あらすじ
軽井沢育ちの稀世と英次、東京から避暑にくる未来子と創介は、高校卒業を控えた11月、浅間山に登る計画を立てる。将来の夢を語り、互いに友情とほのかな恋心を抱く4人だったが、そこに悲劇が起きた。登山中の英次の滑落死。残された3人は18歳にして業を背負い、以後、人生の節目のたび邂逅と別れを重ねる。離職、結婚と出産、絶縁状態の親との再会などを経て、50歳を前に彼らはそれぞれにある選択をする。32年にわたる男女の友情と愛情を描く青春群像大河小説。
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Posted by ブクログ
舞台は軽井沢と東京
高校生の男女4人が夢を語り合い、恋を募らせるなかで、そのうちのひとり英次が浅間山の登山中に滑落して命を落としてしまう
残った創介、稀世、未来子は自責の念に苦しみながらそれぞれの道を歩み、別れと再会を繰り返す
戦後から平成前半にかけての激動の日本をうまく取り込み、どろどろした感じは一切なく、およそ30年の彼らを追う壮大な物語
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他の方も書かれているが、読後感が爽やか。
高校生の男女4名の浅間山登山で滑落死亡事故が発生し、残された3人のその後の物語。
順風満帆じゃなくて、むしろつらいことが多くて、事故を忘れることができないけれど、それでもしっかりと生きる。
この大河恋愛小説、良かったです。
Posted by ブクログ
再読⭐️
友達を亡くした3人の生き方が良くもなく悪くもなく、でも結果的に3人ともいいなぁと思える生き方をしている。
唯川恵さんの作品は時間を置いて読み返すとまた違う感動をもらえます。
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読後感スッキリ
英次を失った後の3人の人生がギュッと詰まっていてダレたりせずに読めた。3人の縁がどこかでずっと絡んでいて、英次が引き離さないようにみんなで抱えていけるようにしてくれたんじゃないかな〜〜
Posted by ブクログ
文庫の裏書きに「32年にわたる大河恋愛長編」とあって、興味を惹かれて買いました。設定は、私より少し上の世代の4人の高校生が、軽井沢で友情をはぐくんでいるところから始まる。二人の高校生の男女は軽井沢生まれ、軽井沢育ち。特に貧しいわけではないが、昭和だから、今よりはまだ貧しく、誰でも大学に行く時代でもない。軽井沢育ちの二人は、慎ましい家庭に生まれ育っている。一方、もう二人の高校生は、東京のお金持ちの子女で、軽井沢に別荘があり、避暑にやってくる。親の立場の違いはあれ、4人は幼いころから仲良くしていた。
18歳の秋、もう冬が近づいている頃。4人は高校生最後の思い出に、浅間山に登る計画を立てる。そして軽井沢育ちの少年、英次が亡くなるという悲劇に見舞われる。
登山の途中何度も、創介が引き返そうと言ったのに、無理をしてしまったのだ。
罪の意識を背負いながら、その後の人生を歩む残された3人の物語。
創介も英次も、軽井沢の女の子稀世が好きだった。4人で登山をしているとき、稀世は二人にそれぞれ、打ち明けられていた。しかし東京の女の子、未来子が創介のことが好きなのもわかっていた。死ぬ間際に告白されたことなど、誰にも打ち明けられない。
それに、英次の死に責任を感じる3人は、自分は幸せになる権利はないと考える。
その後の3人の人生。
出会いと別れ。すれ違い。
3人の目線が入れ替わりながら物語が進んでいく。
だんだんと入れ替わる間隔が短くなって、年齢を重ねるごとに時が経つのが早く感じる感覚のように、物語も進んでいく。
あの一瞬がなかったら…と思い、悔みながら年を重ねる3人。
切なくて、涙が出ました。
大河恋愛長編!なるほど。こういう小説を大河恋愛長編というのね。
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これは若い頃に読むか、中年になってから読むかで感想が違うのではないだろうか。
若い頃だと、綺麗事では済まないことや何かを諦めること、人とすれ違うことを受け入れがたいかもしれない。
