文庫版 書楼弔堂 炎昼
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文庫版 書楼弔堂 炎昼

小説・文芸
1,001円 (税込)

5pt

語は呪文。文は呪符。書物は呪具。足りぬ部分を埋めるのは、貴方様でございます――。時は明治三十年代初頭。気鬱を晴らそうと人気のない道を歩きながら考えを巡らせていた塔子は、道中、松岡と田山と名乗る二人の男と出会う。彼らは、ある幻の書店を探していた――。迷える人々を導く書舗、書楼弔堂(しょろうとむらいどう)。田山花袋、平塚らいてう、乃木希典……。彼らは手に取った本の中に何を見出すのか? 移ろいゆく時代を生きる人々の姿、文化模様を浮かび上がらせる、シリーズ待望の第二弾!

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書楼弔堂 の一覧

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1~2件目 / 2件
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉
    1,001円 (税込)
    明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。本は墓のようなものだという主人が営む店の名は、書楼弔堂。古今東西の書物が集められたその店を、最後の浮世絵師月岡芳年や書生時代の泉鏡花など、迷える者たちが己のための一冊を求め〈探書〉に訪れる。変わりゆく時代の相克の中で本と人の繋がりを編み直す新シリーズ、第一弾!
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼
    1,001円 (税込)
    語は呪文。文は呪符。書物は呪具。足りぬ部分を埋めるのは、貴方様でございます――。時は明治三十年代初頭。気鬱を晴らそうと人気のない道を歩きながら考えを巡らせていた塔子は、道中、松岡と田山と名乗る二人の男と出会う。彼らは、ある幻の書店を探していた――。迷える人々を導く書舗、書楼弔堂(しょろうとむらいどう)。田山花袋、平塚らいてう、乃木希典……。彼らは手に取った本の中に何を見出すのか? 移ろいゆく時代を生きる人々の姿、文化模様を浮かび上がらせる、シリーズ待望の第二弾!

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文庫版 書楼弔堂 炎昼 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    P44 
    貴君の視点で見た事実は貴君にとっての事実でしかなく、普遍の事実ではないということです。ならそれは幻想と同義ではないのか。個人にとっての事実というのは世間にとっては幻と同じなんですよ。

    前作に引き続き、実在の人物が弔堂を訪れ、一冊の本と巡り会う話。
    本当に弔堂というものはあったのではないかと思わされる描写。登場人物をもっと知っていたらもっと違う楽しみ方が出来るのではないかなと。

    0
    2025年06月30日

    Posted by ブクログ

    「本日はどのようなご本をご所望でしょうか」
    そのように尋ねられたら
    なんと答えて良いのか‥

    「言葉は呪。文章は呪文。凡ゆる書物は呪符でございます。書物は読むだけで、人の心の奥に届きましょう」
    たったひとつだけ自分のための本とは
    どんな本だろうか?
    まだまだ探している途中なのでしょうか?

    さまざまな偉人達が、
    弔堂の主人と語り合い、
    迷いを解いていく
    ご主人
    あなたは
    本当に
    生きていますか?
    生身の人間ですか?

    0
    2025年05月17日

    Posted by ブクログ

    今作は塔子さんが主軸。当時の女性の置かれた役割や家父長制についての煩悶は、未だ共感できてしまうもの。塔子さんの悩みと、弔堂の選書が照らしてくれる進んでいく道には涙してしまった。
    松岡國男さんの辛さも、時代を超えるもの。死とは、そして死者はどこへ行くのか。それを考えることはどう生きるかにつながる。國男さんが立派に生を全うできたことにも涙した。

    0
    2023年05月07日

    Posted by ブクログ

    やっぱり京極夏彦の作品は凄い。
    精神的に安定する。
    実在の人物が登場するので
    書楼弔堂を読んだ後に読むと色々想像が膨らむ。

    0
    2020年08月30日

    Posted by ブクログ

    前作は、京極作として少し物足りなさがありましたが、今回は待ってましたとばかりに京極節の如く「ご主人」が大いに語ります。
    京極夏彦を楽しみたい方にはお勧めです。

