岸見一郎のレビュー一覧
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2世紀のローマ皇帝であり哲学者でもあったマルクス・アウレリウスの『自省録』を、『嫌われる勇気』の著者・岸見先生がアドラー心理学の視点から解説した一冊。
皇帝でありながら哲学を求め続けたアウレリウスの内省は、もともと誰かに読ませるためではなく、自らを律するために綴られたものでした。その言葉からは「幸福は自分の心のあり方次第である」という強いメッセージが伝わってきます。地位や肩書きが人の価値を決めるのではなく、また他者の言動が直接自分を傷つけるのではなく、苦悩は自分の内なる判断から生じるのだという指摘は深く心に残りました。
また、他者を「同胞」として見ることの大切さや、怒りや憎しみから自由にな -
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ネタバレ前作の嫌われる勇気に比べると、少し衝撃にかけ、テーマも愛や幸せということで気づきの部分では少ないものの、単体で見ると、やはり価値観を改めて考え直させる作品ではあるなと感じた。特に、条件のない「信頼」を相手に与えてこそ、人生においての幸せを得ることができるという点に衝撃を受け、日常で実践!と言うと意識しなければやらないみたいな言い方になるので、日常にしていきたいと思った。また、運命的な人はいない、運命とは自らが作っていくものであると言う一文に感動と共に妙なワクワク感を感じた。と同時に、今までの自分の受け身さを見にしみて感じた。日々の日常の行動の考えについて気づきをくれる一冊。
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こういった読書の方法的な本については、やはりある程度似通ってくることは致し方ないのかもしれなく、それはやはり多くの著者は、多くの読書をしているため、例えば最後まで読まないや、積読していることにも意味はあるなどは結構他の本にも見受けられる。
まあそれでも本書は読書をすることで、新しいことを知り得たり、そのこと自体が至福であることを説いているのは、著書自身がそうなのであることが、よくよく伝わってくる。
それにしても難しい教材であろうプラトンの「法律」「書簡集」などというものを読書会で八年もかけて読むというのは驚きである。一つのことにそこまで執念をかけて行うこと自体に頭が下がる。 -
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現代において、国内外問わず「孤独」を感じる人は多い。日本人もそうだ。人は孤独を恐れ、恐れる者同士で歪んだ共同体への参加をフロムは危険と説く。だが、強い孤独は病のように進行し、日本国内では10代から50代という学生から現役世代、初老に至るまで、その病は蔓延り進行している。
さて、本著では、新しい共同体を作ることを推奨している。友人や恩師、旧友や職場での仲間。元気な人は高齢になっても人との関わり方を持ち、独自の共同体を作っている。フロム曰く、孤独という病に乗じた支配や営利(犯罪含む)を目的としている歪んだ共同体への仲間入りするのは危険だと説く。その通りである。孤独は人を盲目にさせる。だからこそ、自 -
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妻も興味を持って学習したりしているコンテンツなので、何も知らんでいるのはどうかと思いブクオ110円本にあったので手に取る。
このアドラーの考えがベースになってか、独自に同じ考えに至ったか分からないが、先だって読んだ鴻上尚史氏や工藤勇一氏の著作とクロスしていく部分があり、なるほどなと腑に落ちていく。
知識を得ていく事の楽しみか。
なんというかこう、切り口や論じ方が多様化しているだけであって最終的にはどうも仏教の考え方に還っていくように感じるのは、私の知識が偏っているからだろうか。
しかし哲学というほど堅苦しくなく思想というレベル感を感じながら読む本は面白い。自己啓発とは少し基軸が違うよう