岸見一郎のレビュー一覧
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とても面白かったです。生きるとは何か、価値があるとはどういうことか、について考えることができたからです。
『生きるとは、進化ではなく変化』という言葉が、非常に強く印象に残りました。
子供が何かできるようになるのも変化。お年寄りが何かできなくなるのも変化。
進化というから退化という概念が生まれてしまう。
文章を読んでいて一番、思ったのは、
「老い方も個性」ということです。
こう捉えると、どんな変化も個性であり、生きることにも多いに価値があるのではと思えます。
自分らしさというのは、どんなことがあってもなくならない。
哲学的に色々考えることができて、とても良い本でした。
小説や偉人のセリフが引用されているのがとてもいいなと思いました。
石田衣良さんの「美丘」とリルケの本がとても気になったので、読んでみようと思います。 -
Posted by ブクログ
著者の岸見さんはベストセラー『嫌われる勇気』の著者でもあり、アドラー心理学に興味がある人には本書も面白く感じられるかもしれない。『嫌われる勇気』が説く「他者の期待に縛られず、自分の信じる道を生きる」という考え方と、ストア哲学には共通する部分が多い。
最も印象に残ったのは、「一日ごとに終わりは近い」という言葉。これは、自分が好きなTHA BLUE HERBのBOSS THE MC(ILL-BOSSTINO)が『Matchstick Spit』という楽曲で使っていたフレーズと重なる。「人生は一回 それも短い 一日ごとに終わりは近い だけどもっと学びたい 見てみたい 聞いてみたい 近づきたい」。この歌詞を思い出したとき、マルクス・アウレリウスの哲学とヒップホップが同じ地点にたどり着いていることに驚いた。どの時代に生きても、限られた時間をどう使うかが、人間にとっての本質的な問いなのだろう。
何かを後回しにするのではなく、「今」をどう生きるか。その意識を持つだけで、日々の選択が変わってくる。クソッタレな日々の中、忘れない様に常にこの曲を聴くたびに思い出せる。
「他人の魂の中に自分の幸福を預けるな」という考え方にも共感した。人の目を気にし、評価に振り回されることは誰にでもあるが、それに左右される生き方は虚しい。
自分の価値観を大切にし、納得のいく人生を歩むことこそが重要だと改めて感じた。これも私の好きな「赤木しげる」の名言
「いいじゃないか...三流で...! 熱い三流なら上等よ...!」
と通ずるものを感じて思い出した。
この本をきっかけに、ストア哲学をさらに深く知りたくなった。次は、セネカの『人生の短さについて』や、岩波文庫版の『自省録』にも直接触れてみたい。 -
Posted by ブクログ
この本を読んでいると、まるで裸の自分を見せつけられているような気分になる。
“劣等コンプレックスは、心の中で起こっている現象ではなくて、むしろ人間関係の中でのコミュニケーションのパターンに他ならず、人生の課題を回避するための口実を持ち出すことです。持ち出される口実は、周りのものが思わず、しかたがない、そういう理由があるのなら、と思うようなものであることが多いのです。もちろん、そういう時に他の人のみならず、自分をも欺いているのであり、アドラーは、このような口実を、「人生の嘘」と呼んでいます。”
こんなことを言われると、ぐうの音も出ない。しかし、自分の人生を振り返ってみると、「人生の嘘」が状況をさらに悪くしてきたことに気付かされる。
“わかっているができないというとき、実は、できない(cannot)のではなく、したくない(will not)のです。”
まさに、その通りだ。では、どうやって人生を反転させるのか?
“私たちのことをよく思わない人がいるということは、私たちが自由に生きているということ、自分の生き方を貫いているということ、また、自分の方針に従って生きているということの証拠ですし、自由に生きるために支払わなければならない代償であると考えていいのです。”
なんということか!自分という現実を自分が受け入れなかったことが状況を悪化させていたのだ。自分という現実を受け入れる勇気を持つこと。たったそれだけのことだったのか! -
Posted by ブクログ
『嫌われる勇気』をさらに深掘りして理解したい場合にオススメしたい一冊。『嫌われる勇気』と比べると平易な内容ではないが「アドラー心理学」により具体的に触れることができる。
アドラー心理学では、ある事象の因果を捉える場合に、原因ではなく目的として考える。
「不安であるから何かをしない」のではなく「何かをしないために不安でありたい」というように。
アドラーの直接引用だけではなく、岸見さんの言葉としても回避的な生き方に対する踏み込んだ考えには耳が痛い思いになったりする。とはいえ、優しすぎる今日ではこのような思いが貴重な機会になることに間違いない。