すべての高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
自殺について 他四篇
著:ショーペンハウアー
訳:藤野 寛
出版社:岩波書店
岩波文庫 青632-1
考えさせられる書でした。大変参考になりました。
最近まとめ直されたものなのだろうか、冒頭に「余禄と補遺」からの訳出とある
読み進めるにつれ、ショーペンハウアーは、唯物論者であることがわかる。
また、期待しない悲観論、徹底したリアリストでもある。
キリスト教にある救いのもとにあるのは、どうしようもない、性悪説であると感じました。
冊子は薄いのですが、辛辣な表現を含めて、心に刺さる箇所がたくさんありました。
気になったのは、以下です。
死後
・死後の存続についての回答
最も適切で、またさしあたり最も正しい回答とは、「死んだ後には、君が生まれる前にそうであったものとななる」 まったく、気がきいている
・永遠の存続ということはいかなる個人もふさわしくない。個人は死とともに滅びる
・現在には2つの側面がある
客観的な側面と、主観的な側面だ
世界は私の表象である、という私の冒頭の文からは、さしあたり、まず私がいて、それから世界だ、と続く
苦痛と快楽
・苦痛に対するわれわれの感受性はほとんど無限なのに、
快楽に対する感受性は狭く限られている
・われわれの意思に立ちはだかり、衝突し、それに逆らおうとするものは、すべて、不愉快なものや苦痛をもらたすものは何であれ、われわれは直かに、すぐさま、とってもはっきり感じ取る。
・悪しきものは、それこそ積極的なもの、それ自体を感知可能とするものだ
それに対して
良いもの、すなわち、すべての幸福、すべての満足は消極的なものだ。願望が存在を終え、痛みが消えたことでしかない
・喜びは期待をはるかに下回り、苦痛は予想をはるかに上回るように感じるとしたものだ
・労働、難儀、骨折り、苦境は、ほとんどすべての人間にとって、人生の全体を通じての宿命である
・世界は苦境と悲嘆の舞台でしかなく、最も幸せな場合ですら、退屈以外の何ものではない。
・個人の根底にあるのは、罪深いもの、倒錯したもの、原罪の下に理解されてきたもの、それ故にこそ人間が死の手に堕ちてしまったものである
自殺
・あの手この手を使って長引かせようとするほどに、人生に執着すべきではない
・生きるがゆえのおそろしい事柄が、死ゆえの恐ろしい事柄を上回るに至れば、人間はたちまちその生に終止符を打とうとするという事態が全体として見出されるだろう
生きようとする意志
・生きようとする意志の肯定と否定とは、ただの意志すること、意志しないことである
・ギリシア人の倫理と、ヒンズー教徒の倫理には際立った対照がある
前者は、幸福な人生を送る能力を身に着けることを目的とし
後者は、人生からそもそも解放され救済されることを目的とする
・旧約聖書は、人間を律法の支配下に置くが、この律法が救済に導くことはない
新約聖書は、律法を不十分なものと宣言し、それから離反する。人は信仰と隣人愛と自己自身の全面的否認を通じてでないと、恩寵の国にはたどり着けないと説く
・旧約聖書から新約聖書への移行とは、単なる道徳的美徳から生きようとする意志の否定への移行である。
・女性は、生殖行為の最中に不意打ちされると、誰もが恥ずかしさのあまり消え入りたくもなるのに、
妊娠は恥じらう気配などかけらもなく、それどころか、一種の誇らしさすら示して見せびらかそうとする
・性交は主要には男性の事柄であり、
妊娠は女性だけの事柄である
子供は、父親から意志と性格を、母親からは知性を受け取る
・不正な行為、悪意ある行為は、それを実行する人にあたっては、彼の生きようとする意志の肯定の強さのしるしである。
したがって、真の浄福である生きようとする意志の否定、それに伴うこの世界からの救済は彼から遠く隔たっているのであり、そのへだたりのしるしでもある。
