる。でも、余計なことばでキズつけ合うのもまたよくあること。特に父と娘は難しい。
ヴァランダーとリンダ、これまで幾たびキズつけ合ってきたか。
人は嫌なことをたくさん抱えて生きている。
頑固で欠点だらけのよく似た親子だが、信じていることに迷いはない。
宗教団体の集団自殺や私刑は実際にある。
宗教団体によるテロは過去日本でもあった。
“信じる”というこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間の感情の根底を覗き込んだ気分。
留利絵が蘭花に見返りを求めた上での親切心は、幼少期から遠回しにされていた自分自身を見捨てないで欲しくなかった気持ちの表れだと感じた。
きっと留利絵は物語の主人公みたいに(この物語の第二のヒロインではあるが)、「自分は皆んなとは違う特別な存在」になりたかったのだろうと思った。だからこそ、留利絵自身には持ち合わせていない、自分自身を貫き通す性格の稲葉先輩や圧倒的な美貌を持ち、聡明で、憧れの存在であるような蘭花に傾倒していったのだと思う。そんな人と一緒にいる自分は特別で、皆んなからちやほやされるに違いないと思う留利絵の認識。幼少期のトラウマを埋めるための蘭花だった -
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競技も二人にも目が離せない
華やかな競技世界の複雑な事情やそこに生きる者達の厳しさ、レッスン風景を通して知るSとLの大きな違い。そして際どく怪しい雰囲気かと思えば通常モードが交差する二人…今回も興味津々、読む手が止まりませんでした。