岸見一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても面白かったです。生きるとは何か、価値があるとはどういうことか、について考えることができたからです。
『生きるとは、進化ではなく変化』という言葉が、非常に強く印象に残りました。
子供が何かできるようになるのも変化。お年寄りが何かできなくなるのも変化。
進化というから退化という概念が生まれてしまう。
文章を読んでいて一番、思ったのは、
「老い方も個性」ということです。
こう捉えると、どんな変化も個性であり、生きることにも多いに価値があるのではと思えます。
自分らしさというのは、どんなことがあってもなくならない。
哲学的に色々考えることができて、とても良い本でした。
小説や偉人のセリフが -
Posted by ブクログ
著者の岸見さんはベストセラー『嫌われる勇気』の著者でもあり、アドラー心理学に興味がある人には本書も面白く感じられるかもしれない。『嫌われる勇気』が説く「他者の期待に縛られず、自分の信じる道を生きる」という考え方と、ストア哲学には共通する部分が多い。
最も印象に残ったのは、「一日ごとに終わりは近い」という言葉。これは、自分が好きなTHA BLUE HERBのBOSS THE MC(ILL-BOSSTINO)が『Matchstick Spit』という楽曲で使っていたフレーズと重なる。「人生は一回 それも短い 一日ごとに終わりは近い だけどもっと学びたい 見てみたい 聞いてみたい 近づきたい」。こ -
Posted by ブクログ
この本を読んでいると、まるで裸の自分を見せつけられているような気分になる。
“劣等コンプレックスは、心の中で起こっている現象ではなくて、むしろ人間関係の中でのコミュニケーションのパターンに他ならず、人生の課題を回避するための口実を持ち出すことです。持ち出される口実は、周りのものが思わず、しかたがない、そういう理由があるのなら、と思うようなものであることが多いのです。もちろん、そういう時に他の人のみならず、自分をも欺いているのであり、アドラーは、このような口実を、「人生の嘘」と呼んでいます。”
こんなことを言われると、ぐうの音も出ない。しかし、自分の人生を振り返ってみると、「人生の嘘」が状況 -
Posted by ブクログ
『嫌われる勇気』をさらに深掘りして理解したい場合にオススメしたい一冊。『嫌われる勇気』と比べると平易な内容ではないが「アドラー心理学」により具体的に触れることができる。
アドラー心理学では、ある事象の因果を捉える場合に、原因ではなく目的として考える。
「不安であるから何かをしない」のではなく「何かをしないために不安でありたい」というように。
アドラーの直接引用だけではなく、岸見さんの言葉としても回避的な生き方に対する踏み込んだ考えには耳が痛い思いになったりする。とはいえ、優しすぎる今日ではこのような思いが貴重な機会になることに間違いない。