・人生はあくまでも、われわれに課せられた新しい教程と見なされなければならない
・幸せな人生など不可能である
人間がせいぜい到達しうる最高の幸福は英雄的な人生行路だ
西洋人でもたどりつくのは、仏教的な一切苦、つまり、人生は自分の思い通りにはならない、ままならないという結論にたどりつくのである。
目次
凡例
われわれの真なる存在は死によって破壊されえない、という教説について
生存の虚しさについての教説への補足
世界の苦しみについての教説への補足
自殺について
生きようとする意志の肯定・否定についての教説への補足
訳注
訳者解説
ISBN:9784003363270
出版社:岩波書店
判型:文庫
ページ数:164ページ
定価:700円(本体)
2025年05月15日 第1刷発行
2026年02月16日 第2刷発行 -
ネタバレ 無料版購入済み
わーい懐かしい
来たよ556さんアニメを観ていて子供だった当時は
わからなった元ネタ今なら分かる宇宙刑事ギャバンや
隊長になったタママの服ストリートファイターのベガかな? -
Posted by ブクログ
ネタバレファンタジー慣れしてなく最初は難解で主人公の口調からして独特の空気であったため心配になったが、中盤のこの作品の見せ所から一気に引き込まれた。あー面白い…面白いなこれと口に出てしまった。主人公の動機も一貫していて好感が持てる。ヒロイン(ヒロインだとも)との関係性のさらなる掘り下げは今後に期待かな。地の文の雰囲気が多分かなり独特な作品だと思う。結構読みにくいしノリもイタくはあるんだけど、ただただめちゃくちゃに好み。好き嫌いが分かれるだろうけど読み進めたくなる感じが中盤で一気に爆発するのも良い。
エピローグがモブ視点なのがこの作品の着地点として素晴らしく、非常に好みであった。 -
Posted by ブクログ
凄まじい物語に出会った。
この本には、私の怒りがあって、希望があって、願いがあった。
途中で本のページを引っ掻いてしまうくらい、感情を揺さぶられた。
女であるからには逃れられないことはいくつかあって、そのひとつに「出産」があると思う。
子どもを産めるのは私たち女だけであり、選択権はこちらにある。それにあたって社会的な構造、世間体、命とは何か、なぜ産むのか、なぜ産まないのかといった、他からの視点が入り込む。
生命は尊い。
だけど、この世に生を受けたがために苦しみ、死にたい思いをする人がいることもまた事実であるということ。
到底語り尽くすことのできない「生命」について、こんなにも生々しくて、言葉のひとつひとつに結晶化したエネルギーがある小説に、私は初めて出会ったかもしれない。
-
ネタバレ 購入済み
続編
恋人同士になった同期の2人。相変わらずなところもあるけど、恋人らしい甘さとか、お互いへの信頼感とか出てきてめちゃくちゃよかったです!元カレ出てきたときはどうなるかと思いましたが、変に邪魔するような人じゃなくてよかった!そして、時藤の親子問題、まだ解決とはいきませんが、ようやく一歩踏み出せたことにまずはホッ。そして、作品はまだ続くようでとても嬉しいです!!またさらに成長した2人に会えるのを楽しみにしています!
-
Posted by ブクログ
ネタバレかなりの序盤のヒントから、同じ世界だ!時代が違うだけだろ!早く気づけ!外で会える!協力を得て報復だ!なんて思いつつやきもきしながら読んでました。
でも、そんなこんなで終盤に差し掛かれば、世の中にいくらでもいて個人的にも心当たりがアリアリの、極悪真田伊田のように言葉が意味をなさない世界に住む自己中害獣、そんなあいつらの存在なんてどうでも良くなる、伏線回収大大大爆発!!感動しきりでした!
最終盤、こころと、神なる姉を持つ男の子の再会で泣かされたところへ、喜多嶋先生のまさかの正体!大感涙です!