中年の今は、嫌なことは嫌だけど、人生そういうこともあるよねと分かったような気になった。
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唯川恵さんは一時期めっちゃハマってて、書店にある本はほぼ読んだりしてました。
唯川さんの恋愛小説はとても共感して泣けます。辛い時に読んで救われてきました。
本棚にも手放せない本が何冊かあり、別れの言葉を私から、「さよなら」が知ってるたくさんのことはお気に入りです。
一瞬でいい、少し分厚い本ですが一気に読めました。大人の恋愛小説でした。先が読めない、読み進めるたびに3人の関係が気になる!となる内容でした。
人生何が起こるか分からない、好きな人との別れがあっても、長い人生またいつどう接点があるか分からない。また今がどんな辛いできごとがあっても時は流れていく。いつどんな巡り合わせがあるかも分からない。そんなことを考えたさせられた本でしたやっぱり唯川さん好きだなあ。
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ひさしぶりの唯川恵。新聞連載らしく、文章も素直で、ページをめくる手が止まらなかった。最後の創介と稀世の浅間山登山については賛否両論あるが、あんまり納得できなかった。
解説の谷口けいさんは、2015年、山で滑落死された方だと知った。2012年刊の新潮文庫版の解説を引き継いだものだろうか?山での死について書かれているが、その後のことを思うと、複雑な気持ちになる。
細かいことを書くようだが、唯川恵さんは金沢女子短大卒。金沢短大ではありません。
Posted by ブクログ
とても良かった
1人の死をきっかけに大きく変わった3人の人生
それぞれの人生が重なったり離れたりしながら展開されていく
人生とは真っ直ぐなものではなくて曲がったり折れたりしながら進んでいくもの、歳を取っても結局若い頃の自分の横にいるのかもしれない
生きた人生と生きたかもしれない人生
考えたらキリがないけど、それでも選択をしながら一生懸命に生きていくしかない
何となくドラマ化か映画化しそうな作品であった
Posted by ブクログ
浅間山でひとりの高校生の死をきっかけに、それぞれの人生を歩む3人の高校生たち。
稀世の父親がいないことで憂いにあい、目まぐるしく変わる人生
創介の人生も親の庇護を捨て、ひとりで生きていこうとする
未来子もまた、大きな姉の存在に苦しみながら、人生を切り開いていく
32年という時間が経ち子供は大人へと成長していく。自分も今、同じ様な年齢だから彼らの人生を重ねながら読むことができました
山は人に希望も絶望も与える
日々のルーチンの中で生や死を感じることはなかなかないと思う
自然を通じて、死を感じることで人は生を身近に感じ、もう語り合うことのできない人の姿も感じるのかもしれない
Posted by ブクログ
大人になって、歳をかせねて、いろいろな事を経験しても、18歳当時あの時だけは、ずっとあの時のままで、その感情から逃れられない大人の切ない甘い物語。
Posted by ブクログ
久しぶりの唯川恵作品
サスペンス感もなく、後味スッキリ大人な感じが
なんだか新鮮で
手に取った時は,分厚い…と戸惑ったものの
スラスラと読めちゃうのがこの作者の良いところ、と改めて実感
Posted by ブクログ
複雑に絡み合った男女の関係が、この後どうなるのだろうかと気になり一気に読み進めた。
内容は友人を登山中の事故で亡くすという、重たいものであったし、その事故というのも一緒に登山した男女関係が大きく関係していたので、それぞれに責任を感じるところがあるなと思いながら読んでいた。運命の悪戯で大人になってからも、事故から数十年経ってからも不思議な縁で繋がる関係性が、各々の人生にとって大きな影響をもたらしていることが伝わった。
それぞれが抱く思いと共に人生を生きてきたのだと強く感じた。
また、自分にはそんな経験はないが、身近な人を、もしかしたら自身や周りの過失で亡くすというのは相当精神的にくるものがあると感じた。簡単な言葉では現せないほど、苦しいものがあると思った。
内容が重たいことも相まって、読み終わった後、幸せな気持ちというよりかは、色んなことを考えさせられる本であった。