岸見一郎のレビュー一覧
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人と繋がらなくてはいけないプレッシャーを感じている昨今。コロナが終わったからといってコロナ前に会っていた人と再会しようと思ってもどうしてもメールを打とうという気持ちにならない。本当に会いたい人とはコロナの波の間に会っていた。
本書では、人間関係をコロナ前に戻す必要はないと明言している。会わなければという気持ちは繋がりの強制ということになる。本当にその人と会いたいから会うのではなく、人と繋がることで安心感を得たいのだ。
自分に価値があると思えればそのような支配からも解放される。そして自分に価値があると思えるのは、自分が貢献している実感が持てた時と簡潔にまとめている。
支配から逃れ自由になるために -
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フロイト、ユングと並ぶ心理学者・アドラー。近年、彼の心理学を世に知らしめたベストセラー『嫌われる勇気』の著者・岸見一郎さんによる、数々のアドラーの著作のポイントを解説する本です。
まず、「共同体感覚」というアドラーの重要ワードが出てきます。これ、誤解されやすいとのことで、本来どういった意味なのかの解説があります。家族、学校、職場、社会、国家、人類、過去・現在・未来すべての人類、さらには生物・非生物含めた宇宙全体を指し、自分は(そしてみんなは)それらに属しているという感覚らしいです。「共同体感覚」を持つことが、神経症から抜け出す重要なてがかりのひとつともなるのでした。
また、もうひとつ重要な -
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ネタバレ子育てのベースとなる考え方として、子どもが人生の課題を解決する力を身につける(またはその自信を持つ)手助けをする「勇気づけ」の大切さを説いている。具体的には、
・「叱る」のではなく「お願いをする」(〜してくれませんか?/〜だと嬉しい(助かる)のだけど)、「自分で失敗の責任を取らせる(失敗を繰り返さないように話し合う)」
・「褒める」のではなく「ありがとう」「助かった」と言葉をかける
であり、これらは親と子どもが縦関係ではなく、対等であるということ(子どもを尊重(リスペクト)すること)が前提となっている。子どもの課題に一方的に踏み込まない「課題の分離」も、この前提から考えればさもありなん(子ども -
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アドラー心理学の歴史と概要。
⚪︎アドラー心理学における育児の目標(行動面)
・自立する
・社会と調和して暮らせる
⚪︎アドラー心理学における育児の目標(心理面)
・私は能力がある
・人々は私の仲間である
⚪︎アドラー心理学ではある行動の理由は「原因」ではなく「目的」にある(例:怒るのはその方が相手が言う事を聞くから)
・子供が注目を引こうとする行動に注目すると、子供はますますその行動を続ける。適切な行動にだけ注目する。
・縦の人間関係は精神的な健康を損なう(叱る、褒めるは上から下に見ている縦の関係性)
・私たちは経験によって決定されるのではなく経験に与えた意味によって自分を決める -
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ネタバレアドラーをはじめ、さまざまな文献をあげて、
悩みに回答している。
筆者の似顔絵がひとつずつに描かれていて、
笑ったり、苦言を呈していたり、その顔だけで、
言わんとする雰囲気が伝わる気がした。
「悩む」と「考える」は別だと思う。
どうしたらいいかは、考えるもの。
どうしたらいいかわからなくて、頭の中でどうしようどうしようとグルグルしてるのが、悩んでる状態
だと思う。
よく、悩みには寄り添ってとか、共感が大事という。弱っている時や、とにかく話を聞いて欲しい時にはそれがいいと思う。でも、何とかしたいと思ってる時には、「こうです」とキッパリ言ってくれるほうが、ありがたいと思う。
この本は、そういう -
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■■評価■■
★★★✬☆
■■概要・感想■■
○アドラー心理学をもとに、学術的になりすぎずに実用性のある形で考え方を示した本。
○他の本とも同じ様に、幸福とは他人と比べてどうか、順位がどうか、比較的に恵まれているものを掴みに行くなどという話ではない。幸福は他と比べず、自分の中にすでにあるもので、外に見つけに行くことではない。幸福に”なる”という言葉がそもそも違くて、幸福”である”というだけである。
○成功することを目指さないで幸福であれ、と言っているわけではない。この2つは次元が違う話で、対立でも同一視でもするものではないのだといっていると感じる。
○未来のために我慢する今という価値観