【感想・ネタバレ】人間の性のレビュー

あらすじ

正義感を振りかざすと、痛い目に遭う
人間の“抗えない本質”を理解すれば、ムダな苦労をせずに済む!

「なぜ悪いやつが成功し、正直者がバカを見るのか?」そう思うことはないだろうか。それは人間の本質が基本的に“悪”であり、社会の構造もそれに基づいて作られているから。そんな悪意に満ちた世の中であっても、人間の根っこにある本性を熟知すれば、余計なストレスを溜め込むことなく、自分なりに満足のゆく人生を送ることは可能だ。本書は外交官として国益に邁進しながらも国策捜査の標的となり、512日間も東京拘置所の独房に収監された著者が、極限の体験、人間観察、そして何千冊もの書物を通して到達した、渾身の人間論である。

・“悪”の自覚がない善意の人が最も危うい
・人間は基本的に悪いやつである
・嫉妬は「正義」の顔をして現れる
・窮地に陥れば、たやすく裏切ってしまうのが人間
・人間の愛情や恩義は、利害が絡むとあっけなく断ち切られる
・なぜ「自分の心に嘘をつく」だけは、絶対にしないほうがいいのか
・蛇のように賢く、鳩のように素直であれ

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

感情タグはまだありません

Posted by ブクログ

佐藤優氏の著作はこれまでもいくつか読んできましたが、本書もこれまでの著作と通底する考え方が示されています。

いわゆる「こう生きるべきだ」という人生論ではなく、著者自身の経験や読書から得た知見をもとに、現実の社会をどう生きていくかを考えさせてくれる本です。非常に実践的で、等身大の内容だからこそ、納得感があります。

特に印象に残ったのは、人間関係における「2:6:2」という考え方です。どれだけ努力しても、自分を好きになる人が2割、普通に接する人が6割、どうしても自分を嫌う人が2割程度になるというものです。

これは、人間関係で悩んだときにかなり有効な考え方だと思いました。どれだけ歩み寄っても、根本的に分かり合えない人は一定数います。そうした人にまで理解してもらおうとして、無駄にエネルギーを使う必要はない。そう考えるだけで、ずいぶん気持ちが楽になります。

また、ヨブ記をもとに、「理不尽な運命そのものは受け入れるが、その運命から逃れるために自分の良心を売り渡すことはしない」という考え方にも強く惹かれました。人生には自分ではどうにもならないことがありますが、その中でも自分が何を守るのかは、自分で決められるということです。

挫折についても、それを単なる失敗ではなく、自分自身を振り返る機会として与えられた「贈り物」と捉える考え方には納得しました。振り返ってみれば、うまくいかなかった経験から学んだことのほうが多いようにも思います。

そして、読書とは単に知識を増やすことではなく、さまざまな本から得た断片的な知識を自分の中でつなぎ合わせ、「総合知」にしていくことなのだという点も改めて感じました。

著者の本を何冊も読んできましたが、本書を読んで、これまで読んできたものが一つにつながったように感じます。

世の中の理不尽さをなくすことはできません。それならば、それをある程度受け入れたうえで、自分の良心を失わず、目の前のことに全力で取り組む。ひとまずは、そういう姿勢でやっていこうと思いました。

0
2026年10月04日

「学術・語学」ランキング