あらすじ
不安の正体と脱却への道――不安とは、「未知、制御不能なものをコントロールしようとする時に起こる心の動き」とされています。それはコントロール不可能とされるもので、古代ギリシアでも楽観的に向き合う姿勢は捨てるべきとされてきました。では、私たちに不安を克服する術はないのでしょうか――。本書は、パンデミックや災害などによる不安が社会全体を覆う今、アドラー心理学の第一人者で孤高の哲学者である著者が不安の正体を問い直したものです。社会の不安のみならず、今この瞬間も多くの人が抱えている対人関係や仕事、病、死への不安を取り上げ、その原因と脱却への道を模索しました。キルケゴール、アドラー、三木清などの思想を手がかりに、不安に囚われず前を向く道を示します。
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Posted by ブクログ
・自分にも同じ事が出来そうだと思った時に嫉妬する。
・嫉妬は量的なものに対して起きる。質的なものには起きない。
・人生を競争として捉えることからの脱却。
・ある文化で生きている人はその文化の中の常識にとらわれている。考えているようで受け売りの状態がある。それを打ち破るのが懐疑。
・生きることは進化だ。上ではなく、前へ向けた動き。優劣はない。
・自分が人からどう思われるかを気にしてばかりいる人は、自分にしか関心がない。
・明日がどうなるかは誰にもわかりません。まだやり遂げていないことが多々あっても、明日を待たず、生は今ここで完結している。
・他人の人生を生きるというのは、自分で決めた人生を生きるのではなく、他者が期待する人生を生きるということ。
・出発点、到達点が旅なのではない。旅とは常に過程なのである。
・同じ川には二度と入れない。
Posted by ブクログ
著者は嫌われる勇気で高名な岸見一郎先生です。一般層向けの嫌われる勇気よりも引用が多かったり、やや言葉遣いが難しい印象はありました。思想そのものは考えさせられる内容で、特に人生におけるエネルゲイアや深淵についてなど、参考になる記述も多く読んで良かったと思います。
ただ、パンデミックの章についてはページ数も少ないですし、個人的にはあまり参考になることはなく、後付けというか蛇足感がありました。
Posted by ブクログ
不安をテーマにしているが、「今ここを生きる」、「あることで貢献している」など、本書も、他の岸見氏の著作に通底している要素は随所に散りばめられている。
Posted by ブクログ
不安とは何か?という問いに対して論理的に解説がされており、ロジカルに理解をすることができた。感情を論理的に捉えることの大切さを学んだ。
ただ、内容的にはそこまで面白くはなかった…
Posted by ブクログ
嫌われる勇気を読んだので、こちらも読んでみました。
仕事や病気、死についてなどから来る不安に対してどう対処するかをアドラー視点で語っています。
引用が多く少し読みづらかったですが、名言的なものも多く助かる一文もありました。
もう少しわかりやすく書かれていると読みやすくストレスなく読めると思いました。
Posted by ブクログ
書店の新書コーナーで手を取り購入。依然として不安が付き纏う現状からの脱却を期待して読んでみた。しかし、書いていることは至って当たり前のことで読みがいが無かった。
P40 「不安は仕事ができない原因ではなく、仕事をしないという目的のために使われる理由だからです。」
P67 「こんなふうに過去にとらわれて、あの時の経験が今の関係が良くないことの原因だと考えたら、どんなに努力しても良くないと考えて、今の関係を改善する努力をしなくなるかもしれませんし、そのように考える事は、先にも見たように今の関係が良くないことの責任を過去の経験に転嫁することです。そもそも、2人の関係なのに、1人の過去の経験が2人の今の関係がうまくいかないことの原因であると考えるのはおかしいでしょう。」
103「私が住んでいるマンションで騒音問題が起きたことがあります。早朝、深夜と壁を叩くような大きな音がするので苦情が寄せられていると言う管理組合名のチラシが、ポストに投函されていました。すべての住人に音を出しているのは自分かもしれないと思わせたいのです。孫を声に出す人がいるとは思いませんが、知らない間に大きな音を立てているかもしれないと不安になります。かくて、大きな音を立てないようにしようと気をつけるようになるので、マンションの静寂は保たれることになるでしょうが、大きな音を出すと通報されるかもしれないと言う不安や恐れを持たせると言うやり方を私は好ましいとは思いません。
198ページ「ヨーロッパには芸術は長く人生は短しと言う諺があります。このことわざの意味は二通りに解釈されます。1つは、芸術や技術を極める事は人の短い一生で難しいと言うことです。もう一つの、おそらくはより一般的な解釈は、作った人が亡くなっても、その人が作り出した作品は長く残ると言う意味です。」
215ページ
感情的な、あるいは気分的な怒りを三木
否定しますが、不正に対する怒りや、人間の尊厳を侵害されたときの怒りは否定していません。このような怒りは「私憤」ではなく「公憤」です。