    0
    2020年07月31日

    Posted by ブクログ

    書を弔う、とは言いますが、始終ヒトに対する愛とあわれみに溢れている小説ですね。
    文章に京極夏彦さんの繊細さと慈しみと優しさが感じられました。

    0
    2020年04月17日

    Posted by ブクログ

    何の知識もなくとも書けそうな本が溢れる今、こんなにも丁寧に書き上げられた本を読むと嬉しくなるのです。しかも単行本をそのまま文庫化するのではなく、文庫は文庫で見開きにちゃんと字が収まっている。この京極さんの凝りようが嬉しくてたまらない。

    本好きで、想像できたなら必ず足を踏み入れたくなる弔堂。訪れる実在の人物たちは本当にこうだったかもしれません。人が死なねばならぬ義などない。生きてこそ。

    澤村伊智さんが敬意を表している京極さん。『ししりばの家』を読んだあとこれを読んだら、幽霊いないよと言いたくなってしまう(笑)。

    0
    2020年02月13日

    Posted by ブクログ

    凄い感動した
    弔堂の主人の講釈のキレが凄かった
    「義」についてのそれと、京極先生お馴染みの「幽霊」についてのそれが最高だった
    明治の世だからこそ生じる主人公(語り部)の心象と、サブヒーローの葛藤がよく伝わった

    例の大戦が起きてないから、まだ戦争へのモチベーションが高い時代に主人が不戦を唱えるのが凄いと思った
    かの偉人たちのIFを創造して違和感をもたせない京極先生の筆力にも感激した
    …ていうか何で作品ごとに地の文の口調変えられるんだスゴすぎ

    0
    2025年01月02日

    Posted by ブクログ

    サブ主人公、もしかしてあの方かな? どうかな?
    当たったーっ
    というところと、『本の流し読み飛ばし読みは感心出来ない』という一文に、どきっとしてしまいました。
    おもしろかったけれども、あまり近代の文学とかに詳しくないので……もっと知っていたら楽しめたのかなと、そんな風にもおもった。

    0
    2024年07月22日

    Posted by ブクログ

    少し前に読んだ『破曉』の続編『炎昼』。
    時代の変わり目。
    そんな時であるからこそ、人は、これまで自分が信じてきた道を疑ったり、新たな扉を開くために踠いたりするのだろうな。
    今回も、迷える人々が弔堂へ足を踏み入れる。
    語り手は"天馬塔子"。

    「探書 漆 事件」
    芙蓉の花がお化けに見えるという塔子。
    「人は時に、ないものを見たりするのですよ」
    という松岡の台詞。
    それらを前振りにして、言葉は"まじない"のようなものだという弔堂の話へと移行してゆく。
    「語るも記すも、呪術にございます」

    印象深かった台詞。
    「文字は言葉を封じ込めるための記号でございます。」
    「何もせずともあるがままで足りている世界を、私達は、文で、言葉で、音で割って理解しているのです。」
    「言葉は、実は何も表せていない。でも、言葉なくして私達は世界を識ることができない」

    そして、書かれた文字・言葉(すなわち呪文)が完成するのは、読み手があってこそ。
    読むという呪法が不可欠だと弔堂は言う。
    但し、その呪文が読み手にとって有り難く聴こえ、尚且つ読み手が理解出来た時に効力を発揮する。
    「傍観者がいなければ、ものごと事件という輪郭を作ることもできないのですーーーよ」

    ☆礼記
    儒教の最も古典的な経典の一つ


    「探書 捌 普遍」
    塔子の、厳格な祖父との確執。
    時代も時代、かなり高圧的なお祖父様と思われる。
    塔子は理不尽な叱りを受ける度に、小説を"読んでやろう"と思う。
    松岡と再び出会った塔子は、松岡に促され弔堂へと向かう。
    すると先客が。
    添田平吉だ。
    時代を見失ってやって来たというのだ。
    演劇師になったはずであったのに、気が付くと、自由とも民権とも関係の無い"芸人"になっていたと。
    さて弔堂は…。
    作品として優れていれば後世にも残っていくものだと、
    芸術的価値、普遍的価値、時代的な価値について説く。
    「普遍の器に時代という料理を盛る」という喩えは、私にもイメージしやすかった。
    そして添田は本ではなく絵(歌川国芳作 源頼光公舘土蜘作妖怪圖)を買う。

