岸見一郎のレビュー一覧
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■評価
★★★★☆
■感想
◯嫌われる勇気の著者の岸見先生が、アドラー心理学の切り口から自省録を解説する本。
◯自省録は誰かに向けて書かれた本ではなく、野営のテントの中で自分を戒めるように書いたと考えると、ものすごく味わい深い本である。自分を奮い立たせようとして、文字に起こした姿が眼に浮かぶ。自己の内面と向き合って、強い言葉で戒めて、人としてあるべき自身と理想を示す姿は、2000年以上経っても読み継がれるものとして残っている理由がよくわかる。
◯救いを神に求めるのではなく、自らが理想とする哲学に求めた姿。これまで多くの人に勇気を与え2000年もの間、読み継がれてきた本。こんな本とも出会え -
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生や死を考える上でとても参考になる。マルクス・アウレリウスの自省録を読みたくなった。本書を読んでも、本書の意味すら十分に理解できていないが、アウレリウスの訳本を読めばまた違った理解ができるのではないか。以下の記載が心に残った。▼事物は魂に触れることなく、お前の外に静かにある。苦悩はお前の内なる判断からだけ生じる。▼災いはどこにあるのか。災いについてお前の思いなす部分があるところにだ。▼アウレリウスは怒りは抑えるもの、コントロールするものと考えているのではなく、怒りはためにならない(善ではない)ことを真に知れば、怒りから自由になると考えているのです。▼各人はつかの間のこの今だけを生きている。それ
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ネタバレ成功は量的なもの、幸福は質的なものという言葉が印象に残りました。
以下学んだことのメモです。
・今を楽しむ
・先のことを考えない
・自分の課題は自分で解決する
・他人の課題に口を出さない
・自分に価値があると思う時にだけ勇気を持てる
・自分に価値があると思うには他人に貢献する必要がある
・自分の価値と他の人からの評価は別物
・いつまでも自分が他人から愛されることばかり考えていてはいけない
・自分が他者に何ができるか
・過去を思って後悔し、未来を思って不安になる、その両方を手放すことがこれからの人生を生きていく上で重要
・今日この日を生きていくしかない
・今日できることをしっかりやっていく
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Posted by ブクログ
ネタバレ・文庫本というスタイルを発案したのが三木清!
・「欲しがりません勝つまでは」というスローガンに表れるような、自己犠牲や滅私奉公を美徳とする風潮が人々の心に影を落とし始めていた。
・幸福を求めることに良心の呵責を覚えるようなことがあってはいけない。
・成功と幸福は別物。その違いを三木は次のように対比しています。成功は「直線的な向上」として考えられるが、幸福には「本来、進歩というものはない」。また、幸福が「各人のもの、人格的な、性質的なもの」であるのに対し、成功は「一般的なもの、量的に考えられ得るもの」であり、純粋な幸福は「各人においてオリジナルなもの」だが、近代の成功主義者は「型としては明瞭 -
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子どもと対等であれというメッセージが根底にあった。
叱るとはつまり上下関係の構築であり、するべきではない。
褒めるも上下関係であり、するべきではない
求められれば手を差し伸べること。求められなければ差し伸べないこと。
こどもの意見は大人同様に正しいと言う前提に立つこと。
親だからと言って子供のために自分のことを犠牲にしない。親子である以前に人対人。他人である。
ここにいても良いという居場所が家族であり親の役割。それ以上の介入は毒でしかない。
かなり極論には聞こえたが、大事な考え方だとは思う。結局のところ、その関わり、育て方に責任を持てるかどうかである。