追記:
マサムネの下の名前が僕の実際の名字の音に読めるのヤメて。 -
Posted by ブクログ
竹田恒泰氏の「現代語 古事記 第二版」を読んだ。
中身は、上つ巻、中つ巻、下つ巻の3部構成になっている。
上つ巻は、神の代の物語。
中つ巻は、神と人(天皇)の代の物語で、両者を結ぶ役割を担っている。
具体的に言うと、初代神武天皇〜第15代応神天皇までの物語。
つまり、神の子孫が天皇であるというスタンスの物語。
下つ巻は、完全に人(天皇)だけの代の物語。
具体的に言うと、第16代仁徳天皇〜第33代推古天皇までの物語。
それぞれの巻で、興味深かったシーンを紹介したい。
上つ巻で、印象的だったのが「国生み」。
伊邪那岐神(いざなきのかみ)と、伊邪那美神(いざなみのかみ)の男女の兄妹であり、夫婦の神が行ったこの「国生み」。
驚きました!!いきなりの、エロ描写!!
日本最古(712 年)の官能小説
他に気になったのが、事あるごとに、詩が読まれること。
これまた、日本最古のミュージカルと言える遊び心。
他に興味深くて面白いと思ったのは、伊邪那美神に「見ないで下さい!」と、言われて、伊邪那岐神は、当然気になるから見てしまった結果、そうです!あれです!「鶴の恩返し」です!祟りで、人に寿命があることの起源になってしまいました。
あとは、邇邇芸命(ににぎのみこと)が別嬪の娘との結婚を許されて、その父親がセットで嫁がせた姉ちゃんが、もの凄っっーーく醜くて、速攻で送り返した。
その結果、祟りで天皇に寿命が与えられてしまった。
神なのに、異様に人間味が溢れているところが、好感持てた。
中つ巻で興味深かったのは、倭健命(やまとたけるのみこと)。
倭健命の兄貴が、宮中の行事に真面目に出て来ないので、父親の景行天皇から、「お前から兄貴に教え諭しなさい!」と言われた。
それから5日たっても兄貴は出て来ない。
天皇:「何で兄貴は出て来ないんだ?」
「ちゃんと教え諭したのか?」
倭健命:「すでに言い聞かせました!」
天皇:「どのように言い聞かせた?」
倭健命:「明け方に兄が厠に入った時、待ち構えてつかみ潰して、手足を引き裂いて、袋に包んで投げすてました!」
言うこと聞かねぇ〜からって、兄貴殺しちゃったよこの人。
怖すぎるんだけど!?
それじゃあ、兄貴出て来れないよね!!
下つ巻で興味深かったのは、第21代雄略天皇。
この天皇も、倭健命の再来かと思わせる凶暴な人。
私が印象に残っているのは、そこだけではなく女性関係。
天皇が遊びに出かけるたある地で、可愛らしい童女に会った。
すっかり気に入った天皇は、嫁にするにはまだ早いので、「あなたは男に嫁がずにいなさい。もう少し大きくなったら、今に宮中に召し抱えることにしよう!」と約束した。
その後、雄略天皇はすっかりその約束を忘れてしまった。
可愛らしい童女は、すっかりお婆ちゃんになってしまった!!
女心をもて遊んで、罪作りな雄略天皇だ。
「現代語 古事記」を読むまでは、神が日本列島を作って、その子孫が天皇である!!
と言われても、にわかに信じ難いと思っていた。
しかし、大和朝廷を作り上げた人物は確実に存在して、その人が初代神武天皇ならば、辻褄が合う。
神の代の物語は、日本に文字の無い時代の話だから、とってもユーモアがあり、これはこれでありだと思えるようになった。
また日本は、天皇家が、地方の豪族と争うことなく、話し合って婚姻関係を結ぶことによって統治してきた、世界的にも稀有な国であることもわかって、とても良かった。
「現代語 古事記 第2版」は、全日本人が読むべき本だと思った。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。