    印象深かったというより、いい台詞だなぁと思った箇所。
    「このなあ、蜘蛛。このようになろう。まあ拙は蜘蛛でなく蟬、しかも鳴けぬ蟬のようなものですが、世の中の外側からこう、かっと覗き込み、為政者どもの頭の上でずっと鬱陶しく歌い続けることに致しましょう。平民として。」

    ☆川上音二郎…オッペケペー節で一世を風靡した人物。歴史で習ったなぁ懐かしい。

    ☆添田平吉…添田唖蝉坊(そえだあぜんぼう)という号で活躍した演劇師。
    自らを「歌を歌う唖しの蝉」と称したところから由来している。
    唖蝉(おしぜみ)とはメスの蝉の事。求愛のために鳴くのはオスの蝉だけで、メスは鳴かないらしい。


    「探書 玖 隠秘」
    嬉しいびっくりが。
    「甘月庵」(P196)て何処かで見た?読んだ?ような…と思ったら、なんと『姑獲鳥の夏』にも登場(文庫版P62)していた!とネットで知る。
    宝物を見つけたような気分♪

    この章の客人は、勝海舟、福来友吉。
    転機となる1冊を手に入れたものの、オカルトを追い求めたがゆえに堕ちてしまった福来の、少し哀しく怖いお話。

    印象に残った弔堂の台詞。
    「ええ。ないけれど、ある。これは豊かさの証拠。その豊かさを何に使うのかは、その人次第なのでございますよ。恭しさ、懐かしさ、嬉しさ、優しさ、楽しさ、時に哀しさーーー一番芸のない使い道が、怖さでございましょうかねえ。」
    「しかし多くの人はそれに気づきません。気づかないからこそ、それは隠されていると考えるのです。隠されているなら暴こうとする。しかし隠されている真理など、実はないのでございます。隠すのは、何もないからでございますよ。ならば暴いても詮方なきこと」

    ☆元良勇次郎…日本初の心理学者
    ☆福来友吉…心理学者・超心理学者。念写の発見者とされている。(『リング』に登場する貞子の母親のモデル、御船千鶴子での実験を行った人物)


    「探書 拾壱 無情」

    印象深かった台詞
    「諸行は無情でございますよ、塔子様。花は枯れ人は老い、死ぬ。移ろうこと、変わることは世の習い。当然のことにございます。ですから、変わることを畏れてはーーーいけません」

    ☆乃木希典…陸軍軍人、乃木坂などで名を残している


    「探書 拾弐 常世」
    とても良い章だった。
    大切な人を亡くした松岡に、祖父を亡くした塔子に、弔堂はあえて幽霊を見せて説く。

    印象深かった台詞。
    「私が死ねば、私の識る私は消えてなくなりましょう。しかし私以外の私を識る皆様の中の私は、残りましょうよ」
    「………しかしそれを死者の姿と解釈してしまうなら、そしてそう解釈する者が多いというであれば、それはひとつの文化と考えるべきでございましょう。」
    「判らないからこそ人は死を畏れ、忌み、隠す。そして祀り上げ、祈り、供養致します。それでも不安は拭えない。」
    「人を生き易くするための嘘。信仰は、人を生き易くするためにあるのでございます。嘘だろうが間違いだろうが、信じることで生き易くなるのであれば、それで良いのでございます。信心というのは生きている者のためにあるのです。死人のためにあるのではない」


    ☆魂と魄(こんとはく)…"魄"も訓読みで"たましい"と読む。魂魄とは、道教における霊の概念。


    すべての章は紹介しきれないが、今回は三段構えの構図だった。
    ①『書楼弔堂 破暁』に続き、各章ごとに様々な人物(現代に名を残す人物)が弔堂を訪れ人生の転記となる1冊と出会うお話。
    ②塔子が、薩摩武士であった厳格な祖父との確執の中、弔堂と客人の会話から学びとったり、本を読んだりしながら、成長してゆくお話。
    ③詩人であった松岡が、道に迷い、苦悩しながらも、柳田國男として生きてゆく決意をするまでのストーリー。


    続編の『待宵』は文庫になるのを待って読もうと思う。

    0
    2023年12月28日

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