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矢場北太郎というお笑い芸人が主人公のサスペンスフル・ミステリー。
この鳴かず飛ばずの主人公は、早朝にネタを考えながらランニング中に
死体を発見してしまう。警察の聴取などで、番組の放送にはギリギリになった
北太郎は笑いもとれず、他の番組出演者に食事をおごらなくてはいかなくなる。
また別の日にも、殺人事件の死体の第一発見者になって・・・。
さらに出演するテレビ局でも殺害現場に巻き込まれてしまう!
「なぜ、自分ばかりが第一発見者になるのか」芸人仲間と容疑者を探すが、
なかなかたどり着かない。誰が、何のために?が判明すると、
まさに笑えない(汗)戦慄の結末!
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Posted by ブクログ
めっちゃ面白い。芸人ミステリー。
終始どこかコメディチックなのだが、ミステリーとしてもしっかりしていて文体とリアリティの塩梅が絶妙だった。最後には「人はどういう時に笑うのか」まで踏み込んでいたのがすごい!
あらすじ
主人公は矢場北太郎というピン芸人。鳴かず飛ばずの芸歴15年目。
ふだんは劇場でピン芸を披露しているのだが、すべり続けている。
(鯉劇場という劇場の名前が面白い。上のクラスの芸人が出演している龍劇場にはもちろん出演できていない)
そんな北太郎の唯一の救いは、ローカル局の情報番組のロケのレギュラー。
なんとも運が強く、交通事故で急遽休むことになった先輩の代演を探していたマネージャーに、たまたまそのタイミングで電話をかけた北太郎は、ロケ先に急行するように支持されたのだった。テレビ初出演。それ以来、年末までの間、三か月は続けて欲しいと言われている。生放送にも同席し、自分の街ブラロケのVTRへのV振りなども行っている。しかし評判は悪く、打ち切りになるのではと怯えながら過ごす毎日。
そんなある日、ロケと生放送を控えた日、早朝にランニングをしていると近所の公園で死体を発見してしまう。北太郎の叫び声に気がついた通行人が警察に通報し、事情聴取を終えるとロケの集合時間に遅刻寸前。売れていない芸人をぞんざいに扱うディレクターにこっぴどく叱られてしまう。生放送でも笑いも取れず、さらにディレクターに嫌な仕打ちをされストレスだけが溜まる。
さらに後日、生放送に向かっている途中、ファンに名前を呼ばれた気がして空き物件を覗き込むと、そこにも死体が……。事情聴取を終えてテレビ局に向かうと、担当者不在のまま自分のコーナーが始まってしまっていた。なんとかVTRの終わりには間に合い締めのコメントを言うが、無断遅刻でまたもやこっぴどく叱られる。
そんなストレスが溜まる毎日の中、ふと、何もかもがどうでも良くなり、ラーメン屋のロケで店主の容姿やラーメンをいじりまくってしまう。もちろん後で謝った北太郎だが、いざオンエアされると、なんとバズってしまうのだった。それから徐々に知名度が上がり、一般人いじりという最悪の芸風で売れていくなか、今度はテレビ局内で死体を発見してしまい……「なぜ、自分ばかりが第一発見者になるのか」!
最後に、誰が、何のために?と徐々に事件の真相が明らかになるのだが、ぜんぜん愉快じゃないのになぜか笑えてしまう不思議な一冊だった。おすすめ。
Posted by ブクログ
痛い人たち
タイトル、表紙から思わず笑ってしまったが、作家は「くわがきあゆ」なので恐らくとんでも無いことになるだろうなぁと期待した訳だが、ある意味でそれさえ大きく飛び越えて作家の世界観に引きずり込まれてしまった。
主人公が矢場北太郎という売れないお笑い芸人。彼が何度も死体の第一発見者になってしまい、更には自身の芸人としての境遇も照らし合わせながら彼の成長や変化、葛藤を物語にしている。
読者としては、きっと誰かしらのお笑い芸人をイメージしただろうし、更にはイメージした人物が今回の様な人生を経験していると想像するととても面白い。
ジャンルとしてはコメディ要素ありのミステリーで主人公の矢場さんも名前の通りヤバいし、登場人物はほとんどが痛い。矢場は結婚しており(少し痛さが薄れた)、唯一の救いが奥さんがまともだという事である。かれは周囲にはとても恵まれていて、妻、親友、後輩等彼を思ってくれている人は沢山いる。しかし、とある部分からサイコパスな連中が現れて(くわがきイズムといったら怒られるだろうか)痛い連中が次々と本性を表す。どうせなら全員痛くても面白そうなのになぁ(笑)などを考えつつも、最後までとても楽しく読み進める事ができた。
矢場さんは最後とんでもない事が起きそうだ。また、妻の決断は読者としては許してやれよー。という寂しい気持ちになった。プロットが斬新であり登場人物がコメディアンというのも世界観にとてもあっていた。
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